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「人」をうまく巻き込む方法

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2014年3月15日に行なわれた植樹会の集合写真

NPO/NGO活動において「人」をうまく巻き込むことは、あらゆる分野でも非常に重要なこと。一般のボランティアとして、プロボノ(知識・スキルや経験を活かして社会貢献するボランティア活動全般)として、そして有給のスタッフとして。
プロジェクトを推進するために、出来るだけ多くの「人」に参加してもらうことは必要不可欠なことです。
課題を解決するために団体のビジョンに賛同してもらい、いかに「参加」してもらうか。
そのために必要なことは、一言でいえば「どれだけ相手を考えられるか」。その1点に尽きます。自分の視点ではなく、参加してもらう人の目線に経ってあらゆる組立を行なうことだと思っています。

ビフォーアフター

ビフォー

社会的な意義があれば、人はどんどん参加してくれる。そう考えがちな部分を持っていませんか?

アフター

人を巻き込むということは、建設的な関係を築くということ。長くお互い快く付き合える関係を構築できるように心がけましょう。

手順

1. 自分の活動を振り返る。

「人」を巻き込むこと。
そのためにはまず自分の活動をまず見直すことから始める必要があります。
自分の活動が他の人々にどんな風に見えるのか、
自分だけで考えず活動に関わっていない
他の人に聞いてみるのもとても良いと思います。
ここで重要なのは、その活動が社会的にどんな意味を果たすかも大切ですが、
もっと大切なのはそこではなく「巻き込む人」にとって
どんな「メリット」を提供出来るかを考えながら見直すことです。
何のための活動なのか?どんな目標を定めているか?
目標に対してどんなステップを設定して、活動しているか?
どんな組織体制なのか?社会への説明責任を果たせているか?
活動の良い部分と悪い部分。など。
一旦整理をして見直してみましょう。
人を巻き込む前に、まず自分を知ることから始めましょう。

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2. 巻き込みたい「人」を考える。

実際にどんな人を巻き込みたいか考えてみましょう。
たくさんの人に参加してもらいたい。
そう思うかもしれませんが、よくよく考えればどんな人を巻き込みたいか希望があるはずです。
先ほど整理をした自分の活動を見直したものと、照らし合わせると明確になりやすいかもしれません。
学生なのか、社会人なのか、性別や年代など,様々な属性で考えることも出来ます。
そしてどういう巻き込み方をしたいか整理しましょう。
ボランティアなのか、プロボノなのか、はたまた有給のスタッフなのか。
人数や期間、参加の度合い。どんなことをして欲しいのか。
上記をちゃんと整理してこそ、正しいアプローチを設定することが出来ます。

3. 活動を整理して「見せ方」を考えること。

ここまでに見直し整理した活動の情報、巻き込みたい人の設定が終わりました。
ここで、最初に見直し整理した活動の情報を、
巻き込みたい人にあわせて分かりやすく整理し「見せ方」を考えましょう。
ここで一番大切なのは相手にとっての分かりやすさ。
NPO活動に限らず、共感してもらえることは最も重要なことです。
自分が素晴らしい活動だと思っているだけでは人は巻き込めません。
いかに重要で必要なことなのか?そのために何をするのか?
そのためにどんな体制をとっているのか?
巻き込みたい人に分かってもらうための情報を整理し、提供出来る見せ方を整えましょう。

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4. 「巻き込みたい人」にどんなメリットを提示出来るか考える。

NPO/NGOにおいて活動の社会的な意義はもちろん重要です。
自分の行為がいかに課題解決に役に立っているかを感じられること。
先ほどのステップでここは提示出来るのではないでしょうか?
でも実はそれだけでは不十分です。
ここで考えなければならないのは、それとは別で
「もっと身近に感じられるメリット」を提示出来るかが重要です。
ここが人を巻き込むうえでの一番のポイントだと思います。
活動することでどんなメリットがあるのか、「巻き込みたい人の視点」で考えて下さい。
活動におけるやりがいなのか、様々な人とつながりが出来ることなのか、
その場での楽しさなのか、端的に金銭なのか。そのメリットはきっと一つではない筈です。
ここでもやはり分かりやすさが大切。
巻き込みたい人に端的に伝えられるように整理をしておきましょう。

5. 整理した情報を巻き込みたい人に取得してもらい参加してもらう。

1自分の活動についての情報
2巻き込みたい人
3その人に普段感じてもらえそうなメリット
この三点が揃いました。
いよいよ整理したものを巻き込みたい人に伝えるために準備をし、
巻き込みたい人の属性にあわせて取得しやすい形を整え情報発信を行ないます。
インターネットを利用したIT関連が一般化していますが、
巻き込みたい人にあわせて用意することが大切です。
ホームページや、facebookなどのSNSを中心としたWEB関連と
実際の人がいる場所で情報発信を併用するのが一般的だと思います。
場としては地域の市民活動センターや、各自治体の社会福祉協議会、
大学内などにあるボランティアセンター、
活動に関連するジャンルのイベントなど様々な場所がある筈です。
また伝える手段としても口頭で話すこと以外に、
フライヤー(チラシ)やボスター、メールマガジンやSNSなど様々なものあります。
必要に応じて使い分けましょう。
出来るだけ顔の見える情報発信を心がけて、
安心して参加してもらえることが大切です。

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6. 人を巻き込んだら必ず「フォロー」体制を。

活動に一度人を巻き込んだら、必ず必要なのが「フォロー」です。
その時の御礼はもちろんのこと、
後でもいいので、その人に「参加してもらったことで出来た成果」を明示してあげましょう。
人は成果を人に認めてもらえることで嬉しくなるものです。
そしてその時に、参加してみての感想も聞いてみてください。
どうしたらもっと快く参加出来たか、活動の情報が伝わりやすかったかなど。
しっかりと耳を傾けましょう。
自分にとって必ず前向きなものばかりではないかもしれませんが、
そういった部分が改善していくうえで非常に重要です。
「一緒に良くしていけないか?」と提案出来れば、
次に繋がる関係が出来るかもしれません。

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コツ

最初はもちろん満足に出来なくて当り前です。
私も日々勉強中。
大切なのはこの手順を繰り返し、「相手の目線」で常に改善を心掛けること。
そうすることでより的確にメリットを提示出来るようになっていきます。
当り前のことに聞こえるかもしれませんが、成功しか経験しない人はいません。
失敗の数だけ成功の確立が上がっていくものです。
あらゆる部分で自分なりのやり方を組み立てていきましょう。

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岡本 翔馬

1983年生まれ、岩手県陸前高田市高田町川原出身。
陸前高田市高田町内の小中高を経て、大学進学のため宮城県仙台市へ。卒業後上京、建築業界に勤務しインテリアコーディネーター資格を取得。建築会社にて勤務。
東京都千代田区の勤務会社にて震災を経験。 震災直後3月13日から現地に入りし、避難所の運営支援、炊き出し、物資の調達や運搬など、あらゆる緊急支援を実施。
2011年5月末に東京の勤務を退職し、同年6月に同級生の佐々木と一般社団法人を立ち上げSAVETAKATAを立ち上げ帰郷。 同年10月桜ライン311の団体を立上げに副代表として参加、2012年5月には地元のお祭り「七夕まつり」の実行委員会に副委員長として参加。2013年有志による「岩手×若手会議」に参画。同年4月より陸前高田まちづくりプラットフォーム委員長。
2013年5月末日にてSAVE TAKATAの理事を辞し、7月1日より立ち上げ時から副代表を務める桜ライン311の代表理事に就任。
桜ライン311
http://www.sakura-line311.org/

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本記事は、2014年03月31日公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。
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