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支出してはいけない「営利・宗教・政治への寄付」等のチェック方法

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認定取得を目指すNPO法人や認定・仮認定NPO法人になった団体には、認定基準上支出してはいけないものが出てきます。明確に禁止されているものとして「営利・宗教・政治関係者への寄付」があり、他にもいくつかの支出には十分な注意が必要です。最近ではこの基準への抵触が原因で、不認定や取下げになる団体も多いので、チェック方法を学びましょう!

ビフォーアフター

ビフォー

●うっかり企業や宗教法人に寄付してしまい認定や仮認定が3年間取れなくなる。
●認定取得後に政治団体へ寄付してしまい認定が取り消される。

アフター

●認定基準のNG支出をマスターし、スムーズに認定取得できる。
●認定取得後も取り消されるリスクを抑えられる。

手順

1. 「営利・宗教・政治への寄付」をチェックする。

まず最初は、認定基準で明確に禁止されている「営利・宗教・政治への寄付」をチェックします。認定・仮認定を目指す団体や認定NPO法人等は、以下の3つのカテゴリーに属する者(個人・法人)に寄付をしてはいけません。チェック対象となるのは皆さんの団体が「寄付をする場合(費用に計上される場合)」です。「寄付をもらう場合(収益に計上される場合)」は通常問題ありません(一部政治関係を除く)。以下の3つに該当する支払先に「寄付金」や「協賛金」、「献金」などを団体から払っていないか確認しましょう。

●(1)営利(営利を目的とした事業を行う者)
例えば、株式会社や個人事業主などが該当します。日頃お世話になっている会社やお店には、お祝いやご祝儀などお金でお返ししたくなることもあるかもしれませんが、それは禁物です。お金ではなく成果でお返ししましょう。

●(2)宗教(宗教活動を行う者)
宗教法人や宗教団体を指しますので、例えば神社や寺、教会その他宗教活動を行う者が該当します。実際によくある事例だと、会場をお借りした寺社や教会に会場費を払おうとすると、「寄付」でお願いと言われることもあるようですが、先方の意向に沿って「寄付」として支出してしまうと認定基準に抵触する恐れがあります。この例だと、実態は会場使用の対価ですから、「会場費」として支払うのが良いと思います。

●(3)政治(政治活動を行う者、政治家、候補者)
政党や政治団体、首長、議員、候補者などが該当します。政治関係は上記の2つと違って、認定基準の他にも「公職選挙法」や「政治資金規正法」など関連する法令で「寄付」に関する制限が課せられていますので、十分な注意が必要です。また、寄付ではありませんが、政治資金パーティの会費も問題視されることがあります。注意して下さい。

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2. 「役職員や正会員、寄付者への寄付」をチェックする。

他のテーマでも触れていますが、皆さんの団体の役職員・正会員・寄付者などへ寄付することは禁止ではありませんが、慎重な検討が必要です。認定基準では、役職員や正会員、寄付者などに「特別な利益を供与すること」が問題になります。NPOや個人を対象した助成事業を行っているなどの合理的な理由もなく、これらの個人や法人・団体に対し、寄付をしていることは問題視される可能性があります。

3. 「理事長などの個人的活動への支出」をチェックする。

NPO法人の理事長や理事は活動の中心的メンバーとして頑張っていることが多いと思います。中には、理事長が孤軍奮闘している団体もあるでしょう。こうした団体ではなかなか理事長個人とNPO法人との区分も難しい面もあるかと思いますが、あくまで個人は個人、法人は法人で、法的には別の存在です。当然のことながら、お財布(収入支出・資産負債)もしっかり区分して公私混同が無いようにしなければいけません。

理事長個人の私的な旅行や趣味に関する費用が団体からの支払いに紛れ込むことのないようにチェックして下さい。

4. 「目的・活動・事業と関係のない支出」をチェックする。

NPO法人は目的を達成するための特定非営利活動事業を行うために存在している団体ですので、これと関係のない支出が多いのは問題です。例えば、NPO法上の「その他の事業」に記載もないのに、特定非営利活動事業と全く関係のない書籍や機材を仕入れていたり、当面使用する予定もない不動産を役員から買い取っているなど、目的・活動・事業との関連を見いだせない支出は問題になりうるのでチェックしましょう。

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5. こうしたルールの周知徹底・マニュアル化

こうした支出へのチェックは、日頃からの役職員への周知徹底が重要となります。認定を目指す団体はぜひ理事会や事務局会議などで禁止事項をシェアしておきましょう。その上で日頃の対策としては、理事長や事務局長、会計担当者が入口でのチェックをして、団体経費から支出しないように注意することが大切です。
最終的には、団体の監事が決算後の監査の際に、これらのような支出が紛れ込んでいないかを確認することになります。

コツ

「営利・宗教・政治」関係者・団体には絶対に寄付をしない。適正かどうか微妙な支出はなるべく避ける。

NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会

1994年11月創設。1998年のNPO法成立、2001年の認定NPO法人制度成立、そして2011年6月の制度大改正を市民側からリード。市民活動を支える制度を勝ち取ってきました。NPOの個別サポートプログラムを4月からスタート。これからのシーズは、「基盤整備の時代」から「NPOの成長と成果の時代」を目指します。

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本記事は、2014年04月10日公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。
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