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行政 : 新難民制度、NPO関係者も参与員に
投稿日時: 2005-5-20 10:00:00 (3197 ヒット)

 5月16日から、改正難民認定制度がスタートした。第三者による難民審査参与員制度も設けられ、難民性が認められなかった際の不服申立ての際には、民間人である参与員の意見を参考にすることとなった。参与員には、NPO関係者を含む19名が任命されたが、選出基準が不明確なことへの不満の声もあがっている。


 平成16年6月2日に成立した「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律」のもとで、今年5月16日、改正難民認定制度が施行された。



 これまでは、来日後60日以内に難民申請をしなった場合、それだけを理由に不認定となることがあったが、このいわゆる「60日ルール」が撤廃された。



 その他の改正のポイントは、次の3つ。





1.仮滞在許可制度の創設



 これまで、難民認定の審査期間中であっても、不法滞在を理由に難民認定申請者が強制退去や強制収容などの対象となる事例があり、非人道的扱いであるとして問題視されてきた。



 しかし、この改正により、申請者の法的地位の安定を図るため、「仮滞在許可」制度が創設された。今後、仮滞在許可を受けた者については、退去強制手続きなどを停止し、難民認定手続きを先行して行うこととなった。



 ただし、一定の退去強制事由に該当していたり、来日から6ヶ月を経過した後に難民認定申請を行ったり、第三国経由で来日した場合などは、この対象にならないことがある。



 また、仮滞在許可を得ても、その期間は3ヶ月と短く、延長のためには更新申請が必要。



 加えて、仮滞在許可を得ても、日本で働くことは許されない。



 さらに、仮滞在許可を得られなかった難民認定申請者は、仮放免される場合もあるが、入国管理局に収容(拘禁)されないという保障もない。



 仮滞在許可を受ける要件のなかには、入国管理局の裁量によって判断が変わるものが多く、どのように適用されるのかについては不透明さを残している。



2.難民と認定された者の法的地位の安定化



 これまで、難民として認定を受けた場合であっても、在留許可についてはその後、別途手続きを行う必要があったが、法的地位の安定を早期にはかるために、難民として認定するか否かの判断と、在留を許可するか否かの判断を同時に行い、法的地位の安定化が早期にはかられることとなった。



3.不服申立制度の見直し(民間人からなる難民審査参与員制度)



 難民認定手続きの公正性・中立性を高めるため、第三者を不服申立ての審査手続きに関与させる難民審査参与員制度が創設された。これは、難民と認められなかった人たちが異議申し立てをした時に、民間人らの意見を参考にする新しい制度。



 参与員の意見には法的拘束力はないが、法務大臣は参与員の意見を尊重して異議申し立てに対する決定を行うこととなる。



 法務省は、参与員には、法曹実務家、元外交官、商社等海外勤務経験者、海外特派員経験者、国際政治学者、国連機関勤務経験者、法律専門家などから選任としてきたが、次の19名が参与員として決まり、5月16日に発令を受けた。参与員の任期は2年。



 参与員には、NPO法人関係者も含まれている。




  • 新垣 修(志学館大学助教授)
  • 安藤任介(同志社大学教授)
  • 石橋義明(元米国松下電子工業取締役)
  • 市川正司(弁護士)
  • 岩沢雄司(東京大学教授)
  • 甲斐紀武(元チュニジア大使)
  • 河内悠紀(元大阪高検検事長)
  • 坂井一郎(元福岡高検検事長)
  • 下方元子(元大阪高裁判事)
  • 田中信義(元NHK報道局チーフディレクター)
  • 鳥居淳子(成城大学教授)
  • 中山 猛(元東京海上火災保険国際部参与)
  • 花水征一(弁護士)
  • 星野昌子(元神奈川人権センター理事長)
  • 松本 進(元衆院法制局部長)
  • 丸山俊二(元チェコ兼スロバキア大使)
  • 村上敬一(元東京高裁判事)
  • 柳瀬房子(NPO法人難民を助ける会理事長)
  • 山田浩三(元読売新聞編集局選任部長)




 今回の改正法には衆議院・参議院で「NGO等の民間の難民支援団体からの推薦者を含め適任者を選出するよう留意すること」という付帯決議が付されていたため、難民問題に関わるNGO・NPO26団体が、参与員に必要と考える基準を明らかにした上で、実務を行っている者を推薦していたが、結局、この中には含まれなかった。



 複数のNPOの関係者のなかには、この選出に疑問を呈する声も上がっている。



 アムネスティ・インターナショナル日本の難民問題担当の柳下氏は、




 「今回の改正には、一定の効果があると思われ、今後に期待している。一方で、裁量範囲が広く設けられているため、運用次第では改正目的である難民保護の推進に逆行する恐れもある。また、参与員は、異議申立人の陳述に立ち会ったり、直接意見を聞くことになるため、各国の人権情報の収集や分析能力だけでなく、国際難民法に精通した上で、法律に関する解釈能力、異文化コミュニケーション能力、インタビューの技術など、さまざまなスキルが要求される。そういう意味で、今回の選出の基準はどういうものなのかを明らかにして欲しい」




と語っている。



 新しい難民認定制度については、法務省の次のページが参考になる。

 http://www.moj.go.jp/

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