NPOWEBは、
NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会が運営する
NPO・市民活動に関するニュース&情報サイトです。
 
ホーム  |  ニュース  |  助成金情報  |  イベント案内  |  なんでも質問箱  |  【寄付・会員募集中】
 
【最新情報】Twitter
Twitter(ツイッター)
絶好調!
ぜひフォローを!

その他 : 政府、経済対策でNPO・社会的企業支援へ
投稿日時: 2009-12-16 19:00:00 (3913 ヒット)

 12月8日、政府は「明日の安心と成長のための緊急経済対策」を閣議決定し、発表。NPOや社会的企業の支援を打ち出した。「『新しい公共』推進プロジェクト(仮称)」を開始して、法人制度や寄付金税制を含め社会的企業法制の検討する方針だ。

 「明日の安心と成長のための緊急経済対策(緊急経済対策)」は、金融危機後の世界的な不景気の影響を受けた日本の厳しい経済・雇用状況や円高・デフレ状況に対応するため、新政権下で初めてまとめられた経済対策。

従来の経済対策や雇用対策でもNPOの活用や育成などが盛り込まれていた。今回の対策中にも、「『新しい公共』推進プロジェクト(仮称)」の立ち上げが盛り込まれ、NPOや社会的企業の支援が打ち出されている。

参考ニュース「政府の緊急雇用対策全文」(1999/07/05)
http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=683

参考ニュース「政府雇用対策に『NPOの育成』」(2001/06/27)
http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=446

今回の緊急経済対策の財政規模は24兆円程度で、その内の国費は7兆円程度。財源の手当ては、第1次補正予算の執行停止分などを工面し、今年度の第2次補正予算で行う。

対策の実施に当たっては、3つの原則が示されており、その中に「『知恵』を活かして、『国民潜在力』の発揮で景気回復を目指す」が掲げられた。ここでは、以下の2点が述べられている。

・できる限り財政に依存せず、制度・規制など「ルールの変更」や国民一人ひとりの積極的な参加によって、国民が持っている潜在力(国民潜在力)が発揮されることを重視する。
・とくに、新たな需要創出に向け、これまで大きな岩盤に突き当たり、停滞してきた制度・規制改革に正面から取り組む。

鳩山首相の所信表明演説や行政刷新会議の事業仕分け結果などから推測できる、財政支出に頼らず既存の制度や規制を改革することで、経済成長や福祉の充実を目指すという方針が垣間見える項目だ。

対策の柱は、「雇用」「環境」「景気」。それらに加え「生活の安心確保」・「地方支援」・「『国民潜在力』の発揮」が主要項目。
具体的な対策としては、雇用では「雇用調整助成金の支給要件緩和」や「ハローワークのワンストップサービス充実」。環境では「エコポイント制度の継続」や「再生可能エネルギー全量買取制度導入の検討」。景気では「中小企業に対する金融円滑化」や「住宅版エコポイント制度の創設」が計画されている。

NPOや社会的企業の支援は、「雇用」と「『国民潜在力』の発揮」に盛り込まれている。ソーシャル・ビジネスやコミュニティ・ビジネス、社会起業家、ソーシャル・エンタープライズなどとも呼ばれる社会的企業に関しては、民間側での取り組みをはじめ、最近では経済産業省など行政も支援に乗り出している。

参考ニュース「NPO法人はソーシャルビジネスの担い手」(2008/04/16)
http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=2977

参考ニュース「経産省、ソーシャルビジネス55選を発表」(2009/03/04)
http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=3104

参考ニュース「社会的企業・社会起業家支援イベント続々と」(2009/08/21)
http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=3173

--------------------------------------------------------------
緊急雇用対策

<地域社会雇用創造>
○雇用支援分野での「社会的企業」の活用
 ・地域再生・街づくり、環境・農林、介護・保育、教育・人材、起業支援等の多様な生活関連サービス分野における新たな雇用の場として、NPOや社会起業家などが参加する「社会的企業」主導の「地域社会雇用創造」を推進する
 ・特に若者など困難を抱えた人々を労働市場に結びつける雇用支援分野での活用を図る
 ・NPO法人等の社会的企業が保育所との連携の下に行う家庭的保育事業の試行的実施
--------------------------------------------------------------

「雇用」の項目では、政府の緊急雇用対策本部が10月23日に発表した「緊急雇用対策」中で打ち出している「地域社会雇用創造」(上記参照)をベースに、下記のように社会的起業の支援や人材育成が盛り込まれた。

--------------------------------------------------------------
緊急経済対策

1.雇用
―緊急対応策を強化するとともに、雇用戦略を推進する。

(4)緊急雇用創造の拡充
成長分野を中心とした雇用創造を推進するため、先般策定した「緊急雇用創造プログラム」の拡充を図る。
○地域社会雇用創造事業の創設
 (ア)社会起業インキュベーション事業
 ・NPOや社会起業家など社会的企業等の創業・事業化を通じて、「地域社会雇用」を創造する。このため、社会起業プラン・コンペティションを通じて、スタートアップ等を支援する。
 (イ)社会的企業人材創出・インターンシップ事業
 ・ 社会的企業分野におけるインターンシップを含めた人材創出に取り組む。
--------------------------------------------------------------

「『国民潜在力』の発揮」の項目では、「働く人の休暇取得推進プロジェクト(仮称)」と共に、鳩山首相が所信表明演説で触れた「新しい公共」の実現を目指す「『新しい公共』推進プロジェクト(仮称)」開始が打ち立てられている。その中で、下記のように、NPO法人など法人制度のあり方や寄付金税制の問題も含め、社会的企業の法制を検討することが示された。NPOの支援や寄附税制拡充に熱心な鳩山首相の方針が反映されているとも言えそうだ。

参考ニュース「鳩山首相、所信表明・代表質問でNPO支援」(2009/11/11)
http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=3208

また、多様な主体の対話や協働を行う場として「『新しい公共』を実現する円卓会議」の開催も盛り込まれた。各紙の報道によると、この円卓会議は前政権が設置した「安全・安心で持続可能な未来に向けた社会的責任に関する円卓会議」を改編する形で、開催されていくとのことだ。

参考ニュース「社会的責任円卓会議にNPO/NGOが提案へ」(2009/06/24)
http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=3149

また、「制度・規制改革プロジェクト(仮称)」では、幼保一元化に関連して保育分野へのNPOの参入促進が盛り込まれている。

--------------------------------------------------------------
6.「国民潜在力」の発揮
―「ルールの変更」や社会参加支援を通じて、国民の潜在力の発揮による景気回復を目指す。

(1)「制度・規制改革プロジェクト(仮称)」
新たな需要創出に向けて、これまで大きな岩盤に突き当たり、停滞していた制度・規制改革に正面から取り組む。

\度・規制改革
新たな需要創出に向けた規制改革の重要課題については、行政刷新会議において下記を含む重点テーマを設定し、その実現に向け積極的に取り組む。
○幼保一体化を含めた保育分野の制度・規制改革
― 幼保一体化を含め、新たな次世代育成支援のための包括的・一元的な制度
の構築を進める。
― このため、主担当となる閣僚を定め、関係閣僚の参加も得て、新たな制度について平成22年前半を目途に基本的な方向を固め、平成23年通常国会までに所要の法案を提出する。
(イ)イコールフッティングによる株式会社・NPO の参入促進
・ 株式会社、NPO・社会的企業も含めた更なる参入促進を図るべく、客観的基準による指定制度の導入を検討する。
・ また、施設整備補助の在り方、運営費の使途範囲・会計基準等の見直しについても、制度設計の中で検討する。

(2)「『新しい公共』推進プロジェクト(仮称)」
国民一人ひとりが、人を支えるという役割を積極的に担うことにより、新たな雇用の場を創造する。そのため、NPOや社会起業家など「社会的企業」主導の「地域社会雇用創造」を本格的に推進する。さらに、社会的企業の法制面の検討や関係者が幅広く参加する「円卓会議」を開催する。

<具体的な措置>
○地域社会雇用創造事業の創設(再掲)
○「社会的企業」の法制面の検討(寄付金税制を含む)
 ・ 国民の社会的活動への多様な参画を促進する観点から、社会的企業の起業、活動が促進されるよう法制面から検討する(NPOなどの法人制度のあり方や寄付金税制の問題も含む)。
○「『新しい公共』を実現する円卓会議」の開催
 ・ 「新しい公共」の考え方を国民各層の自発的な取組や行動に結びつけるため、NPO・企業・学者等による対話・協働を行う場として、円卓会議を開催する。
--------------------------------------------------------------

経済産業省の調査では、社会的企業(ソーシャル・ビジネス)の約半数は特定非営利活動法人(NPO法人)で運営されていることが分かっている。

緊急経済対策でも触れられているように、「新しい公共」や社会変革の担い手として、また、雇用の受け皿としてNPOや社会的企業への期待は高まる一方だ。

彼ら彼女らが、もっと自由に、より活発な社会貢献活動を継続的に行えるように、認定NPO法人制度における事業型NPOの認定取得問題やみなし寄附金問題、小規模NPO法人への課税問題などの解決に取り組むことを期待したい。

シーズとしては、今後の議論を注視していきたい。

「明日の安心と成長のための緊急経済対策」の全文は、首相官邸サイト内の下記PDFファイルを参照。
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2009/1208kinkyuukeizaitaisaku.pdf

印刷用ページ このニュースを友達に送る

Copyright 1994-2011 NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 All Rights Reserved.