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その他 : 【速報】特例延長・手続簡素化などが実現へ!
投稿日時: 2009-12-23 20:00:00 (4036 ヒット)

 12月22日、政府は「平成22年度税制改正大綱〜納税者主権の確立へ向けて〜」を閣議決定し、公表した。認定NPO法人制度については、実績判定期間の特例措置の延長をはじめ、再認定の書類審査化や申請・報告書類の削減、審査期間短縮などが実現する。また、寄附金控除適用下限額の引き下げや市民公益税制PTの設置も盛り込まれた。

 政府の「税制改正大綱」は、政府として翌年度の税制改正法案の内容を決定するもの。

従来の税制改正作業では、12月15日前後に与党が翌年度の「税制改正大綱」を決定し、それを受けて、財務省が12月下旬に翌年度の「税制改正の大綱」を決定していた。政府は、この「税制改正の大綱」を基に、翌年度の予算案・税制改正案を作成し、通常国会に予算関連法案として一括して提出。3月末までに成立を図るのが常だった。

新政権下の税制改正作業では、政府と与党の税制調査会(税調)が統合され、税制改正議論が新たに設置された政府税制調査会(新政府税調)に一元化された。全員が国会議員で構成される新政府税調は、10月の発足以後、各省庁から提出された税制改正要望や租税特別措置の見直しなどについて議論。

特定非営利活動法人(NPO法人)に関する税制改正については、認定NPO法人制度の改正や寄附税制の拡充が「市民公益税制(寄附税制)」としてまとめられ、主要項目として検討されてきた。

参考ニュース「政府税調、市民公益税制(寄附税制)を議論」(2009/11/18)
http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=3211

議論終盤の12月16日に与党民主党から、「平成22年度予算重要要点」が提出され、12月17日には民主党・社民党・国民新党の与党3党から、「平成22年度国家予算与党三党重点要望」が提出された。これらは与党としての税制改正と予算編成の重点を打ち出すものであり、従来の与党税制改正大綱に類似したものといえる。

税調での議論が膠着していた状況での与党側の要望は、結果として税制改正をほぼ決定付けるものとなり、大綱とりまとめが加速。当初12月11日に予定されていた大綱発表は、2度の延期を経て、12月22日に実現した。

今回の税制改正大綱では、NPO/NGO関連事項で、認定NPO法人制度と寄附金控除制度の改正と市民公益税制プロジェクト・チーム(PT)の設置が盛り込まれた。具体的な改正事項ではない部分でも、NPOの重要性や期待が述べられている。

認定NPO法人制度の改正については、認定要件の緩和とみなし寄附金制度の拡充は盛り込まれなかったものの、NPO/NGO に関する税・法人制度改革連絡会の要望を受けて、内閣府が要望していた項目がかなり盛り込まれた。

特に、認定申請を検討・準備している団体から強い要望があった実績判定期間の特例延長は、認定申請数の回復・増加に結びつくもので、効果は大きい。

これで認定NPO法人制度は7回目の制度改正となる見込み。

具体的には下記項目が盛り込まれている。
【認定NPO法人制度】
●実績判定期間の特例延長
平成21年度末で終了予定だった実績判定期間の特例措置(2年の選択も可能にする措置)がもう1年間延長される。

●2回目以降の認定(再認定)は原則書類審査化
既に認定を受けている団体が行う2回目以降の認定(再認定)は、原則書面による審査となる。実地の調査は事後的なものへ変更される。

●申請・報告書類の明確化と削減
NPO法人が所轄庁に提出している事業報告書や収支計算書、役員名簿などは認定申請時の提出が不要になる。初回申請時においては、実質恒常化していた寄付者名簿の提出が明確化される。認定後の報告書類から寄付者名簿が削除され、再認定時の提出も不要になる。その他一部報告書類が削減され、報告書類と重複する一部申請書類は提出不要となる。

●審査期間の短縮
認定審査について行政手続法上の「標準処理期間」が「6ヶ月」と定められ、公表される。

●相談・審査体制の強化
認定NPO法人制度に関する相談窓口が現在の12ヶ所から全都道府県庁所在地にある税務署まで大幅に拡充される。また、迅速な認定ができるように審査体制も強化。

認定NPO法人への寄付をはじめ、国・地方自治体や特定公益増進法人(独立行政法人、財団・社団法人の一部、社会福祉法人、更生保護法人、学校法人、公益社団・財団法人など)、政党・政治団体への寄付などは、所得税の寄附金控除の対象となっている。今回の税制改正大綱では、寄附金控除下限額(足切り金額)の引き下げも盛り込まれた。

【寄附金控除制度】
●寄付金控除適用下限額の引き下げ
所得税における寄附金控除制度の適用下限額が5000円から2000円に引き下げられ、低額の寄付でも寄附金控除制度を利用できるようになる。

さらに、今回見送られたみなし寄附金制度の拡充をはじめ、寄附税制や公益活動を担う法人(NPO法人や公益法人など)の税制を専門的・総合的観点から検討するプロジェクト・チーム(PT)設置も盛り込まれた。

【今後の検討体制】
●市民公益税制プロジェクト・チーム(PT)の設置
税調内に、寄附税制やNPO法人・公益法人税制を検討するPTを設置。2010年4月末までを目途に改革に向けた検討を行う。

寄附税制をはじめ、NPOや社会的企業をめぐる税制については、政府の緊急経済対策でも「『新しい公共』推進プロジェクト(仮称)」の一環として、議論されることになっている。

参考ニュース「政府、経済対策でNPO・社会的企業支援へ」(2009/12/16)
http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=3223

税調の市民公益税制PTは、年明けにも設置される見込みで、4月末までにある程度のとりまとめを行う方針のようだ。『新しい公共』推進プロジェクト(仮称)と併せて、2010年前半は寄附税制やNPO法人税制の議論が、非常に活発になると思われる。

事業型NPOの認定取得の問題など本丸の抜本的改革が今後の課題だ。今回の税制改正大綱や緊急経済対策などから読み取れるように、政府や与党議員は積極的な姿勢を示している。平成23年度税制改正に向けて、今後は抜本改革を強く訴えていく必要がある。

税制改正の実現には、引き続き多くの方々のご支援やご協力が不可欠だ。ぜひ、今後とも一緒に改正活動へ参加していただければ幸いだ。

今回の改正にご尽力いただいた内閣府の大島敦副大臣・泉健太大臣政務官はじめ、内閣府市民活動促進課など政府関係者や、与党議員の方々に、心より御礼申し上げる。併せて、今回の改正活動では、NPO/NGO に関する税・法人制度改革連絡会参加団体をはじめ、認定NPO法人ネットワーク参加の認定NPO法人など多くの団体・個人の方にご協力をいただいた。この場を借りて、深く感謝申し上げたい。

政府の「平成22 年度税制改正大綱〜納税者主権の確立へ向けて〜」の内、認定NPO法人制度や寄附税制に関連する部分は下記の通り。

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平成22 年度税制改正大綱〜納税者主権の確立へ向けて〜

第3章 各主要課題の改革の方向性

8.市民公益税制(寄附税制など)
従来、公共は行政により専ら担われてきました。昨今、市民・事業者・行政が協働して課題を解決していく「新しい公共」の役割が重要性を増してきています。
少子高齢化が進む中、国民が安心して暮らすことのできる社会を実現するため、教育や子育て、街づくり、防犯や防災、医療や介護・福祉などの公益活動に市民が積極的に参加していけるよう、社会全体で支えていく必要があります。
市民が担う公益活動を資金面で支える上で寄附の役割は重要です。市民公益税制に係るプロジェクト・チーム(PT)を設置し、平成22 年4月末を目途に成果を得るよう改革に向けた検討を進めます。PTでは、寄附税制に加え、公益活動を担う法人(NPO法人や公益法人など)に係る税制についても検討を行います。

第4章 平成22 年度税制改正

1.平成22 年度税制改正の考え方
鳩山政権では、支え合う社会を実現するとともに、経済・社会の構造変化に適応し、国民が信頼できる税制を構築する観点から、税制全般にわたる改革に取り組むこととしています。
こうした取組の第一歩として、平成22 年度税制改正においては、「控除から手当へ」等の観点からの扶養控除の見直し、国民の健康の観点を明確にしたたばこ税の税率の引上げ、「新しい公共」を支える市民公益税制の拡充、納税者の視点に立った租税特別措置等の見直しその他の各般の税目にわたる所要の措置を一体として講じます。

7.市民公益税制(寄附税制)
〔国税〕
(1)認定NPO法人に係る措置
国税庁が行う特定非営利活動法人(以下「NPO法人」といいます。)の認定審査について、2回目以降の認定は、原則として、書面審査により行うこととし、適正性の確保については、事後的な実地確認により行うこととします。併せて、認定手続の簡素化等を図るため、次の見直しを行います。

初回の認定を受けようとするNPO法人のパブリック・サポート・テスト等の実績判定期間を2年(原則5年)とすることができる特例の適用期限を1年延長します。

認定NPO法人の申請書の添付書類及び各事業年度の報告書類等について、次のとおり簡素化します。
イ 寄附者名簿について、初回の認定に係る申請書の添付書類であることを明確化するとともに、各事業年度の報告書類から除外し、5年間保存することを義務付けます。
(注)これに伴い、上記の保存義務違反を認定の取消事由に追加します。

ロ 事業報告書等の所轄庁から入手することができる書類を申請書の添付書類及び各事業年度の報告書類から除外し、国税庁長官が所轄庁からこれらの書類又はその写しの提出を受けることとします。
(注)これに伴い、NPO法人が特定非営利活動促進法の規定により所轄庁に対し事業報告書等の提出をしていることを認定要件に追加します。

ハ 「報酬又は給与を得た役員又は従業員の氏名及びその金額に関する事項」を閲覧事項及び各事業年度の報告事項から除外します。

ニ 「社員の親族割合又は特定法人等割合に関する事項」を閲覧事項及び各事業年度の報告事項から除外します。

ホ 「財産の運用及び事業運営の状況等」の書類について、2回目以降の認定申請の際には、既に各事業年度の報告書類に記載した事項の記載を不要とします。

ヘ 認定要件の該当性や申請書類の記載内容を確認するための参考書類としてNPO法人が提出を求められる書類をより明確化する観点から、国税庁の「認定NPO法人制度の手引」等にその事例を明示するなどの施策を講じます。

NPO法人の認定申請の標準処理期間(6月)を設定し、これを国税庁のホームページで公表します。

各都道府県庁所在地にある税務署にNPO法人の認定申請の相談窓口を設けるなど事前相談体制を充実するとともに、審査体制を強化します。

(2)所得税の寄附金控除の適用下限額の引下げ
寄附金控除の適用下限額を2千円(現行5千円)に引き下げます。
(注)上記の改正は、平成22 年分以後の所得税について適用します。

11.検討事項
〔国税〕
(5)市民公益税制プロジェクト・チームの設置
第3章でも述べたとおり、市民公益税制に係るプロジェクト・チームにおいて、寄附税制や公益活動を担う法人(NPO法人や公益法人など)に係る税制について、専門的・総合的観点から検討します。その際、次の項目についても、併せて検討します。

認定NPO法人の収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出(繰入れ)をした金額をその収益事業に係る寄附金の額とみなして寄附金の損金算入限度額の範囲内で損金算入を認める制度(いわゆる「みなし寄附金制度」)に係る損金算入限度額の引上げについては、他の公益法人における「みなし寄附金制度」とのバランス等も踏まえつつ検討します。
研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律に基づく研究開発法人に対する寄附金を指定寄附金とする制度の創設については、独立行政法人改革との関係を整理した上で、特定公益増進法人に対する寄附金から指定寄附金とする場合の効果等について検討します。
寄附文化醸成に向けた寄附税制の拡充については、所得税の寄附金控除の適用下限額の引下げを含むこれまでに行った制度拡充の効果の検証を行うとともに、寄附金控除を年末調整の対象とするか否かについては、執行面の問題などを検討します。
給付制奨学金事業を行う民間団体への寄附金に係る税額控除制度の創設については、特定の団体への寄附のみを税額控除化することの適否を検討します。

〔地方税〕
(1)個人住民税における寄附金税額控除の対象となる寄附金の範囲について、市民公益税制に係るプロジェクト・チームにおいて検討します。

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その他、NPOへの言及などは下記の通り。

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はじめに

2.鳩山政権での対応
(1)構造変化への対応・新たな国づくり
・・・第二に、チルドレンファーストの考え方に立ち、子どもは「社会の宝」として、社会全体で責任をもって育て上げる体制を作り、少子化に歯止めをかけることを目指しています。具体的には、現金給付型サービスの拡充と併せて、NPOなどの「新たな公共」の担い手の参画も得ながら、市場では調達しにくい育児・保育サービスなどの現物給付型サービスが子どもを持つ世帯に行き渡るようにする政策をセットで提供していきます。男女の働き方を制約している要因を取り除き、家庭での時間を大切にできるような政策を進めることも重要です。

(2)政府への信頼の回復・国民不安の解消
・・・第二に、社会の公益を重視します。営利事業者や行政だけではなく、NPOなども含めて、皆で協働して社会の公益を実現していく「新しい公共」づくりを重視し、支援する仕組みの検討を進めています。

第2章 新しい税制改正の仕組み

1.新しい税制調査会の設置
・・・鳩山政権では、予算編成過程を抜本的に透明化・可視化するとの方針の下、国民の皆さんにどのような議論が行われているのかが良く見えるようにしています。歳出面における行政刷新会議の事業仕分けの全面公開などと同様、歳入面でも、税制調査会の審議の模様をインターネット中継によりリアルタイムで配信するとともに、その議事録や資料を迅速に公表することとしました。
さらに、税制調査会には、各府省の副大臣が委員として参加し、多様な税制改正要望が反映できるようにしました。各府省では、税制改正要望を公募したり、提出された税制改正要望のヒアリングを公開するなど様々な工夫が行われており、今後もこうした透明化の工夫を進めていく必要があります。
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政府の平成22年度税制改正大綱の全文は下記PDFファイルを参照。
http://www.cao.go.jp/zei-cho/etc/pdf/211222taikou.pdf

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