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行政 : 公益法人制度改革の概要
投稿日時: 2003-2-26 10:00:00 (1157 ヒット)

 政府が検討していると考えられる公益法人制度改革の概要をお知らせする。NPO法人、公益法人、中間法人を一本化して「非営利法人」とし、原則課税。その上で、原則非課税となるには「登録」が必要だが、それにはさまざまな要件が必要となるという案だ。

 政府が検討していると考えられる公益法人制度改革の概要をお知らせする。NPO法人、公益法人、中間法人を一本化して「非営利法人」とし、原則課税。その上で、原則非課税となるには「登録」が必要だが、それにはさまざまな要件が必要となるという案だ。  政府は、昨年3月29日に「公益法人制度の抜本的改革に向けた取り組みについて」を閣議決定した。

 この閣議決定では、「公益法人について指摘される諸問題に適切に対処する観点から、公益法人制度について、関連制度(NPO、中間法人、公益信託、税制等)を含め抜本的かつ体系的な見直しを行う」とした上で、以下のようにスケジュールを定めている。

 『平成14年度中を目途に「公益法人制度等改革大綱(仮称)」を策定し、改革の基本的枠組み、スケジュール等を明らかにする。また、平成17年度末までを目途に、これを実施するための法制上の措置その他の必要な措置を講じる。』

 この閣議決定を受けて、政府では、現在、公益法人制度を改革するにあたり、以下の二つの機関で検討が進められている。


  • 法人制度に関しては、内閣官房におかれた行政改革推進事務局と担当大臣の私的諮問機関である「公益法人制度の抜本的改革に関する懇談会」
  • 課税の部分を政府税制調査会の下に設置された「非営利法人課税ワーキンググループ」(事務局は財務省)


 現在、この2つの機関とも、検討を非公開で進めている。そのため、正確にどのような案が検討されているのかは、十分把握できないのが現状である。また、検討中の点も多数あり、固まっていない部分も多くある。

 そのような状況にあることを踏まえた上で、シーズ事務局が、さまざまな情報を総合して、現在、検討されていると考えられる案の概要を以下紹介する。

 ただ、まだ検討中のため、かならずしも「これが政府の案」といえるわけではないことを注意いただきたい。案は徐々に変更されているので、現時点では、すでに変更されている点があるかもしれないこともご了承いただきたい。

 不正確な部分があるかもしれないが、ともかく少しでも情報を共有することが大切と判断し、以下の内容をお知らせする次第だ。(このような状況なので、間違い等があった場合は、ご寛恕いただきたい)



1.改革のスケジュール

 改革の基本的スケジュールは以下の通り。


  • 2003年3月末までに、改革の方向性を定めた「公益法人制度等改革大綱(仮称)」を策定し、閣議決定する。
  • 2004年3月末までに、「法人制度の具体案および税制の枠組み」 を決める。「大綱」で、NPO法人の扱いが決まらない場合は、ここまでに決める。
  • 2006年3月末までに、法制上の措置その他の必要な措置を講じる。
  • そこで決められた法施行日以降に新法人へ移行を行う。


2.法人制度の骨格


  • 公益法人(社団法人、財団法人)と中間法人を一本化し、「非営利法人」という新しい法人制度を設ける。
  • NPO法人の制度については、この非営利法人の制度の中に発展的に解消される可能性が高い。(これについては、今年3月に大綱が出た後、1年程度をかけて検討するが、基本的には、非営利法人と一本化する方向で検討する)
  • 財団の制度もこの非営利法人制度の中で存続させるが、社会貢献事業を行わない財団については法人制度を新設する必要性が強いとはいえない。
  • 非営利法人のうち一定の要件を満たすものを、登録制により「登録非営利法人」として、課税上の優遇措置の対象とする。
  • 「登録非営利法人」のうち、さらに一定の要件を満たすものを寄附税制の対象法人とする。


3.非営利法人の概要


  1. 非営利法人の設立

    • 非営利法人の設立は、準則主義(登記)によることとする。
    • 非営利法人の設立は、公益性の有無を問わない。
    • 中間法人制度にある基金制度(中間法人では設立時に300万円の基金が必要)を導入する。

  2. 非営利法人の組織等

    • 非営利法人の組織形態については、中間法人制度の規律を基本とし、会社法(商法)の規律も取り入れる。
    • 事業における利益の分配はできないが、解散時の残余財産の分配は可能とする。
    • 中間法人並の情報開示(利害関係者に対して、定款・役員名簿等や財務諸表等の開示)を義務づける。

  3. 監督

    • 主務官庁・所轄庁による指導・監督はなし。
    • 準則主義の営利法人や中間法人同様の事後チェックの仕組み(裁判所による法人解散命令制度など)を設ける。

  4. 税制

    • 非営利法人は原則課税とし、事業年度ごとに申告納税義務を負わせる。
    • 課税対象となる利益とは、事業年度における総収入(益金)から総支出(損金)を差し引いたもの。総収入金額には、対価収入のほか、会費、寄付金、助成金、補助金などが含まれる。



4.登録非営利法人


  1. 制度の目的

    • 非営利法人のうち社会貢献活動(もしくは公益性・公共性のある活動)を行うものについては、登録制度を実施することにより、その活動の発展を図る。

  2. 登録の要件

    • 登録の要件としては、法律に明確に規定された「社会貢献性」(公益性・公共性)があることとする。
    • 登録は、一定期間ごとに登録を見直す更新制度とする。
    • 要件の判定は、過去数年間の実績により行うことが必要とされている。
    • 「社会貢献性」の基準としては、以下のような要件となる。

      1. 事業の領域
         定款等に掲げられる事業等が、「保健、医療又は福祉」「社会教育の推進、子どもの健全育成」「文化・芸術・スポーツの振興」「国際協力」「環境保全」「人権擁護又は平和の推進」「地域安全」等といった、社会貢献的な目的・領域であること。
      2. 事業活動の基準
         事業活動をすでに行っている法人は、実績や財務状況において以下の要件を満たすこと。

        • 社会貢献事業が法人全体の活動の一定割合を占めていること。
        • 収益を目的として一般の企業と競合関係にある事業を行う場合には、法人全体の活動の一定割合を下回ること。
        • 内部留保(注)の割合を一定割合以下に止めること。(一事業年度の活動費の30%以下という案が有力)
        • 人件費等管理費の支出総額に占める割合が一定水準以下であること。
        • 適正な経理を行っていること。
        • 実質的な利益分配を行わないこと。
        • 租税回避を目的としたものではないこと。

      3. 組織要件等
         法人としての組織は、以下の要件を満たすこと。

        • 解散時残余財産を構成員に分配することを禁止し、残余財産の帰属を国等とすること。
        • 暴力団やその構成員の統制下にある団体ではないこと。
        • 共益目的を主たる目的としないこと。社団においては、社員の加入要件に特別な制限を設けていないこと。
        • 同一の親族が理事に占める割合を制限すること。 
        • 政治活動の制限をしていること。等



  3. 登録先

    • 一つの都道府県内で事業を行う法人については、都道府県。国においては、単一の行政庁(または第三者機関)。 
    • 登録先が国税庁ではない行政庁となった場合は、登録を受け付ける前に国税庁と登録先行政庁が事前協議して、登録の可否を決める。

  4. 監督

    • 国において監督規定を設け、登録主体が要件を満たしているかどうかを事後的にチェック。定期的・継続的な調査・検査の実施を行う。監督は、登録先行政庁と国税庁の両方が行う。
    • 基準を満たしていない場合は、改善命令、その後の登録の取り消し。
    • 情報公開による民間のチェック機能を強化する。
    • 登録取消となった場合は、残余財産の分配禁止等の措置を行い、非課税措置の間に増加した財産を公益目的に処分させることはしない。

  5. 課税

    • 登録非営利法人については原則非課税とする。
    • ただし、営利法人と同種・同等の事業から生じる利益は課税対象とする。この場合、課税対象となる事業は、現行の33事業の限定列挙のような方式ではなく、「対価を得て行う事業で一定のもの」というように包括的な規定を行う。
    • 課税事業から生じる利益に関しては、利益の20%までのみなし寄付金制度を導入る。



5.寄付金税制

  • 登録非営利法人のうち、一定の要件を満たすものについては、寄付金税制の対象とする法人となる(名称は不明)。
  • 現行寄附税制では、民間の自主的判断を尊重する方式としてパブリックサポートテストを採用した認定NPO法人制度と、国が特に政策的に支援する必要が高いとした事業活動を優遇対象とする特定公益増進法人制度があるが、新制度の下においても、この2つの基本的枠組みは維持する。ただし、認定等の具体的な要件等については見直す必要がある。
  • 法人の寄付金の損金算入限度枠については拡充を検討するが、一般寄付金制度については、損金算入限度枠の縮小についても検討する。


6.新法人への移行

  1. 公益法人・NPO法人のうち、「社会貢献性」を有すると認められた法人の移行

    • 組織変更を行ったのち、財産を承継して登録非営利法人へと移行する。

  2. 「社会貢献性」を認められない非営利法人の移行

    • 「これまでの非課税措置に対して、課税の公平性の観点から税制上の措置を講ずる」「解散時の残余財産の分配禁止等の規律を設ける」などの条件を付与した上で、財産承継を認め、新法人へ移行する。

  3. 営利法人への移行

    • 営利法人と競合状況にある法人等については、営利法人への転換等を行う。








(注)内部留保
企業会計で用いられる用語で、「純利益のうち、社外に分配されないで企業内に留保される部分」のこと。「公益法人指導連絡会議」の定める「公益法人の設立許可及び指導監督基準」では、公益法人の内部留保とはその総資産額から(1)財団法人における基本財産、(2)公益事業を実施するために有している益金(事業目的が限定的で容易に取り崩せないものに限定)、(3)法人の運営に不可欠な固定資産、(4)将来の特定の支払いに充てる引き当て資産等、(5)負債相当額、を除いたものであるとしている。基本財産のない小規模なNPO法人の場合は、ほとんど年度末の総繰越金に相当すると考えられる。

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