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1999年06月14日 10:00

行政 : 「市民活動」再び。中央省庁改革法案

 

 

6月11日から参議院で審議が始まった中央省庁改革関連法案で、「市民活動」という表現が使われている。

NPO法では、消えてしまった「市民活動」という言葉が中央省庁改革ではまだ健在であるということで、興味を引く。

特定非営利活動促進法(NPO法)は、もともと自社さ政権のときに与党3党から、「市民活動促進法案」として、1996年12月に衆議院に提出された。しかし、1998年3月に参議院の審議において「特定非営利活動促進法」と名称を変更された経緯がある。

一方、中央省庁改革関連法案の一つである内閣府設置法案では、第3条(内閣府の任務)において「内閣府は、消費生活及び市民活動に関係する施策を中心とした国民生活の安定及び向上を図ることを任務とする」とされており、さらに第4条(職掌事務)として「三十七 市民活動の促進に関すること。」が掲げられている。

また、第38条では、内閣府に国民生活審議会を置くとした上で、国民生活審議会の事務として、「
内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、国民生活の安定及び向上に関する経済の発展の見地からの基本的な政策、一般消費者の利益の擁護及び増進に関する基本的な政策並びに市民活動の促進に関する重要事項を調査審議すること。」としている。

これは、中央省庁改革法案の土台となる中央省庁等改革基本法(98年6月成立)で、第10条(内閣府の基本的な性格及び任務)として「消費者行政、物価行政及び市民活動を行う団体一般に関する行政」を掲げていることを受けたため、「市民活動」という表現が残ったもの。

中央省庁等改革基本法の方は、NPO法の名称修正直前の98年2月に閣議決定され、国会に提出されたため、「市民活動」という表現のまま成立してしまったことによる。

いずれにせよ、NPO法で消えた「市民活動」という言葉が法律用語として使われ続けているわけだ。

NPO法の時は、参議院の審議で名称修正されたわけであるが、この中央省庁改革関連法案の参議院審議がどうなるのか、注目される。

以下に関連条文、法案を掲げる。


中央省庁等改革基本法

(内閣府の基本的な性格及び任務)

第十条 内閣府は、内閣に、内閣総理大臣を長とする行政機関として置かれるものとし、内閣官房を助けて国政上重要な具体的事項に関する企画立案及び総合調整を行い、内閣総理大臣が担当することがふさわしい行政事務を処理し、並びに内閣総理大臣を主任の大臣とする外局を置く機関とするものとする。

2 内閣府の任務及び機能(外局に係るものを除く。)は、おおむね次に掲げるものとする。

一 経済財政政策、総合科学技術政策、防災、男女共同参画その他の各省の事務に広範に関係する事項に関する企画立案及び総合調整

二 皇室、栄典及び公式制度に関する事務その他の内閣総理大臣が担当することがふさわしい事務の処理

三 沖縄対策(企画立案及び総合調整のほか、沖縄振興開発計画に関する事務及びその関係予算の一括計上に係る事務を含む。以下同じ。)

四 北方対策

五 消費者行政、物価行政及び市民活動を行う団体一般に関する行政


内閣府設置法案

(任務)

第三条
内閣府は、内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とする。

2 前項に定めるもののほか、内閣府は、皇室、栄典及び公式制度に関する事務その他の国として行うべき事務の適切な遂行、男女共同参画社会の形成の促進、消費生活及び市民活動に関係する施策を中心とした国民生活の安定及び向上、沖縄の振興及び開発、北方領土問題の解決の促進、災害からの国民の保護、国の治安の確保、国の防衛を通じた国の安全の確保、金融の適切な機能の確保、政府の施策の実施を支援するための基盤の整備並びに経済その他の広範な分野に関係する施策に関する政府全体の見地からの関係行政機関の連携の確保を図るとともに、内閣総理大臣が政府全体の見地から管理することがふさわしい行政事務の円滑な遂行を図ることを任務とする。

3 内閣府は、第一項の任務を遂行するに当たり、内閣官房を助けるものとする。

(所掌事務)

第四条 内閣府は、前条第一項の任務を達成するため、行政各部の施策の統一を図るために必要となる次に掲げる事項の企画及び立案並びに総合調整に関する事務(内閣官房が行う内閣法(昭和二十二年法律第五号)第十二条第二項第二号に掲げる事務を除く。)をつかさどる。

3 前二項に定めるもののほか、内閣府は、前条第二項の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさど

一~三十六 (略)

三十七 市民活動の促進に関すること。

三十八~六十 (略)

(設置)

第三十七条 本府に、国民生活審議会を置く。

(国民生活審議会)

第三十八条 国民生活審議会は、次に掲げる事務をつかさどる。


内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、国民生活の安定及び向上に関する経済の発展の見地からの基本的な政策、一般消費者の利益の擁護及び増進に関する基本的な政策並びに市民活動の促進に関する重要事項を調査審議すること。


前号に規定する重要事項に関し、内閣総理大臣又は関係各大臣に意見を述べること。

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