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2000年07月22日 10:00

行政 : 経済企画庁国民生活審議会中間報告の要旨

 

 

 経済企画庁の運営する国民生活審議会は、21日、総合企画部会を開いて、NPO法の見直しに関する中間報告を決定・発表し、記者会見を行った。

 経済企画庁が発表した中間報告の要旨は以下の通り。

 なお、昨日、総合企画部会で、委員より、「中間報告ではNPO支援税制創設に向けて積極的な提案とはなっていない」との指摘があり、中間報告の解釈として、記者発表の際に「多くの委員の意見として、税制の優遇措置を設けることは重要である」と述べるようにという議論がなされたという。

 結果として、22日の新聞記事では「NPOに税制優遇を~国民生活審部会報告」(東京新聞)などという報道となっている。


国民生活審議会総合企画部会中間報告の要旨

平成12年6月21日
国民生活審議会
総合企画部会

I 特定非営利活動促進法の見直しの必要性

1 検討の背景

 特定非営利活動法人制度については、国会の附帯決議において、税制等を含めた制度の見直しについて、法施行後2年以内に検討し、結論を得るものとされている。法人制度の見直しについて、各方面での検討に資するため、平成11年4月より、本審議会において調査審議を行ってきた。

2  見直しの対象及び基本的視点

 法人制度の問題については、現実的な提案を行うよう努め、特定非営利活動法人制度は民法第34条の特別法としての現行の特定非営利活動促進法(以下「法」という。)の枠組を前提とし、また、税制上の優遇措置も同様に現行の公益法人、特定公益増進法人制度を含む国税、地方税のあり方を前提としてとりまとめた。

II 法人制度の問題

1 特定非営利活動法人の認証制度

(1) 認証の性格
 所轄庁は、申請内容が法の要件に合致していることを確認できれば認証するものであり、活動についてのいわゆる「お墨付き」を与えるものではない。

(2) 届出制度の問題
 民法第34の特別法という現行の法の枠内で見直しを行う場合、認証制度の枠組の中で手続の簡素化等必要な見直しを行っていくことが適当であるが、法体系上、公益に関する社団法人と届出制度の両立を図る制度の制定の余地がないかなどの事項に関して、長期的な問題として検討していくことが必要である。

2 特定非営利活動法人認証要件の検討

 認証要件の中でも、特定非営利活動の12分野、受益者の不特定多数性、社員の資格の得喪及び特定非営利活動については、定義の明確化を望む声がある。こうした要件については、申請団体の多様な活動実態、地域の実情に応じた運用が必要であることから、さらに明確化することは不適当ないし困難である。

3 申請手続

(1) 申請時の提出書類の見直し
 申請書類のうち認証要件に直接関係のない設立当初の財産目録や設立者名簿等は省略し、役員名簿と報酬を得る役員名簿等は統合することが可能である。

(2) 相談
 法では、申請書類の縦覧が義務付けられているため、申請内容の追完、補正ができないこととなっていることから、所轄庁は申請前に任意で相談に応じている。所轄庁においては、法の規定内容について明確に説明するなどに努めることが必要である。また、このような相談活動は、NPOを支援するNPO等が主体的に実施したほうがよいとの意見もある。

4 公開性

 市民が特定非営利活動法人の選択、監視を適切に行うためには、公開される情報の真実性の確保が必要であり、その方策は2つの考え方がある。

(1) 所轄庁が法人から提出された事業報告書等の真実性について十分審査する(権限規定の付与が必要)。

(2) 所轄庁が審査するのではなく、市民の選択、監視に委ねる(磁気媒体で書面提出させ、所轄庁よりインターネットによる情報公開の実施等)。

5 監督

 以下の2つの考え方があり、今後の制度運用の実態を見た上で検討していく。

(1) 所轄庁による監督の強化を図るため、必要に応じた報告徴収等が行えることとすること、また、虚偽報告等に対し新たに罰則を規定すること

(2) 市民による監視を基本とし、監督のための規定は緩和していくこと

III 税制上の優遇措置

1 税制上の優遇措置の基本的考え方

(1) 特定非営利活動法人の財政基盤の強化は特定非営利活動促進の重要な政策の1つであり、その支援策の1つとして特定非営利活動法人に対する税制上の優遇措置について本部会において検討してきた。

(2) 税制上の優遇措置を設けることについては、相当の公益性を有するものに限って行われ、それにふさわしい公益性を判断する基準やその公益性が担保される仕組みを備えることが必要である。

2 税制上の優遇措置を受けるための要件

(1) 相当の公益性を担保する枠組み

1) 活動・事業内容の公益性に着目した一定の基準

 一定期間以上存続している団体については、市民からある程度の認知を受けたものとして、その活動内容を審査する。客観的に審査するためには、明確な判断基準を作成し、公正・中立な審査を行うことが必要となる。公正・中立な審査を行うためには第三者機関の設置が考えられるが、行財政改革の流れとの関係や法制上の位置づけをどうするかといった問題がある。

2) 収入面等に着目して一般からの支持度合いを測る基準

 基準が明確で恣意性が働きにくいといわれている米国のパブリック・サポートテストを参考に日本の社会に合致した一般からの支持度合を測る基準を作成し客観的に審査する。しかしながら、我が国の実態に合った形で適切に機能するか等の問題がある。

(2) 適正な業務運営を審査する枠組み

 特定の個人、法人その他の団体の利益を目的として事業を行うことを排除する効果を持つ要件を設けることが必要である。

3 税制上の優遇措置の対象法人に対する事後的監督

 税制上の優遇措置の対象となった法人に対し、その公益性を担保するため、事後的な監督を行うことが不可欠である。

問合せ先:経済企画庁国民生活局余暇・市民活動室
室長   馬場一洋 Tel:3581-9305(直)
課長補佐 本多康昭 Tel:3581-9308(直)

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