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2001年04月19日 10:00

行政 : 「さらなる税制優遇を」証券団体協議会議

 

 

 証券団体協議会議は、3月28日、「米国における投資教育の現状」と題するレポートを公表した。その中で、日本の投資教育を充実していくために「NPOの育成と活用」として「NPOへのさらなる税制優遇措置」の必要性を提言している。

 証券団体協議会議は、日本証券業協会、投資信託協会、東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券取引所、東証正会員協会で構成されている団体。

 今回のレポートは、日本における金融分野における消費者教育を推進していくために、米国における投資教育の現状を調査し、日本への示唆を探るとしたもの。

 レポートでは、まず、「要旨」部分でNPOに関して以下のように述べている。

1. 米国では、「経済・投資教育は、すべての国民にとって、豊かな人生を送る上で必要不可欠な
もの」との認識が確立している。
 長い歴史を持つ米国の投資教育は、経済教育、消費者教育、金融・資産管理教育をベースに築かれ
ており、国民各層に対して、様々な団体・企業から提供されている。とくにNPO(非営利組織)の活躍
が目立つ。そして各団体相互の緊密な協力・連携体制が、大きな特徴である。

2. 米国では、学校教育は各州の専管事項であるため、全米レベルの学習指導基準は、標準モデル
として『経済学習の内容に関する全米基準』がある。これは、1994年制定の「米国教育法」に基
づき、NPOによって策定されたもので、1~12学年(小学校~高校)で学習すべきカリキュラムが示
されている。小学校低学年では、経済の基本概念を身近な例を使って遊びながら学習する。小学校高
学年から中学校にかけては、証券市場の学習も始まる。高校では「投資方法の選択」といった各論に
まで及ぶ。
 ボーイスカウト、ガールスカウトの社会教育の場でも経済教育が提供される。

3. 学校教師に対する支援体制は厚く、工夫された教材の提供や教え方のセミナー等が、多くのNPO
や業界団体によって行われている。各教師は、クラスの運営についての自由度が高い一方で、教材や
教育プログラムを自ら準備する必要がある。そのために、セミナーの内容や資料を授業に有効活用し
ている。

(略)

5. 学校組織、企業組織でカバーされない人々への経済・投資教育の機会も豊富に用意されている。
退職者や女性(主婦)であっても、自らが望めば十分な教育を享受することは可能である。
 また、少数人種(アメリカ・インディアン等)やがん患者などの特殊な境遇の人々は、一般とは異
なった経済的ニーズを抱えているため、一般的プログラムでは対応しきれない。こうした特殊ニーズ
に対応しようとすう動きが自然発生的に現れていることは、特筆に値する。
 個人投資家、投資クラブを提供するNPOもある。
 投資家に金融商品を販売する、FPなどセルサイドに対する投資教育も重視されている。

(略)

7. 米国の現状を踏まえた、日本の経済・投資教育への提言としては、i) 経済・投資教育の重要
性へのコンセンサス作り、ii) 教科書における金融・投資教育の充実、iii) 教師への支援体制の整備、
iv) NPOの育成と活用、v) 株価ゲームの活用、等があげられる。

(略)

 そして、このレポートの提言部分「おわりに~米国の現状を踏まえた日本の投資教育への提言」で、「NPOの育成と活用」に関して、NPO支援税制の拡充を含む次のような提言をしている。

(4)NPOの育成と活用

 米国の経済・投資教育の主役の一つは、NPOである。日本の学校教育の現場が、投資教育、とくにそ
れを推進する業界団体や企業となじんでいない現状を考えると、中立性を明確にしたNPOの活動への期
待は大きい。ただし、わが国の経済・投資教育関連のNPOは、2001年3月2日現在のNPO認証件数
3498法人のうち、数件を数えるのみである。
 NPOの育成と拡充のためには、次の点が重要である。
(1) 資金面の充実。寄付金等、NPOへの税制優遇。
(2) ボランティア体制の充実(カリキュラム・教材の作成、教育現場や講座への講師派遣等)
(3) 教育現場とNPO、その他の教育関連団体等との、相互の連携・協力体制の充実。
 このうち、(1)のNPOへの税制優遇としては、2001年10月から、個人・法人のNPOへの寄付金が、
一定要件の下、所得控除/損金算入を認められる。しかし、認定要件は厳しいため、効果は疑問視され
ており、NPOの発展にはさらなる税制優遇が求められる。

(後略)

出典:米国における投資教育の現状
   2001年3月
   証券団体協議会議
発行:(財)日本証券経済研究所総合調査部

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