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2003年02月12日 10:00

行政 : 内閣府がNPO法運用で新基準

 内閣府は、2月4日、NPO法の運用についての報告書を発表した。この中で、「収益事業が2年連続赤字ならば法令違反の疑い」とするなどの、NPO法の認証基準や監
督の基準や方法について新しい基準を提示した。「収益事業が2年連続赤字だと法令違反の疑い」といった内容があり、議論を呼ぶことになりそうだ。

 

 内閣府は、2月4日、NPO法の運用についての報告書を発表した。この中で、「収益事業が2年連続赤字ならば法令違反の疑い」とするなどの、NPO法の認証基準や監
督の基準や方法について新しい基準を提示した。「収益事業が2年連続赤字だと法令違反の疑い」といった内容があり、議論を呼ぶことになりそうだ。  この報告書は「市民活動の一層の発展を目指したNPO法の運用のあり方について-論点整理-」というもの。

 作成したのは、内閣府の下におかれた「NPO法の適切な運用等に関する検討会(座長:升田純聖心女子大学教授)」。

 報告書では、まず、「平成14年末現在で9329のNPO法人が設立され、様々な活動を展開。新たな公益の担い手として期待は大きいが、一方で、法人格取得の容易な制度の濫用も懸念される」として、懸念される主なタイプとして、次の3タイプを提示している。

  1. 特定非営利活動が「主たる目的」でないもの
     NPO法人格の名称を利用して販路開拓や会員募集をねらった収益事業や共益活動などを行うことを実際の目的としながら活動しようとするもの。

  2. 営利目的のもの
     事業において実費相当を大きく上回る対価を徴収したり、収益事業において必要以上に高い収益をあげることにより、その収入を役員報酬、人件費等に充てることを実際の目的としているもの。

  3. 反公益的なもの
     不当に、あるいは恐喝するなどして金銭を騙し取るなど、公序良俗違反やその他違法な活動を行うことを実際の目的としているもの。

 報告書では、このような懸念から、市民活動の一層の発展を目指し、運用面での必要最低限の明確化・具体化の検討を行ったとしている。

 検討の結果としては、まず、NPO法の運用段階の運用判断基準の明確化として、認証段階および監督段階で以下のような新しい基準を設けることとしている。

■認証段階(以下の基準が認証の基準となる)

  • 法人の目的、特定非営利活動の種類、特定非営利活動に係る事業その他当該法人が行う事業の内容が、定款上それぞれ具体的かつ明確に記載されていること。
  • 特定非営利活動に係る事業の支出規模は、設立当初の事業年度及び翌事業年度共に総支出額の2分の1以上であること。
  • 収益事業において、設立当初の事業年度及び翌事業年度共に赤字計上されていないこと。
  • 収益事業の収益は、設立当初の事業年度及び翌事業年度共に特定非営利活動に係る事業会計に全額繰り入れられていること。
  • 管理費の総支出額に占める割合が、設立当初の事業年度及び翌事業年度共に2分の1以下であること。

■監督段階(以下の基準が守られていないと監督規定が発動できる)

  • 特定非営利活動に係る事業の支出規模が2年連続して総支出額の3分の1以下であること。
  • 収益事業が2年連続して赤字計上されていること。
  • 収益事業の収益を2年連続して特定非営利活動に係る事業会計に全額繰り入れていないこと。
  • 管理費の総支出額に占める割合が2年連続して3分の2以上であること。

 さらに、NPO法第41条による「法令等に違反する相当な理由がある場合」に、所轄庁が「報告聴取等」を行うことができることとなっているが、所轄庁は、いきなりNPO法人に「報告聴取等」を求めるのではなく、「NPO法人への市民のチェック機能をより強化する」観点から、まず、NPO法人自身が法令違反等に関する疑いに関して「市民への自主的な説明」をするという手続きを採ることを提案している。

 このような、NPO法人に対して「市民への自主的な説明」の手続きは、報告聴取等を受けた後や改善命令を受けた後にも求めるものとしている。

 内閣府では、この報告書で提案された運用基準や監督の手続きなどに関して、改正NPO法が施行される今年5月1日から適用する考えだ。

 この基準等によれば、例えばNPO法人が「収益事業に関して2年連続赤字」となれば、「法令違反等の相当な疑いがある」として、報告聴取等の対象となるといった事態が予想される。

 また、内閣府(旧経済企画庁)は、NPO法施行当時は、特定非営利活動を主たる活動としているかどうかについては、「金額からだけみるのではなく、事業面(活動にかかる作業時間数など)を踏まえて総合的に判断する」としていたにも関わらず、単なる報告書一本で運用の基準を変えてしまうことになる。

 これらのことは、所轄庁の恣意的な運用を厳しく禁じたNPO法の運用としては極めて問題があると考えられ、今後、議論を呼ぶことになるだろう。

 報告書の全文は以下の内閣府のホームページで読むことが出来る。
 http://www5.cao.go.jp/seikatsu/npo/report/suitable/030204.html

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