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2004年03月05日 10:00

行政 : ASK、妊婦の飲酒NO!運動

 2月26・27日、アルコールや薬物の問題に取り組んでいるNPO法人ASK(=アルコール薬物問題全国市民協会:今成知美代表)と主婦連合会(吉岡初子会長)は、酒造酒販関連団体に対して、酒類のラベルと広告に妊娠中の飲酒に関する警告表示を入れることを要請した。アルコール摂取によって胎児に生じる「胎児性アルコール症候群」の予防のために、妊婦の禁酒を促すのが目的。

 

 2000年の東京都の調査では、女性の飲酒率は74%にまで上っている。しかし、妊娠中の飲酒のリスクについてはあまり知られておらず、厚生労働省がおこなった2000年の乳幼児身体発育調査では、妊娠中に飲酒していた妊婦は18.1%。週に1回以上飲んでいた人も4%いた。

 妊婦のアルコール摂取によって胎児に生じる障害のひとつが、「胎児性アルコール症候群」。発育不全や、中枢神経系の異常などがあらわれるという。

 欧米では1970年代以降、アルコールが胎児にどのような障害をもたらすかについての研究が進められている。

 アメリカでは、1981年に「妊娠中の女性(あるいは妊娠の可能性のある女性)はアルコール飲料を摂らないよう、さらに、食品や薬品のアルコール含有量を認識するよう勧告する」という公衆衛生局長官の勧告が出ている。あわせて、法律によって、すべてのアルコール飲料に「先天性障害の危険性があるため、妊娠中の女性はアルコール飲料を飲んではいけません」という警告表示がつけられている。

 NPO法人ASK(=アルコール薬物問題全国市民協会)は、昨年11月に、アメリカの専門家を招き、「胎児性アルコール症候群」の国際シンポジウムを開いた。シンポジウムでは、母親の飲酒が胎児に与えるさまざまな影響が報告され、日本女性の飲酒率が高まるなかで、日本でも早急に「胎児性アルコール症候群」を社会として予防することの必要性が確認された。

 2月26・27日、ASKと主婦連合会は、妊娠中の飲酒のリスクに関して、酒類のラベルと広告に警告表示を入れることを、酒造酒販関連団体(ビール酒造組合、日本洋酒酒造組合、日本酒造組合中央会、日本蒸留酒酒造組合、全国小売酒販組合中央会、日本フランチャイズチェーン協会、日本チェーンストア協会)に要望した。

 あわせて、両団体は、厚生労働省、食品安全委員会、国税庁にも予防対策を要望。厚生労働大臣に対しては、母子健康手帳の「飲酒を控える」という表現を改め、「妊娠中は飲酒しない」よう明記することなど、妊婦に対する指導の徹底を求めた。

 ASKの今成知美代表は、

「女性の飲酒がふえるなか、妊娠中の飲酒のリスクについては看過できない状況。すでにビール酒造組合では、消費者に対する責任として、ラベルなどへの警告表示に向けて検討が始まっている。こうした動きが酒類全般に広がり、できるだけ早く実施されることを期待している。

 酒類業界と関係省庁に要望書を提出すると同時に、ASKのホームページ上でも、『妊娠とアルコール』のコーナーを新設した。先天性の障害にはいろいろあるが、アルコールによるものは予防可能なもの。妊娠中の飲酒をやめるよう、啓発運動に取り組んでいきたい。」

と語った。

 「妊娠とアルコール」については、ASKサイト内、下記を参照のこと。
 http://www.ask.or.jp/fas.html

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