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2004年11月19日 10:00

行政 : 東京高裁、「ふれあい事業」課税認める

 NPO法人流山ユー・アイネット(米山孝平代表)が行っている有償ボランティアによる「ふれあい事業」に法人税が課されたことを不服として流山ユー・アイネットが、税務署に課税処分の取り消しを求めた控訴審判決で、11月17日、東京高等裁判所は、原告の控訴を棄却した。流山ユーアイネットは上告を断念することを表明。判決は確定することになる。

 

 「ふれあい事業」とは、介護保険の対象とならない家事援助や介助を会員間で提供するシステムのこと。

 NPO法人さわやか福祉の会流山ユー・アイネット(以下、流山ユー・アイネット)では、利用会員に1時間のサービスに対し800円相当の利用券を渡し、このうち600円相当の利用券をボランティア会員が受け取り、200円は事務運営費に当てるために流山ユー・アイネットに支払われる。

 ボランティア会員に支払われる金銭が、「活動への謝礼」であるという理由と、最低賃金以下であることから、一般に「有償ボランティア」と呼ばれている。

 松戸税務署は、流山ユー・アイネットに対して、この事業を請負業に当たるとして課税した。それに対して、流山ユー・アイネットが更正処分の取り消しを求めて訴訟を起こした。

 4月7日の第一審で、千葉地裁は税務当局の考えを支持。「法人税法上の課税事業である」との判断が下されて敗訴。原告である流山ユー・アイネットはこの一審判決を不服として、東京高等裁判所に控訴していた。

 11月17日、東京高等裁判所(相良朋紀裁判長)は一審判決を支持し控訴を棄却した。

 原告は、(1)有償ボランティアの謝礼は労働の対価ではない、(2)200円の事務運営費は会員の寄付、(3)不定形のサービスを請負とするのは民法第634条の請負の定義に該当せず拡大解釈するのは租税法律主義に反する、と主張していたが、これらの主張はすべて退けられた結果となった。

 17日の公判閉廷後、流山ユー・アイネットの米山孝平代表は記者会見で、「今回の判決については極めて残念に思うと同時に、同じ志を抱いて活動している全国3000近い団体に与える影響は大きいだろう。平成5年4月の旧厚生省告示第117号と同年7月付の中央社会福祉審議会地域福祉専門部会の意見具申に見られるように、当時は、有償ボランティアの有効性を国家的レベルで推進され、多くの市民団体の参加を促進させたことを思うと慚愧の至りだ。」と語った。

 記者会見で、原告代理人のさわやか福祉財団理事長の堀田力弁護士は、「控訴審判決も、一審同様、有償ボランティアの実態を無視し、活動の外形だけで判断しており承服できない。しかしながら、今回の判決で法体系の限界が露呈されたことから、上告はせず、今後は有償ボランティアを法令上認める立法活動を行っていく。」として、上告断念の意向を表明した。(さわやか福祉財団のホームページから)

 今回の判決と、今後の対応については、さわやか福祉財団のホームページを参照のこと。

 http://www.sawayakazaidan.or.jp/i_index.htm

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