行政 : 飛んでけ！車いす、DVD／ビデオ発売
北海道札幌市に主たる事務所を置くＮＰＯ法人「飛んでけ！車いす」の会は、今年５月に１０００台目の車いすを海外に届けたが、この６月には活動を紹介するＤＶＤ／ビデオを製作し、販売を始めた。
「飛んでけ！車いす」の会は、廃棄される車いすを国内で集めて整備し、一般の海外旅行者に途上国の障害者まで届けてもらう活動を行っているＮＰＯ法人。
日本では、子どもの成長に合わせて、まだまだ使える小さくなった車いすが捨てられていたり、高齢者が一時期使用した車いすを、本人が亡くなった後、遺族が処分に悩んでいたりする例が多いという。一方で、途上国の障害者にとって車いすはぜいたく品で、手に入れることが困難だ。
同会の活動は、こうした海外と日本の状況を知った英語教師（現・理事）と、海外に車いすを持っていく際、手荷物扱いであればお金がかからないことを発見した医学生（現・理事）が出合ったことがきっかけになり、１９９８年に始まった。ＮＰＯ法人化は２０００年。
この活動は、多くのボランティア、また道内での車いすの運送を無償で行う札幌通運（株）などに支えられて今年７年目を迎え、１０００台目の車いすを今年５月末にペルーの少年に運ぶまでになった。
この活動をより広く知ってもらうツールにしたいと、同会ではトヨタ財団の市民活動助成を得て、日本、タイ、ベトナムでの撮影を含むＤＶＤ／ビデオ「Ｇｏ！Ｆｌｙ！ 飛んでけ！車いす」（５６分）を １０ヶ月の期間をかけて製作。この６月に完成し、一般に向けて販売を始めた。
ＤＶＤ／ビデオには、日本で車いすを整備するボランティアや、ベトナムの障害者の過酷な現状、車いすを運ぶ旅行者ボランティア、車いすを提供した家族など、一台の車いすが多くの人たちを結びつけていく様子が描かれている。また、海外に送った車いすに、修理や整備が必要となっているなどの課題も描かれている。
飛んでけ！車いすの会の理事である吉田三千代さんは、「活動をわかりやすく見てもらえ、提供者、整備者、受領者など、直接見えない人々の様子が浮き彫りになっている。学校、団体、地域などで、ぜひ見てもらいたい作品」と呼び掛けている。
このＤＶＤ／ビデオ（個人一巻3000円、学校・団体5000円）を希望の方は、「飛んでけ！車いす」の会事務局（電話：011-242-8171、e-mail:tondeke@anet.ne.jp）まで問い合わせを。(担当：吉田さん）
