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2006年02月28日 10:00

行政 : 公益法人制度改革3法案の概要明らかに

 政府が進めている公益法人制度改革に関連する3つの法案の概要が明らかになった。この法案では、非営利の社団または財団について、その行う事業の公益性の有無にかかわらず、準則主義により「一般社団法人」及び「一般財団法人」と称される法人格を取得することができるとし、一定の基準を満たした「公益認定法人」のみが「公益社団法人」「公益財団法人」の名称を使用できるとしている。

 

 今回、明らかになった3法案の趣旨は、現行の、公益法人の設立許可を主務官庁が自由裁量によって行っている制度を改め、登記のみで法人を設立できる制度及び、その公益性を認定する制度を創設することとされている。

 3つの法案名は、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案(仮称)」、「公益社団法人及び公益財団法人の認定に関する法律案(仮称)」、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(仮称)」となっている。

 3法案の概要は以下の通り。


<1>一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案(仮称)

 この法案の趣旨は、民法に定める公益法人に関する制度を改め、余剰金の分配を目的としない、非営利の社団または財団について、その行う事業の公益性の有無にかかわらず、準則主義により「一般社団法人」及び「一般財団法人」と称される法人格を取得することができるようにすること。

 この法律の定める「一般社団法人」については、下記の概要とされている。

  1. 社員2名以上で設立可能とし、設立時の財産保有規制は設けない。
  2. 社員総会及び理事は必置。定款の定めによって理事会、監事又は会計監査人の設置が可能。
  3. 資金調達及び財産基礎の維持を図るため、基金制度の採用が可能。
  4. 社員による代表訴訟制度に関する規定を整備。

 また、「一般財団法人」については、下記の概要とされている。

  1. 設立者は、設立時に300万円以上の財産を拠出。
  2. 財団の目的は、その変更に関する規定を定款に定めない限り、変更不可。
  3. 理事の業務執行を監督し、かつ、法人の重要な意思決定に関する機関として、評議員及び評議員会制度を創設。
  4. 評議員、評議員会、理事、理事会及び監事は必置。定款の定めによって、会計監査人の設置が可能。

<2>公益社団法人及び公益財団法人の認定に関する法律案(仮称)

 この法案の趣旨は、公益法人の設立の許可及びこれに対する監督を主務官庁が行うとしている現行民法に定める制度を改め、内閣総理大臣または都道府県知事が、民間有識者による委員会の意見に基づき、一般社団法人又は一般財団法人の公益性を認定するとともに、認定を受けた法人の監督を行う制度が創設すること。

 公益認定を受けた一般社団法人は「公益社団法人」、一般財団法人は「公益財団法人」と称し、これに対する寄附を行う個人及び法人に関しては税制上の措置が講じられる。

 公益認定の基準等は下記の通りとされている。

  1. 公益目的事業について、学術、技芸、慈善その他の公益に関するものとして20事業を限定列挙。
  2. 法人の目的及び事業について、公益目的事業を主たる目的とすること、必要な経理的基礎及び技術的能力を有すること、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくない事業を行わないこと、公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を償う額をこえないこと。
  3. 法人の財務について、公益目的事業比率が百分の五十以上となると見込まれること、及び遊休財産額が一定額以上を超えないと見込まれること。
  4. 法人の機関について、同一親族等及び他の同一の団体の関係者が理事又は監事の三分の一を超えないこと、収益等の額が一定の基準に達しない場合を除き会計監査人を設置していること、理事、監事及び評議員に対する報酬について不当に高額なものとならないよう支給の基準を定めていること。
  5. 法人の保有する財産について、他の法人その他の法人の意思決定に関与することができる株式その他の財産を保有していないこと、認定取消しや合併により法人が消滅する場合に公益目的取得財産残額を類似の事業を目的とする公益法人等に贈与する旨の定款の定めがあること、清算の際に残余財産を類似の事業を目的とする公益法人等に贈与する旨の定款の定めがあること。
  6. 欠格事由として、暴力団員等が事業活動を支配している法人であること、滞納処分を受けて3年を経過しない法人であること、認定を取り消されてから5年を経過しない法人であること、その役員が暴力団員等である法人であること等を列挙。

<3>一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(仮称)

 この法案によって、上記の2法案の施行に伴って、中間法人法を廃止するほか、民法その他の関連する諸法律の規定を整備する。

 政府はこれら3法案を今国会に提出して、2008年度に新制度移行を目指す。

 なお、約2万6千ある現行の公益法人については、法律施行後は、「特例民法法人」として存続し、施行日から5年以内に、一般社団法人、一般財団法人への認可申請、公益社団法人、公益財団法人の認定申請を行い、新制度への移行を図るものとされている。

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