English Page

ニュース

2006年03月22日 10:00

行政 : 公益法人制度改革法案国会提出

 政府は、3月10日、公益法人制度改革関連法案を閣議決定し国会に提出した。約2万6千ある現行の公益法人については、法律施行後は、「特例民法法人」として存続し、施行日から5年以内に、一般社団法人、一般財団法人への認可申請、公益社団法人、公益財団法人の認定申請を行い、新制度への移行を図るものとされている。

 

 3月10日に国会に提出された公益法人制度改革関連法案は、下記の3法案からなる。

  1. 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案
  2. 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案
  3. 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案

 これら3法案の概要は下記の通り。


1 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案

 この法案の趣旨は、「剰余金の分配を目的としない社団及び財団について、その行う事業の公益性の有無にかかわらず、準則主義(登記)により簡便に法人格を取得することができる一般社団法人及び一般財団法人に関する制度を創設し、その設立、組織、運営及び管理についての規定を整備する」こと。

 この法律の定める「一般社団法人」については、下記の概要とされている。

  • 社員2名以上で設立可能とし、設立時の財産保有規制は設けない。
  • 社員総会及び理事は必置。定款の定めによって理事会、監事又は会計監査人の設置が可能。
  • 資金調達及び財産基礎の維持を図るため、基金制度の採用が可能。
  • 社員による代表訴訟制度に関する規定を整備。

 また、「一般財団法人」については、下記の概要とされている。

  • 設立者は、設立時に300万円以上の財産を拠出。
  • 財団の目的は、その変更に関する規定を定款に定めない限り、変更不可。
  • 理事の業務執行を監督し、かつ、法人の重要な意思決定に関する機関として、評議員及び評議員会制度を創設。
  • 評議員、評議員会、理事、理事会及び監事は必置。定款の定めによって、会計監査人の設置が可能。

2 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案

 この法案の趣旨は「民間の団体が自発的に行う公益を目的とする事業の実施を促進して、活力ある社会を実現するため、社団法人及び財団法人の設立の許可及びこれに対する監督を主務官庁の裁量により行うこととしていた公益法人に関する制度を改め、公益社団法人及び公益財団法人としての認定及びこれらに対する監督を独立した委員会等の関与の下で内閣総理大臣又は都道府県知事が行う制度を創設する」こと。

 この法案では、公益認定の基準等は下記の通りとされている。

  • 公益目的事業について、学術、技芸、慈善その他の公益に関するものとして、23事業を別表において列挙。
  • 法人の目的及び事業について、公益目的事業を主たる目的とすること、必要な経理的基礎及び技術的能力を有すること、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくない事業を行わないこと、公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を償う額をこえないこと 等。
  • 法人の財務について、公益目的事業比率が百分の五十以上となると見込まれること、及び遊休財産額が一定額以上を超えないと見込まれること。
  • 法人の機関について、同一親族等及び他の同一の団体(公益法人等を除く)の関係者が理事又は監事の三分の一を超えないこと、収益等の額が一定の基準に達しない場合を除き会計監査人を設置していること、理事、監事及び評議員に対する報酬について不当に高額なものとならないよう支給の基準を定めていること 等。
  • 法人の保有する財産について、他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の財産を保有していないこと、認定取消しや合併により法人が消滅する場合に公益目的取得財産残額に相当する額の財産を類似の事業を目的とする公益法人等に贈与する旨の定款の定めがあること、清算の際に残余財産を類似の事業を目的とする公益法人等に帰属させる旨の定款の定めがあること 等。
  • 欠格事由として、暴力団員等が事業活動を支配している法人であること、滞納処分が終了してから3年を経過しない法人であること、認定を取り消されてから5年を経過しない法人であること、その役員が暴力団員等である法人であること等を列挙。

3 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の概要。

 上記の2法案の施行に伴い、中間法人法を廃止するほか、民法その他の関連する諸法律の規定を整備する。


 なお、約2万6千ある現行の公益法人については、法律施行後は、「特例民法法人」として存続し、施行日から5年以内に、一般社団法人、一般財団法人への認可申請、公益社団法人、公益財団法人の認定申請を行い、新制度への移行を図るものとされている。

 この法案は今国会で審議され、2008年度を目途に新制度に移行する。

※3法案は、行政改革推進事務局サイト内、下記ページ「公益法人制度の抜本的改革」の項に掲載されている。

http://www.gyoukaku.go.jp/siryou/index_kouhyou.html

 なお、内閣官房行革事務局は、法案作成にあたり、公益法人制度改革(新制度の概要)に関して、平成17年12月26日から平成18年1月20日までの期間、意見募集を実施し、3月15日にその結果を発表した。発表によれば、この意見募集に対して、656件(個人296件、団体360件)の意見が寄せられたとのこと。

※寄せられた意見と、それに対する行革事務局の考え方については、行革事務局サイトのトップページ左下方のメニュー表示から読むことができる。

http://www.gyoukaku.go.jp/

ページ上部へ戻る

MAILMAGAZINE

NPOに関する政策・制度の最新情報、セミナー・イベント情報など月数回配信しています。 NPO法人セイエンのメールマガジン登録ご希望の方はこちらから

contact

特定非営利活動法人
セイエン/シーズ・市民活動を支える制度をつくる会(清算手続中)

〒108-0014
東京都港区芝四丁目7番1号 西山ビル4階
※2021年4月1日より、新住所へ移転しました。シェアオフィスでスタッフは常駐していません。ご連絡は電話・メール等でお願いいたします。2022年4月よりFAX番号が変更になりました。

TEL:03-5439-4021
FAX:03-4243-3083
E-mail:npoweb@abelia.ocn.ne.jp
ホームページ:http://www.npoweb.jp/

事務所地図・交通アクセス

  • 東京都「認定NPO法人取得サポート」
  • NPO法改正&新寄付税率
  • 震災支援情報
  • 認定NPO法人になるための運営指南