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2006年06月22日 10:00

行政 : NGOのファンドレイジングに関する調査報告

 6月1日、外務省は、「我が国における国際協力NGO等によるファンド・レイジング方法に係る調査」と題する報告書を公開した。報告書には、NGOの資金調達においては、寄付財源の拡大が最も重要で、そのためには市民との信頼関係を醸成・強化することが必要であるといった提言が盛り込まれている。なお、この調査には、シーズもヒアリングなどで協力した。

 

 6月1日に報告書が公開された「我が国における国際協力NGO等によるファンド・レイジング方法に係る調査」を行ったのは、(財)国際開発センター。

 この調査では、国内NPO・NGOの12団体と民間企業4社に対してヒアリングを行うとともに、東京財団とインディアナ大学が行ったファンド・レイジングに関する調査結果などの関連文献について分析を行っている。

 報告書では、日本のNGOでもアメリカと同様に多彩なファンド・レイジングの手法が採用されているとし、それにもかかわらず充分にそれらの手法が活用されていない現状を指摘。効果的なファンド・レイジングに不可欠なミッションの明確化と戦略・計画策定が弱いこと、ファンド・レイジングが戦略の中に明確に位置づけられていないこと、さらに、ファンド・レイジングに欠かせない支援者との信頼関係作りが不十分であることが問題だとしている。

 そして、こうした問題は、日本のNGOの組織基盤が弱いために人材の確保が困難で、それによりファンド・レイジングを通じての財政状況の改善がなされない、という悪循環に起因していると分析。

 こうした分析をもとに、報告書では、以下の11の提言をおこなっている。

  1. NGOの社会的使命の達成には、NGO自身の意識改革が必要である。

  2. ファンド・レイジングで最も重要なことは、市民との信頼関係を醸成・強化することである。

  3. 資金調達は団体のミッションや戦略の中で明確に位置づけることが必要である。

  4. NGOがその主体性を維持するためには、自主財源の確保・拡大が不可欠である。

  5. 効果的なファンド・レイジングにとって、寄付財源の拡大が重要である。

  6. 寄付金額を増やすためには、寄付ルートの開拓が必要である。

  7. NGOの運営に対して寄付者や会員の声が反映するようなメカニズムをつくることが重要である。

  8. ファンド・レイジングの効果的な手法の一つとして、ボランティアの積極的登用がある。

  9. コミュニティのネットワークや資源の活用によって、ファンド・レイジングの大きな効果が期待できる。

  10. 今後、NGOの活動で増えてくることが予想されるものとして、民間企業の社会貢献活動(CSR)との連携がある。

  11. 効果的なファンド・レイジングの実施には、NGOの基盤強化が前提となる。

 報告書の結論としては、「今後、日本のNGOが日本の内外でより大きな役割を果たすためには、NGO自体が意識改革を行い、団体内、特に団体のトップの人達がファンド・レイジングの重要性を充分に認識して、そのミッションや戦略に明確に位置づけ、組織の基盤強化を図るための行動をただちに起こす必要があるように思われる。」としている。

 「我が国における国際協力NGO等によるファンド・レイジング方法に係る調査」は、外務省サイト内、下記に掲載されている。

 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/oda_ngo/shien/fund_raising/

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