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企業とNPO

2007年08月23日 17:10

新しい社会貢献活動へのチャレンジ『Microsoft giveing NPO支援プログラムの取り組み』

 企業とNPO:新しい社会貢献活動へのチャレンジ

コーナー紹介:

 npowebでは、新たなコーナーとして「企業とNPO」を企画しました。特に、企業とNPOの新しい取り組みに焦点を当ててご紹介していきます。

 連載企画第1弾として、マイクロソフトと市民社会創造ファンドの提携による「Microsoft giving NPO支援プログラム」を取り上げます。2002年度選考には当会事務局長の松原明も委員として関わりました。

 企画に先立ち、東貴彦さんと山岡義典さんをゲストに迎えて特別インタビューを行いました。「Microsoft giving NPO支援プログラム」の立ち上げの経緯、企業の社会貢献活動の意義、NPOに期待することなどについて語っていただきました。

 次回以降は、このプログラムの助成を受け、新たな一歩を踏み出した団体の様子を報告します。シーズの事務局が、2002年度の助成対象に選ばれた7団体を訪問して、取材をさせていただきました。ITの活用がNPOもたらす効果を実感いただけるとうれしいです。

 ゲスト:東貴彦氏(マイクロソフト取締役)、山岡義典氏(日本NPOセンター常務理事)

 司会:松原明


司会:

 「NPOWEB」では、新しい特集として、企業とNPOとの協働に関する試みを紹介するコーナーを設けることになりました。

 最初の企画は、マイクロソフトと日本NPOセンターが、昨年からスタートさせた助成プロジェクト、「Microsoft
giving NPO支援プログラム」のご紹介です。

 初回である今回は、マイクロソフトの取締役であり、社会貢献担当責任者でもある東貴彦さんと、今回の助成プロジェクトのパートナーである日本NPOセンター常務理事、山岡義典さんをお迎えして、「Microsoft
giving NPO支援プログラム」のコンセプトや特徴、NPOに期待するところなどをお話しいただきます。また今後は、昨年助成を受けた団体の活動や、今後のプログラムの動きについて、引き続いてお伝えする予定です。

 東さん、山岡さん、どうぞよろしくお願いいたします。

◆マイクロソフトの社会貢献活動のコンセプト◆

司会:

 マイクロソフトは今までも、「リユースPC寄贈支援プログラム」や「ITボランティア・プログラム」など様々な社会貢献活動を行ってこられました。今回さらに新しい試みとして、「Microsoft giving NPO支援プログラム」を始められたということで、最初に、マイクロソフトの社会貢献活動の全体像と考え方をご紹介いただきます。

 マイクロソフトは、今まで、どのような考えで、社会貢献活動に取り組まれてきたのでしょうか。

東:

 マイクロソフトの基本は、「Realizing Potential」。会長であるビルゲイツが最初に言った言葉で、「どんな人でもちょっとした資源が提供されれば、いろんな可能性を実現できる」という意味です。ここで言う「資源」には、お金や技術などから、人と人とのつながりやコミュニケーションのようなものまで含まれます。

 弊社ではIT技術を提供することによりこれらの資源をきっかけに、新しい可能性が実現していくというコンセプトをベースに、今までは、年齢や障害などの理由からチャンスを広げられない方へのITスキル向上のためのプログラム、雇用につながるITスキル強化のプログラム、非営利団体の活動がもっと効率的になるようなIT支援、そして、災害に会われた方々へのITを使った支援活動のサポートという4つテーマをもとに支援を行ってきました。

 「Microsoft giving NPO支援プログラム」は、これらを少し体系化し、発展させたプログラムです。

 マイクロソフトは、コンピューターという、高価で何だか難しいものをパッケージ化し、ソフトウエアを分離して売るという方法で、安くて誰にでも使えるものにしました。同じビジネスモデルを社会貢献活動でも使ったら、もっといろいろな、社会にとって良いことができていくだろう、というのが、マイクロソフトの社会貢献活動のコンセプトです。

◆日本における企業の社会貢献◆

司会:

 日本の企業もアメリカのいろいろな社会貢献、フィランソロピーのモデルを導入してきて、最近は社会貢献が非常に活発になってきています。ここで、日本の企業の社会貢献活動の傾向、特にNPOとの関係について、山岡さんに伺いたいと思います。

山岡:

 以前は、企業が財団を作っていろいろなプログラムに助成することで、企業利益を社会に還元する方法が一般的でした。しかし1990年代の低金利時代を迎えると、財団の活動だけでは十分社会の動きに対応できなくなってきました。

 同時に80年代後半から多くの日本企業が海外に進出したことで、海外の企業のように哲学をもって独自に社会貢献をしなければならないという考え方が広まり、社会貢献の専門部署を設けて直接社会貢献に取り組むところも増えてきました。

 そのような中、1995年、阪神淡路大震災が起こりました。震災を契機に、NPOと協力してしっかりしたNPOを育てることが、結果的に社会全体を豊かにするのだということを、企業の社会貢献担当者がだんだん理解するようになりました。

 1998年にNPO法(特定非営利活動促進法)が通ったことも、社会的メッセージとして大きかったと思います。

 そして、企業とNPOとの協働への理解が一般化してきて、非常に新しい試みが出てき始めているのが現在の傾向です。助成事業やボランティア派遣はもちろん、NPOの要望や提案を取り入れて、新しいマーケットに向けた商品を開発するものまで、様々な協働の形が見られます。

司会:

 企業理念を社会貢献活動でも同じように理念とし、基本となるビジネスモデルを同じように使って社会貢献活動も行う、というマイクロソフトのこの考え方は、新しい社会貢献活動の考え方として、今、企業の社会貢献セクションやNPO界から非常に注目を集めています。山岡さんは、企業とNPOとの協働や企業の社会貢献活動に非常に詳しい方ですが、この点、どう見ておられますか。

山岡:

 特に日本に来ている外資系企業には、新しいビジネスモデルを次々と開発して、世界に展開しているところが多いですから、そうした新しい風土、チャレンジ精神が、日本企業にも大きな刺激を与えているように感じています。マイクロソフトはその意味でシンボリカルな企業ですから、特に注目されているのでしょう。

 マイクソフトのビジネスモデルを他企業が簡単に真似することはできないと思いますが、個人のアイディアが元になって、数年のうちに世界的な影響力を持つようになったマイクロソフトのビジネスモデルは、「個人の思いが、ちょっとしたことで大きな力になる」NPOの活動と、ある意味でかなり親和性があると思います。

◆「Microsoft giving NPO支援プログラム」開発の経緯◆

司会:

 マイクロソフトの製品として我々がすぐ思いつくのがウィンドウズです。共通のシステムを作ってそれを広めて、誰もが自分にあったアプリケーションをつないでさらに人々の可能性を広げる。この「Microsoft giving NPO支援プログラム」の開発に際しては、まずNPOが1つの「Potential」となり、ファンドの創設が新しいシステムを作ることに対応して「Realizing Potential」を強めるという意味にとれるのですが、このあたりの開発の経緯をお話しいただけますか。

東:

 実は、最初からまっすぐなビジョンに従ってプログラムを開発してきたのではなく、いろいろな試行錯誤の中からこのアイディアは出てきたのです。最初は災害支援のようなピンポイントの支援をいろいろとしてみたのですが、思うような効果が得られませんでした。そこで、社会的によりよく役立つための社会貢献はどうあるべきかと考えていたときに、社のビジネスモデルをこれにも活用したらどうかと気づいたのです。

 マイクロソフトは、同じ物をたくさん売ることに成功したわけですが、ビジネスモデルを成立させている最大のポイントはセールスパートナーなんですよ。マイクロソフトの製品を気持ちよく売ってくださるパートナーがいるから成立する。

 このモデルから言うと、ピンポイント支援もいいのですが、すでに支援している方とのパートナーシップで社会貢献活動を広げるのが、「マイクロソフト的」なのではないかと思ったんですね。

山岡:

 日本NPOセンターとしても関心がありましたので、一定の予算で継続的に何年かかけてやるというお話でしたし、何かおもしろいことが始められるのではという期待もあり、パートナーシップをお引き受けしました。

 NPO法改正で、新しく「情報社会の進展」という分野が加わり、また個々のNPOの力が伸びるためにも情報の重要性は高まっていくだろう、というタイミングでした。

 今まで、個別のソフトやパソコンを寄贈するという支援はいろいろありましたが、「Microsoft giving NPO支援プログラム」のような、ITをもちいた市民活動をトータルに助成するというプログラムはありませんでした。マイクロソフトはそのような支援をするのにふさわしい会社であるし、またマイクロソフトなら、そうした支援によっておもしろい展開が可能なんじゃないかということで、協力させていただくことにしたわけです。

司会:

 マイクロソフトと日本NPOセンターはそれぞれ、新しい展開を求めていて、双方が出会って新しいプログラムが開発され、お互いのニーズが合致した、ということですね。

東:

 我々としては、今までの支援活動をよりオープン、かつフェアな形にしようと考えていたので、公募にしたいと思いました。とはいえ、我々は自分自身で公募する方法を知りませんので、何かにつけてお知恵がほしかった。またもう一つ大事な点は、社会貢献活動は会社にとっては1つのコストなので、活動を続けていくために、このコストをある一定の予測可能なものにしたかった。この2点を実現するために、パートナーとして日本NPOセンターにご相談したのです。

山岡:

 最初お話をいただいたときは、企業の新しい支援プログラムの実験開発に協力するという考えで日本NPOセンターがお受けしたのですが、このような資金助成のプログラムを継続させていくためには専門性を持たせた独自の仕組みが必要だろうということで、「市民社会創造ファンド」という新しいファンドを立ち上げることにしました。

 現在日本では、市民活動のような非営利の事業に対する助成活動の専門性というのは、日本では少数の例外を除いて、ほとんど確立されていません。ですから、この「Microsoft giving NPO支援プログラム」を通じて、支援の成果を上げると同時に、私どもとしては、助成や資金配分の専門家を育てられるような専門的な仕組みづくり、新しいシステムと人材を育てていけるのではないか、という希望を持っています。

◆「Microsoft giving NPO支援プログラム」で求めているもの◆

司会:

 そしてITという企業の専門性を活かし、「情報がつなぐ人の絆」とテーマ設定され、「血の通った支援の可能性を探った」とおっしゃっています。このような企画意図で始まった「Microsoft giving NPO支援プログラム」ですが、昨年第一回の募集を終えられての手応えはいかがでしたか。

東:

 公募は初めての経験だったので、果たしてこんな複雑なやり方で本当に応募があるのだろうか、という疑問を持っていました。ですから最終的に243件の応募になったことには、正直言ってびっくりしました。約1ヶ月の募集期間で、全国からこれだけ多くのNPOが活動したいと応募してこられた。

 パソコンを買いたいだけとかウェブサイトを作りたいというような単純な企画も確かにありましたが、ITを道具として別の目的に使いたい、という応募も多かったです。そうした実態に触れられて、勇気づけられました。

山岡:

 先ほど「血の通った支援」という言葉が出ましたが、これには助成される側と助成する側に「血が通っている」という意味だけではなく、「血の通った」情報が流れるプロジェクトという意味もあります。情報に血を通わせるには、「思い」も必要だが、その思いを動かす「パワー」も必要ということで、選考にあたってはこうした団体の力量が重要なポイントとなりました。

 この企画は当初、社会全体の動きを作る情報支援というイメージで、規模の大きな団体の応募が多いと予想していましたが、実際はほとんどが地域の団体で、地域密着の中でそれぞれがオリジナリティを出した申請が多かったのは驚きでした。意外な発見であったといってよいでしょう。

司会:

 今年も夏頃に第2回目の募集を行う予定とお伺いしていますが、こういうプログラムが出てきてほしい、という期待をお話しいただけますか。

東:

 まずは、ユニークな提案をください。IT以前に何がしたいのかしっかり固めて提案していただけるとうれしいですね。

 前回の募集を見て、目的をしっかりもっておられるNPOの方々は、ITの使い方も上手で、大変巧妙な企画を出されてきていると思いました。「まずITありき」と思われがちですが、新しい価値を見いだせるような提案、そこにITを道具として使っている企画を求めています。

 また、コンピューターと人間をつなぐ仕組みを工夫して使いやすくし、障害があっても、お年寄りでも使えるようにしたのがマイクロソフトですから、このようなアクセシビリティ向上のための企画にも注目しています。IT講習会や、インターネット上での情報公開は、企業、NPOに関係なく当たり前になってきていますから、ITは単なる道具として、もっと別のことで「Realizing Potential」となる、マイクロソフトの社会貢献活動の個性が出るような支援ができる企画をお待ちしています。

 企業が提供できるリソースは、お金や物、技術支援やソフトの提供、人によるサービスのようなものに限られてしまい、人と人との絆とか、コミュニティというものを紡ぎ出すというイメージにはなりません。ですからこのプログラムでNPOとパートナーシップを組み、こうしたイメージを紡ぎだしたい、それに必要なリソースは我々が提供しましょう、というのが、今回の協働に求めていることです。

山岡:

 選考委員の視点を申し上げると、活動に対する思いとか狙いというものが、右往左往する中から練り上げられてきているかどうか、というところを見ています。

 それともう一つ、IT関連の助成をきっかけにNPOが力量をつけて巣立ってほしいというのがマイクロソフトの方針でもあり助成の趣旨ですから、これを足場に新しい展開が感じられるプロジェクトがほしい。ITを強化して自分たちのソフトを発展させ、一回の助成が影響力を持ってくるような提案を期待します。

 ただ選考委員は、思いもつかないような提案があるとうれしいものなので、「いやぁ、こんなアイディアがあったのか」とびっくりするような企画を発見したいですね。

◆NPOと企業、協働のメリット◆

司会:

 プログラムはまだ途中だと思いますが、今回初めてマイクロソフトと日本NPOセンターの協働のプロジェクトを進められて、双方にとってのメリットをどのように考えておられますか。

東:

 我々企業は、ビジネスのために、様々なマーケティングをしていますが、製品を通じたマーケティングではどうしても一方的な見方になってしまいます。

 NPOと協働して、「IT製品を売る」という本業とは少しはずれた世界を知ることで、逆に市場で今どういう活動が行われているか、人が何を考えているかがよくわかってくる。この提案にはこういう答えが返ってくるだろう、という想像ももっと働くようになる。それは企業経営に直接プラスになることです。NPOに教えていただいて、マイクロソフトの製品やサービス、マイクロソフト自身を、いろいろな視点で見ていけたらと考えています。

 今までは会社が大きくなっていく過程で、とにかく製品をどんどん販売しつづけてきました。そして世の中の半分以上の人が、マイクロソフトの製品を何らかの形で使っているという状況になりました。こうなってくると、良いとか安いというだけで今後のビジネスが支持してもらえるとは思えません。

 マイクロソフトも社会の一員で、ただ儲けているのではなく、社会的な役割をきちんと果たしていますということを説明できないと支持してもらえない時代になってくるでしょう。

 この協働によって、マイクロソフトが社会的責任を果たしていることを広く見てもらえることも大きなメリットになります。もちろん、NPOとのパートナーシップで補完的な関係を築き、新しい社会貢献活動ができるというメリットは、さらに押し進めて可能性を追求していきたいです。

司会:

 非常に大事なポイントを示していただきました。NPOには、企業に対してマーケットや社会のあり方が今どうなっているかを提案していく力があり、それを企業側も望んでいるというこの点は、今まで日本の社会貢献の議論の中で少なかった視点のような気がするんですが、山岡さんはどうお考えですか。

山岡:

 確かに今までは、企業が何か提供してくれるのだから、もらう側はうるさく言わないという流れがありました。ですから、企業の社会貢献は財団など中間機関を通じてやらないと、企業から一方的にしてもらうという関係性から、NPO側の提案力が育たないということがずいぶんあったと思います。

 ただここ数年は少し変わってきていて、企業が第三者の目で判断されることは、企業社会全体にとっても良いことだという考えが広まり、NPOからの提案に企業が寛容になっていると思います。例えば企業の環境報告書をNPOに作ってもらう、というような動きも始まっていますが、従来の企業とNPOとの関係を考えれば、これは大変な変化です。

 NPOの視点を受け入れることは、長期的に見て企業の新しい動きの指針にもなるという理解は、これからますます一般的になってくるでしょう。そうした提案力のあるNPOが増えるよう、我々も支援の力量が問われてくると思いますね。

 このプログラムを公募にしたことで、NPOからの課題提案が、素晴らしいものもそうでないものも含めて数多く集まりました。これらの情報を蓄積し、今後の日本社会での非営利セクターの活動を発展させられるNPO戦略づくりに役立てていきたいです。

東:

 我々にとってNPOとの協働は慈善活動ではなく、真剣な経営上の取り組みの1つです。

 一般消費者が物を買うときは、提供される物にまつわる信頼感、それを提供する会社や社長、その会社を代表してしゃべっているタレントなど、様々な信頼感のイメージが混ざり合って会社や製品を評価して、購買の判断にしています。ですから物を売ろうとするときは、そうした信頼感についてもっと考えないといけないのではないでしょうか。

 会社に属した活動だけをしていると、会社のためにいいことは社員の自分にもいいことだ、と、社会的責任や市場の信頼につながらない方向にどんどん進んでしまうことがあります。この会社との「共同体化」は大きな会社になればなるほど起こりやすくなるので、マイクロソフトに限らず、ある程度大きな会社になれば、社会貢献活動に取り組むことでその傾向を戒め、社会的信頼感を得ようとするものです。また、会社がどんなにお金や手間をかけてもとれない情報を集めたり、ものの見方を理解することには、マーケティング面でのメリット以外もあります。

 マイクロソフトは、人とコンピューターの関係づくりを世界各地で研究していますが、日本での研究はまだ弱いのです。しかし日本人と機械の関係を見ると、家電などではかなり洗練された文化を持っている、この日本の良さを十分本社に伝え切れていない、というジレンマを私は常々感じているので、このあたりの課題を、NPO活動から取材して、本社にフィードバックできないだろうかとも思っています。

 協働によって、コンピューターと人間の新しいつきあい方を見つけたりできるのではないかと期待しているのです。

 数ヶ月前に、今後マイクロソフトは社会的貢献活動、英語ではシチズンシップ、という言い方をしていますが、これに非常に注力する、「社会貢献活動は長期的に見た投資である」という決定が出されました。今後は、我々社会貢献担当者の認知が社内で高まって、活動がやりやすくなるだろうと期待しています。

 現在マイクロソフトは、世界66カ所以上の拠点でこのような社会貢献活動を行っていますが、活動やプログラムの実現の仕方は、それぞれの国の営業所に任されています。

 今回のNPOとの協働も「マイクロソフト流」の言い方をすると、1つの「ソリューション」の提案で、おそらく方法は他にもあるでしょうが、まずはこの活動を通じて、いろいろと学んでいこうと思っています。

司会:

 企業に対する信頼感を高める必要性は、アメリカの企業では当たり前に理解されていて、日本の企業でも社会貢献担当の方は理解されていますが、経営トップまで十分理解されているとはいえない状況でした。

 しかしここ数年は企業の不祥事が多く起きてきて、経営トップの軽はずみな発言で会社が信頼を失って倒産に追い込まれたり、社会的信頼が少し落ちただけで業績が著しく悪くなるということも増え、社会的責任という考え方が理解される土壌が日本でも急速に広がってきているとは私も感じています。

 ただ、トップが社会貢献が重要であると自らが語って、全社的な戦略に位置づけるところまでは、まだ追いついてはいませんね。

 今日のテーマは、NPOと企業の協働プロジェクトという視点で伺いましたが、協働というのは一方的な関係ではなく、NPOからも企業をよくしたり、企業にプラスになることをフィードバックしていくことが必要になります。そのときに1つのキーワードとなるのが「信頼」ではないかと思うのです。

 社会の信頼を醸成する、というテーマが、企業とNPOとが協働できる核にあるのではないか、と、今日のお話を聞いていて感じました。

 東さん、山岡さん、熱のこもったお話をありがとうございました。

取材日:2003年05月14日

掲載日:2003年06月25日

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