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2009年03月09日 18:00

その他 : NPOに期待、青少年総合対策推進法案

 政府は3月6日、青少年総合対策推進法案を閣議決定し、国会へ提出した。同法案はいわゆるニート(無就業・無就学)や引きこもりの若者の自立支援を中心としている。内閣府内への総理大臣を本部長とする「青少年総合対策推進本部」の設置や、自治体によるワンストップ型「青少年総合相談センター」の創設、自治体とNPOなど関係機関による「青少年自立支援地域協議会」の設置などが盛り込まれている。

 

内閣府によると、
近年ニートや引きこもりに代表される青少年の社会的自立に関する問題が顕在化してきているが、これまではこれらの問題に対して、行政・NPO・企業などがそれぞれ取り組んでおり、総合的な支援の必要があると判断し、今回の青少年総合対策推進法案法案へつながったとのこと。

青少年総合対策推進法案の目的は、総合的な青少年育成のための施策(青少年総合対策)を推進。
具体的には以下のような内容となっている。

1.青少年総合対策推進本部の設置
内閣府内に総理大臣を本部長とする「青少年総合対策推進本部」を設置し、青少年総合対策に関する基本的な方針や青少年総合対策を推進するために必要な事項等について定めた「青少年総合対策推進大綱」を策定する。

2.青少年総合相談センターの創設
地方自治体は青少年育成に関する住民からの様々な問い合わせに、ワンストップ型で対応する「青少年総合相談センター」を設けるよう努力規定が定められている。現在、青少年総合相談センターに該当するような組織がある自治体は改めて設置することはなく、地域の実情に合わせて対応することが重要とされている。

3.青少年自立支援地域協議会の設置
地方自治体は青少年育成を効果的に進めていくため、自治体とNPOなどから構成される「青少年自立支援地域協議会(地域協議会)」を設けるよう努力規定が定められている。

地域協議会は、行政の児童相談所やハローワーク(公共職業安定所)、学校・教育委員会、福祉事務所、社会福祉協議会、職業訓練機関など関連機関や青少年育成・自立支援に取り組んでいるNPO法人・公益法人・社会福祉法人などNPO、地元企業などにより構成される。

地域協議会は、地域の青少年が抱える問題に応じて支援策を協議・調整し、各構成主体による効果的な支援を実現する。具体的には家庭訪問などを通じて、就職・就学支援や精神的なケア、技能修得などで自立を促す。

地域協議会では、プライバシーに関わる情報を扱うことから、参加者には守秘義務を課し、違反した場合には1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。

4.青少年自立支援調整機関の指定
地域協議会を設置した地方自治体は、地域協議会の構成主体から青少年自立支援調整機関を指定することができる。青少年自立支援調整機関は、地域協議会の事務局を担い、構成主体の支援活動を把握して、構成主体相互の連絡調整を行う。

5.NPO法人などへの努力規定
NPO法人をはじめ、国と地方公共団体の機関、公益社団・財団法人などで教育、福祉、保健、医療、矯正、更生保護、雇用などその他の青少年育成に関連する分野で活動するものには、ニートや引きこもりの若者に対して、以下の支援を行うよう努力規定が置かれている。

・社会生活適応への相談や助言、指導
・医療や療養の促進
・生活環境の改善
・修学や就業の支援

同法案の作成過程にも関わり、長年、東京都三鷹市で若者の自立支援活動を行っている特定非営利活動法人(NPO法人)文化学習協同ネットワークの佐藤氏は、
「この間進められてきた若者自立支援施策に参加し、現場から提案してきた課題が一定程度盛り込まれている。若者へのワンストップの相談窓口が各自治体に開かれることによって若者が社会サービスにアクセスしやすくなるだろう。」と述べ、
「若者が抱える社会的自立への困難の背景は多様であり複合的であるから、教育、福祉、保健、雇用などの総合的な支援が必要である。また豊かなプログラムを提供するためにNPOなどのプロバイダーの育成が急務であるが、こうした視点も含まれている。」と、総合的な支援の実施をはじめ、施策実行段階で不可欠な自立支援NPOの育成も盛り込んだ同法案を評価している。

青少年総合対策推進法案の詳細は、下記、内閣府内「第171回 通常国会 国会提出法案」ページを参照。
http://www.cao.go.jp/houan/171/index.html

特定非営利活動法人(NPO法人)文化学習協同ネットワークについては下記ホームページを参照。
http://www.npobunka.net/

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