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その他ニュース

2009年11月20日 15:00

その他 : 国会改革、市民団体から意見聴取の場を新設

 11月16日、民主党は役員会で、党政治改革本部がまとめた「国会審議活性化案」を了承した。政府参考人制度の廃止など5項目からなり、「市民団体などから意見を聴取する場の設置」が注目される。今後、与党内の調整を経て、議論されていく予定。

 

 民主党の小沢一郎幹事長は、以前から国会改革に熱心に取り組んでいる。新生党時代には、政府委員制度の廃止を構想。新進党時代にも国会改革へ向けた具体的な法案づくりを進め、自由党党首時代には現行の「国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律(国会審議活性化法)」の制定において、中心的な役割を担った。

国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律(国会審議活性化法)は、議員立法により1999年7月に成立。法律名称通り、現在も取り組まれている「国会審議の活性化」や「政治主導の政策決定システムの確立」について、画期的な改革を行った。

帝国議会以来、国会審議においては大臣らに代わり、政府委員と呼ばれる官僚が多くの答弁を行ってきた。この政府委員制度が国会議論の停滞を招き、政治家同士による活発な議論を妨げてきたとして、廃止。
基本的に国会の審議においては、大臣・副大臣・大臣政務官が答弁を行うこととされた。新たに政府特別補佐人制度(人事院総裁、内閣法制局長官、公正取引委員会委員長、公害等調整委員会委員長)や政府参考人(内容は行政に関する技術的・細目的なものに限定)が設けられたものの、国会審議における政治家中心の流れが始まった。

概要は以下の4項目。
・国家基本政策委員会の設置(国会法の一部改正)
・政府委員制度の廃止(国会法の一部改正)
・政務次官の増員等(国家行政組織法等の一部改正)※政務次官は現在の副大臣と大臣政務官にあたる役職
・副大臣と大臣政務官の設置

国会審議活性化法の施行により、政府においては、現在の「副大臣」と「大臣政務官」のポストも新設され、「大臣・副大臣・政務官」の政治家が主導する各省庁の新たな枠組みも創設された。

今回、小沢幹事長は、10月16日には、民間有識者らで構成される「新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)」に国会審議の活性化に向けた改革案づくりを要請。これを受け、新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)は、元東京大学総長の佐々木毅氏を座長とする「政権選択時代の政治改革課題に関する検討小委員会」を設置、議論を行った。11月4日に「国会審議活性化等に関する緊急提言~政権選択時代の政治改革課題に関する第1次提言~」を発表した。

国会審議活性化等に関する緊急提言は、下記6項目からなり、会期制を廃止し、通年国会を実現することや現在の委員会を「議案審査会」と「国政調査・行政監視会」に分けて、法案審議と行政監視の双方を強化することなどを提案している。

(1) 前提としての「通年国会」への転換
(2) 委員会の制度・運用の見直し
(3) 与野党における政治家同士の議論(議案審査会等)
(4) 行政監視機能等の強化(国政調査・行政監視会等)
(5) 議員立法および野党・少数会派の活動促進策
(6) 政府・政党・国会の関係再構築

21世紀臨調の提言も受け、民主党は、11月9日の役員会で、国会のあり方や選挙制度、政治資金制度などの改革について検討する「政治改革推進本部」の新設を決定。11日に全体会議を開催した。
「民主党 政治改革推進本部」役員
本部長:小沢一郎幹事長
本部長代行:輿石東幹事長職務代行
事務総長:高嶋良充筆頭副幹事長
事務局長:海江田万里選対委員長代理

政治改革本部は、(1)政府参考人制度の廃止(2)内閣法制局長官の国会答弁禁止(3)行政公務員、各界有識者、市民団体などから意見を聴取する場の設置(4)質問通告の厳格化(5)大臣政務官の増員の5項目からなる「国会審議活性化案」をとりまとめ、16日の役員会にて了承を得た。

この中でも、「(3)行政公務員、各界有識者、市民団体などから意見を聴取する場の設置」が注目される。現在でも国会法では、51条1項で「公聴会」開催について規定されているが、実質的に形骸化が進んでいる。公聴会が法案の採決に対して、大きな影響を及ぼすことはほとんどないのが現状だ。

今回の「国会審議活性化案」では、政府参考人制度を廃止して官僚の答弁を撤廃する一方で、公聴会に似た意見聴取の場を別途設けることで、官僚や有識者、市民団体(NPO/NGO)などからの幅広い意見を国政に反映させることが狙いのようだ。今回の議論の結果によっては、国会への市民参加の機会が大きく拡充されることとなる。今後の議論の行方から目が離せない。

国会に関する法令は各党が協議して、議員立法で改正されるのが通例。今後はまず与党内での議論を経て、各党との議論が行われていくことになる。

ただし、与党内でも社会民主党(社民党)は政府参考人制度の廃止などについて、難色を示しているため、当初予定されていた今国会(第173回臨時国会)への法案提出は厳しい状況。

民主党が発表した「国会審議活性化案」は下記を参照。

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民主党 2009年11月12日

国会審議の活性化について

国民の代表である政治家が国政において十分に責任を果たし得る仕組みを確立するため、1999年の「国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律」成立後の国会審議のあり方を見直し、21世紀臨調からのご提言を参考にしつつ、速やかに所要の法改正等を行う。

1.政治家同士の議論を阻害している政府参考人制度を廃止する。
※「国会審議活性化法」(1999年成立)の「附則」において、「国会審議及び国の行政機関における政策決定システムの在り方については、国会審議をさらに活性化するとともに、国の行政機関における政策決定が政治主導で行われることを一層確固たるものとする観点から、政府委員制度の廃止の日から三年以内に検討を加えるものとする。」と規定。

2.内閣法制局長官は内閣の一機関であり、内閣からの独立性の高い人事院総裁、並びに準司法的機関である公正取引委員会委員長、公害等調整委員会委員長とは明らかに異なることから、「政府特別補佐人」から削除する。
※「国会審議活性化法」(1999年成立)の「附則」において、「政府特別補佐人については、副大臣等及び大臣政務官等の設置の時までに見直しを行い、結論を得るものとする。」と規定。

3.各委員会において、政治家同士による審議の場とは別に、行政監視、国政調査を充実させるため、行政公務員、各界有識者、市民団体、業界団体等から広く意見を聴取する新たな場を設置する。

4.質問通告の規則を改善・厳格化する。
※現行は「申合せ事項」において、「質疑者は、原則として、前々日の正午までに質問の趣旨等について通告する。」と規定。

5.政治主導体制を強化するため、大臣政務官を増員する。

以上
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新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)が発表した「国会審議活性化等に関する緊急提言~政権選択時代の政治改革課題に関する第1次提言~」の概要は下記を参照。

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国会審議活性化等に関する緊急提言~政権選択時代の政治改革課題に関する第1次提言~

(1) 前提としての「通年国会」への転換
・長期の常会による実質通年国会の実現
・会期不継続原則の廃止による本格的通年国会の実現

(2) 委員会の制度・運用の見直し
・政策分野別常任委員会の「議案審査会」と「国政調査・行政監視会」への切り分け、定例日、定数、定足数の見直し

(3) 与野党における政治家同士の議論(議案審査会等)
・国家基本政策委員会の活用と与野党の討論(党首討論の定着と大臣討論日の創設)
・政治家同士の議論と政府参考人や政府特別補佐人の扱い
・逐条的審査の選択的導入
・法案修正における「小委員会」活用
・一般的な事項に関する与野党の活発な議論

(4) 行政監視機能等の強化(国政調査・行政監視会等)
・「国政調査・行政監視会」の活動
・少数者調査権の整備による国政調査権行使の実質化
・口頭質問制度の整備と質問主意書制度の改革

(5) 議員立法および野党・少数会派の活動促進策
・議員立法の活性化
・野党に対する立法事務費等など立法・審議活動支援の割増について

(6) 政府・政党・国会の関係再構築
・政府提出法案に関する内閣の協議関与権確立、計画的な法案審議スケジュールの確立
・政府への質問通告の改善など
・内閣一元と政党の「党議拘束」のあり方の見直し
・副大臣、大臣政務官の役割強化・委員会理事兼務、早期の大幅増員
・閣僚の出席義務緩和など
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新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)のホームページは下記。今回の提言の全文を入手できる。
http://www.secj.jp/

国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律(国会審議活性化法)の制定経緯や概要などは、衆議院サイト内の下記「国会改革への取組」ページを参照。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_annai.nsf/html/statics/ugoki/h11ugoki/h11/h11kaika.htm

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