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その他ニュース

2009年11月30日 16:00

その他 : 東京都、公益認定等審議会で初の公益認定

11月20日、一般財団法人新宿区勤労者・仕事支援センター(東京都 理事長:佐田俊彦)からの公益認定申請に対して、東京都の公益認定等審議会は公益認定する旨を答申した。新制度施行1年を目前にして、東京都での公益認定はこれが初めて。

公益法人制度改革によって、主務官庁制による従来の公益法人制度(旧公益法人制度)は、準則主義により、公証人による定款認証と登記所での登記だけで簡単に法人格を取得できる「一般社団法人」及び「一般財団法人」と、第三者機関の公益認定等委員会などによる公益性の認定を受けた「公益社団法人」及び「公益財団法人」からなる制度(新公益法人制度)へと改革された。

東京都公益認定等審議会は、昨年12月にスタートした新公益法人制度において、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律に基づき、旧公益法人(特例民法法人)からの移行認定・移行認可や一般社団・財団法人から公益社団・財団法人への公益認定について公益性の判断を行う第三者機関。

東京都では、2007年3月に東京都公益認定等審議会条例が制定され、2008年1月に東京都公益認定等審議会が発足。この審議会が、法令に基づき、また国のガイドラインを参考にしながら公益性の判断を行うとされている。

東京都は、特定非営利活動法人(NPO法人)の認証数(9月末)が、6400法人近くと全国最多。全NPO法人中、約17%が東京都認証のNPO法人となっている。また、不認証数や認証取消数については東京都が圧倒的に多い。不認証数では9月末までの累計数575件の内、416件(73%)。認証取消数では9月末までの累計数104件の内、409件(25%)が東京都によるものだ。認証申請数自体が多いこともあるが、これらの数字は突出している。

この主な原因は、東京都が平成17年(2005年)に発表し、適用し始めた「東京都における『NPO法の運用方針』」と思われる。内閣府が平成15年(2003年)に策定した「NPO法の運用方針」を基本にしつつも、さらに監督が強化された内容となっている。

参考ニュース「東京都「運用方針」でNPO監督強化」(2005/04/22)
/2005/04/行政-東京都「運用方針」でnpo監督強化/

※東京都における「NPO法の運用方針」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2005/04/20f4e102.htm

この方針に基づき、東京都の認証手続きにおいては、定款の総会定足数や議決事項などについて指摘されることもあり、シーズへの相談も多い。東京都は他の所轄庁と比較して、監督を強化する形でNPO法が運用されている。

新公益法人制度においても、NPO法人制度に見られる基準強化と同様の傾向がある。2008年には、東京都公益認定等審議会が公益認定のガイドラインとなる「公益目的事業についての考え方」をまとめた。しかし、そのとりまとめ過程では、パブリックコメントに付された「公益目的事業の判断基準(案)」に対して、財団法人公益法人協会(公法協)らが問題点を指摘する意見を提出するなど、関係団体からの反発もあった。

参考ニュース「公法協、東京都の公益判断基準に意見提出」(2008/07/07)
/2008/07/その他-公法協、東京都の公益判断基準に意見提/

また、東京都はNPO法人と同様に、一般社団・財団法人の設立数も大変多くなっている。直近3ヶ月(2009年5月~7月)の実績で見ても、一般社団法人では601法人中270法人(45%)が、一般財団法人では92法人中49法人(53%)が東京都内で登記されている。
一般社団・財団法人は、全国的な活動を行い内閣府へ公益認定申請を行う場合でも、登記は所在地を管轄する登記所にて行う。このため東京都内で登記された法人には、全国的な活動を行う法人も多く含まれている可能性が高い。
しかし、それを差し引いても一般社団・財団法人の約半数は東京都に存在しており、東京都の公益認定等審議会が実際にどのような公益認定を行っていくのか注目が集まっていた。

旧公益法人(特例民法法人)からの移行認定と移行認可については、今年3月18日に財団法人足立区勤労福祉サービスセンターの移行認定が初めて認められた。その後も徐々に移行認定は認められていたが、公益認定は出ていなかった。新制度開始1年まで、あと10日に迫った中で、ようやく初めての公益認定が出る形となった。

11月20日、東京都で初めて公益認定を認める答申がなされた「一般財団法人新宿区勤労者・仕事支援センター」は財団法人新宿区勤労者福祉サービスセンターと新宿区障害者就労福祉センター(任意団体)新宿区の外郭団体2団体を統合する形で、平成21年(2009年)4月1日に設立された。
総合相談・就労訓練・スキルアップ・就職支援等の総合的な就労支援や福利厚生サービス・各種講座等の勤労者支援(ぱる新宿)のサービスを包括的に提供している。

新宿区勤労者・仕事支援センターについては、新宿区の外郭団体であり、市民活動団体ではない。実質的には、移行認定に近いものだ。そのため、今後の市民活動団体の公益認定判断モデルにはなりにくい。

今後増えてくるであろう、外郭団体でない一般社団・財団法人の公益認定申請に対して、東京都公益認定等審議会がどのような判断をするかに引き続き注目していきたい。

今回の答申内容は、公益法人information内の下記ページにて確認できる。(URLは短縮サービスを利用)
http://bit.ly/6cBBjr

公益財団法人新宿区勤労者・仕事支援センターのホームページは下記。
http://www.challengework.jp/

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