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その他ニュース

2010年12月09日 20:30

その他 : 公法協、PST無しでの税額控除適用を要望

12月3日、公益財団法人公益法人協会(東京都 理事長:太田達男)は、1日に発表された「市民公益税制PT報告書」に対する「市民公益税制に関する要望」を内閣府や税制調査会、民主党税制改正PTなどに提出した。公益社団・財団法人に新たにPSTを課すことなく税額控除を認めるよう要望している。

公益法人協会は、1972年に設立。2009年に移行認定を受け、公益財団法人となった。新旧公益法人に対する相談・研修事業や調査・研究・出版事業、非営利法人データベース「NOPODAS( http://www.nopodas.com/ )」の運営、民間法制・税制調査会による税制・政策提言など活発に事業を展開している。

参考ニュース「公法協、寄付信託税制などをPTに要望」(2010/04/07)
/2010/04/その他-公法協、寄付信託税制などをptに要望/

参考ニュース「公法協、新公益法人制度の運用改善を要望」(2009/12/21)
/2009/12/その他-公法協、新公益法人制度の運用改善を要/

今回の要望書は、12月1日に発表された政府税制調査会の市民公益税制プロジェクトチームによる「市民公益税制PT報告書」に対するもの。

市民公益税制PT報告書では、下記の通り、認定NPO法人をはじめ、公益社団法人・公益財団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人に対する寄付金について、所得税の税額控除制度を導入することが盛り込まれている。

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【市民公益税制PT報告書の概要】

●1:所得税の税額控除制度の導入(平成23年分から適用)

(1)認定NPO法人に対する寄附について、所得税において新たに税額控除を導入する(所得控除との選択制)。
〔控除割合〕 寄附金額の40%(地方税10%と合わせて50%)
〔控除限度額〕所得税額の25%
(2)公益社団法人又は公益財団法人、学校法人、社会福祉法人及び更生保護法人のうち、パブリック・サポート・テストと同様の要件と情報公開の要件を満たすものに対する寄附金について、税額控除を導入する。

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しかし、認定NPO法人以外の法人については、パブリック・サポート・テスト(PST)と情報公開の要件を満たすものにのみ税額控除を認めるとされている。これは、いわば公益社団法人・公益財団法人などの中から、さらに限定された「(税額控除対象認定)公益社団・財団法人」をつくることを意味する。

既に、新公益法人制度は法人形態として一般社団・財団法人/公益社団・財団法人の2階建て、税制上は(普通)一般社団・財団法人/(非営利型・共益目的型)一般社団・財団法人/公益社団・財団法人の3階建てとなっている。

今回の報告書内容が実現すると、税制上、(普通)一般社団・財団法人/(非営利型・共益目的型)一般社団・財団法人/公益社団・財団法人/(税額控除対象認定)公益社団・財団法人の4階建ての制度となり、複雑さが一層増すことになってしまう。

そもそも、パブリック・サポート・テストを中心とした市民からの支持により優遇税制の適格性を判定する認定NPO法人制度と、公益目的事業比率や収支相償、各種制約規定などをベースに第三者機関が判定を行う新公益法人制度は、生い立ちも制度趣旨・制度設計も異なる。

公益法人協会は、こうした点などに触れ、報告書の内容には賛意を表しつつも、公益社団・財団法人についてはPST要件を課すことなく、寄付金の税額控除を認めるよう要望している。

今回の要望の詳細は、公益法人協会サイト内、下記ページを参照。
「市民公益税制に関する要望書を提出しました(12/3)」
http://www.kohokyo.or.jp/kohokyo-weblog/topics/2010/12/123.html

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平成22年12月3日

公益財団法人 公益法人協会 理事長 太田 達男

市民公益税制に関する要望

市民公益税制プロジェクト・チーム(市民公益税制 PT)の最終報告書が 12 月 1 日、公表されました。「新しい公共」の実現に向け、寄附文化の醸成や認定 NPO 法人数の拡大策を盛込んだ同報告書には全面的に賛意を表しますが、23年度税制改正の検討においては、下記事項について、ご配慮をいただきたく要望いたします。

●所得税の税額控除制度の導入について

「所得税の税額控除制度の導入」について、公益社団法人、公益財団法人にパブリック・サポート・テスト(PST)要件を課すことなく寄附金の税額控除を認めること。

市民公益税制PT報告書では、認定NPO法人以外の法人で税額控除の対象となる法人について、「公益社団法人又は公益財団法人、学校法人、社会福祉法人及び更生保護法人のうち、認定 NPO 法人の認定要件でもあるパブリック・サポート・テスト(新たに導入される絶対値基準も含む。)と同様の要件と情報公開の要件を満たすもの」としています。しかしながら、次の理由により公益社団法人又は公益財団法人(以下公益法人)については PST の要件を課することなく、税額控除を認めるよう強く要望します。

(理由)
1 法人制度と税制との関係の差異
特定非営利活動法人と公益法人は法人法及び税制の作りが根本的に異なります。
すなわち、公益法人については「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」(平成18年6月2日法律第48号)に基づき意思決定、業務執行及び監督の権限が3つの機関に分配され、厳格なガバナンス体制の下に構築されています。理事・監事・評議員(以下役員等)の義務と責任が厳しく規定されています。

さらに、公益認定を取得するためには「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」(平成18年6月2日法律第49号)に規定する役員等の資格制限、目的事業の公益性、収支相償・公益目的事業比率・遊休財産規制などの財務基準、並びに財務書類を含む各種書類の作成とこれらの情報公開について、18の認定基準及びその他の諸要件を充足することが必要です。

公益法人は、これらの要件への適合状況について民間有識者からなる第三者合議制機関による厳格な審査を経て、公益性を認定された法人格です。その結果法人税、所得税に関する優遇措置並びに寄附者に係る寄附金控除及び相続財産控除が、公益認定に連動して賦与されるという仕組みとなっています。

他方、特定非営利活動法人は非営利法人格の簡便な取得と業務運営の簡素化を主眼として法人法が規定されており、その代わり寄附税制については別途税当局の認定を受けて、一定の優遇措置が賦与されるという構造になっています。

つまり、新公益法人は市民に代わり市民を代表する有識者が公益性とその組織の透明性やしっかりしたガバナンスの有無を判定する仕組みであるのに対し、特定非営利活動法人はPSTを通じて市民の評価を判定する仕組みです。

このように、法人法制、公益性の認定基準、税制との関連性が根本的に異なるにもかかわらず、新たに創設される寄附者の税額控除の適用について PST を要件とすることは、法制と税制が実質的に一体となった新公益法人の制度的理念を損なうものであり、大きな違和感を持つものです。

2 新しい公共の理念と新公益法人制度
新公益法人制度の施行後すでに 2 年を経過してすでに 700 近くの新公益法人が誕生しています。これらの法人には学術・文化・福祉の助成、奨学金給付などの資金交付型と芸術・文化活動、国際協力、地域社会貢献、福祉活動、環境保護、生活・災害・権利保護などを実践する事業型があり、地域や全国的に実に多種多様な法人が活躍しています。

一例をあげれば、各地の犯罪被害者を救援する団体、盲導犬など介助犬を育成する団体、世界遺産や美しい自然環境を守る団体、高齢者福祉などの団体、地域に根差すコミュニティ型基金、捨て犬・猫などに不妊手術をする団体、国内外で活動する国際協力 NGO 団体、暴力団から守る団体、自然災害などの復旧支援団体、街づくりの団体、伝統芸術を守る団体、起業家を育成する団体、人権を守る団体など、市民に密着し、そして志の高い団体が数多く誕生しています。これらの多くの公益法人は財政規模も十分でなく市民の寄附に多くを依存しており、まさに、特定非営利活動法人と共に市民による、市民のための、市民の団体として、今後の「新しい公共」の一翼を担うものです。

すでに、前記の通り厳しい条件をクリアしたこれらの公益法人は、認定特定非営利活動法人と同等もしくはそれ以上の公益団体としての適格性が認められた法人であり、その上にPSTを付加しようとするお考えは是非とも撤回していただくよう切に要望するものです。

以上

※「公益財団法人 公益法人協会」(理事長・太田達男)は、1972(昭和47)年に総理府(現総務省)の許可により設立、新公益法人制度の施行にともない公益認定を取得し、2009(平成21)年4月から公益財団法人として新たにスタートいたしました。「公益活動を担う団体による自律的で創造的な公益活動を推進、支援することにより、社会における非営利セクターの役割の向上と発展に寄与すること」をミッションとしています。

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