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助成金が決定したら、絶対取り組みたい情報発信のヒント

助成金が決定したら、あらためて考えていただきたいことがあります。それは、お金以外の助成金の価値、助成金の意義ということです。
・自分たちの団体・事業が他人に認められたということ
・助成金は単なるきっかけ、このきっかけをどう活かすか
・団体内のモチベーションアップ、スキルアップにどう活かすか
・「助成事業」という名のキャンペーンを通じて、自治体関係者、公益分野関係者、助成機関関係者等に、団体の周知を図る

助成金を「情報」として捉え、その情報をどう活用するかということが大事です。助成金を使って、助成事業として実施し、そして情報として発信する。この助成金の三段活用を意識しましょう。
そのためにぜひ取り組んでいただきたい、6つのステップをご紹介します。
 1.助成金が決定したら
 2.事業の準備を始める時に
 3.事業の進行中は
 4.もしイベントをするなら
 5.事業が完了したら
 6.次の助成金申請に向けて

ビフォーアフター

ビフォー

助成金を単なる「お金」の支援として考え、事業を行うための資金としてのみ活用してしまう。その付加価値について十分に活用しきれていない。

アフター

助成金をきっかけに積極的に情報発信をすることで、団体や活動に対する理解促進や、様々な資源提供がなされる。
また、団体の実績のアピールにつながり、事業実施団体としての信頼度の向上につながる。

手順

1. 助成金が決定したら

(1)助成金が決定したことを発信する
・ホームページ、会報誌、メルマガに掲載する。
・ソーシャルメディアで発信する。
・CANPANなどの団体情報データベースの実績欄を更新する。

【効果】
外部の資金で事業を行うということが内部のモチベーションアップになる。
助成事業を行うことに対する周囲への宣言と、事業に関する周知になる。
オープンに情報発信をしていくことにより、いろいろな協力者や理解者が集まってくる。
助成機関の立場で考えれば、積極的に情報発信をしている助成事業は数ある助成事業の中でも、特に気にしてくれるようになる(情報に接する機会を作れば作るほど、その効果は高い)。

※下の画像はCANPAN団体情報データベースの活動実績の項目欄です。それぞれの団体情報データベースに似たような項目があると思いますので、実績をアピールすためにぜひ活用しましょう。

2. 事業の準備を始める時に

(1)情報発信の準備をする
・広報・情報発信計画を策定する(体制、内容、スケジュール、情報公開の範囲など)。
・進捗報告を行うためのブログを用意する(もしくはブログでカテゴリー設定を行う)。
・事業の中で大きなイベントを行う計画があれば、この時点からソーシャルメディアのアカウントを活性化させておく。
(2)情報収集の準備をする
・関連分野の情報収集のためにGoogleアラートにキーワード登録を行う。
   http://www.google.co.jp/alerts?hl=ja
・関連分野の情報収集のためにTwitterでキーワード検索を登録する(アプリ等を活用)。

【効果】
事業の開始前に情報発信を意識することで、事業の進捗とともに積極的な情報発信ができる。
事業に関する分野の情報収集を積極的に行うことで、世間のトレンドを知ることができる。また、トレンドに合わせた情報発信を行うことができる。

3. 事業の進行中では

(1)「情報共有」を意識する
・組織内で積極的に情報共有を行う。
・オープンにできることは、組織内外を問わず積極的にオープンにする。
・事業に関連してネットで収集した情報は「NAVERまとめ」などのおまとめサイトを活用して、プロジェクト担当者の情報共有ツールとするとともに、団体の専門性をアピールする。

(2)ブログを活用する(具体的な実践方法)
・進捗をブログで報告する。
・ブログに活動実績を蓄積していく。
・キーワード検索を意識した記事作成を心がける。
・ブログは助成機関関係者も読んでいるということを意識して発信する。
・助成事業の事業報告書の元ネタとなることを意識して、ブログ記事を作成する。
・ブログに掲載することを意識した写真撮影を行う(特に写真は後の事業報告書作成に活用出来る)。
・ブログそのものが事業の成果となることを意識する。

(3)マスコミに取り上げてもらう
・事業の中で、マスコミに取材してもらいやすいきっかけを作り、プレスリリースを発行する。
・インターネットやマスコミで情報流通しやすい成果物、あるいは成果発表会の形を検討する。
・成果物は「○○市の子育て白書」というようなイメージしやすいものにする。
<参考サイト>
CANPAN・NPOセミナー「社会の幸せをつくる、ニュースリリースの書き方」
http://blog.canpan.info/cpforum/archive/96

【効果】
助成事業に関する情報(進捗状況)を組織内外に共有するすることで、助成事業に関する組織内外の意識・関心が高まり、組織内部の協力体制の構築、そして組織外部からの協力の申し出やコラボレーションの依頼がなされる。
特に事業が終わった後の情報発信ではなく、進行中の情報発信を行うことで、周囲の人を事業に参加してもらう機会を提供できる。
ブログを活用することで、情報発信の内容がアーカイブ化され、ネット上で活動内容や専門性をアピールすることができるとともに、その情報を今後の書類作りの元ネタとして活用することが出来る。

※下の画像はCANPANブログの管理画面と表示画面です。記録を残しやすいツールとしてブログがおススメです。

4. もしイベントをするなら

(1)情報発信する(告知編)
・集客周知にソーシャルメディアを活用する。
・メルマガでも、しっかり告知する。
・NPO系のイベント告知サイトを活用する。例えば、CANPANのトピックスに掲載すれば、自動連携でYahoo!ボランティアに掲載される。
・NPOセンターやボラセンの掲示板、メルマガに掲載してもらう。
・マスコミへのプレスリリースを発信する(取材のお願いと告知の依頼を使い分ける)。
・助成機関にダメもとで周知を依頼してみる
・助成機関のスタッフもしっかりお誘いする(参加してもらって活動をより深く理解してもらえるチャンス)。

(2)情報発信する(報告編)
・ノウハウ的なセミナーや活動報告会であれば、ブログに報告記事をしっかり書く。
・楽しみながらのイベントであれば、写真を中心とした報告をブログに行う。
・どちらのイベントにしても、Facebookでは、当日中に写真を中心に開催報告と参加のお礼を写真中心で行う(参加者にシェアされやすい)。
・参加者にメールでブログの報告記事をお知らせする。

【効果】
・イベントは告知と報告の2回の情報発信チャンスとなる。余裕があれば、USTREAM中継やTwitter中継などを行うことで、計3回の情報発信ができる。
・イベントの告知をインターネットの様々なツールで行うことは、今まで接点のなかった人たちにもアプローチすることができる。
・イベントの情報発信を通じて、団体や活動のことを知ってもらう機会とする。

※下の図は、ブログでのセミナー報告のイメージ

5. 事業が完了したら

(1)事業成果をアピールする
・事業報告書を作成し、公開できるものは公開する。
・特に助成金でどのような成果が出たかをしっかり掲載する。
・事業のノウハウを成果物としてまとめ、公開する。
・成果物や報告書は抜粋版も用意することで、まずは概要を知ってもらうきっかけとする。
・公式サイト、ブログで事業の成果をアピールする。

(2)事業成果を情報として流通させる
・マスコミやWebメディアで取り上げてもらうようなきっかけを作る。
・具体的には、白書の作成や事業報告会などのイベント企画を行う。
・白書はネットで公開することによってソーシャルメディアでの情報流通を狙う(販売している白書の場合は、概要版や一部抜粋版を掲載する)。
・事業報告会では、イベントの告知と報告を通じて、情報の拡散を狙う。
<NPOの白書作成に関する参考サイト>
【報告】CANPAN・NPOフォーラム「白書とブログ」(6/16日本財団ビル)
http://blog.canpan.info/cpforum/archive/31
東京で「白書とブログ」セミナーでした!(IIHOE 川北秀人さん)
http://blog.canpan.info/dede/archive/638

【効果】
事業の成果は助成機関だけに報告するのではなく、情報として発信することにより、団体の実績をアピールする素材として活用できる。
事業成果を発信することで団体の専門性をアピールする。
事業を実施して活動だけで終わらせるのではなく、情報として拡散、流通しやすい形(白書や報告会)にすることで団体や事業についてより多くの方に知ってもらうきっかけとする。

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6. 次の助成金申請に向けて

(1)事業の途中で次の助成金申請を行う場合
・ネットで進捗報告を行うことで、それまでの実績をしっかりアピールする。
・特に継続事業で申請する場合はそれまでの進捗をしっかりWebに掲載することは必須。
(例えば、4月に助成金が決定して、10月には来年の助成金申請をするので、半年分の進捗と成果をしっかり発表する。)

(2)事業が終わった後に次の助成金申請を行う場合
・団体の実績をアピールするために、助成事業の概要(助成プログラム、助成金額、事業内容)とその成果をしっかりホームページに掲載する。
・特に、いくらの助成金額で、どのような成果を出したかをしっかりアピールする。

【効果】
事業の進捗や成果をしっかり情報発信することは、次の助成金申請の際、助成機関の関係者がみなさんの団体のホームページを見た時の大きな判断材料となる。
既に助成金をもらっているということは団体の実績をアピールする重要なポイントになる。

※下の図は「CANPAN助成プログラム白書」から抜粋です。助成金の締切月別にグラフにしたものです。年間を通じて、助成申請を行うことができますので、タイムリーな情報発信(アピール)が大事です。

Canpan

コツ

繰り返しなりますが、助成金を120%活用するためには、お金以外の助成金の価値や意義を認識し、確実に助成事業を実施することはもちろんのこと、情報としていかに発信し、自分達の団体や活動のことを理解してもらうきっかけとして活用できるかということが大事です。

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山田泰久

群馬県高崎市出身、慶應義塾大学文学部卒。
日本財団システム統括グループ情報コミュニケーションチーム・公益コミュニティサイトCANPAN事務局。
日本財団でシステム・Webを担当しながら、CANPANではNPOの情報発信支援、ソーシャルメディアセミナー講師、NPO向けセミナーを企画開催。
【情報発信や助成金に関する参考資料】
http://blog.canpan.info/c-koza/

サンクス

著者のご好意によりボランティアで記事を執筆いただきました。山田泰久様に御礼申し上げます。

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本記事は、2014年03月14日公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。
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