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ふくしまNPOバンクの融資を上手に活用する方法

NPO法人等が、継続的に活動していくための大きな課題の一つが資金です。資金問題を正しく解決するためには、正しい財源の開拓、組み合わせ(会費・寄付・借入金・自主財源(独自財源)・助成金補助金委託指定管理・資本的財源など)が必要です。
福島県には、NPO法人の資金難を融資(NPO法人からは借入)で解決することを目的とした一般社団法人ふくしまNPOバンク(FNB)があります。県内の4つの信用組合(福島縣商工信用組合、会津商工信用組合、相双五城信用組合、いわき信用組合)と提携した「ふくしまNPO元気支援ローン」を販売しています。
「ふくしまNPO元気支援ローン」は、NPO法人の活動の充実と健全な運営を資金面でサポートするための融資制度です。この制度は、一般社団法人ふくしまNPOバンクが融資に対して保証し、福島県内の4つの信用組合がNPO法人に融資を実行するという仕組みです。

特徴は、次の通りです。
■融資対象は福島県内のNPO法人
■融資金額は50~300万円(10万円単位)
■融資利率は5%(保証料率含む)
■融資期間は1年間
■資金使途はつなぎ資金・設備資金・運転資金
■返済方法は一括返済か元金均等分割返済となります。

ビフォーアフター

ビフォー

●国や県の助成金事業の中には、精算払いの場合がありますが、資金繰りが厳しくて受託できない
●介護保険事業を始めたが、給付金の入金までの2か月間の人件費が負担になっている。
●設備・備品を充実させ、サービス内容を向上させたい
●そもそも、借り入れしてまで事業をする必要があるのか不安(借入の経験がない)

アフター

●「ふくしまNPO元気支援ローン」を「つなぎ資金」として活用することで、精算払いの委託事業を受託できた
●安定した雇用ができて、利用者も増えてきた。
●サービスの質・量ともに向上し、利用者が増え安定した収益が見込めるようになった。
●借りて返済することを学び、NPO活動に厚みが出てきた

手順

1. ふくしまNPOバンク(FNB)の仕組みを理解する

一般社団法人ふくしまNPOバンク(FNB)の案内やホームページに掲載してある「ふくしまNPO元気支援ローン」の説明資料をよく読んで、ふくしまNPOバンクの仕組みを理解してください。
http://www.utsukushima-npo.jp/npobank/pdf/fnb_ppt.pdf

          npo

2. 事前相談をする。(必須ではありません。)

借り入れを申し込む(融資を受ける)ためには、借り入れして、どんな事業を実施するのか、返済をどのようにするのかなど、通常のNPO活動とはちっと違った事務手続きが必要です。
中間支援組織のNPO法人うつくしまNPOネットワーク(UNN)や各市町村の支援センターに、事前相談することをお奨めします。アドバイスを受けることができます。

3. 臨時理事会を開催し、必要な書類などを準備します

借入のためには、幾つかの書類を用意する必要があります。少し手間がかかります。しかし、街の工場や商店の事業主の人たちも、借り入れするためにはこのような書類を準備しているのです。

次のような書類が必要になります。
① 保証委託申込書兼回答書
② ふくしまNPO元気支援ローン借入申込書
【注】上記の①②は、事前に準備してもよいですし、借り入れ申し込みの時に、支店の窓口で記載しても結構です。
③ 法人登記情報(登記簿謄本)
④ 定款
⑤ 借入に関する理事会議事録
⑥ 代表者の所得証明書
⑦ 代表者本人の確認資料(運転免許証のコピー)
⑧ 法人の2ヵ年分の報告書(新設の場合、認証手続き時の申請書一式)
⑨ 資金使途が確認できる資料(設備、土地・建物)
⑩ 返済財源が確認できる資料(つなぎ資金)
⑪ 事業計画書(財源となる収入計画が具体的にわかるもの)
⑫ 返済計画書
⑬ その他審査に必要と判断した資料
この中でも大切な書類は、「⑤借入に関する理事会議事録」です。作成方法が分からない場合は、下記に問合わせしてください。uketsuke@utsukushima-npo.jp

4. 最寄りの信用組合の支店に申込(相談)をする。

「ふくしまNPO元気支援ローン」を取り扱う金融機関は、福島縣商工信用組合、会津商工信用組合、相双五城信用組合、いわき信用組合です。お近くの支店に申し込みます。日頃から、その支店に口座などを開設し、日々の入出金などに利用して、支店の職員と顔見知りになることも、NPO法人の財源開発活動の一つです。
支店の担当者へ、丁寧に口頭でも借り入れの必要性を説明してください。

5. 融資保証審査会に出席する。

理事長(必須)や事務局長が出席し、融資保証審査委員会によるヒアリング(融資保証審査)が開催されます。原則として月1回、郡山市にて開催しています。
NPO活動に詳しい委員、経営に詳しい委員、金融に詳しい委員によりヒアリング(融資保証審査)を行います。所要時間は、原則として約一時間程度です。
ヒアリング(融資保証審査)では、NPO法人の設立経緯や事業内容、借入理由、返済財源、今後の展望などを確認し、申込書類と照合しながら融資可否(全額保証・減額保証・保証謝絶)が判断されます。

6. 融資保証された場合は、融資が実行されます。

申込した信用組合支店より、融資可否に関する連絡があります。融資保証された場合には、概ね1週間以内に融資が実行されます。

7. 約定に従い、返済をする。

元金均等分割返済の場合は、毎月9日(約定日)までに返済します。完済までの間、運営状況に関するフォローアップ(経営支援など)がありますので、NPO活動や組織基盤、営業方法などのアドバイスを受けることができます。

8. 融資を受けることができなかった場合

希望があれば、そのNPO法人に対し、経営支援を行います。「ふくしまNPO元気支援ローン」を利用できるNPO法人が増えることこそ、福島県内のNPO活動が元気になることだからです。

コツ

1, 資金の使途について
資金の使途と団体の使命(ミッション)の関連が、非常に深いこと、不可分であることを丁寧に説明します。借り入れのために開催する臨時理事会の議事録にそのことが反映されていると完璧です。

2, ヒアリング(融資保証審)の時には・・・
遅刻は厳禁です。服装は、ラフ過ぎないように注意してください。第一印象も大切です。融資保証審査委員も人間ですから。
質問には、思いつきで回答せず、使命(ミッション)や事業計画や決算書に従い、整合性のある回答をするように心がけてください。

3, 返済財源・返済計画を明確にする。
助成金・補助金で行う事業のつなぎ資金の場合、採択されたことを証明できる、委託契約書などを準備します。入金時期と契約金額を明確にしますが、減額条件があるかどうかも明確にし、減額されないための行動も明確にすると良いです。

鈴木和隆(すずきかずたか)

NPO法人うつくしまNPOネットワーク事務局長
NPO活動の専門領域は、ソーシャルファイナンス。趣味は、鄙びた温泉と日本酒を少々、ドラえもん収集。モットーは、「とりあえず、やってみる。上手くいかないときは、別なことを試みる。」
活動の様子:
http://www.youtube.com/watch?v=3rAuMrtQNgU&feature=youtu.be

【連絡先】
〒963-8835 福島県郡山市小原田2-19-19
電話:024-953-6092 ファックス:024-953-6093
メールアドレス:uketsuke@utsukushima-npo.jp
ホームページ:http://www.utsukushima-npo.jp/

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本記事は、2014年03月27日公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。
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