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記事No 9849
件名 Re: 6  災害救援活動
投稿日 : 2011/05/06(Fri) 10:32:33
投稿者 弁護士 浅野晋
参照先
さだ さん

 全く問題ありません。

 NPO法人を含め「法人」は、当該法人について定められた目的の範囲で権利能力を有するとされていますが、その行為が社会的役割を果たすためになされたものと認められる場合は、当該行為は当該法人の目的の範囲内の行為であると解されています。
 
 これに関しては、会社が為す政治献金が、会社の目的の範囲内のものと言えるかどうかについての最高裁判所の判例があります。
 会社は「営利を目的とする法人」ですから、無償の寄附である政治献金をすることが会社の目的の範囲であるかどうかが問題となりました。
 しかし最高裁は、会社による政治献金は、客観的、抽象的に観察して、会社の社会的役割を果たすために為されたものと認められる限りにおいて目的の範囲内であるとしました。(最高裁昭和45年6がつ24日大法廷判決)

 NPO法第2条1項は次のように定めています。

「第2条  この法律において「特定非営利活動」とは、別表に掲げる活動に該当する活動であって、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいう。」

 「6、災害救援活動」が、定款上は当該NPO法人の事業として記載されていなくても、今回のような事態が生じたときに、このような活動をすることは、まさに「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする」というNPO法人の目的にかなうものであると言えます。

 従って、「6、災害救援活動」が記載されていない団体が、震災への緊急支援や復興等に関わることは、全く問題ありませんし、むしろNPO法の趣旨を実現するものである考えます。

     弁護士 浅野晋

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