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1999年03月16日 10:00

行政 : 都道府県NPO法アンケート報告第4回

 

 

担当 小坂 雄二
文責 松原  明

 シーズでは、2月5日から16日まで、各都道府県に対して、法人申請受理および相談に当たり、どのような問題点が発生しているかについてアンケートを実施した。アンケートは47都道府県全てから回答があった。(経済企画庁はアンケートをとっていない)

 以下にアンケートの細かな質問と答を掲載する。(所轄庁は一括して「都道府県」とします。正確には、ある回答では、「都」がなかったり、「道」がなかったりしているわけですが、ここでは、すべて「都道府県」として記載しました。ご了承ください。)

 

■申請への対応について

 12月から1月末までの2カ月間に申請があったのは、40都道府県。申請がなかったのは、鳥取・徳島・鹿児島・福井・和歌山・富山・岩手の7都道府県となっている。

 受理の方法としては、申請書類を単に機械的に受け取るとしたのが12都道府県(26%)で、それ以外の35(74%)の都道府県は申請書類を窓口でチェックしている。そして、書類不備と思われるものに関しては、24の都道府県が、直ちには受理しなかったとしている。

 また、受理するまでに、相当回数にわたり相談を受け付け、申請者も受理者も問題ないとしてから、申請-受理の手続きを行っている都道府県もあった。その場で、ただちに受理しなかった場合は、再提出のために返したのが15都道府県。その場で訂正させたのが、8都道府県となっている。

 

■事前相談に関して

 事前相談に都道府県を訪れた団体数は、延べ約1300団体となっている。事前相談を受けて、書類の記載方法などで担当者にとって判断が困難な事例があった都道府県が35にのぼる。

 困難な場合には、経済企画庁に見解を求めたのが23都道府県、庁内で検討したのが22都道府県、他の都道府県に見解を求めたのが19都道府県で、市民団体に見解を求めたのも2都道府県あった。(複数回答)事前相談で、相談が多かったのが、定款の内容では、事業の種類、目的、会員の種別、入会条件、特定非営利活動の種類、公告の種類の順に多く、その他の添付書類では、事業計画書と収支予算書、設立当初の財産目録が並んでトップを占めている。

 とりわけ、所轄庁が困難を感じている問題で具体的な指摘が多かったのが、「特定非営利活動にかかる事業」と「収益事業」との切り分けについてどう相談に乗るかという点のようだ。

 市民団体のセミナーなどでも、この切り分けは質問が集中する問題であり、また明確な判断基準が持ちにくいのが、現状である。

 

■情報公開について

 申請書類の縦覧方法については、32の都道府県が開架式を採用していた。一方、14の都道府県が閉架式で、いちいち見たい書類を申請する方式となっている。

 申請書類の受理後の情報公示方法としては、ホームページに一部掲載しているのが13都道府県。県報に掲載しているのが、43都道府県、縦覧のみというのが2都道府県であった。(複数回答可)

 

【アンケートの回答】

1:12/1日から1月31日迄のNPO法人化の申請受理総件数は何件でしたか?


  1. 受理0件=7都道府県

  2. 1-9=34

  3. 10-19=4

  4. 20-29=1  

  5. 30-39=0

  6. 40-49=0

  7. 50-59=0

  8. 60-69=1

 

2:申請書の受理についてお聞きします


  1. 窓口では提出されたものの全てを受理した・・・・・・・・・・・・・12

  2. 窓口では明らかに書類不備と思われた場合、直ちには受理しなかった・24

  3. その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5


    • 申請書が提出された場合は
      (1)申請に必要な書類及び部数はそろっているか
      (2)各申請書類の必要的記載事項がもれなく記載されているかの2点について確認を行ったうえで、受理することとしている。なお書類不備と思われるときは、計算誤りなどはその場で訂正できる微細なものを除き、再提出するようお願いしている(福岡)

    • 事前相談という形で書類をあらかじめ見せていただく例がほとんどである従って正式に申請に来られたときは全て書類が整っつていた(三重)

    • 申請前に相談が数回あっている(熊本)

    • 書類不備と思われる場合は、いったん受理した場合差し替えが出来ない書類がある旨を申請者に説明し、正式受理扱いにするか、一時預かりとするかを申請者に選択してもらった(愛媛)   

    • 提出すべき書類が全部あるかのみを確認して受理した(青森)

 

3:2で「その場で直ちには受理しなかった」の項目に〇を付けた場合に以下についてお答え下さい。


  1. 再提出の為に返した・・・・15

  2. その場で訂正させた・・・・・8

  3. その他・・・・・・・・・・・6


    • 不足書類や書類の不備な点について、申請者に説明し、提出、再提出、訂正については申請者の意向を尊重している(岡山)

    • 訂正が完了するまで受理しなかった(高知)

    • 不備なものについて差し換えをお願いした(秋田)

    • 一時預かり扱いとなった場合は、形式的要件についてチェックした後、訂正等について申請者と相談し、形式的要件が整った後に申請者の了解のもと正式受理とした(愛媛)



  • コメント:再提出の為に返した45団体件数の内15都道府県の内訳は、1-9件=11都道府県、10-20=1都道府県、不明3都道府県、その場で訂正させた10団体件数の内8都道府県の内訳は、1-9件=7都道府県、不明1都道府県

 

4:現在までに(1月31日現在)、申請の事前に相談にこられた団体数は大体どの位でしょうか


  1. 0-9団体=11 

  2. 10-19=17 

  3. 20-29=8  

  4. 30-39=5

  5. 40-49=0  

  6. 50-59=1  

  7. 70-79=1  

  8. 120-129=2

  9. 140-149=1

 

5:事前に相談に来られた申請書類の記載内容について担当者では判断が困難な場面がありましたか?


  1. あった・・・・・35

  2. なかった・・・・12

 

6:5で「あった」とお答えの場合にお聞きします。その場合、以下どの様な処置を講じましたか(複数回答可)


  1. 経企庁に見解を求めた・・・・・・23  

  2. 庁内で検討した・・・・・・・・・22  

  3. 他の都道府県に見解を求めた・・・19  

  4. 市民団体に見解を求めた・・・・・2  

  5. その他(具体的にお書き下さい)・4


    • 係り内で検討(北海道)

    • シ-ズ等の解説書、民法のコメンタ-ルを参考にした(愛知)

    • ブロック会議等で検討議題とした(沖縄)

    • 庁内で検討するとともに内容によって関係機関に確認(熊本)


  • コメント:1つのみ回答・14、2つの複数回答・9、3つの複数回答・11、4つの複数回答・0、5つの複数回答・1。1つのみ回答の場合は庁内で検討が:7、経企庁に見解を求めたが:4、その他が:2、他の都道府県の見解を:1。2つ以上の複数回答の場合の組み合わせには必ず経企庁に見解を求めたが入る

 

7:事前相談の内、特に団体が相談された所は何処の所でしたか  該当項目に〇印を付け記入して下さい(複数回答可)


  1. 承認申請書1

  2. 定款の内容(相談の多い順に列記)


    • 事業の種類38

    • 目的30

    • 会員種別29

    • 入会条件28

    • 特定非営利活動の種類20

    • 公告の方法20

    • 残余財産の帰属17

    • 入会金及び会費14

    • 事業計画及び予算12

    • 役員の種別及び定数10

    • 会計の区分10 

    • 名称9

    • 役員の報酬8

    • 総会の権能8

    • 会計の原則8

    • 事務所の所在地7

    • 会員の資格喪失6

    • 総会の開催5

    • 総会の定足数5

    • 理事会の権能5

    • 資産の管理5

    • 事業年度5

    • 資産の区分5

    • 拠出金品の不返還4

    • 総会の議決4

    • 総会での表決権等4

    • 総会の議事録4

    • 資産の構成4

    • 事業報告及び決算4

    • 役員選任方法 3

    • 会議の種別3

    • 定款の変更3

    • 解散3

    • 理事会の議決3

    • 役員の職務2

    • 役員の任期2

    • 理事会の開催2

    • 理事会の開催2

    • 総会の招集 2

    • 理事会の議長 2

    • 理事会の表決権等2理事会の議事録 2

    • 総会の構成 2

    • 暫定予算 2

    • 予備費 2  

    • 予算の追加及び更正2

    • 退会1

    • 除名1

    • 役員の欠員補充1  

    • 役員の解任1

    • 総会の議長1

    • 理事会の構成1

    • 臨機の措置1

    • 精算人の選任1

    • 合併1

    • 付則(入会金6、事業年度6、役員任期6、事業計画及び収支予算4、設立当初の役員3、定款の施行日2)

  3. 添付書類


    • 設立初年と翌年の事業計画書 25

    • 設立初年と翌年の収支予算書 25

    • 設立当初の財産目録 25

    • 設立についての議事録の謄本 21

    • 設立趣意書 16

    • 役員の内報酬を受ける者の氏名 7

    • 役員名簿  5

    • 各役員の住所又は居所を称する書類5

    • 各役員の就任承諾書 4

    • 宣誓書の謄本 4

    • 社員の内10名以上の氏名 3

    • 確認したことを示す書類 3

    • 設立者名簿 3

    • 事業年度を記載した書類 2

    • その他(具体的にお書き下さい)4


      • 添付書類の様式と記載方法についての相談が多い(岡山)

      • 定款の提示があり、それをチェックして意見をつけて回答し、団体側に判断してもらっている(新潟)

      • 収益事業について(本来事業との区別、許容範囲)(秋田)

      • 税金がかかるかどうか。制度の概要を知りたい(青森)


 

8:特に事前相談で申請書類上判断に困難を来した内容があれば下記にその理由をお書き下さい


  1. 各種許認可に係わる関係法令との整合性(愛知)

  2. 会員に対し助成する事業についての間接公益の判断(新潟)

  3. (1)「特定非営利活動に係わる事業」と「収益事業」との区分について、どうい基準を用いるか。また事業計画書及び収支予算書からは、どう判断するか。(2)特定非営利活動に係わる事業と特定非営利活動の種類とのマッチが十分でない(徳島)

  4. 設立の初年(度)は成立の日から始まるが、申請時に置いては、成立の日は不確定なため、当初の事業年度の事業計画書、収支予算書について、いつからの分を作成すればよいか明確でない(長崎)

  5. 特定非営利活動事業と収益事業の区分が明確でない。財産目録に記載しなくてはいけない財産の具体例(広島)

  6. NPO法で準用されている民法の解釈に、例えば定款をチェックする上でどう判断すべきか不明な部分がある。(民法上で「定款に別の定めをすればその定めに従う」旨の規定があるがそれは定款自体に具体的内容を記載をするか、あるいは具体的内容は規則等定款以外に委ねる旨だけ記載してもよいのかなど(広島)

  7. 「特定非営利活動に係わる事業」、「収益を目的とする事業」、「その他の事業」が団体の活動内容によっては線引きが困難であり、現実的には団体側の判断に頼らざるをえない(  )

  8. 法の解釈が難しい部分があるため(長野)

  9. (1)会員がすべて団体で構成されている団体(2)会員の相互扶助で成り立っている団体(秋田)

  10. 本来事業(特定非営利活動に係わる事業)と収益事業の区別を何を基準にして判断するのかという点について、法は必ずしも明確でない(愛媛)

 

9:庁内で市民に対しての申請書類の従覧方法についてお聞きいたします


  1. 開架式・・・・32

  2. 閉架式・・・・14

  3. その他・・・・ 1


    • 決定していない(鳥取)

 

10:申請書類の受理後の情報公開の方法をお聞きします(複数回答可)


  1. ホ-ムペ-ジに公開・・・・・・・・13

  2. 県報に公示・・・・・・・・・・・・43

  3. ニュ-スレタ-等で公示・・・・・・ 1

  4. 従覧のみで特に公示していない・・・ 2

  5. その他(具体的にご記入下さい)・・ 8


    • 申請書の一部を縦覧していることを県広報と掲示板で公告(高知)

    • NPO法相談室内への県広報の掲示(福岡)

    • 公告事項の範囲内で照会があった場合は情報提供する(新潟)

    • 県下の出先機関6ヶ所においても縦覧可(兵庫)

    • 県庁掲示場へも掲示(長野)

    • その他の方法を検討したい(岩手)

    • 縦覧書類を課内で縦覧させている(福島)

    • 公告事項を県庁前掲示板に掲示(愛媛)

    • 掲示板に掲示(岐阜)


  • コメント:1つのみ回答 ・28、2つの複数回答・29、3つの複数回答・6、4つの複数回答・ 3。1つのみ回答では県報に公示が25、ホ-ムペ-ジが2、縦覧が1。2つの複数回答では県報とホ-ムペ-ジの組み合わせが9、県報とその他の組み合わせが5。

11:現状の申請書受理する上で問題点等がありましたら下記にご記入下さい


  1. 誤字脱字が多い。団体自体が自らの事業内容を明確に把握していない場合があり、事業計画書から団体の明確な姿が判明しない(  )

  2. 事前相談の際に、所轄長の権限外の事項(組織運営等)について情報提供することが行政の指導ととられるのではないかと懸念している(宮崎)

  3. 申請の段階での書類の基本的なチェックは行い、受つけ問題のないよう努めている(沖縄)

  4. 事前相談で書類を見たりするので「申請受理=認証」と誤解されないとうに注意をはらわなければならないと考えている(宮城)

  5. 申請相談と速やかな申請受理とのかねあいが難しく、担当者としてどの程度まで踏み込むべきか悩むところである。(あまり踏み込むと認証への期待をもたれてしまう)(  )

 

12:事前相談や申請状況から想定し、今後申請される団体数をお聞きいたします


  1. 全く判らない・・・・・・・・・・・・・・・・17

  2. 約以下の団体くらいを想定・・・・・・・・・・21


    • 0-10団体=13都道府県

    • 11-20=4

    • 21-30=1  

    • 31-40=1

    • 41-50=0

    • 51-60=2

  3. その他(具体的にご記入下さい)・・・・・・・・9


    • 10年度末迄は5-6団体で11年度はわからない(岡山)

    • 今後とはどの程度までの期間を想定しているか不明のため(茨城)

    • 介護保険制度の内容により変化するものと思われる(愛知)

    • 既に約70団体から事前相談を受けており、今後着実に増えていくものと期待している(福岡)

    • 説明会を行った際のアンケ-トでは、17団体に意志があった(新潟)

    • 現行の団体規約に基ずく役員会・総会を経て、設立の手続きをとる団体がほとんどで現時点での総会時期が3月以降に行われることから不明(徳島)

    • 当面は2-3件程度だが、介護保険法の実施等により申請を行なおうと考ている団体が多い(沖縄)

    • 現在団体からの相談が10件程度ある。今後の状況は不明(熊本)

    • 当面(年度末頃)は、数団体の申請が想定されるが、その後は全く判らない(介護保険制度の動向によるのではないか)(滋賀)

    • 当面2-3団体程度予想される(山形)

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