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2003年03月13日 10:00

行政 : 公益法人協会が緊急アピール

 (財)公益法人協会は、3月12日、「4つの問題点-公益法人制度改革論議について-」と題する緊急アピールを発表した。中間法人を、公益法人やNPO法人と一緒にすることや、社会福祉法人等に関して議論しないことを問題だとしている。

 

 (財)公益法人協会は、3月12日、「4つの問題点-公益法人制度改革論議について-」と題する緊急アピールを発表した。中間法人を、公益法人やNPO法人と一緒にすることや、社会福祉法人等に関して議論しないことを問題だとしている。  財団法人公益法人協会(太田達男理事長)は、約1200の社団法人、財団法人などから構成されている公益法人の協会組織である。

 現在、進められている公益法人制度改革に対して、3月12日、「4つの問題点-公益法人制度改革論議について-」と題する緊急アピールを発表したもの。

 アピールでは、以下の4点が問題としている。

  • 中間法人と公益法人・NPO法人の一本化は間違い
  • グランドデザインの欠如
  • 社会福祉法人等を改革対象に含めなくてもよいのか
  • 法制・税制バラバラな議論

 緊急アピールの全文は以下の通り。

平成15年3月12日

財団法人 公益法人協会
理事長 太田 達男

「4つの問題点」
-公益法人制度改革論議について-

 ご承知のように、現在まで伝えられております新制度の構想を巡り、昨今与党、NPO界、マスコミなど関係方面から様々な意見が出され、なかんずく、政府部内においてすら内閣府(行革事務局)、同(国民生活局-NPO所管)、財務省(政府税制調査会)の考え方にも微妙なズレがあるようです。このため、3月6日に予定された石原伸晃行政改革担当大臣の私的懇談会である「公益法人制度の抜本改革に関する懇談会」(以下懇談会)第8回および3月11日に予定された政府税調非営利法人税制ワーキンググループ(以下税調W/G)第6回の会合が突然中止されるなどある種の混乱を生じております。

 私は公益法人界の一員として懇談会メンバーに加わり、議論に参画してまいりましたが、この機会に、公益法人に身を置く者としてこの問題をどのように考えるのか、混乱の原因は何かということについて私の意見を発表させていただきたいと思います。

 私は以下の4つの問題点を指摘したいと考えます。

中間法人と公益法人・NPO法人の一本化は間違い

 第一に同窓会や後援会など中間法人と公益組織(公益法人やNPO法人)を一括りにして非営利法人という法人類型を作ろうとしていることです。
 両者は目的・事業が根本的に異なること(前者は仲間内の利益を目的とし後者は広く一般社会の利益を目的とする)、組織としての規律に大きな差異があること(一例をあげれば、同窓会での情報開示は会員だけで十分、一方公益組織では市民一般への開示が必要など)、残余財産の帰属先が異なること(前者は会員への分配が可能、公益組織では類似の公益組織や国に所有権は移る)などからこれを非営利という観点だけで、一まとめにしてしまうことには法人法制上も実務的にも大きな無理があります。そのため、税調W/Gでも比較的軽いガバナンス、ディスクロジャーを前提とするいわば閉鎖的な非営利法人一般を意識した議論となり、原則課税論を誘発させてしまったのです。

グランドデザインの欠如

 第二に、今後の社会において民間の公益活動が果たす役割を正しく評価し、その担い手である公益組織を国として如何に支援し育成すべきかという理念とそれに基づいたグランドデザインが欠落していることです。そのため、一部の官製公益法人に特徴的に見られる不祥事件のみに目を奪われ、あたかもこれらの問題法人を締め出すことが今回の改革の第一の目的と誤解されている傾向があることです。課税強化論が主張されたり、NPO関係者からイメージの悪い公益法人と統合されることへの反対論が出てくる一因はここにもあるものと考えます。

 しかし、これらの問題法人は公益法人2万6千のうちごく僅かで(資料ご参照)、大部分の公益法人は、純粋の民間の浄財とボランティアの精神に支えられて、日々公益活動を推進している組織なのです。このような社会的機能からみて、公益法人もNPO法人も根拠法が異なるだけで民間公益組織として何の差異もありません。両者の根拠法が異なること自体が世界に例のないいびつな現象であり、これを今回の改革を機会に統合し、より大きな民間の活力として育成し支援するという視点を、もともと強くアッピールするべきであったのです。

社会福祉法人等を改革対象に含めなくてもよいのか

 第三の問題点は、今回の改革の対象となる公益団体を公益法人(社団法人・財団法人)とNPO法人に限定したことです。しかし、公益を目的とする法人は社会福祉法人,宗教法人、学校法人、更生保護法人など民法の特別法に基づく公益法人が数多くあり、役員の義務など内部規律の多くを公益法人の根拠法である民法に準拠しています。法人制度の見直しを必要とする以上、これら特別法に基づく公益法人を除外する合理的理由は全く見当たりません。ガバナンス、デイスクロージャーなど内部規律はもとより、社会の監視とチェックが必要という意味では公益法人・NPO法人とこれら特別法に基づく公益法人との間では大きな差異はありません。また、法人税制についてもこれを区分する理由は全くありません。両者は本来平行して議論されるべきものです。

法制・税制バラバラな議論

 そして、第四の問題点は検討の手法でありますが、法制の仕組みと税制が分離され別々に議論されたことであります。公益法人制度の改革と謳いながら、内閣府行政改革担当を事務局とする懇談会では税制に言及することはタブーとして、もっぱら法制度に絞って検討し、その税制は財務省(税調W/G)にいわば丸投げする形となりました。およそ、新しい制度を考えるときに、税制を抜きにして一貫した議論を進めることはできません。最終的には税制上の観点から財務省が関与することは制度上やむをえないことではありましょうが、懇談会側では税制についても十分審議の上、かく考えるという案を固め、その上で財務省に検討を託する手順が必要であったと考えます。その手順がなかったことも混乱を生じた原因であろうと思います。

公益法人協会は以下のように提言します

 明治29年に制定された民法による公益法人制度を一日も早く大改正すべきであることは公益法人協会の30年来の主張でもあります。しかしながら、議論が尽くされず納得のゆく説明がないまま、いたずらに拙速を尊び、当初の予定とした3月末までに大綱を決めることは百害あって一利ありません。平成17年度末までに所要の法改正をおこなうという最終的なタイムリミットは動かしてはなりませんが、今後残された3年間の最初の1年間はもう一度原点に戻って法制・税制のフレームワークを総合的にかつ具体的に継続審議するべきと考えます。

 なお、公益法人協会は昨年9月内閣府行政改革推進事務局による「中間整理」に向けたパブリックコメントとして発表した意見書以来、一貫した具体的な主張を続けておりますが、この主張をさらに細部にわたり作成しました試案をさる2月20日に発表しました。念のため改めて添付させていただきますのでご高覧ください。
 一言で言えば、「民間の公益活動は民間に任せる、そしてその担い手である公益団体は社会に対する高度の透明性と受託者責任を基本とする規律を備える」このような制度に改めるよう提言しております。

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