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2003年07月29日 10:00

行政 : 参院で「NPO」商標問題を質疑

 7月17日、国会の参議院環境委員会で「NPO」商標問題の質疑があった。加藤修一参議院議員(公明党)の質問に対して、特許庁は「通常の手続きに従って審査をした結果、拒絶する理由がなかった」と答えた。加藤修一議員は、公明党NPO局長を務めている。

 

 「NPO」商標登録問題とは、2002年1月18日に、株式会社角川書店(本年4月からは株式会社角川ホールディングス)が、雑誌・新聞についての商標として「NPO」を出願し、特許庁が審査をした結果、2003年4月25日に商標登録されたこと。

 登録判明直後から、「団体の機関紙に“NPO”の語が含まれているが、変えなくてはならないのか」「“NPO”という語をつけた雑誌を角川以外は発行できなくなるのか」といった懸念の声がNPOから上がり、この商標登録に対するNPO関係者の反発は拡大している。また、新聞などマスコミでも「角川NPO商標登録問題」として、大きく報道されている。

 7月17日の参議院環境委員会での質疑は、加藤修一議員の質問に対し、政府参考人として津田博特許庁審査業務部長が招かれ、「NPO」商標登録問題について質問を受けたもの。

 質疑では、加藤修一議員は、今年4月に「NPO」という語が雑誌・新聞の分野で商標登録されたことについて特許庁に説明を求めた。

 それ対して、特許庁の津田氏は、審査官が商標法に基づき審査をおこなった結果、登録を拒絶する理由がなかったため登録査定に至ったと説明した。

 加藤修一議員は、NPO団体が定期刊行物に「NPO」という語を含む題号を使っていることが権利侵害となる可能性が生じることが懸念されるとして、特許庁に登録査定の見直しを求めた。

 環境委員会での質疑の詳細は下記の通り。

(加藤修一議員)

 次に、特許庁に来ていただいております。

 自然再生推進法にはNPO、特定非営利団体の役割が書かれてございますし、あるいは、ただいま取り上げました環境推進法案については環境教育の効果的な在り方としてNPOの役割が重要なものであるというふうに考えているというふうに私も認識しております。

 先ほど、大臣も、環境教育についてはNPOの積極的な活動が大事であると、そういう趣旨の発言をされておりますが、環境に関するNPOにかかわらず、一般的にNPOの役割というのは産業社会から市民社会に移行していく中で極めて大事でありますし、あるいはリスク社会の中にありましてもその在り方を十分考えていく上ではNPOの活動、役割というのは極めて重要であるというふうに思っておりまして。

 それで、大手出版業界の、直接固有名詞は出しませんので、KK書店が、民間非営利団体を示すNPO、それからボランティアという二つの言葉について特許庁に商標登録をして、それが正式に商標権が成立したという話になっておりまして、このKK書店は新聞、雑誌の名称としてNPOという用語の商標権を主張することができることになったと。つまり、KK書店以外の者がNPOと同一の範囲内で雑誌、新聞の名称等において使用する等の行為をすると権利侵害になってしまうということになるわけですけれども。

 これは、特許庁は、今回こういう非常に一般的な名前であるNPO、N、P、Oというこの三文字という用語は私はかなり一般的な言葉であって、うどんとか企業とか、そういう用語とある意味では同等じゃないかと。もっと極めて公的な意味合いもあるかもしれないですね、共助という形も含めて。これをなぜ特許庁は認めたのか、その辺についてお伺いしたいです。

(特許庁津田博氏)

 お答えさせていただきます。

 商標でございますけれども、商標は、事業者が商品やサービスを他人の商品やサービスと区別するために使用するマークでございます。そのために、商標出願の際には、使用する商品やサービスにつきましてそれを特定して出願していただいております。

 商標NPOでございますが、これは平成十四年一月十八日に雑誌、新聞について使用する旨の商標登録出願がなされまして、平成十五年四月二十五日に商標登録第四百六十六万五千八百二十二号として登録されております。

 本件商標でございますけれども、その登録は、登録出願を受けまして、専門的知識を有する審査官が商標法に基づいて審査を行っております。そして、登録を認める旨の審査決定、査定と呼んでおりますけれども、それを行ったものでございます。審査に当たりましては、商標法第三条、第四条に基づきまして、また判決、審決例を基に作成されました審査基準に従いまして審査を行っております。

 具体的には、商標が付される商品、役務との関係で他社の同種類の商品、役務と識別することが困難な商標でありますとか、又は識別することが可能でありましても、他人の商標登録と同一又は類似する商標あるいは公序良俗に反する商標等につきましてはこれは登録されませんけれども、それ以外については登録を認めるということになります。

 本件登録されましたNPOでございますけれども、雑誌、新聞という商品について商標登録がなされたものでございますけれども、当該商品の取引実態を踏まえまして、識別性があるか、類似商標の登録がないか、公序良俗に反していないか等を審査し、登録の適否を判断させていただいたものでございます。

(加藤修一議員)

 有識者によりますと、NPO、ボランティアという普遍的な名称を特定の企業が独占的に使うということについては、関係団体の出版活動を抑制する、あるいは情報の伝達を妨げることになる、また市民参加や情報公開を促進するためには活字が重要であり、新聞、雑誌の名称にNPOが使えないというのは非常に問題であると、そういうふうに言われておりますし、六月上旬から約半年間の間にNPOの関係者からのこういったものに対しての苦情は三百件を超えているというふうに言われているわけなんですけれども。

 日本NPOセンターのホームページの名前をNPO広場として出願したところ、特許庁は、一般的な言葉で商標登録にふさわしくないと、そういう拒絶した経緯があるわけなんですけれども、一般的な商標という意味ではNPOの方がはるかに一般的な話なんですけれども、この辺についてはどのようにお考えでしょうか。

(特許庁津田博氏)

 議員お尋ねのNPO広場でございますけれども、これは雑誌、新聞の分野ではなく、サービス、情報の提供の区分で、非営利団体の社会貢献活動に関する情報の提供に使用するものとして出願されたものでございます。

 NPO広場とは、民間非営利団体を意味するNPOのその文字と、それから情報の提供や交換等を行う場を表現しますそういう言葉として使われることが多い広場の文字を合わせて構成されておるわけであります。

 したがいまして、特許庁としましては、消費者の方々がNPO広場という商標を見た際に、全体としてNPOに関する情報の提供等を行うところという意味合いで、意味に理解するにとどまるものでありますけれども、電子手段を通じて多くの人々が似たようなタイトルの下に情報を発信している状況を考えますと、サービス、情報の提供という役務として識別性がないものと判断し、平成十四年八月二十三日に拒絶査定を行ったものでございます。

(加藤修一議員)

 KK書店はNPO支援のための新雑誌発行がきっかけであるということらしいんですけれども、各NPOが非営利目的で雑誌、機関誌等そのほかの印刷物や書籍を発行する場合には及ばないと、そういうふうに発言しているようでありますが、例えば、NPO新聞、NPO研究ニュースなどの題名を付けた定期刊行物、書籍などが営利目的で発行される場合はそれなりの処置を取るというふうに言っているわけでありまして、あるいは言論NPOとか、NPOxx、xxNPOとか、そういったことについては権利侵害として訴えられる可能性は残されているわけでありまして、自由にNPOという名前を使ってきていたNPOとしては、非常に嫌な気持ちを持ちながら活動せざるを得ないという、そういうことにもなりかねないと思うんですね。

 是非、この辺について私は十分見直しも含めて考えていただきたいと、このように思っております。別の機会にもう一度取り上げたいと思っています。

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