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2006年の報告

2007年08月29日 16:05

「NPOの信頼性確保のために~事業報告・会計報告の質的向上に向けて~」報告

2006年9月2日(土)午後2時より、宮城県の仙台市市民活動サポートセンターにて、「NPOの信頼性確保のために~事業報告・会計報告の質的向上に向けて~」が開催された。参加者は約60名と多数にのぼり、皆熱心に聞いていた。

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プログラムは以下のとおり。

  1. 基調講演「NPOの信頼性確保のために」
    (加藤哲夫氏/NPOせんだい・みやぎNPOセンター代表理事)
  2. 問題提起「事業報告・会計報告の質的向上に向けた事業の概要」
    (瀧谷和隆氏/NPO会計税務専門家ネットワーク事務局長)
  3. 事例報告
    1. 「NPO財務データベース」(馬場英朗/公認会計士)
    2. 「専門家のための個別相談フローチャート」(熊手艶子/税理士)
    3. 「NPO会計日誌」(脇坂誠也/税理士)
  4. パネリスト全員によるディスカッション及び質疑応答

まず、加藤氏による基調講演は、日本のNPOの信頼性の現状、宮城県内のNPO法人の事業報告書・決算書の実態調査の報告、そして、せんだい・みやぎNPOセンターの取り組みについてであった。

加藤氏の説明によると、「“ボランティアについての誤解”、“公開情報の不足”等の問題がある。行政も一般市民も、NPOにお金が動いていること自体に不信感を持っている。なぜ市民活動をやっているのかということから説明する必要があり、先入観をこわさなければならない。」という。

情報公開の面については、宮城県内のNPO304団体を対象に事業報告書等の実態調査を行い、その結果から次のような問題点を指摘した。

「所轄庁の記載例に従って作成している団体が71%、分量が1~3枚程度である団体が85%。これらの内容を見てみると、過半数はいったい何をやっているのか分からない。通常は、総会で議決された事業報告書を出すはずであるが、どうもそれとは別のものを出しているのではないかと思われるほどだ。

所轄庁の記載例どおりなのが良い事業報告書ではない。今年一年、何を目標とし、何を努力し、何を実現したのかが分からない事業報告書を書いているのでは、信頼性を高められるはずはない。皆、所轄庁の記載例に従わなければならないと思いこんでいるのが間違いであって、この所轄庁の影響力を排除し、団体の規模等に合わせた良いモデルを広め、『事業報告書をちゃんと書く』ことで中身のある団体とそうでない団体とがふるいにかけられる。

信頼性の確保のために事業報告書は極めて重要だ。」

と、報告書の形式でなく中身の重要性を強調した。

また、NPOの信頼性確保のためのせんだい・みやぎNPOセンターの取り組みとして、「サポート資源提供システム」、「みんみんファンド」、「NPO情報ライブラリー」が紹介された。企業側も社会貢献をしたいのにどこへ支援すればいいか分からない、という理由があることから、同センターではインターネット上でNPOの信用情報等を蓄積する方法を用いて、NPOと企業の仲介役としての活動を行っているそうだ。

次に、瀧谷氏による問題提起では、事業報告書の質的向上の第一歩として、報告書の見た目を良くしてあげることから始めるのはどうか、という提案がなされた。

「所轄庁モデルのような型にはめる方法(トルシエ型)では必ずしもよいものとはいえず、自由にオリジナリティを発揮して作成する方法(ジーコ型)をとるにしてもそれほどの力量を発揮できる状態には至っていない。

報告書が出せない、遅れてしまう、という現状について、自信の無さ、赤字だからはずかしいという要因が推測されるが、良い事業報告書を紹介して皆で共有すれば、キレイな事業報告書が作成できるようになる。そうすれば、助成金の申請に挑戦したりと前向きな方向へ進むきっかけともなるだろう。」

と述べた。

続いて事例報告で、馬場氏は、数値で分析可能な「NPO財務データベース」を紹介した。これは、バラバラの形式で作成されているNPOの事業報告書のデータを抽出し、それらの一覧情報と個別情報をホームページ上で公表するという取り組みである。NPOがせっかく作成した報告書を活かすこと、NPOを評価する仕組みをつくること、データに基づいた政策を考えていくことを狙いとする。

熊手氏は、複雑なNPOの税務をより分かりやすくした「税務専門家が行う個別相談対応のためのフローチャート」を紹介した。これは、NPOに関して素人の税理士でも個別相談を受けられるよう、解答レベルをあげていくための資料である。NPO法上と法人税法上の取扱いの違いにふれながら説明がなされた。

脇坂氏は、証拠価値を高める「NPO会計日誌」を紹介した。これは、NPO用にアレンジされた現金出納帳である。信頼を得るには帳簿の記帳をしなければ始まらないのではないか、内部トラブルを避けるためにも有用ではないか、ということであった。

最後に行われたディスカッションでは、赤塚氏がコーディネータをつとめ、事業報告書に関する議論が行われた。行政側が雛型にこだわる姿勢、それにNPO側はどう対応していくのかが主な論点となった。

今回のシンポジウムに参加して、事業報告書、会計報告書というのは単なる事務手続きとして形式に従って出せばいい、面倒くさいが仕方がない、と考えるのではなく、NPOをとりまく情報利用者、利害関係者、支援者等へのメッセージとしてNPOの考えをアピールできる手段であり、信頼を大きく左右する重要なものである、と多くのNPOがしっかり認識する必要があると感じた。

2006.10.26
金城久美子

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