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2002年の報告

2007年08月29日 11:26

「NPO法人税務セミナー」報告

 2002年4月8日(月)、午後6時半より東京ウィメンズプラザ(東京都渋谷区)にて、シーズ主催の学習会「NPO法人税務セミナー」が開催された。

 講師は公認会計士・税理士の赤塚和俊氏。

 赤塚氏は、シーズホームページの「NPOなんでも質問箱」の回答者も務めている。

 とても関心の高い内容で、事前申し込み制としていたセミナーの参加者定員70名は4月始めには既に一杯となり、申し込みを締め切っての開催となった。

 今回のセミナーの副題は、「確定申告を前に、税務の基本を学ぶ」としていたが、実際の内容は、税務の実務を学ぶためのセミナーとなった。

 年度末を終えたNPO法人は2ヶ月以内に確定申告の手続きを行う。3月決算の法人が多いと予想されることから、確定申告を前にしたセミナーが今回開催された。

 赤塚氏は「一人で確定申告できるように」を目標にさまざまなケースを想定した確定申告の方法について説明をした。

 赤塚氏は、もりだくさんのレジュメ・資料を駆使し、約2時間にわたり猛スピードで説明をした。専門用語が多く少し高度な内容かとも思われたが、参加者は経理担当者が多かった様子で、みな熱心にうなずきながらメモを取り講師の話を聞いていた。

 申告書の書き方については割愛するが、税務申告のポイントは、以下のような点である。

(1)収支計算書を「発生主義」にすること。

 現金主義で作成した収支計算書を発生主義に作成し直す。そのことで、その年度に実際にあった収入やかかった経費がわかり、税務申告に必要な課税所得額が確定する。

 発生主義に直すときの注意点は、a) 収益事業の収入とならない会費は未収金にあげても回収できるかわからないから、現金主義のままでよい。b) 借入金収入は発生主義では収入に含めない。c) 給与の未払い金は発生主義では支出に入れる。e) 家賃は普通次の月の分を前月には支払っているから、発生主義では前払い金になる。d) 敷金は、収支計算書上の支出として発生させるのではなく、貸借対照表上の資産の部に記載する。などである。

 現金主義で作成した収支計算書の次年度繰越金は貸借対照表上の資産の部の「現金と預金の合計」と一致する。また、発生主義で作成した収支計算書の次年度繰越金は貸借対照表上の負債・資本の部の「正味財産」と一致する。作成し直したときの検算に利用すると良いというアドバイスがあった。

(2)按分計算書を作成するときは、合理的な率で按分する。

 発生主義に直した収支計算書から、按分計算書を作成する。説例では収入割合により按分の率を決めたが、率は、従事時間でも、面積割合でも、合理的な方法によって出された数であれば良い。経費科目によって使う基準を変えても良い。

(3)10万円以上20万円未満の備品は、減価償却する。

 10万円以上の物品は一度の経費にすることはできないので、減価償却をする。説例にあった20万円未満のたとえばパソコン等は3年で均等償却をする。その他減価償却の必要なものの耐用年数、減価償却率などは、一般書店で解説書があるとのこと。

(4)物品販売をしている場合は当期売上数から、売上原価を割り出す。

 その年度に売れた商品数をだすことが必要となる。具体的には、期首在庫と仕入れ数を足したものから、期末在庫を引いた数が、当期の売上数となる。当期の売上数に、原価をかければ、売上原価を割り出すことができる。

 主な質疑は以下の通り。

Q.非収益事業の中での減価償却はどうしたらいいか?

A.全体の決算書を見たときに、減価償却しているところと、していないところがあるのは、わかりずらい。もし収益事業をしているなら、非収益事業の方も減価償却した方がいいだろう。

Q.決算確定日はいつの日付をいれたらいいか?

A.決算を総会で確定するなら、総会の日。理事会で確定するなら、理事会の日とする。

Q.パソコンを購入した後で、プリンターを購入した。合わせると10万円を超えるのだが、備品として減価償却するのか。

A.最初はいらないと思ったが、やはりプリンターがあるといいと思ったので、後でプリンタを買ったのですか。もしそうであれば別でいいでしょう。

 説明を終えて赤塚氏は「今日の説明は駆け足だったので、よく復習してください」と話し、また、「国税庁の税務相談室やホームページを利用したり、また、シーズホームページの「NPOなんでも質問箱」に質問を入れてください」と言って、締めくくった。

 回収したアンケートからは、説明が早すぎたという声もあったが、わかりやすかったと答える人が多かった。こういったセミナーをまた開催して欲しいという声も多かった。

 最後に、シーズ事務局長の松原明が挨拶をした。

 今日は赤塚さんに税務の実際についての話をしてもった。話を聞いていると税の運用は地方によって対応が異なることがあるようだ。NPO法人の数が全国で6000を超え、まだ発展段階ではあるが、明確な税のルールを求めていく時期にきているように思う。

 シーズではNPO法改正とNPO支援税制の改善のための運動を展開している。NPO議員連盟からNPO法改正の改正案がでている。また、去年10月から認定NPO法人のしくみがスタートしたものの、未だ認定を受けた法人は3法人にとどまっている。シーズでは今年12月を目指してを改正の動きを行う。今後も改善のための運動へ協力をお願いしたい。

報告:鈴木 歩

(2002-04-12)

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