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2003年の報告

2007年08月29日 13:46

公益法人制度改革の緊急状況報告会(土浦市)

 3月20日(木)午後18時15分から、茨城県土浦市において、シーズの事務局長である松原明氏を迎えて「公益法人制度改革の緊急状況報告会」が開催された。

 参加者数は20名と決して大きな集会ではなかった。しかし、集会の企画から呼びかけまでの期間は短く、まさに「緊急」の集会でもあり、主催者にとっては予想を上回る参加者数であった。

 松原氏からは、公益法人制度改革に関する概要、現状が報告され、会場の参加者からは、質問、意見、感想など積極的な発言がなされた。

 以下、茨城NPOセンター・コモンズの一ボランティアとして参加しての感想を交えて報告したい。


 私がボランティアとしてNPOに関わり始めたのは2週間ほど前からであり、公益法人制度改革については、新聞から得る情報程度の知識であった。そのため、会場からの質問とそれに関する松原氏のすばやい回答を十分理解することは困難であった。それでも、十分に理解できたことは、参加者が今回の制度改革に対して危機感を強く持っていること、そして、怒りというよりも戸惑いや苛立ちを強く感じていることであった。

 たとえば、「なぜ行革推進事務局は、公益法人、NPO法人、中間法人をまとめるという枠組みを作ったのか」、「宗教法人や学校法人と違って税収の見込めないNPO法人に、なぜ課税しようという考えになるのか」、「地方分権の流れの中で、なぜ市民活動の成長の芽を摘むような時代に逆行することをするのか」など、今回の改革にNPOが巻き込まれる理由が分からないといった発言が多くなされた。

 これらの質問について、「(行革推進事務局が)よく考えていなかったんじゃないですか」という松原氏の回答に会場からは気の抜けた笑いが起こった。

 NPO法人を申請中の団体からは、「申請して失敗したと思っている」という発言さえ飛び出した。その背景には、結局市民がどんなにがんばっていても、自分たちの計り知れないところで制度は作られ、活動の蓄積も無に帰すだろうという徒労感があったのではないだろうか。

 このような会場からのやるせない思いについて、松原氏は明快に答えていた。「NPOセクター全体のことを考えるならば、それを阻害する制度は避けたい。10年後のNPOのために、NPOが持続可能なセクターに成長するために、今、私たちは何ができるのかを考えることが必要である。だから、私たちがこの問題について感心を持っていることを示すことが大切である。このような集会に出ること、みんなで知ること、そして、怒っていることを伝えることで十分効果を挙げられる。」

 一般市民にとって、国会レベルの制度や税制に関することがよく考えずに行われるなどということは信じ難いことである。もっとも、よく考えられたとしても活動する当事者にとって満足する制度になるとは限らない。そのような時、どのように情報を収集し、声を上げればよいのかは学習しなければ分からない。今回の制度改革の問題で、私たちが声を上げ、何かを変えていくという経験は、今後のNPOセクター全体の自信を深めることにもなるのではないかと感じた。

(ここまでの文責 茨城NPOセンター・コモンズ 菅野ひろみ)

質疑の概要

参加者:

 何故、非営利法人の枠組みにNPO法人と中間法人のみが入ったのか。

松原:

 推測だが、公益法人の許可制が他国と比べても改革の焦点と考えた際に、準則主義の方向性になり、抜本的改革ということで、準則主義でくくることができ、且つ分野横断的な活動をしているNPO法人と中間法人、という構図になったのではないか。

参加者:

 何故、登録非営利法人にはみなし寄付がつくという話になるのか。

松原:

 登録制にする際に監督や規制を強めることの裏返しではないか。また、公益法人の制度がそのまま来ることだと思う。

参加者:

 課税強化したいのであれば、何故、宗教法人や社会福祉法人が入っていないのか。

松原:

 主務官庁との調整が大変と考えたのか、まずやりやすい法人制度で土台をつくり後から、民法の特別法に基づく各法人を入れていくという考えなのでは。官庁というのは5年から10年くらいの感覚で制度を徐々につくっていこうと考える。

参加者:

 収益事業の範囲拡大のようなことは、どこで議論され決まるのか。我々は関与できるのか。

松原:

 解釈の部分までは国会ではなく財務省で決まっていくが、認定NPOのみなし寄付など、大きな注目を集めれば政党が関わってくる。基本的に税に関することは与党税調を一度は通すことになっている。そこで関与していける可能性はある。

参加者:

 収益事業の範囲が拡大し不採算部門まで含めたほうが全体としては利益がでなくなり法人税がかからないという面もあるが。

松原:

 確かに、法人税に関してはそうなる。しかし、NPOの健全な発展を考えたときは、きちんと利益(繰越金)を確保していけるようになることを目指すべきだ。

参加者:

 将来の活動のための基金をつみたてていても、それが内部留保として利益扱いになるのではとても困る。基金は別扱いにならないのか。

松原:

 内部留保から除外する際の基準がわからないので現状ではなんともいえない。ただ、容易に取り崩してはいけないもの、というように明らかに使途の限定がないと、なんでも基金に積みかねないので難しいだろう。

参加者:

 今回の制度改革案を見ていると法人制度の統合という数合わせで検討している感じがする。NPO制度がなくなるという話になると、折角各地で取り組まれている行政との協働にもブレーキがかかり、地方分権の流れに逆行する。

松原:

 実際に、今回の報道により、NPOへの地方税の減免を検討していた自治体で議論がとまった例があると聞いた。NPOが自治体と築いてきた関係や支援施策も、公益法人が絡んできて、またやり直しになりかねない。

参加者:

 多くのNPOは役員がかなり持ち出して維持している状況だ。

松原:

 やはり10年後のために、組織もそこで働く人も持続できるようなNPOにしていく必要がある。まず、改革論議を市民活動を発展させる視点から進めるべき。NPOは、公益法人などよりも、より多様で多くの市民が関わっているという強みがある。この強みを生かしていきたい。

参加者:

 我々は何をすればいいか。NPOの会員が皆で手紙を出すとかしては。

松原:

 今回、いったん改革の議論からNPOが外れる見通しだが、これも市民側の猛反発があったからだ。ただ、新しく非営利法人制度ができていくと、いずれまたNPOも統合ということになる可能性がある。NPOにとってもいい制度改革になるよう、まず今回のような動きに関心をもつこと、集会に出たり、知り合いの議員や関係者に、私たちは怒っていると伝えること。具体的な修正案が見えてきた段階で署名や国会でのロビー活動などにご協力いただくこともあるのでご協力をお願いしたい。

(「質疑の概要」の文責: 茨城NPOセンター・コモンズ 横田能洋)

2003.03.28

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