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2002年の報告

2007年08月29日 12:47

変えようNPO制度!国会議員を囲む茨城集会

 日時 2002年11月17日(日)16:00~18:15

 会場 水戸市国際交流センター

 2002年11月17日午後4時から、茨城NPOセンター・コモンズ主催で標記の集会が開催された。

 会場となった、水戸市国際交流センターには、茨城県選出の額賀福志郎衆議院議員(自民党)、大畠章宏衆議院議員(民主党)がかけつけ、集まった約100人のNPO関係者と意見を交わした。

 また、当日出席できなかった丹羽雄哉衆議院議員(自民党)、石井啓一衆議院議員(公明党)、葉梨信行衆議院議員(自民党)、梶山弘志衆議院議員(自民党)、赤城徳彦衆議院議員(自民党)の5氏は、秘書が代理出席した。

 さらに、狩野安参議院議員(自民党)と中村喜四郎衆議院議員(無所属)からは、激励のメッセージが寄せられた。

 この集会は、「NPO・NGOに関する税・法人制度連絡会」(以下、連絡会)が、認定NPO法人制度の見直しを図るために展開している全国キャンペーンの一環。現在、政府や国会で、「認定NPO法人制度」の改正が検討されていることを受け、その改正を強く後押しする目的で茨城でも開催された。

 はじめに、シーズ=市民活動を支える制度をつくる会事務局長・松原明より、認定NPO法人制度の仕組みと主な課題、さらにNPO実態調査結果に基づくと殆どのNPOが認定の要件を満たせないことがデータをもとに説明された。

 特に現行のパブリックサポートテストでは、国連や行政とのパートナーシップ、民間財団からの助成による事業、正会員の拡大などに取り組むほどテストに受かりにくくなるという矛盾を抱えていること、また、地域で会員制で行っている福祉系のNPOは広域性や共益団体排除の要件でひっかかりやすいこと、仮に認定法人になっても、収益に企業なみに課税されること、海外送金のための届出が煩雑になる、など多くの問題があると指摘があった。

 そして、こうした要件を全体的に改善しないと認定率は上がらず、NPOの実態を踏まえた抜本的な改正が必要であると報告された。

 つづいて、県内のNPO法人からの報告があった。

アサザ基金 副代表 木村氏

 霞ヶ浦の生態系回復事業に取り組み、国も公共事業と位置付け事業費を出す状況になっているが、国の水利事業の見直しに関して意見が対立している。仮に国からの事業費がなくても事業を継続するためには寄付による収入を増やしていかなければならず、行政に対する独自性を保つことが環境NPOにとって欠かせない。

 特定非営利活動に伴う収入がパブリックサポートテストで分母に入らないようにすること、大口寄付金の上限設定の見直し、などを実現してほしい。

たすけあいネット龍ヶ崎ユーアンドアイ 理事長 佐藤氏

 地域での助け合い活動を中心に活動している。助け合い活動に対して支払われるお金は謝金であり労賃ではない。月に1000時間もの活動をコーディネートしいても、事務局に入ってくるお金は20万円にしかならない。最近になって委託業収入もあって常勤職員に数万円の手当てを出せるようになった。助け合い活動は請負業ではないというのが私たちの主張である。

 組織を継続する上では、収益も必要であり介護保険事業に参入する予定だが同じ介護保険事業を行う福祉法人と税制面でも格差がありすぎる。

自立生活センター・ライフサポート水戸 代表 井上氏

 重度障害者を専門に支援していこうと活動してきたが、活動対象が狭いといけない、とか、コツコツためたお金にまで課税されるというのは納得できない。行政もできないきめ細かいサービスに新たに取り組む上で、収益に対する課税は困る。NPOを縛るような制度にならないでほしい。

水戸こどもの劇場 代表 森田氏

 毎日の活動を支えている事務局4名の給与は合計でしても年間で150万円である。月1000円ずつの会費収入が収入の三分の一であり事業収入拡大にも取り組んいる。認定NPOにはなりたいが、広域性の条件も寄付収入も要件を満たせない。

 こうしたNPOからの訴えを受けて、参加した国会議員が、認定NPO法人制度改正に向けた決意を次のように表明した。

額賀福志郎衆議院議員(自民党)

 加藤紘一氏の後ついで、自民党NPO特別委員長、超党派のNPO推進議員連盟の会長を務めている。まずNPO法の改正法案を国会に出している。改正のポイントは特定非営利活動の分野を5つ増やすこと、申請書類の簡素化、暴力団関係者の排除、役員任期の柔軟な運用、予算主義の撤廃、不正報告に対する罰則強化などの面で改正する予定。内容は与野党一致しているので、委員会でスムーズに審議されれば成立する。

 認定NPO法人制度の要件の改正については、パブリックサポートテストの要件を全面的に変える、広域性の要件も見直す、という方向で取り組む。自民党税制調査会においても、党の委員長の立場で、収益事業ででた利益に関するみなし寄付金制度の必要性、寄付金損金算入額の拡大に取り組んでいく。連絡会からの要望内容も承知しているので、全面的にサポートしていく。22日には首相に直に税制改正を求めていく。このテーマに関して与野党は考えが一致しているが、法案審議については委員会の運営がスムーズにいくかどうか、という点がある。

 最後に哲学の問題として、アメリカでは宗教教育を通じて倫理や道徳を日常的に伝えているが、日本では人間教育を家庭が担ってきた。それが戦後弱まってしまい、今どう社会的倫理や道徳を伝えていくかが課題となっている。アメリカで寄付が多く寄付制度もできていることは、儲けた金は社会に還元するという価値観が浸透していることの現れであることを理解し、21世紀の日本の家族、地域、国家、世界をどうつくっていくかを考えることが重要だと思う。

大畠章宏衆議院議員(民主党)

 NPO法改正を審議する内閣委員会は、個人情報保護法案を巡って紛糾したため、それ以外の法案審議がストップしてしまった。法案審議をわけていけば改正法案の審議もすすむだろう。

 NPOの実態と税制度があっていない背景に、官が民を信用していない、ということがある。これまで自分たちが仕切ってきた税制を変えることに抵抗がある。暴力団などを取り締まるという視点ではなく、NPOを支援する制度に変えていくべき。民主党としては民主導の地域づくりが重要であると考えている。NPOが日本を変えるという認識で共に取り組んでいきたい。

 次に、会場との質疑応答があった。

・NPO法改正の時期はいつ頃になる見込みか

 衆参で2日審議日程をとれれば成立できるので早期実現に取り組みたい。改正法が12月に成立すると、一定の周知期間をおくので、5月に改正法の施行になるのではないか(額賀氏)

 与野党が協力すれば12月13日の会期末までに成立の可能性は高い。(大畠氏)

・税制改正の動きはどうなるか

 自民党の考えがまとまったあと財務省との折衝になる。昨年度の自民党の税調でみなし寄付は検討事項になっており、首相も方針演説でNPO拡大を述べている。要件緩和とみなし寄付実現に努力したい。12月20日頃に予算編成がおわるので、それまでに次年度税制も固まるだろう。(額賀氏)

・自民党税調はどうなっているのか

 自民党税調は基本的には財務省主税局とタイアップして動いてきた。もう右肩上がりの時代ではなく行政サービスで何でもできる時代ではない。今後の社会にあった政策や税制を考えようという勉強会を開いているが、これは第2の税調をつくろうとしているわけではない。(額賀氏)

・今回、財務省側の対応はどうか

 税に関するところは最も保守的だが、今は新たなうねりをつくる時期。高度成長時代のぬるま湯の時代感覚から脱却して新たな制度をつくっていく上で、NPOは突破口になる。皆さんは社会をリードしているのだから自信を持ってください。従来のものを守ろうとする動きとぶつかるのは当然のことなので、共にがんばって変えていこう。(額賀・大畠氏)

 最後に、日本NPOセンターの李凡氏より、今回の税制改正に向けた署名活動の報告(全国3036団体、茨城42団体が賛同)と、18日に開催される全国規模の決起集会と、19日に行う国会議員に対する直接請願活動への参加の呼びかけがあり、閉会した。

文責:茨城NPOセンター・コモンズ 横田能洋

2002年11月29日

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