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2005年の報告

2007年08月29日 15:56

緊急集会「変わるか?認定NPO法人制度」報告

 2005年12月6日、都内中野サンプラザにて、緊急集会「変わるか?認定NPO法人制度」がシーズやNPO支援団体などとの共催で開催された。

 今年12月15日に決定される与党の来年度改正大綱を間近に控え、税制改正の攻防がヒートアップしているが、その中でNPO支援税制の改正もまさに山場を迎えている。しかし、状況は楽観できるものではなく、政府の一部から要件緩和に慎重な声が出るなど、本当に有効な緩和になるかどうか予断を許さない状況となっている。

 そのため、この集会は、急遽1週間前に緊急企画され、NPO関係者に参加が呼びかけられた。60名を越える参加者があり、テレビや新聞等の取材陣も詰めかけ、会場は熱気につつまれた。

 まず、シーズ事務局長の松原明が、認定NPO法人制度の改正の現状について、「認定NPO法人制度は、NPO法人を資金的に支援するために2001年に創設されたが、認定要件が厳しい。施行から4年経過しているが、2万4千法人あるNPOのうち、認定をうけた法人はわずか38にとどまっており、その割合は、0.15%である。これでは、制度をつくった意味がとぼしい。」と説明。

 そして、認定NPO法人制度の認定要件のうち、今年、特に改正になるかどうか争点になっているとものして、パブリックサポートテストの算式でNPOの社員の会費を寄付として扱えるようにして欲しいという点や、補助金や委託金をポジティブ評価して欲しいという点、また、情報公開の制度により寄付者が寄付しにくくならないようにしてほしいという点などが解説された。

 次に、各団体からの必要性のアピールがされた。

 ぱれっと事務局長補佐の菅原睦子氏は、

「NPOは会員に支えられて活動するもので、会員は会を支えている。社員の会費が議決権があるためにパブリックサポートテストの算式の分子に入れられないのは、NPOが支えられる活動の仕組みを分かっていないとしか思えない。また、本来事業収入が税法上の収益事業として課税された上、パブリックサポートテストの算式の分母だけに全額入るのは不公平であり、運営の基盤の安定のために行っていることが正当な評価を受けていないと感じる。会員を増やし、収益事業を増やそうと努力すればするほど、この認定の要件からは離れてしまって、税の控除が受けられるようにならない。認定要件の緩和を求めたい」

と訴えた。

 子どもNPO・子ども劇場全国センター理事の名越修一氏は、

「全国に250の構成団体があり、そのうち125がNPO法人化しているが、認定NPOになったのはゼロである。その理由は、社員の会費がパブリックサポートテストの算式の分子に入れられないこと、事業収入が分母に全額入ること、委託費が分子に入れられないことの3つである。会員から支えられようとがんばり、子どもに良い舞台芸術を見せようと活動をのばし、行政とパートナーシップを組んで委託を受ければ受けるほど、この認定の要件から遠ざかってしまう。認定NPO法人制度の改正は、我が国でどのような寄付文化を育てるかという方針によってつくられるものであるべきで、小さな政府を目指す方向性に合致するものである。早期に制度の改正を目指したい。」

と訴えた。

 NPO事業サポートセンター理事の山根眞知子氏は、

「今年米国にNPOの資金調達の調査のために行ったのだが、その際日本の認定制度について説明をしたら、信じられないという対応をされた。特に社員の会費が寄付とみなされない点については、とても驚かれてしまった。また、米国にいる日本人は、よく寄付をしているという話も聞いた。これもきちんとした税制があるためと思う。今年NPO/NGO連絡会が提出している要望書の内容は、これらすべてが達成されて欲しいものである。実効性のある改善をしてほしい」

と話した。

 日本NPOセンター副代表理事の山岡義典氏は、

「米国に100万あって、イギリスに20万あって、日本に38あるものなんだ?というクイズが作れる。これは市民社会の大きさを示している。認定NPO法人制度を受けられるようになることが、理想のNPOの姿とするべきであ。NPOらしい活動を展開するとこの認定要件から遠のいてしまうのでは、困った話であり、倫理性が問われる。」

と訴えた。

 会場からは、公益法人制度改革の進み具合によって認定制度が影響を受けるのかといった質問や、認定要件の緩和を4年続けていると聞くが、役人が仕事をしていないということではないかといった意見が出された。

 最後に、シーズ事務局長の松原は、今年の改正運動の見通しについて、

「税をめぐる運動は長い道のりがある。認定NPO法人制度は、認定独自の基準からなる部分と、特定公益増進法人に似た部分からなっている。そのため、来年度の公益法人制度改革の影響も受けることとなり、来年度も再び、焦点にして行くべき部分もある。しかし、まずは今年、特にパブリックサポートテストを中心に実効性のある改正がなされるよう頑張っていこう。

 認定NPO法人制度は、NPOのためだけではなく、NPOに寄付をして参加する人、寄付者の意志を活かしていける社会をつくるために必要な制度である。NPOが今からめざすべき姿を見据えて、改善を求めることが必要である。認定NPOの改正は3度経験してきているが、どれも実効性がないことが問題である。実効性のある改善を求めて、少なくとも数千から1万のNPO法人が認定をとれるような仕組みになるよう、皆さんと一緒に頑張っていきたい。」

と締めくくった。

 シーズでは、引き続き認定NPO法人制度の行方についてホームページなどでお伝えしていく。引き続き、ご注目いただきたい。

 なお、6日の集会の様子は、7日のNHKのニュースでも放映された。

2005.12.07

鈴木歩


【番外】

NHK記者の取材を受ける松原事務局長。

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