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2006年の報告

2007年08月29日 16:12

NPO・IT推進協議会設立記念イベント

 12月6日午後2時から、東京のマイクロソフト株式会社新宿本社5階で、「NPO・IT推進協議会 発足記念イベント」が開催された。

 この日発足した「NPO・IT推進協議会」は、NPOの経営力強化をIT活用の支援を通じて行うことを目的として、企業、NPO支援団体、ITエンジニアコミュニティの3者からなる任意団体。マイクロソフト株式会社とシーズが呼びかけ人となり設立された。

 会場には、NPO関係者、IT企業社員など130名を超える参加者が来場。「NPO・IT推進協議会」への関心と期待の大きさをうかがわせた。

 総合司会は、マイクロソフト株式会社 西堀華子氏。

■開会挨拶

 はじめに、マイクロソフト株式会社代表執行役社長ダレン・ヒューストン氏が、「マイクロソフトは、2006年からは3ヵ年の経営方針である『Plan-J』のもと、誰もがITの恩恵を享受できる社会の実現を目指し、特にIT活用の進展の余地が大きいNPO、教育機関、中小企業、電子政府の4つの領域において、重点的に『デジタルインクルージョンの推進』に取り組んでいる。NPOについては、IT活用を通じてNPOの組織自体の経営力強化を図ることを目的とした施策『NPO-J』を本年4月より開始。社会の課題の解決にNPOが果たす役割が益々大きくなってきていることから、この取り組みをさらに発展させるために、『NPO・IT推進協議会』を立ち上げた。この記念すべきイベントにご参加いただいたことに謝意を表したい。」と述べ、開会の挨拶とした。

■第1部「NPO・IT推進協議会」設立発表

 第1部に登壇したのは、「NPO・IT推進協議会」」の参加企業、団体の下記8名。

  • NPO法人イーパーツ常務理事

    会田和弘氏

  • NEC CSR推進本部社会貢献室フィランソロピーエキスパート

    東 富彦氏

  • 株式会社大塚商会取締役兼上席執行役員

    中嶋克彦氏

  • Culminis,Inc.CEO

    デイビィッド M.サンダーズ氏

  • シーズ=市民活動を支える制度をつくる会事務局長

    松原 明

  • 株式会社日立製作所情報・通信グループCSR推進本部担当本部長

    橋詰裕志氏

  • 松下電器産業株式会社社会文化グループ渉外部長

    相沢俊行氏

  • マイクロソフト株式会社社会貢献部部長

    竹原正篤氏

 はじめにマイクロソフト株式会社社会貢献部部長竹原正篤氏が「NPO・IT推進協議会」(以下、協議会)の概要を説明した。

 竹原氏は、「この協議会は、マイクロソフト株式会社と、シーズ=市民活動を支える制度をつくる会が呼びかけ人となって設立。設立メンバーには、企業からは、株式会社大塚商会、日本電気株式会社、株式会社日立製作所、松下電器株式会社、マイクロソフト株式会社の5社が、NPO支援団体としては、イーパーツ、シーズ=市民活動を支える制度をつくる会の2団体が、そして、ITエンジニアコミュニティとしては、INETA(アイネタ)Japan、Culminis(カルミニス)の2つのコミュニティが参加している。」と説明。

 また、協議会の活動目的について、「IT活用によるNPOの経営力強化、参加企業やIT技術者の社会貢献活動の充実、NPOと企業・IT技術者とのシナジー効果の発見を目指す。協議会メンバーは、定期的に会合し、NPOの経営力強化に向けた具体的なIT支援策を検討・実施していきたい。」と述べた。

 さらに、竹原氏は、「具体的な支援策の検討にあたり、今後はワーキンググループなども設けていきたい。ぜひ、NPOの皆さんにもご参加願いたい。」と呼びかけた。

 次に、シーズの松原明が、協議会が同日開設したNPO向けポータルサイト「NPO plus」の紹介を行った。

 松原は、「この『NPO plus』の名称は、NPOの経営にITを通じて新しいプラスを提供するという趣旨から決まった。『NPO plus』では、協議会の活動内容を掲載するとともに、NPOによるIT導入事例、活用ノウハウ、便利なツールなどを紹介していく。NPOへのIT支援情報や参加企業の社会貢献活動情報なども提供していくので、ぜひ、http://www.npoplus.jp/ にアクセスしていただきたい。」と述べた。

 続いて、協議会のメンバーが紹介され、記念撮影が行われた。

■第2部 パネルディスカッション

 「NPO・企業・IT技術者の協働が生む新しいビジョン」

 第2部では、「NPO・IT推進協議会」の発足を記念してパネルディスカッションが行われた。

 パネリストは、下記の5名。

  • NEC CSR事業本部社会貢献室フィランソロピーエキスパート

    東 富彦氏

  • NT-Committee2代表

    柳原秀基氏

  • NPO法人世界の子どもにワクチンを日本委員会事務局次長

    江崎礼子氏

  • NPO法人フローレンス代表理事

    駒崎弘樹氏

  • マイクロソフト株式会社SMS&P Plan-J推進本部市場開発部

    森本登志男氏

 ファシリテーターは、シーズの松原 明が務めた。

 パネルディスカッションでは、はじめに、NPO法人「フローレンス」代表理事の駒崎弘樹氏と、NPO法人「世界の子どもにワクチンを」の江崎礼子氏が、自団体のITの導入事例とその成果について報告を行った。

 駒崎氏は、「発熱など子どもが病気になると、保育園では預かってもらえなくなり、このことが働く母親の仕事と育児の両立を阻んでいる。そこで、フローレンスは、働く母親の子育て支援活動として、近隣小児科、地域の子育て経験のあるベテランママたちが連携した病児保育に取り組んでいる。IT導入については、病児を預かる保育者の家と本部をウェブカメラで結ぶことで、保育者の不安が解消され、保護者の安心感にもつながり、サービスの向上が図れた。」と報告。

 次に、江崎氏が、「予防可能な感染症で命を落とす発展途上国の子どもたちにワクチンを供給する活動を行っている。会員、寄付者に支えられている活動だが、その会員・寄付者管理にITを活用している。名簿をデータベース化したことで、きめの細かい対応が可能になり、支援者の拡大につながった。また、支援税制を受けられる認定NPO法人になったが、その申請のためにも会員管理システムが不可欠だった。」と述べた。

 2つの事例報告を受けて、ITを活用してNPOが経営強化を図るために何が必要なのか、IT企業や技術者にはどのようなことが期待されるのか、などについて活発な議論が交わされた。

 議論のなかで、NPO関係者から、「NPOにとって、ITの導入は、情報公開においても不可欠。信頼性・透明性の確保のためには使わざるを得ない段階になってきている。」との発言があった

 また、多くの人を巻き込んで社会の課題の解決に取り組むNPOの活動において、「ITは、その言葉の持つ無機質な印象とは反対に、会員管理やコミュニケーションツールとして活用することで、団体と支援者の心を結ぶ温かい交流を実現するものだ。」との発言もあった。

 一方、IT技術者からは、「団体のどの業務に、どうITを活用したいのか、それをきちんと整理して伝えてもらうことで、システム化が円滑に進行する。」と、NPOがIT技術者と作業を進めていく上でのコツが語られた。

 さらに、企業関係者からは、「企業の支援を求める場合、その企業のCSR活動方針を理解して、その路線に合った提案をしてもらうと社内的な合意が得られやすくなる。」といったアドバイスがあった。

 会場からは、IT活用と個人情報の管理に関する質問があった。この質問に対しては、NPO関係者が、その対応策として、システム自体に強固なセキュリティシステムを付して漏洩を防ぐことと、研修などで個人情報の保護の重要性などをスタッフに周知徹底することの2本立てで対応する必要があるだろうと答えた。さらに、こうしたIT活用にともなうリスク管理についても協議会で議論していく必要があるだろうとの意見が出た。

 ディスカッションを通じて、パネリストたちは、「協議会の場でNPO、IT企業・技術者がパート-ナーシップを結ぶことで、それぞれの強みが生かされ、足りない点が補完され、その結果よりよい社会の実現がかなう。」との共通認識を再確認していた。

 最後に、ファシリテーターの松原明が、「協働して事業を成功させるには、初期の段階から事業プロセスをともに作り上げていくことが重要。企業、NPO、IT技術者コミュニティといった、異質で立場も異なるメンバーが構成する協議会だが、ぜひとも、協力するプロセスを通して価値観を共有し、さらに新しい価値を生み出していくようになりたい。そうすればきっと素晴らしい成果につながるだろう。」と締めくくり、3時間にわたって開催された「NPO・IT推進協議会設立記念イベント」は閉会した。

 閉会後には懇親会が開かれ、参加者が「NPO・IT推進協議会」のメンバーやパネルディスカッションの登壇者らを囲み、協議会の発足を祝い和やかに談笑していた。

文責:徳永洋子(シーズ)

2006.12.28

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