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2002年の報告

2007年08月29日 12:45

NPO支援税制改革に向けて(札幌)

日時: 平成14年11月15日(金)6:30PM~8:30PM
場所: 札幌市中央区民センター2階
主催: NPO推進北海道会議
北海道NPOサポートセンター
共催: NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会
協力: シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
助成: トヨタ財団

 現在、政府や国会で、「認定NPO法人制度」の改正が検討されていることを受け、その改正を強く後押しする目的で、表記の集会が開催された。

 集会には、地元出身の小川勝也参議院議員(民主党)、峰崎直樹参議院議員(民主党)がかけつけ、参加した77名のNPO関係者と熱心に意見を交わした。

 この集会には、当日出席できなかった地元国会議員からも大きな賛同の意が得られ、佐藤静雄衆議院議員(自由民主党)、武部勤衆議院議員(自由民主党)、伊達忠一参議院議員(自由民主党)、中川昭一衆議院議員(自由民主党)、町村信孝衆議院議員(自由民主党)、丸谷佳織衆議院議員(公明党)、横路孝弘衆議院議員(民主党)の7氏は、秘書が代理出席した。

 さらに、伊達忠一参議院議員(自由民主党)、中川昭一衆議院議員(自由民主党)、横路孝弘衆議院議員(民主党)、吉川貴盛衆議院議員(自由民主党)の4氏からは、支援税制改革に向けての決意と激励のメッセージが寄せられた。

 会議の司会は、北海道NPOサポートセンター・小林事務局長。

 はじめに、シーズ=市民活動を支える制度をつくる会・松原明事務局長より、『認定NPO法人制度に関する説明資料』にもとづき、下記のように、NPO支援税制改革に向けての現状と課題についての報告があった。

 1998年、NPO法(特定非営利活動促進法)がスタートし、2002年10月30日現在、全国で8315団体が認証を受けている。これらNPO法人の約6割が年間収入1000万円以下の団体であり、財政基盤の脆弱さがうかがえる。

 これら団体の財政面をバックアップするために、2001年10月1日より「認定NPO法人制度」がスタートした。一定の要件を満たしていると国税庁長官が認定したNPO法人が「認定NPO法人」となることができ、この認定NPO法人に寄付をした寄付者(個人・団体)に対して、一定金額まで寄付金が課税所得から控除されるという制度である。この制度により、個人や団体が認定NPO法人に寄付をしやすくなり、認定NPO法人は寄付を集めやすくなる。

 しかし、現行の認定NPO法人制度には改善すべき点が多く、2002年11月1日の時点で認定を受けている団体はわずか9法人、NPO法人全体の約0.1%にしか満たない。

 具体的には、日本版パブリックサポートテスト、複雑な申請書類、地域性の要件、2年ごとの再申請、共益性の排除要件といった認定要件が、障害となっている。

 なかでも最大の問題は、日本版パブリックサポートテストである。「総収入金額に占める受入寄附金総額の割合が3分の1以上でなければならない」というのが要件で、シーズの調査によると、96%超のNPO法人がパブリックサポートテストをパスできない。

 認定NPO法人制度の要件緩和を図り、この制度を団体の社会的な活動を促進するものにしていくべきである。

 つづいて、日本NPOセンター・田尻佳史事務局長より、全国の状況等についての報告があった。

 現在、「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」は、認定NPO法人制度改正を確実に実現させるため、来年度の税制改革大綱がまとまる12月中旬に向けて、各地のNPOセンターと共に全国キャンペーンを展開している。全国15ヶ所で国会議員を交えての集会を開催中で、今日の集会も、その一環として開催された。

 同時に、連絡会は全国のNPO法人に対して、「認定NPO法人制度の改善に関する要望書」への賛同署名を呼びかけ、その結果、3064団体の代表者からの賛同署名が寄せられた。この署名は、国会議員への要請行動のなかで提出していく。

 それを受けて、再び松原より下記のような国会での与野党の動き、状況説明があった。

 現在、認定NPO法人の要件緩和については、大きく分けて3つのルートで議論が進められている。一つは、政府内で、内閣府等と財務省の間での折衝。もう一つは、与党3党の中で、各党税調と各党のNPO部会との間で。3つ目は、野党4党が参議院に提出したNPO支援税制法案の審議である。野党4党の法案は、14日に趣旨説明があり、審議入りした。各党税調と各党のNPO部会、政府内の折衝は、12月中旬まで続くが、今からが本番となる。我々は、それぞれにきちんと働きかけていく必要がある。

 こうした報告を受けて、出席した小川勝也参議院議員(民主党)、峰崎直樹参議院議員(民主党)より、NPO法制度見直しに対する決意と共に、国会内の動き等について次のような発言があった。

小川勝也参議院議員(民主党)

 国が持っている様々な権限を、地方に任せられることは任せるようにすれば、行政のやらなければならない仕事はもっと少なくなるのではないか。

 中央省庁がやる仕事が非常に少なくなるかわりに、地方自治体の仕事が増えたり、あるいは民間が活力をもってその仕事に当たったりすることになり、NPO・NGOがもっと活躍する社会が必要だと考える。

 NPOやNGOの認知度は日一日と地域において高まってきている。我々が安心して生活していくうえで欠かせない制度であるので、魂を入れる意味でも、税制の部分にしっかりと取り組んでいきたい。

峰崎直樹参議院議員(民主党)

 日本の寄付金税制には変えなければいけないところがたくさんあるが、なかなか変わらない。

 東京大学の井堀さんという財政学者は、所得税の一部を自分がどういうところに配分してもらいたいか、税務の申告のときに書けるようにしたらいいということを提案している。大賛成である。さらにそれを発展させ、どのNPOに寄付したいということを、自分の税金の使いみちとして使えるようになればいい。税の規制緩和という考え方だが、民主党はこの考え方を是非発展させていきたいと考えている。

 税率は低くても、所得があれば納め、納めたものの使われ方をしっかり監視していき、その使いみちを私たちがある程度自由にしていくのがいいのではないか。

 北欧の充実した福祉・社会保障の水準を見て感嘆の声をあげるだけではなく、そのとき税の負担がどうなっているのかも併せて考えてみる必要がある。福祉・社会保障の充実のために必要な財源として国民はしっかり出して、しっかり受け取ろうではないか、ということを考えている。

 引き続き、会場との意見交換が行われ、会場からは、下記の発言があった。

  • NPO法人の団体だけでなく、もう少し広くパブリックセクター的な公益法人なども含めた税制改革というかたちでもっていけないものか。もう少し大きな幅でサポートテストを使えないのか。
  • パブリック・サポート・テストというのは、大きな団体に対して私的な活動を防ぐためのツールであって、新しく出来た小規模団体のふるい分けをするツールではないと思っている。アメリカの制度を導入するならば、きちんとそのような趣旨を理解して導入すべきではないか。
  • 仮に多くの団体が認定NPO法人になったとして、現状では確定申告をしなければ税の還付がうけられない。将来的な見通しとして、年末調整などの簡易的なかたちでの還付制度も整えていく方向で運動を進めていただきたい。

 それに対して、松原から、次のような発言があった。

 助成財団に関する税制度の研究会をつくり、シンポジウムを開くなど、公益法人セクターを巻き込んだ税制改正の動きも模索しているところだ。NPO法人制度、認定NPO法人制度は、次にくる制度改革のひとつの先駆け。これをどうしていくかという議論の中から次のスタンダードが生まれてくる。決してNPOに限定して運動していこうとは思っていない。

 アメリカではパブリック・サポート・テストというのは非常にゆるやかで、95%の団体が通る。制度というのは一歩一歩進んでいくものだと思っている。より多くの人が関心をもって、関心を持っているということをきちんとアピールしていくことが、制度を動かし社会を動かしていく何よりも大きな力になる。

 年末調整については、特定公益増進法人でさえも年末調整を使えないという現状。認定要件をもう少し緩和して認定を受けることができたときに、次の話としてやっていく話。けっこう大きな法律改正になるので大変なところがあるが、ただビジョンとしては既に十分考えている問題である。変えなければならないところはたくさんあるが、一気に変えられないというもどかしさを感じている。

 最後に、北海道NPOバンク理事長・杉岡直人氏が、次のように語った。

 現在、北海道NPOバンクに対しては、9団体の申し込みがあり、これから審査、年末までには融資先を決定する予定。

 少ない資金では借りる額も活用する幅も限定されるので、日々出資者を募っている。

 今後ファンデーションのようなものをつくり、より積極的にNPOの事業に対して大規模な資金提供していくことが必要と考えている。支援税制が改正されていくなかで、自分達の力でがんばるNPO、先駆的な事業をしているNPOを育てていきたい。

報告:北海道NPOサポートセンター

編集:シーズ

2002年11月28日

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