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2004年の報告

2007年08月29日 15:05

NPO活動推進自治体フォーラム千葉県大会

 2004年10月19日(火)と20日(水)の両日、千葉市で、表記のフォーラムが開催された。

 大会のテーマは、『NPOとともに築く21世紀の地域社会--いま、競い合う時代 NPOとの協働のあり方を問う』。

 まちづくりなど、さまざまな分野でNPOの役割に対する期待が高まっているにもかかわらず、自治体のNPOに対する理解や、効果的なNPO施策についてのコンセンサスは十分に確立されていないのが現状だ。このフォーラムは、こうした認識を背景に、NPOとともに21世紀の地域社会のあり方について議論する目的で開催された。

 主催は、岩手県、滋賀県、静岡県、千葉県、横浜市の5自治体で構成する「NPO活動推進自治体フォーラム実行委員会」。

 会場は千葉市幕張新都心にある財団法人海外職業訓練協会国際能力開発支援センター。

 参加者数は、1日目が702人。2日目が340人。

 台風の影響による悪天候にもかかわず、全国各地から、自治体職員、NPO関係者などが参加して、熱心に講演やパネルディスカッションに耳を傾け、分科会では活発な意見交換が行われた。

 下記にフォーラムの概要を報告する。


 1日目は特別セッションと知事・市長セッションが開催された。

■特別セッション「地域になぜNPOが必要なのか」

講演者:

山岡義典(特定非営利活動法人 日本NPOセンター副代表理事)

〔講演概要〕

 なぜNPOが必要なのかを考えた時、地域社会の免疫力、すなわち新しい課題への対応能力を高めるためだということができる。雑菌にさらされるうちに抗体ができ免疫力がつくように、NPOが小さい問題に直面し、その解決を繰り返していくうちに、地域全体に大きな問題への対処力が備わる。

 地域を支えるNPOは、任意団体・NPO法人・公益法人の3つの層からなる。自治体がNPO施策を検討する際には、対象地域の現状やそこに存在するNPOの組織規模を見極めていく必要がある。

 また地域社会には自治体、NPO、地縁組織があり、個人がこれらの組織に参加し、三者の関係をいかに築いていくかが、地域の免疫力の形成にかかってくる。地縁組織と自治体のつながりはこれまでもあったが、今後注目されるのは、地縁組織とNPOとのつながりをどう築いていくかということではないだろうか。

 NPOが地域社会で役割を果たしていくためには、NPO活動に市民の参加があるというのが前提。市民がNPOに参加するということは、行政・企業の活動に間接的に参加するということでもある。自治体は、選挙、審議会、パブリックコメント、町内会活動などを通して行政への参加を求めているが、かならずしもうまくいかないことが多い。NPOが行政へ参加することを保障する条例をつくるなどして、市民が参加しやすい環境づくりを検討してはいかがだろうか。

 自治体とNPOとの協働が進むことの意義は大きいが、その一方で市民参加のないNPOとの協働は癒着の源となることも懸念される。NPOらしいNPOとは、「受益者・支援者・社会全体から信頼を受けているNPO」である。日本NPOセンターが中心になってまとめた「信頼されるNPOの7つの条件」を参考にしていただきたい。

(記録:丁理恵・竜野啓子)


■知事・市長セッション

「NPOとともに築く21世紀の地域社会~いま、競い合う時代、NPOとの協働のあり方を問う~」

 上記のテーマをもとに、この大会の実行委員会を構成する5首長によるパネルディスカッションが行われた。

 コーディネーターは松原明(シーズ=市民活動を支える制度をつくる会事務局長)が務めた。

 増田寛也氏(岩手県知事)、石川嘉延氏(静岡県知事)、國松善次氏(滋賀県知事)、中田宏氏(横浜市長)、堂本暁子氏(千葉県知事)の各首長がそれぞれの視点で、地域社会のビジョンやNPO施策を紹介。つづいて、その時代背景や現在の課題に取り組む姿勢が示され、NPOと自治体との協働のあり方やその意義について熱心な議論がなされた。

 登壇者の発言は下記のとおり。

松原明(シーズ=市民活動を支える制度をつくる会事務局長):

 ほぼ時を同じくして法律が整って始まったNPOの全国的な広がりと地方分権の動きは、現在重要な世の流れとなっている。これからどういう新しい地域社会を創り上げていけるか、換言すれば自治体とNPOがどう協働していけるかが注目される。知事・市長への以下の質問から、自治体とNPOとの協働の形を探っていきたい。

  • 質問1:
    どのような地域社会を築こうとしているのか。そこになぜNPOが必要か。どう協働していくのか、そのビジョンはどのようなものか。

  • 質問2:
    では、どうやってそのビジョンを実現していこうとしているのか。

  • 質問3:
    最後に、意気込みを一言。

増田寛也(岩手県知事):

 これからの社会では、「自治体のトップ=地域経営のトップ」であることを期待され、どのようにして地域が自立していけるのかという経営手腕を競い合う時代となるだろう。自立にあたっては、地域資源すなわち地域力に注目すべきで、今は眠っている地域力が発揮されるような環境づくりをすべきである。それには、従来の官・民といった二元的な発想では不十分であり、NPOなどを通じた地域住民の行政への参加が期待される。

 岩手県では、平成15~17年度の3年間をNPOの集中的な育成・支援の期間と定め、NPOの量と質の向上のために、公開プレゼンテーションに基づいた財政支援(いわてNPO基金)や、公認会計士など専門的なアドバイザーの派遣、サポートルームの設置などを行っている。NPOの良さというのは行政から自立しているという点にあるので、中間支援NPOを通じてNPOの育成支援をするなどして両者の自立した関係を崩さないよう配慮している。

 今後は、こうしたNPOとの協働が大切だということを担当部局以外にも広めていきたい。具体的には、“元に戻す公共事業”という形を示し、官か民かの二分でないやり方の「はしり」をつくっていきたい。

石川嘉延(静岡県知事):

 これまでも新たな政策の芽というものは地方行政から始まってきた。豊かな感受性と意欲に基づく、きめ細やかで素早い対応は国をも動かすのである。静岡県が掲げる“県民主役の行政”の実現において、NPOにかける期待は大きい。

 5年間にわたってNPOとの協働を模索し、NPO活動の啓発および普及はそろそろ目処がつきそうである。今後はNPO活動のサポートに取り組みたい。

 NPOとの協働によって自治体職員の専門能力が引き出され、行政の効果や実効性があがることを期待している。

國松善次(滋賀県知事):

 滋賀県では、琵琶湖の赤潮発生に対する市民運動を通じて、市民の間に「ひとりひとりが立ち上がらなければダメだ」という認識が生まれた。県民が主役となって地域をよくすることができるようになるには、行政とNPOの協働が大事であろう。

 協働に際しては、NPOが行政を上手く使えるようにするため、NPO支援を目的とした財団法人淡海ネットワークセンターをつくったり、NPO活動を県民に発表する場として「おうみ市民活動屋台村」などを設けたりしている。

 NPOを始めとした市民の方々と一緒に問題解決に向けてがんばっていきたい。

中田宏(横浜市長):

 NPO法ができた背景には、“官の限界”がある。公共サービス=行政サービスではなく、さまざまな市民団体と渾然一体になって地方自治を行うべきだ。行政だけでは間に合わないからという消極的な理由からだけでなく、自らが参加することによってはじめてサービスの満足度が高まるという積極的な理由もあって、横浜市では「民との協働」を最重要テーマとしている。

 今年度から市長直属で庁内横断的に活動できるように市民活動推進事業本部という部署を設置した。市長に就任してからは、NPO共同オフィスを設けたり、市民参加型のイベントを開催するなど、NPOの活動する機会を広げてきた。またNPOからの提案を受ける形での協働提案事業の募集を行い、10月末には提案NPOによる公開プレゼンテーションを予定している。今後も行政とNPOとの協働に向けた取り組みを実践していきたい。

堂本暁子(千葉県知事):

 リオ・サミットに参加した際に、「国家だけでは解決できないことがたくさんあり、市民一人ひとりが立ち上がらなければならない」と痛感した。よって、「NPO立県千葉」を掲げ、「徹底した情報公開」と「県民参加の県政づくり」に取り組んできた。

 県の政策づくりにおいて、行政がルートをつくってきた今までのトップダウンのやり方を逆転し、ボトムアップ型に変えていきたい。県民やNPO主導でNPO活動推進指針をつくったことが、その後の福祉や環境保全などの政策にも生かされている。今後も県と市民の協働体制づくりを進めていきたい。

 セッションの締めくくりには、5首長による共同アピールがなされ、「NPOとのパートナーシップの推進と自治体改革」、「NPO施策の成果と課題の共有、必要に応じた国への政策提言」、「自治体間のネットワークの構築」の3点に取り組んでいくことが確認された。また、次回のフォーラムが横浜市で行われることも決まった。

写真

共同アピールを読み上げる堂本知事

 「共同アピール」の内容はこちら

5首長の写真

記者会見場にて(左から中田宏横浜市長、石川嘉延静岡県知事、堂本暁子千葉県知事、増田寛也岩手県知事、國松善次滋賀県知事)


 2日目は、5つの分科会に分かれて参加者が議論に参加し、その後各分科会の報告と、クロージングのパネルディスカッションが行われた。

■第1分科会

「国、都道府県、市町村、NPOの役割分担はどうあるべきか~地域課題に取り組むとき、国、都道府県、市町村、NPOの連携をどう築くか?~」

 NPOが福祉・教育・環境などの地域課題に取り組みもうとするとき、行政に対してどのように働きかければよいのかがわかりにくく、またNPO関連施策が国・都道府県・市町村によってばらばらになされているためにNPOがどう対応してよいかわからないといった批判がでている。この分科会では、具体的な事例をもとにこうした課題について議論がなされた。

 まずコーディネーターの辻山幸宣氏(財団法人地方自治総合研究所理事)から、政府の失敗と市民社会の成熟について解説がなされた上で、行政サービスの独占化、独善化による市民の意識との乖離と、市民社会によるサービス提供の増大などの現状分析がなされた。

 続いて、(1)RACDA(岡山県、路面電車と都市の未来を考える会)、(2)相模川流域の環境保全活動(神奈川県、NPO法人相模川倶楽部)、(3)子育て支援(埼玉県子育て応援団一般研修講座)、(4)千葉県地域福祉計画策定の4事例が報告された。

 辻山氏は、これらを(a)多段階協働連携モデル(国、都道府県、市町村でそれぞれNPOと連携)、(b)窓口一本化支援モデル(市町村とNPOとの関係を中心に、国・都道府県が支援)と整理し、会場から事例報告に対する質問や意見を求め、それらに基づいて意見交換を行った。

 会場からは、「関係者に役所の人がいないNPOは事業をしにくいのではないか」、「いつも役所のタライ回しを覚悟の上で訪問している」との問題提起がなされる場面もあった。また、NPOは自らのミッションに関わって市町村や都道府県との協働を選択していて、政府間関係を調整するのは行政サイドの課題として考えるべきであるとの指摘もなされた。

 後半の議論を踏まえ、行政職員が個人としてNPOと協働するのではなく組織として対応できる仕組みが必要なこと、行政にとって都合のよい部分だけNPOが担わされる危険性があること、行政の隙間をNPOが事業展開することによって行政の縦割りの壁を打ち破る契機になる可能性があること、といったまとめがなされた。

(記録:丹直利)

■第2分科会

「NPO施策の評価手法をどのようにつくり上げていくのか~NPOとの協働により、地域にもたらされた効果をどのように評価するのか~」

 第二分科会は、コーディネーターに鈴木佑司氏(法政大学法学部教授)、事例報告者に出丸朝代氏(三重県)、川井誉久氏(東京都)氏・佐治錦三氏(愛知県東海市)、コメンテーターに玉村雅敏氏(千葉商科大学政策情報学部助教授)を迎えて進められた。

 まず、鈴木氏が、NGOおよびNPOが活躍するようになってきた背景を、グローバリゼーションの進展、日本国内における地方分権の流れ、官主導から民主導のプログラムへの転換といった観点から概説した。これを受けて次の3つの事例が紹介された。

 三重県では、NPO室ができた平成10年から協働事業が増えたものの安易な事業が多くなったことに危機感を持ち、協働事業自己チェックシートの開発がなされた。県担当部局とNPOが協働事業のプロセスをふりかえるもので、その実施には協働コーディネーターが第三者的に関わること、報告会を実施して市民の参加を心がけていることなどが報告された。

 東京都の福祉サービス第三者評価事業は、サービスの受益者側に立った評価のあり方を検証するものだった。現在認定されている121の評価機関のうちNPOは33機関ある。民間活動の自由な活動を保障しつつ、評価機関の信頼性を高めていくことが今後の課題として挙げられた。

 東海市からは市民参画によるまちづくり施策が紹介された。市民が市の施策に関心を示さないという問題意識から、市民委員会を設置し、市民3500人のアンケートをもとに、99のまちづくり指標を立てた。指標ごとに改善目標が数値化され、行政・NPO・市民の役割分担が示されていること、市民委員会によって毎年、評価・提案・確認がなされている。

 3つの事例を通して、NPOが地域のさまざまな課題に取り組む担い手として、自治体と協働や独自の活動をしていくためにも、公正な評価システムの構築が求められていることが確認された。

(記録:丁理恵)

■第3分科会

「より良い地域づくりのための協働のあり方とは ~NPOと行政の協働は、NPOと行政だけの利益になっていないか?~」

 第3分科会は全体の参加者の約4割が参加した、関心の高い分科会であった。冒頭、コーディネーターの早瀬昇氏(大阪ボランティア協会理事・事務局長)が、NPOに関する現状やNPOと行政の協働を促進する上での論点を整理した。次に、NPOと行政の協働の事例として、3例報告された。

 1例目は、熊本県水俣市の「寄ろ会みなまた」。研川英治氏(水俣市教育委員会生涯学習課事務史員)が報告した。水俣病によって分断された地域コミュニティを再構築するため、26の行政区ごとに住民の自治的組織「地区寄ろ会」が発足。その集合体が「寄ろ会みなまた」。住民参加型のまちづくりや地域社会で子どもを育んでいくための受け皿づくりを推進している事例だった。

 2例目は、東京都新宿区の「NPO法人ねこだすけ」。工藤久美子氏(NPO法人ねこだすけ代表理事)によれば、「人と動物との適切な関係づくり」を目的に、命ある動物やねこの擁護、愛護、適切な管理などを行う個人活動のネットワークの広がりが、「ねこだすけ」発足のきっかけ。野良猫を「地域ねこ」として管理することにより、命を大切にする地域社会づくりを実現している取り組みが紹介された。

 3例目は、千葉県四街道市の四街道プレーパークどんぐりの森。古川美之氏(四街道プレーパークどんぐりの森代表)が子どもたちが自由な発想で自分の責任で遊ぶことで、自主性や社会性を育み、豊かな自然の中で遊ぶことにより自然の大切さを知る遊び場(プレーパーク)をつくる活動を報告した。

 午後には、東京都新宿区と千葉県四街道市の行政側の担当者が加わり、NPOと協働する現状について、つっこんだ議論が交わされた。

 最後に早瀬氏は3例の報告を受け、「地域の主役は市民である」、「行政は地域課題を解決する際のファシリテーター役を、またNPOは課題解決していく関係者間の対話の推進役を果たすことが望まれる」と締めくくった。

(記録:鈴木歩)

■第4分科会

「NPOの自立化につながる資金提供の仕組みとは~自治体がNPOに自立を求めることは必要か?~」

 ここでは、昨今急速に広まってきているNPOへの資金助成の現状と課題についての報告と討議がなされた。

 事例は、八王子市の「市民企画事業補助金制度」(設楽聖一氏)、和歌山県の「NPOからのふるさとづくり企画提案事業」(須田剛司氏)、杉並区の「NPO支援基金」(徳嵩淳一氏)の3つ。コーディネーターはちば市民活動・市民事業サポートクラブ代表の牧野昌子氏が務めた。

 八王子市の制度は、既存の補助金を見直して創設されたもので、前年度に募集し、次年度の4月から1年間事業に専念できること、選考過程に市民参加の仕組みを取り入れていることなどが報告された。また、この制度では、継続助成するが額を徐々に減らしていく、「サンセット方式」が採用されており、NPOが行政に依存せず、自立できるように配慮しているとのことだった。

 和歌山の制度は、NPOからの提案を委託事業として実施するもので、事業主体が行政となる「委託」方式の方が、「NPOとの協働」といった場合にふさわしい形態なのではないかとの発言があった。しかし、NPOからの提案内容が複数の課にまたがることも多く、担当課を決める難しさがあることや、提案内容を詰める意見交換のタイミングが難しく、また単年度事業であるため、公募後、事業スタートが8月以降になってしまうことなどが課題として挙げられた。

 杉並の基金は全額寄附が原資となるため、助成規模も年によって増減があり、今後は寄附を広く呼びかけていくことや、寄付者への情報フィードバック、半分に満たない登録NPO法人を増やすことが課題であると報告された。

 会場からは、同じく補助金の見直しを行った我孫子市の公募型補助金や、市民税の1%をNPOに助成する市川市の検討状況などが報告され、参加者の関心を集めていた。

(記録:安部嘉江)

■第5分科会

「協働事業として取り組むための自治体の改革について」

 第1部は3つの自治体からの協働に関する施策の報告とパネルディスカッション、第2部はワークショップ形式で行われた。

 第1部の冒頭で、コーディネーターの名和田是彦氏(東京都立大学教授)が、非成長・非拡大の厳しい時代の中で、どの自治体もさまざまな主体が公共を担う必要性を認識しており、協働に関する条例制定などで規範を設けて具体的に施策を進めているが、必ずしも協働事業が円滑に実施されていないケースも多いと指摘。庁内体制、職員意識など、改革すべき点があるのではないかと問題提起した。

 続いて、井東明彦氏(大和市)、大中絵里氏(豊中市)、西川理子氏(滋賀県)が、各自治体の協働施策の取り組みを報告。パネルディスカッションでは、3自治体ともに、施策を制度化する過程での市民の参画、協働事業の採択に際しての透明性の確保が重要だと提言。また今後は、こうした始まったばかりのNPOとの協働施策の有効性を、市民・行政で検証していくことが必要だとの認識を述べた。

 第2部では参加者が8グループ(6人の自治体職員プラスNPO関係者1名といった構成)に分かれてワークショップを行った。

 ワークショップでは、「事業実施に際して苦労したことや課題」と「課題解決に必要なこと」を討議。終了後の報告では、どのグループともに、NPOに関する職員の知識不足、庁内の縦割り体制の弊害、NPOの事業遂行能力の決如、双方の過大な期待の反動などを課題として挙げた。その解決策として共通したのは「相互理解」の構築。インターンシップや懇談会の場を設けて、人的な交流の機会を増やしていくことで、NPOと行政の断絶が埋まっていくだろうという意見が多かった。

 最後に、コーディネーターの名和田氏から、協働推進のためには、中間支援組織の活用、地縁組織と市民活動組織の協力、協働に関する第三者機関の評価などの仕組みづくりが必要だろうとのコメントがあった。

(記録:徳永洋子)


■クロージングセッション

「NPO施策の5つの争点を問う」

 パネリストとして、佐藤勝氏(岩手県)・荒川義則氏(横浜市)・大中絵里氏(豊中市)・吉本哲郎氏(水俣市)・豊島輝雄氏(千葉県)の5人の自治体職員が壇上に並び、コーディネーターは早瀬昇氏(大阪ボランティア協会理事)が務めた。

 まず、各分科会の報告担当者からの報告があり、パネリストがそれぞれにコメントした。

 さらに、早瀬氏は、「県と市町村との役割分担はいかにあるべきか」、「NPOと協働する際に目標としていること」、「NPOに補助金を出すときに心がけていること」などの質問をパネリストに投げかけ、それに対して各パネリストが実践を踏まえて回答していった。その後、今後の課題として、制度の見直し(たらい回し・人事異動など)、自治体間のネットワークづくり、職員・市民の意識改革が必要であることが確認された。

 水俣市の吉本氏は、地域課題の解決を考えるとき、現場に問題があると同時に答えもあるとして、NPOが、行政・事業者・市民をつなぐ役目を果たす等、今後期待する点をいくつか掲げ、コーディネーターの早瀬氏はこれらのことばを受けて閉会とした。

(記録:竜野啓子)


 最後に、大槻幸一郎・千葉県副知事が、NPOとのパートナーシップを一層推進するために、自治体間の連携の場を設置することなどを盛り込んだ「大会宣言」を行い、フォーラムを閉会した。

 「大会宣言」の内容はこちら

 このフォーラムは、来年は横浜市で開催される。

2004.11.16


 住民ニーズが多様化・高度化する中にあって、個性豊かな地域づくりを進めるためには、これまでの均一性や効率性を重視する中央集権型のシステムでは対応が困難となってきており、住民や地域自ら、自由で自発的な地域づくりを行う、いわゆる地方分権の確立が求められている。

 一方、いわゆるNPO法が施行されて5年が経過し、NPOの地域づくりにおける役割に対する期待も高まり、全国で自治体によるNPO支援やNPOとの協働が大きな潮流(うねり)となっている。

 しかし、自治体には、まだNPO支援やNPOとの協働の意義などを十分に議論できていない面もあり、また、NPO側からも、そうした実態に起因する行政の対応への不満の声がある。

 こうした中、われわれは、NPOを地域づくりの重要なひとつの軸ととらえ、NPOの特性を最大限活かせるよう、NPOに関する周知・啓発をはじめ、職員の意識啓発や行政のシステムの見直しを進めながら、協働の指針や手引きの作成、協働事業の実践など、行政とNPOのパートナーシップを推進してきた。

 その結果、現在、行政とNPOとの対等なパートナーシップが実を結び始めたところであり、その流れを確かな、また、大きなうねりとするために、本日ここに、岩手県・静岡県・滋賀県・横浜市・千葉県が呼びかけ、「NPO活動推進自治体フォーラム 千葉県大会」を開催することとした。

 われわれは、この大会を契機として、今後のNPO施策の展開に向け、以下のとおりアピールする。

  1. 21世紀のよりよい地域社会を目指し、多様化する住民ニーズに合わせ、質の高いサービスを提供するため、自治体職員一人ひとりの意識や組織の縦割りの弊害など行政システムの見直しを行い、NPOとのパートナーシップを一層推進し、ともに考えともに築いていく自治体に改革していく。

  2. 住民やNPOの方々と、NPO施策の具体的な実践における成果や課題を共有し、その後の施策に反映させるとともに、必要に応じてNPO支援税制など自治体が連携して国への政策提言を行っていく。

  3. 国、県、市町村、NPOなど様々な主体の役割分担や協働のあり方など自治体が直面している課題やこれに対するNPO政策ビジョン・戦略などを議論し、自治体が切磋琢磨しながら、地域づくりを進めるため、NPO施策を積極的に推進する自治体間のネットワークを構築していく。

 平成16年10月19日

岩手県知事 増田 寛也

静岡県知事 石川 嘉延

滋賀県知事 國松 善次

横浜市長 中田 宏

千葉県知事 堂本 暁子


 私たちは、この大会を通じて、NPO支援やNPOとの協働などNPO活動を推進することによって新しい地域経営の姿を追求しようとしている自治体が、互いの情報交換や研鑚を行っていくことが必要であることを再認識しました。

 今後、NPOとのパートナーシップを一層推進し、NPOとともに21世紀の地域社会を築くため、自治体間の連携・交流の場を設置し、「地域づくりにおける自治体とNPOの役割分担のあり方」、「協働の成果を住民に伝え、評価を受けるには」など、分科会でのテーマをはじめ、自治体の抱える課題等について引き続き議論していきます。

 そして、来年度横浜市において開催されるNPO活動推進自治体フォーラムにおいてその成果を共有し、自治体が互いに社会サービスの質を高めていきます。

 平成16年10月20日

NPO活動推進自治体フォーラム 千葉県大会

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