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NPOのファンドレイジング

2007年10月22日 14:39

チャイルド・ファンド・ジャパン

支援者と現地の子どもが本当の「つながり」を実感してもらえるような組織作り、ファンドレイジングを進めます

~「チャイルド・ファンド・ジャパン」 小林毅事務局長~

■チャイルド・ファンド・ジャパンの歩み、ミッション

 第二次世界大戦終了後から戦災孤児を支援する活動をおこない、1952年に法人格を取得した「社会福祉法人基督教児童福祉会(CCWA)」が始めた国際支援活動が私たちの前身です。CCWAは当初は米国の民間団体からの支援を得ていましたが、日本経済が順調に成長する中、支援は1974年に終了。その際、「これからは日本で募金をおこなって国際社会にお返ししよう、アジアの子どもたちを助けよう」ということで、国際事業部(国際精神里親運動部)が作られました。1975年から、一貫して募金活動によって活動を拡大させてきたのですが、2005年、特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパンとして新たなスタートを切りました。

 「子どもたちが幸せに成長するためには、家族がサポートされ、地域社会が貧困から抜け出さなければならない」との目標を掲げ、フィリピンを中心としたアジアおよびアフリカ諸国で、子どもたちの成長、地域の自立のための活動をしています。

■現地駐在から東京の事務局へ

 私自身は、1983年にフィリピン駐在職員として活動に加わりました。その直前までフィリピン大学で社会福祉を勉強していたのですが、当時は大きな混乱の中で生活する一方、一般市民の下からの力が底辺を支え、政治を変えていくことを実体験として感じることができました。この力を信じて国際協力の世界に身を投じることにし、83年から89年まで、駐在として支援事業のモニターやコーディネートを行いました。

 その後東京に戻り、東京の団体としての方向作りやプログラムの調整などに携わっていましたが、前任の方が退任された後、89年から事務局長を務めています。

■子どもの顔が見える、スポンサーシップ・プログラム

 私たちは、フィリピンとスリランカを中心にスポンサーシップ・プログラムの展開しています。

 スポンサーシップ・プログラムとは、海外では第二次世界大戦前から存在したプログラムで、スポンサーが月々定額の支援金を送り、特定の子どもの食事や医療サービスを手助けするものです。一般の方々にとって海外支援はよく見えにくい活動ですが、スポンサーシップ・プログラムでは、自分の支援している子どもと文通ができたり、成長や変化の報告を受けることができます。自分の寄付金がどのように役にたっているのかを具体的に分かりやすく知ることができる支援方法であり、支援者と現地の関係を作るには大変有効な方法だと思います。現在、支援していただいているスポンサーの方は約4,000人。スポンサーに対しては支援されている子どもの写真付プロフィールやあいさつ状のほか、子どもの成長記録・クリスマスカード・年次報告書を各年1回、またニュースレターを年4回お送りしています。約半数の方は、カードや手紙等で子どもと交流もされています。

 支援金は、活動当初から月4,000円ですが、支援者の数が増えたこと、またこの30年で日本円が強くなったことによって、事業の充実と拡大をはかることができました。現地プログラムの柱は、教育、基本的ニーズ、職業訓練・トレーニング、収入向上、自己啓発の5つ。子ども一人ひとりに焦点をあてた教育・健康等のサポートを心掛けています。また、地域全体が自立的に発展できるよう、子どもの家族や地域の人々へ職業訓練の実施や住民組織の立ち上げ、自営業資金の融資等の支援もしています。

 スポンサーシップは、まずは子どもを直接支援するシステムです。ですから、支援金のほとんどの部分が特定の子どもの教育支援、栄養改善、医療に割り当てられ、加えて家族や地域の生活改善に役立つよう資金を活用しています。

■密接な支援者とのリレーション、ありのままを伝えることの大切さ

 支援をしてくださる方に現地の子どもたちの変化を伝えること、それは私たちの重要な任務の一つです。報告する内容は、勉強の成績があがったとか、病状がよくなった、というような、よい面だけではない場合もあります。例えば、体重が減った、成績が下がった等マイナスの要素を含んでいるケースもあるわけですが、あえて具体的にありのままを伝えています。

 なぜなら、支援とは「される側」と「する側」が密接に関係しながら成り立つもの。お互いがサポートし合っている、という実感をもつことが大切なのです。私たちは、支援者と子どもたちのつなぎ役。支援者の方に、フィリピンの誰々ちゃんを支援していると実感していただくことが大切です。双方にとって意味のある関係だということを分かりやすく伝えていきたい。そのために、ポジティブなこともネガティブなことも、情報を開示しています。

 サポートをしてくださる方に対しても、「わからないことはわからない」と私たちに意見を求めて欲しいと考えており、実際、最近は具体的な情報や報告を求める方々が多くなっていると思います。支援者の方々とも密な関係をつくり、生の声を聴くことを大切にしています。

■注力している募金・広報活動

 東京のスタッフは15人ですが、募金担当者3名とドナーケアを行っている担当者が7名在籍しています。いわゆる支援者サービスにはこれまでも大変力を入れてきましたが、今後はファンドレイジングをより専門的に捉え、組織としてファンドレイジングのスキルを身に付けられるよう勉強したいと考えています。

 理解者を増やし、新規の支援者を獲得していくことはもちろんですが、まず一番力を注ぎたいと考えているのは、「いま」支援して下さっている方々へのサービスです。例えば、ジャワの震災でご寄付をいただいた方々には1ヵ月後にご協力のお礼と報告を行い、さらに追加のお願いをしたのですが、たくさんのご寄付をいただきました。この際に学んだのは、協力してくださった方には具体的なお礼を申し上げること、そして同時に「支援を通して、このような成果が生まれている」との具体的な報告をすること、そうすれば、継続したご寄付も増えるということでした。

 年4回のニュースレターのほか、定期的な募金活動は夏と冬に1回ずつ行っていますが、募金活動に際しては、スポンサーの方とすべての支援者の方に呼びかけています。データの管理は、ファイルメーカーというデータベースソフトで行っていますが、日本の支援者の方、現地の子どもたち、広報対象者の方々をすべて一つにまとめ、きめこまかな対応をするように心がけています。

 現在、団体のビジョン・ミッションの見直しを進めています。もともと支援者代表の方に正会員(社員)としてご入会いただいていますが、ミッションの見直し作業には、正会員や理事会メンバーの参加の度合いを非常に強くしていただいています。支援者の方々のさまざまなご協力を得つつ、現地との「つながり」を一層強くできるような存在になりたいと思います。


<小林毅事務局長のプロフィール>

 酪農学園短期大学酪農学科卒。日本ルーテル神学大学(現ルーテル学院大学)文学部新学科社会福祉コース卒。フィリピン大学社会福祉地域開発研究科社会福祉専攻修了。社会福祉法人基督教児童福祉会・国際精神里親運動部駐在員、フィリピン事務所長、部長を経て、法人の組織変更により、2005年から現職。

<取材団体プロフィール>

団体名:

 特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパン

活動開始:

 1952年

法人設立年月:

 2005年3月(NPO法人)

スタッフ数:

 15名

事業規模:

 約4億円

ニュースレター:

 年4回

募金活動:

 夏と冬の2回

団体ホームページ:

 http://www.childfund.or.jp/

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