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NPOのファンドレイジング

2007年10月23日 10:34

幼い難民を考える会

つねに支援者とコミュニケーションを取り、ニーズに対応していくことが重要だと考えています

~「幼い難民を考える会」 峯村里香事務局長~

■幼い難民を考える会設立の経緯

 『幼い難民を考える会』は1980年に設立されました。当時のカンボジア内戦を経て、大量の難民の方たちが国境を越えて難民キャンプに移り住んでいましたが、そのキャンプでの子どもたちに対する保育の仕事、保護者の技術訓練から会の活動がスタートしました。

 1993年、各国政府や国連の協議によって、難民の方たちの本国帰還が決定しました。その際、私たちの次の動きとして、内戦の影響を受けた子どもたちがどういう状態にあるのかを調査したうえで、カンボジア国内に入って活動していくことになりました。

 団体の名称は、いわゆる『支援する会』等にせず、『幼い難民を考える会』としました。“幼い難民”というのは、子どもたちを一人ひとり大切な人格として考え、その尊厳を大切にしたいから、また“考える会”としたのは、なぜ子どもたちは難民にならざるを得なかったのかを常に考えながら行動していきたかったからです。

■峯村事務局長と会の出会い

 私自身は、短大を出てから2年間はソフト関係の企業で働いていました。当時アフリカの飢餓難民がクローズアップされていて、報道される難民の子どもたちの写真を見るたび、自分も何かできないかと思っていました。

 ある日、朝日新聞に『幼い難民を考える会』が紹介された記事を読み、自分にも協力できることがあるかもしれないと考え、まずは平日の夜と週末のボランティアとして参加、その後、自分の役割や責任を持ってやってみたいと思い、会社を辞めて正式に職員になりました。

 途中、子育てのためにお休みをしていたのですが、カンボジアの事務所長として現地に行ってくれないかとの打診があり、家族で赴任しました。

 カンボジアには2年半いたのですが、日本で考えていたことと現地で目の当たりにしたことに、言葉だけでは言い尽くせないギャップを感じ、大変な難しさを体験しました。それまでも何度かカンボジアには行っていたのですが、生活して初めて、難民とは、戦争とは、子どもの暮らしとは、ということを感覚的に掴めたと思います。

■ファンドレイジングに対する組織としての取り組み

 いま『幼い難民を考える会』は常勤と非常勤、カンボジア人の職員を合わせて約15名ですが、全員がファンドレイジングの担当といえると思います。仕事をするための支出は限られていますが、ボランティアも理事会の人たちも、かなり深く関わって運営しています。そのチームワークが私たちの強みと言えますね。

 私たちはもともと寄付金や会費、収益事業など、自主財源の比率が高いのですが、一時補助金や国際ボランティア貯金が比較的大きな割合を占めていた時期がありました。多額の補助金が終了になったのを契機に、もっと寄付金や自分たちでやっていく収益事業を大切にしなければと強く感じて、いまの活動形態につながっています。

 強い横のつながりでやってきたので、みんなが支えあっていく活動を行うなかで、結果的に自主財源を大きくしていく動きにつながっているのだと思います。

■支援者ニーズの変化に対応した寄付プログラム

 寄付者サイドからの要望の変化は、いくつか確実にあります。

 まず「具体的に見える形での支援がしたい、それに対してきちんとした経過の報告が欲しい」という声が増えました。特に企業の社会貢献担当の方々から非常に強く出てきているのが、「支援をしたいけれども、現地に行けるわけではない。日本で自分たちがしたことが直接子どもたちにつながっていく活動を、ぜひ考えて欲しい」という要望です。

 そこで考えたのが、参加型のプログラム「みんなで布チョッキン」です。

 私たちは、あるカンボジアの州をターゲットにして、すべての幼稚園で保育研修を行うことを目的に、教材遊具を届けています。その遊具のなかに人形とボールがあるのですが、大量の数を現地でつくるのは難しいので、布を集めてカットするまでの作業と募金活動を日本でやってもらうことを提案しています。忙しい人も短時間でボランティアとして参加できるという意味でも、利用しやすいプログラムだと思います。

 また、一般の方も寄付がしやすい指定募金には、「10円給食募金」(1食10円の給食、1000円で子どもたちの給食費3カ月分をサポート)、「クメール文字表募金」(子どもたちが文字に親しむための文字教材を作成)、「外遊具3点セット募金」(80,000円で幼稚園の外遊具3点セットを設置できる)があります。

 私たちの理念や考え方、そしてどういう活動をしているかについて、寄付者が具体的にイメージできて初めて支援につながる、と思うのですね。「それなら共感できるから支援します」となるのではないでしょうか。

■データベースと会計の一元管理に取り組む

 現在のところ会員名簿はマイクロソフトのアクセス(Microsoft Office Access)をもとにデータベースを構築し、使いにくい点があれば修正して使用しています。会計はエクセル(Microsoft Office Excel)と「会計王」というソフトを使い分けていますが、今後はエクセルでの管理を主に、新たな市販ソフトを導入する予定です。また、会員名簿の管理と会計は別のソフトを使っていましたが、入力の二度手間を省き、より正確性を高めるために、今後は両方を連動して一元化したいと考えています。システムはJANICから推薦してもらったNPO法人環境アリーナ研究機構に構築を依頼しています。

■支援者とのコミュニケーションの重要さ

 寄付者に対しては、それぞれの状況に応じてコミュニケーションを図ることが重要だと考えています。

 例えば、寄付を頂いたときのお礼については、ある程度の年齢層の方ですと、直筆などの丁寧なお礼状が心に残るようです。また30代や40代の方、特に企業や組合のご担当者は、しっかりした事業報告、会計報告を、迅速に提出することを求められます。若い方に対しては、ホームページを利用して、映像も取り入れています。

 ニュースレターは年4回郵送していますが、あわせて、カンボジアと日本の事務局の動きについて、「事務局通信」としてメールで配信しています。まだ数は少ないのですが、企業や組合などの支援者の方々、インターンやボランティアの方々などの幅広い支援者や関係者に対し、活動に関する情報がダイレクトに分かりやすく伝えることができるので、これからもっとIT系の情報発信を増やしていこうと思っています。

 また、保健福祉分野の国際協力活動については、助成を受けた活動などについて、もともと非常に細かい点まで報告する訓練ができているのですが、私たちはそのノウハウを利用して、特に企業、また最近は個人に対しても、活動状況やその成果を詳細に報告するよう努力しています。

 報告書もできるだけ直接お渡してお話する機会を増やしていくと、社会貢献の担当者から相談を受けたりするようになります。それが新しい動きに結びついたりします。とにかく丁寧に報告すること、そこから始まると思います。


<峯村里香事務局長のプロフィール>

 1985年、幼い難民を考える会勤務、1990年同会事務局長就任。1996年には同会のカンボジア事務所長として赴任、1999年に帰国後、事務局長に就任、現在に至る。その他、特定非営利活動法人国際協力NGOセンター理事。

<取材団体プロフィール>

団体名:

 (認定)特定非営利活動法人幼い難民を考える会

活動開始:

 1980年

法人設立年月:

 2001年11月(NPO法人)

スタッフ数:

 約15名

事業規模:

 約5千万円

ニュースレター:

 年4回

募金活動:

 随時

団体ホームページ:

 http://www.cyr.or.jp/

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