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2008年の報告

2008年12月10日 15:51

ファンドレイジングセミナー2008 第6回「認定をとって寄付者を増やそう!」

ファンドレイジングセミナー2008(全6回)
~より戦略的なファンドレイジングのために~

第6回 認定をとって寄付者を増やそう!

ファンドレイジングセミナー第6回の動画はこちら(ファンドレイジングネット)

【設立のご報告】
皆さまのご支援のおかげで、寄付文化の革新を目指す「日本ファンドレイジング協会」を、全国47都道府県の580人の発起人・360人の当日参加者の方と共に、2009年2月18日設立できました!
ご参加・ご支援ありがとうございました!

日本ファンドレイジング協会に関する今後の情報は、「日本ファンドレイジング協会オフィシャルブログ」をご覧ください!

【関連イベントのご紹介】
2009年4月1日東京・中野にて、認定NPO取得の応援キャンペーンのキックオフイベントを開催します!
5回にわたる認定要件の緩和にプラスして、来年度限定の特例措置で『2年の実績で申請が可能』になります!認定NPOになって、寄付を増やし、支援者を広げましょう。
皆さまのご参加をお待ちしております!

詳細・お申し込みは、
「認定NPOをとろう!応援キャンペーン」キックオフイベント
「今年度がチャンス、認定NPO取得!~特例措置を活かして認定をとって寄付を増やそう!~」をご覧ください!

日時:2008年11月11日 18時半から20時半
会場:日本財団ビル2階会議室

このセミナーは、シーズが日本財団の助成を受けて取り組んでいる、「NPO等のファンドレイズ推進ネットワーク構築事業」の一環。NPOがファンドレイジングを行ううえで重要な、「コミュニケーション」をテーマに全6回の連続セミナーとして企画された。

第6回目のセミナーの講師は、「NPO会計道」主宰・税理士の脇坂誠也氏。1990年早稲田大学政治経済学部卒。1992年よりJICAの青年海外協力隊で2年間西アフリカのコートジボアールに派遣される。1999年4月に税理士登録。脇坂税務会計事務所所長。NPO支援東京会議副代表。NPO事業サポートセンター他監事。
夢は、NPOの会計担当者がお互いに支援し合えるような、全国的なネットワークを作ることと、再び途上国に行って会計の知識普及でその国の役に立つこと。ブログ「NPO会計道」は、CANPANブログ大賞NPOサポーター賞を受賞し、年間15万アクセスを突破。

今回のセミナーは、当初50名の定員で開催する予定が、事前告知への反響が大きく、申し込み多数により、定員150名(先着順)に拡大して開催。当日は、約80名の参加者を得た。

総合司会はシーズの徳永洋子。

【開会挨拶】

はじめに、シーズの徳永洋子が、
「シーズは1994年に発足し、NPO法の設立、NPO支援税制の創設と改正などに取り組んで参りました。1998年にNPO法がスタートして、今年で10年。3万4千を超えるNPO法人が誕生しました。しかし、資金開拓の問題、どうやって寄付を集めるか、多くのNPOが苦労を重ねています。そこでシーズは、NPOの資金開拓力を強化する取り組みをはじめました。今回もその一環です。

NPOにとって、ファンドレイジングとは、継続的な活動資金を集めるだけでなく、人々に活動への理解を求め、より多くの人に寄付という行為を通じて団体のミッション達成に参加してもらうための重要な活動です。よりよいファンドレイジングを行うには、活動を伝える、支援者を分析する、ITを活用するなどのコミュニケーションがポイントになります。そこで、連続セミナーのテーマをコミュニケーションにしました。

第6回のテーマは、NPOに対する支援制度である「認定NPO法人制度」です。「認定をとって寄付者を増やそう!」とい大変ポジティブなタイトルを脇坂先生からいただきました。コミュニケーションという一連の流れの中で、あえて最後にこの認定NPO法人制度をテーマにしたのは、実はこの制度がある意味「究極のコミュニケーションツール」、NPOが寄付者・寄付金を増やそうとする際に大変力強いツールになると確信しているからです。認定NPO法人は、第一にみなさまの寄付に支えられているという証となるわけです。第二に、「寄付する際の税制優遇があります。」とお伝えすることによって、寄付につながるわけです。

ご承知の通り2001年に認定NPO法人制度が始まり、今年で7年も経ちますが、3万5000を超えるNPO法人があるなかで、認定NPO法人は現在わずか89法人です。脇坂先生は現状ではいけないと「目指せ認定NPO法人1000団体!」で、ぜひこの制度をNPO法人の皆様に活用してもらい、がんばっていただきたいというお気持ちで、各地で認定NPO法人制度の勉強会も開かれています。ぜひ認定にチャレンジしてみてください。」

と、述べて、開会の挨拶とした。

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そして、第6回セミナーの講師、「NPO会計道」主宰・税理士の脇坂誠也氏が登壇して、以下の講演を行った。

【講演】「認定をとって寄付者を増やそう!」

こんばんは。脇坂といいます。私が作成した「早わかり認定NPO法人制度」という小冊子をお手元にお配りしました。この小冊子に基づいて、解説させていただきます。
最初に制度の概略を話します。その後に、一番難しい「パブリックサポートテスト」について。次に、「その他の要件」の話をして、最後に、具体的に認定取りたい時にどうすればいいのか、お話をさせていただきます。

「認定NPO法人とはどんな制度ですか?」

認定NPO法人とはNPO法人のうち、一定の要件を満たしていると、国税庁長官が認めた法人をいいます。認定NPO法人になると、さまざまな税制上の優遇措置をうけることができます。NPO法人制度は、行政が公益性があると認定した法人に法人格を与えるのではなく、公益性の判断を形式的なものにし、法律に定める要件を満たしていれば設立を認める認証という制度を採っています。これに対して、認定NPO法人制度は、税制上の優遇措置を与えるわけですので、NPO法人よりもよりいっそう高い公益性が求められます。認定NPO法人になるためには、所定の書類をそろえた上で、所轄の税務署を通じて国税庁に申請をすることになります。

NPO法人というと公益性が高いと思われる。しかし、正直に言うと、法人格はとろうと思えばとれますよね。はっきり言えば、このNPO法人制度というものは、自分が「公益性が高い」と言っているだけです。要件を満たしていればクリアできるので。認定NPO法人とは、NPO法人制度の一つとして、税制上の優遇措置が与えられることを通称、「認定NPO法人」といいます。二段階制度になっているんですね。

「どのようなNPO法人が認定NPO法人になれるのですか?」

認定NPO法人には、高い公益性が求められます。しかし、公益性を判断することを行政が判断するのではNPO法の趣旨に反します。

そうですね。元々NPO法人制度というのは、所轄庁の監督を受けて公益性が認められる公益法人制度の一種のアンチテーゼとしてできた制度ですから、公益性が高いかどうかを行政が判断すると、結局元の話に戻っちゃう。では、どうするか?

NPO法は、民間による自立的で多様な価値観に基づく公益的な活動を育てていこうという意図がありますので、行政とは異なる価値観を持った団体も認めていくものです。
そこで、公益性が高いかどうかを
1. 広く一般から支持をうけているかどうか
2. 活動や組織運営が適正に行われているかどうか
3. より多くの情報を公開しているかどうか
といった観点から判断することにし、極力行政の価値観が入り込まないようにしています。公益性が高いということを広く薄い市民が支えていると考え、そのような法人に税制上の優遇を与えようと考えています。

大きくわけると認定NPO法人制度は3つの要件です。一つ目は、広く一般から支持されている。具体的にはこれから言う「パブリックサポートテスト」ですね。二つ目は、活動や組織運営が適正に行われているかどうか。三つ目は、より多くの情報が公開されている。つまり、多くの情報を公開して多くの人がみることができることによって公益性を担保しようということです。この3つの要件を満たしていると法人について認定NPO法人としていこうと。

「認定NPO法人になるとどんな優遇措置が受けられますか?」

1. 個人が認定NPO法人へ寄付をした場合に寄付金控除が受けられる
2. 法人が認定NPO法人へ寄付した場合に損金に算入する枠が広がる
3. 相続や遺贈により財産を取得した人が認定NPO法人へ寄付をした場合に寄付をした財団が相続税の課税対象からはずれる
4. 認定NPO法人が収益事業から得た利益を非収益事業に使用した場合に、この分を寄付金とみなして一定の範囲で損金にできる(みなし寄付金)
また、間接的な効果として、認定NPO法人となったことにより、世間に対する信用力がアップするということも見逃せません。

そこで4つプラス1つの効果を挙げましたが、まずそもそも寄付をした側の優遇措置が3つ。個人が寄付した場合、法人が寄付した場合、相続によって財産を寄付した場合。一方NPO法人がうけられるのがみなし寄付金と。認定になったということは、世間的にはそれなりの評価はあるだろうと。信用ですね。大きく分けると3つの優遇というかメリットがあるのかなと思います。

「個人が受けられる優遇措置は具体的にはどのようなものですか?」

個人が認定NPO法人へ寄付をした場合に、確定申告をし、認定NPO法人が発行した領収書を添付して「寄付金控除」の欄に金額を記入すれば、税金の還付を受けることができます。医療費控除のようなものです。
寄付金控除の金額は、「寄付をした金額-5千円です。(ただし、総所得金額の40%が限度)
勘違いをしてはいけないのは、1万円を寄付したら、「1万円-5千円=5千円」が戻ってくるのではない、ということです。実際に還付になるのは5千円×税率分です。従って、税率が高い人(高額所得者)であればあるほど還付される金額は多くなります。
また、認定NPO法人のうち都道府県または市町村が条例で指定した法人に寄付をした場合に、住民税でも寄付金控除が適用される仕組みもできました。

認定NPO法人の優遇措置ですが、そもそも優遇措置なのかと言われていることがあります。まずですね、所得税の話です。所得税ってどういう税金なのか?収入から必要経費を引いた金額を所得金額といいます。例えば私が今回講演をして、いくらかの謝礼をいただきます。でも冊子をつくるお金や、交通費は経費として認めてほしいわけです。そういうのを引いた後を所得金額といいます。そういうと、サラリーマンの方多いと思いますが、「私はそんな必要経費ないよ」という方もいらっしゃると思いますが、サラリーマンであっても給与所得控除というものが認められています。個人事業者は、収入は決まっていて領収書を集めているんですが、サラリーマンは収入に応じて経費が決まっているんです。結構大きい控除です。サラリーマンも一緒と。通常そこから、所得控除を引きます。具体的には、配偶者控除とかね。引いた後の金額、これに対して税金が来ますよと。収入が多ければ多い人ほど税率が高くなると。そもそも税金のかかる収入から必要経費を引いて、残った部分は何かというと「自分で自由に使える部分」ですよね。例えば、その部分を旅行に使ってもいいし、将来のために貯めてもいい。この部分について基本的に課税しましょう。これが所得税の基本的な考え方です。

その際、寄付に対して、寄付金控除がないっていうことは、寄付したお金も旅行や食い物に使ったお金と同じ扱いということですよね。ちょっと待ってといいたくなりますよね。だって税金をかけるのは自分が自由に使える部分にかかるのであって、確かに自分が寄付しているんですが、やっぱりそれって本来のものと違うと。寄付金控除とは何かというと、「寄付を必要経費扱いにする」ということなんです。これは優遇措置じゃなくて、むしろ当たり前という考え方もできるわけです。

それでは、全部経費扱いすればいいかというわけではなくて、こういう人もいるわけです。「NPO法人作って寄付しちゃえ」という人もいるわけです。だから、全てのNPOに認めるわけにはいかないわけです。問題はどのくらいの範囲のNPOに対して認めるかと。政策的な問題になってくると思います。今、寄付金控除が認められてないってことは、大部分の寄付はご飯食べるのと同じ扱いになっているということですよね。別物だとアピールしていかなきゃいけない。認定NPO法人制度を広げようっていうのは、その運動の一つなんだと。「寄付は普通の消費とは違う」そういうものに対して優遇措置っていうよりは、寄付を伸ばしていこうという制度と思いました。受け売りですけどね。

ですから、必要経費扱いだから、引いた金額に対して、戻ってくるのが税率なんですね。実際戻ってくるのは、1万円寄付したら、1万円―5千円×税率分。人によりますが、多くは5~10%です。「認定NPO法人になったんですけど、寄付増えないです。」とよく聞くんです。正直言うと、小額の寄付、例えば1万円の寄付をした人だと寄付金控除が500円でしょ。確定申告しなきゃいけないんですよ。正直しんどいですよね。小額でいろんなところから寄付を集めるということに対して、認定NPO法人をとったから優遇措置があるとアピールする仕方はちょっとアピールが低いかなと。信用力向上の方がまだいいかなと。ただ例えば、100万円で30%の人だったら、30万円これはすごいわけですよ。こういう寄付には魅力がある。しかも、ある程度高額所得者であればあるほど魅力的です。個人についてはこういう位置づけですね。

「法人が受けられる優遇措置は具体的にはどのようなものですか?」

企業が支払う寄付金は全額が損金(法人税上の経費)にはならず、一定の枠を決めて、その枠の範囲でしか損金になりません。
法人が支出する寄付金には、事業に関連性があるかどうかが微妙なものが多くなります。そこで、法人税法では一つ一つの寄付金について、事業との関連性をチェックするのではなく、一種の割り切りで、一定の算式を作って、その算式で算出された金額の範囲内の寄付金であれば損金とし、それを超える部分については損金としない(損金不算入)という扱いになっています。
その、損金になる寄付金の限度額の計算が、認定NPO法人の場合には、通常のNPO法人などとは別枠でさらにプラスして設定されています。つまり、認定NPO法人に対して寄付をすると、通常のNPO法人に寄付をした場合には損金にならなかった金額が損金になる可能性があります。企業からの寄付をたくさん受けたいと考えているNPOにとっては、企業からの寄付が受けられやすくなります。

企業からの寄付についての優遇措置は、簡単にいうと寄付金は税金の扱い上、必ず全額は経費にならないという扱いなんです。
フェンシングの大田選手の強化合宿費を明太子のヤマヤっていうところが寄付していたんですよ。ヤマヤの会長か何かがフェンシングやってたのかな。ヤマヤは結果として、ものすごい宣伝効果ありましたね。だけど、オリンピックが始まる前に、彼がメダルをとる可能性はそんなに高くなかったですよね。とすると広告宣伝効果はほとんどゼロですよ。寄付金というのは、事業に広告宣伝として効果があると法人の収入アップに貢献するわけです。そういう支出であるかどうかというのは判断が難しいんですよ。

だから、計算枠を設けているんです。いくらまでだったら経費扱いしますよと。でも、ものすごく難しくてね。法人自身しかわからない。枠が認定NPO法人だと大きく広がりますと。個人的に思っているのは、企業に対しての認定NPO法人のメリットは、枠は広がるかもしれないけど、そこよりも認定をとったっていう方が大きいと思うんです。企業はある程度の規模になってくると担当者と意志決定をする人は別の人でしょ?認定になっていると上司も通しやすいですよね。経費になりやすいとかもあると思いますが、企業は必ずしも「寄付金」で出さなくても、「広告宣伝費」で出したり、いろいろ出し方があるんですよ。やっぱりこれは信用力っていうのが高いのかなと。もっと増やしていって、企業に対する認知度も上げていって、受けやすいようにしていくことが大事かなと。

「相続人が受けられる優遇措置は具体的にはどのようなものですか?」

相続や遺贈により財産を取得した相続人が、その財産を寄付する場合に、その寄付をした財産が相続税の課税の対象から除外されるという優遇措置です。
3億円の相続財産があった場合に、このうち1億円を認定NPO法人に寄付をすれば、相続税の計算上相続財産は2億円と考えればよいのです。
認定NPO法人になったことにより相続財産の寄付を受けた事例はいくつもあります。逆に認定を受けていないNPO法人で、非課税になるなら相続財産を寄付したいという申し出を受けたが、非課税にはならないと言って断られたという話もよく聞きます。
相続財産の寄付は1件あたりの金額も大きくなりますので、その可能性がある場合には、認定を受けるメリットは高いといえます。

でてきたら、大きいですよね。相続の寄付は、相続財産をもらった人が寄付をするというパターンなんです。ある程度の規模になると、認定になってないとできないですよね。3億もらって、1億寄付しても税金は3億に対してかかるんですよ。例えば、1億5000万円くらい税金がかかるとしたら、1億は寄付したから、手元には5000万円しか残らない。だから、非課税だと実質、認定がなかったら多額の寄付はできないですよね。相続で寄付を受けたい場合は、認定は欠かせないと思います。相続に関しては、ある程度アンテナ張ってないと難しいかもしれませんが、認定の優遇措置としてはすごい大きいです。

「寄付を受けるNPO法人が受けられる優遇措置はどのようなものですか?」
難しいので読むだけにします。

寄付を受けるNPO法人自身には認定NPO法人になると、どのような優遇があるのでしょうか?認定NPO法人になると、「みなし寄附金」の適用を受けることがあります。NPO法人は、法人税法に定められている収益事業(NPO法のその他事業とは別の概念になります)によって得た利益(収入から費用を引いたもの)には、法人税が課税されます。「みなし寄附金」とは、収益事業から得た利益を非収益事業に使用した場合に、この分を寄附金とみなし、一定の範囲で損金(法人税上の経費)に算入できるという制度です。
法人税上の収益事業を行っており、収益事業で利益が生じるNPO法人にとっては、みなし寄附金を受けるメリットがあります。

法人税の申告をしているようなところでは、結構メリットをうける可能性があるのかなと思います。算入枠が20%と小さいので、これをちょっと広げたいなというのがあるんですが。

「認定NPO法人を取得しようとするとどのようなことが大変ですか?」

認定NPO法人をとるための作業の中で、一番大変だと一般的に言われているのは「寄付者名簿の作成」です。寄付者名簿には、氏名、住所、金額を記載しなければならず、さらに1人1人ではなく、1件1件作成しなければいけません。特定の銀行口座からしか寄付を受けない場合などはそれほどでもありませんが、郵便局、ネット、現金でもらうなど複数のところから入金があると管理が大変です。また、申請をしてから認定がおりるまでの間に、国税庁から調査があります。具体的には主要ドナーの確認、細かい寄付者(ネット募金などをしていた)の確認などがあります。このときの調査で、認定NPOの要件の調査だけではなく、法令に則って運営されているかもチェックされます。法人税の収益事業の申告をしていなくて、問題になった例や消費税の申告漏れを指摘された例などが報告されています。認定を取る際には、法令どおりにきっちり運用されているかどうかが問われますので注意が必要です。

一番大変なのは寄付者名簿の作成です。特に同じ人が何回も寄付していたりすると、5年間だと同じ人が寄付するので、合算・名寄せが大変だと。これがある程度できている団体は、制度さえ理解できればそれなりと。結構聞くんですよ。認定の調査を受けました。そうしたら、他の事を指摘されたと。法人税や消費税とかね。これはね、払えば認めてくれます。認定自体はね。やってなかったから認めないということじゃないんですよ。ある程度、身奇麗にしておくということと、指摘されても大きな怪我がないようにしておくと。不安がある方は事前に相談したほうがいいかなと。

「認定NPO法人を取得するためにどのような要件を満たしている必要がありますか?」

認定NPO法人を取得するための要件は、以下の8つです。
1. 経常収入金額に占める寄附金等収入金額の割合(いわゆるパブリックサポートテスト)が一定の基準以上であること
2. 活動の対象が会員などをメインとした共益的な活動ではないこと
3. 運営組織及び経理について適正であること
4. 事業活動について、一定の要件を満たしていること
5. 情報公開が適正にされていること
6. 法令違反、不正の行為、公益に反する事実等がないこと
7. 設立後一定の期間を経過していること
8. 所轄庁から法令等に違反する疑いがない旨の証明書の交付を受けていること
このうち、最大の難関は、1.の「パブリックサポートテストをクリアしているかどうか」です。まずは、ご自身のNPOがパブリックサポートテストの要件を満たしているかどうかをチェックして、満たしていればそれ以外の要件を見ていくというような順序で考えていくのがいいと思います。

その中でも一番大きいのがパブリックサポートテストですから。ここをクリアしてなかったら話にならないので。これをクリアしたら他をみていただければと。はい14Pにまとめがでています。

NPO法人制度は、法律に定める要件を満たしていれば設立を認める認証主義です。一方、認定NPO法人制度は、NPO法人のうち一定の要件を満たしていると国税庁長官が認めた法人に、さまざまな税制上の優遇措置を与えるという制度です。一定の要件というのが、先ほどの8つの要件。税制上の優遇措置というのは先ほどからいっている4つです。

後半はパブリックサポートテストについてです。とにかくややこしいんですね。ここをクリアしていれば、あとの要件はクリアできる団体が多いと思いますので。冒頭にNPOが3万6000くらいで、認定が89というお話がありましたが、年々要件緩和されているんです。要件だけだったら10~20%のNPOがとれるはずだと言われています。つまり、4000~5000ですよね。私1000目標なので(笑)。そもそも制度自体知らないのが現実だと思うので、この仕組みをしっかり理解していただければと思います。

「パブリックサポートテストはどんなものですか?」

パブリックサポートテストのパブリックは、「公衆」「一般市民」、サポートは支援、テストは「審査」、つまり、「一般市民からの支援度を審査する」のがパブリックサポートテストです。「公益性が高いかどうか」を「一般市民から支援されている度合いで審査しよう」というのが基本的な考え方です。
では、どのように一般市民からの支援度を調査するのか?というと、基本となる考え方は、収入のうちに寄附金が占める割合が一定の基準額以上である場合に、「一般市民から支援がされている」と考えます。それなら寄付金収入金額/総収入金額で考えればよさそうなものですが、そうは単純ではありません。
1. 特定の人から多額の寄付を受けている場合に、「一般市民から支援がされている」といえるのか?
2. 小額の寄付や寄付者がわからない寄付も認めていいのか?
3. 「公益性が高いかどうか」ということを寄付金収入の割合が高いだけで判断するのが適切なのか?
といった問題があるため、パブリックサポートテストは大変複雑になります。

この制度をご存知の方は、基本はいいんじゃないかと思います。つまり収入のうちに寄付の占める割合が高いという団体が、多くの人に支持されていると。

「パブリックサポートテストはどのような基準を満たしていればいいですか?

パブリックサポートテストの標準型は次の算式で示されます。
経常収入金額分の寄付金等収入金額が5分の1。

これが基本ですよ、ということですね。5分の1っていうのは、結構高いですよね。20%も寄付ないよと断念しちゃう人が結構いると思うんですが、実は全然そうじゃありません。とりあえず式はこちらですが。

実績判定期間とは、その法人の直前に終了した事業年度終了の日以前5年内に終了した各事業年度のうち、最も古い事業年度開始の日から終了の日までの期間のことをいいます。事業年度を途中で変更するなどしていなければ、通常は直前5事業年度ということになります。つまり、直前5事業年度の上記算式の割合が5分の1以上であれば、パブリックサポートテストはクリアということになります。ただし、設立以後5年未満のため実績判定期間が5事業年度存在しない場合には、設立の日から直前に終了した事業年度終了の日までの期間が実績判定期間になります。

先ほど5年になったといいましたが、初回に申請する団体は過去5年間分です。「今から無理よ」が現実ですよね。ここだけはなんとかしたいと頑張っています。現状では5年間が判定期間です。設立して2期目のところは「2期間」は経過している必要があります。任意団体だった時期はノーカウントなので、あくまでもNPO法人になってからですね。

「パブリックサポートテストの分子の寄付金には、現物の寄付や企業からの助成金も入りますか?」

寄付金とは、お金や物を提供しようとするものが、強制されることなく、自由に提供するか否かなどを決められるもの(任意性がある)であって、直接の反対給付がない(それを提供することで商品やサービスなどを得るようなことがない)お金やものなどの供与と考えられるものをいいます。したがって、金銭の寄付だけでなく、現物の寄付も含まれます。

が、いくらと評価するかが、ちょっと難しいですね。専門の方にご相談していただければと思います。私でも構いません。
企業からの助成金という名称であっても、支出する側に任意性があり、直接の反対給付がない経済的利益の供与であれば寄付金として取扱います。通常、助成金は寄付金扱いです。

また、総会での議決権のない賛助会員から受領する会費については、定款や規約等から実質的に判断して明らかに贈与と認められる場合には寄付金となる場合があります。賛助会員の会費を寄付金とするためには定款や規約等で賛助会費が実質的な寄付であることがわかるようにしておく必要があります。

これが結構大きいですね。議決権がない賛助会員は団体から届くのは会報程度ですよね。これは払った金額に通常ペイするようなことではないですよ。1万円で会報3回とかね、対価じゃないですよ。こういうものについては、寄付扱いと認めています。ですから、定款で明らかになっていればできると。

また、任意団体からNPO法人になった場合に、任意団体から引きついだ財産についても、任意団体からの寄付と考えます。

「特定の人から多額の寄付を受けたときの扱いはどうなるのですか?」

パブリックサポートテストの趣旨は、「広く一般から支持を受けている法人は公益性が高い」というものでした。そうすると、寄付金の額が多くても、特定の人から多額の寄付を受けている場合には、「広く一般から支持を受けている」とは言いにくい場合があります。

極端な話、一人から1億もらっていて20%を超えていると。これって、広く一般の人から支持を受けているとはいえないですね。

そこで、パブリックサポートテストでは、「基準限度額」というものを設けて、同一の人からの寄付のうち、基準限度額を超える金額(「基準限度超過額」といいます)については、分子の、受け入れた寄付金の総額から除外することにしています。そして、基準限度額は、「受け入れ寄付金総額の10%」です。受け入れ寄付金総額が1000万円、特定の人から800万円とすると、1000万円×10%=100万円が基準限度額であり、800万円を寄付しても、800万円―100万円=700万円は基準限度超過額として、分子の受け入れ寄付金総額から除外されます。

下に具体例あります。寄付金の合計額が1000万ですよと。で、10%ですから、100万円が分子に乗せられる限度なんですよ。800万円ある一人からもらったとする。
役員だけに関しては、親族からの寄付金を合算すると。800万―100万。700万部分は分子に算入できないよと。そうすると分子に算入できる寄付金等収入金額は、1000万から700万をひいて300万円だけが分子に算入と。これが結構めんどうくさいんです。イメージでいいですよ。こういうルールがありますよ、と。特定の人から多くの寄付をもらっている場合にひっかかる可能性があるということです。小口の寄付でなりたっている場合はあんまり問題ありません。多くの場合、助成金や任意団体からの引継ぎは、これにひっかかる場合が多いです。注意が必要ですね。

「小額の寄付や匿名の寄付はどのような扱いになりますか?」

同一の者からの寄付金の実績判定期間での合計額が1000円未満の小額の寄付金や、氏名、名称が明らかでない寄付金(匿名の寄付金)は、パブリックサポートテストの分子から除かれます。匿名の寄付金とは、寄付者についての確認(寄付者の特定)ができない寄付金のことをいい、寄付者を特定するためには少なくとも氏名のほかに住所または電話番号が必要になります。

名前だけじゃだめなんですね。

したがって、例えば口座振込みによる寄付金で氏名しかわからない場合には、寄付者が特定されているとは言えず、匿名の寄付金に該当することになり、パブリックサポートテストの分子からも分母からも控除がされます(「小規模法人の特例」では、分子に算入できますが後述します)。

つまりノーカウントですね。

したがって、分子に算入できる金額は「受入寄付金等総額」から「基準限度超過額」と「少額寄付」「匿名寄付」を控除した金額です。

つまり、分子から控除されるのは一つは基準限度超過額、同一の者からの寄付金のうち、受入寄付金総額の10%を超える部分の額)。二つ目は、小額寄附金(同一の者から実績判定期間の合計額が1000円未満の寄付金)。三つ目は、匿名寄付金(寄付者の特定ができない寄付金)と。この3つを除いたのが、分子の寄付金等収入と。

「社員(正会員)からの会費は分子に算入できるのですか?」

社員とはNPO法人の構成員として、社員総会の議決権を持つ者のことで、一般には「正会員」といわれています。次の要件を満たしている社員の会費は、分子に算入することができます。
1. 社員の会費の額が合理的と認められる基準により定められていること
2. 社員の表決権が平等であること
3. 役員とその親族等を除いた社員の数が20人以上であること
正会員の会費も分子にプラスできます。
ただし、社員の会費の全額が分子に算入できるわけではありません。
1. 社員の会費のうち、分子に算入できるのは、共益的活動等に係る分子の金額を除いた金額です。
共益的な活動とは、簡単にいっちゃえば会員限定の活動ですね。それを除いた部分ですよと。
2. 分子に算入できる会費は、前頁の「受入寄付金総額-基準限度額-匿名・小額寄附金」が限度です。

つまり、うちの団体は寄付は全然ないけど、会費ならいっぱいありますよ。と、こういう団体はだめなんです。寄付金が限度だからね。寄付金100万、会費1000万でもだめですよということです。

例えば、受入寄付金総額(基準限度金額等はない)が1000万円、社員の会費が2000万円、共益的な活動の割合が30%とすると、分子に算入できる社員の会費は、2000万円×70%(100%-30%)=1400万円>1000万円 ということになります。

ですから、会費は分子に算入できます。ただし、算入できる金額に限度があるということです。

「分母の「経常収入金額」とはどのようなものですか?」

パブリックサポートテストの標準型は次の算式で示されます。実績判定期間における経常収入金額分の寄付金等収入金額が5分の1。
分子の「寄付金等収入金額」には、通常の寄付金以外にも、一定の金額の範囲内で社員からの会費も含まれるということでした。分母の「経常収入金額」は「総収入金額」とはどう違うのでしょうか?「経常収入金額」は「総収入金額」から次に掲げる金額を控除した金額です。
1. 国、地方公共団体、一定の独立行政法人、地方独立行政法人、国立大学法人、大学共同利用機関法人、わが国が加盟している国際機関(以下「国等」とします)からの補助金等
2. 国等からの委託事業の対価
3. 資産の売却による収入で臨時的なもの
4. 1000円未満の小額寄付金
5. 匿名寄付金
6. その他

特に注目は1.と2.ですよね。国や地方公共団体、あるいは一定の独立行政法人。一番わかりやすいのは、国際協力機構(JICA)みたいなところですね。ああいうところからの補助金、委託事業の対価、これは分母から控除できますよ、ということなんですね。だからこういうところの収入が多いところは分母があっという間に下がります。だから、寄付金がそんなになくても、結構通るんですよ。逆にいえば、自主事業が多いところは引けないんですよね。

「国等からの補助金や匿名寄付金等を分母から控除するのはなぜですか?」

パブリックサポートテストでは、分子の「寄付金等収入金額」は大きければ大きいほど、分母の「経常収入金額」は小さければ小さいほど有利になります。国等からの補助金等や委託事業の対価は分母から控除することが認められています。行政からの補助金や委託事業が多いNPOは、分母にこれらの収入を入れなくてもいいので、パブリックサポートテストが通りやすくなります。また、小額寄附金や匿名寄付金が分母から控除されるのは、これらの寄付金が分子からも控除されるので、そのバランス上分母からも控除するということです。ただし、基準限度超過額については、遺贈等によるものを除いて、分母からは控除できません。特定の人から多額の寄付を受け取り、基準限度額を超えるような場合には、分子からは基準限度超過額は控除されますが、分母からは控除されません。

まとめてみますね。
実績判定期間、原則5事業年度における分母は、総収入金額-国等からの補助金等・委託事業の対価-小額・匿名寄付金等。分子は(受入寄付金総額-基準限度超過額-小額・匿名寄付金)+社員の会費と。ただし、社員の正会員に対しては、下の矢印にあるように、社員の会費×(1-公益的活動等に係る部分の割合)。ただしAの金額を限度とする。Aっていうのは、受入寄付金総額-基準限度超過額-小額・匿名寄付金と。

例題1を見ましょう。行政からの委託事業がある場合、具体例ですね。

NPO法人甲の実績判定期間の収入の内訳は以下のとおりです。なお甲は、公益的な活動は行っていません。
1. 社員からの会費収入200万円
2. 行政からの委託事業収入1000万円
3. 自主事業としての事業収入700万円
4. 寄付金収入100万円(1000円未満の寄付、匿名寄付、基準限度額を超える寄付金はない)
5. 収入合計2000万円

パブリックサポートテスト、まず分母から見ましょうか。総収入金額の2000万円から行政からの委託事業収入1000万円を引けるって言う話ですよね。一方分子は、社員からの会費200万円については、受入寄付金総額である100万を限度にして分子に算入できる。だから、100万だけが分子に。+寄付金収入の100万ということで、1000万分の200万ということですから、パブリックサポートテストクリアと。これなんか、収入2000万で、寄付金100万だから、5%でも通っちゃう。

次に、例題2ですね。基準限度超過額がある場合。

NPO法人乙の実績判定期間の収入の内訳は以下のとおりです。なお、乙は公益的な活動を30%行っている。
1. 社員からの会費収入100万円
2. 行政からの委託事業収入1000万円
3. 自主事業としての事業収入700万円
4. 寄付金収入200万円(1000円未満の寄付、匿名寄付はないが、同一の者からの寄付金が100万円ある)
5. 合計収入2000万円

分母は先ほどと一緒です。分子の70万円は何かというと、社員からの会費ですね。100万円×(1-30%)、共益的活動を除いた部分の70万円だけが、分子に算入できます。注2は同一の者からの寄付金100万円のうち、受入寄付金総額200万円の10%(200万円×10%=20万円)を超える部分の額(100万円-20万円=80万円)。この部分は分子から除いてくださいよと。寄付金で200万円もらっているんだけども、そのうち80万円は除いてくださいと。だから、分母1000万円分の分子190万なんで19%だから、パブリックサポートテストクリアできず。一人からの寄付金が多かったりしたからですね。

「パブリックサポートテストには他にどんなパターンがありますか?」

ここまで述べたパブリックサポートテストを「標準型」と呼ぶことにします。認定NPO法人制度ができた当初はこの標準型のパブリックサポートテストしかありませんでしたが、後に、2つのパターンが加わりました。「補助金算入型」と「小規模法人の特例」です。(「小規模法人の特例」はさらに補助金算入型と補助金不算入型に分かれます)。「補助金算入型」とは、分子と分母にともに国等からの補助金を算入してよいというものです。「標準型」では、分子に補助金を算入することは認めていません(分母から控除することを認めている)ので、国等からの補助金等が多いNPOにとって認定がとりやすくなります。また、「小規模法人の特例」は、「標準型」では分子から控除される「匿名寄付」や「少額寄付」を分子から除かなくても良いというもので、小規模法人の申請手続きに係る負担を軽減するための特例です。

つまり、4つのパブリックサポートテストの分け方があるということです。

「パブリックサポートテストの「補助金算入型」とはどのようなものですか?」

パブリックサポートテストの標準型は、国等からの補助金は分母から控除されることで、他の収入よりも有利な扱いを受けましたが、分子にはカウントされませんでした。「補助金算入型」は、国等からの補助金等を分母にも、分子にも算入するものです。パブリックサポートテストの補助金算入型は次の算式で示されます。実績判定期間における経常収入金額+国等の補助金分の寄付金等収入金額+国等の補助金が5分の1と。ただし、上記の算式で、分子と分母に算入される国等の補助金は違います。分母に算入されるのは、国等の補助金等の全額ですが、分子に算入される国等の補助金等は、社員の会費と同様に「受入寄付金総額-基準限度超過額、小額・匿名寄付金」です。したがって、国等からの補助金が500万円あった場合で、受入寄付金総額から基準限度超過額等を控除した金額が300万円あったとすれば、分母には500万円、分子には300万円が算入されることになります。

つまり、500万円補助金もらいましたよと。全額分母に500万のるんです。分子にのるのは、会費のところと同じ、それが300万しかなかったとしたら、分子に算入できる補助金は300万円と。必ずしも分母分子全額が同じ金額のるとも限らないと。標準型との選択ですから、標準型でやってもらってもかまいません。パブリックサポートテストって広く多くの人から支持されているかを判定するのに、国からの補助金を認めるっていうのはどうなのかって思うんですが、国から支持されているっていうのは、一番パブリックなものから支持されているっていう理屈があるそうで。ただし、ここで分母分子にプラスできるのは補助金ですからね。委託事業はだめですよ。補助金も国等の補助金ですから。

たまたまこの前、ボランティア貯金あるじゃないですか、あそこからもらっているという団体があって、一定のあれは独立行政法人なんですよ。一定のとか言われちゃって。該当するのかなぁと思ったら、それぞれ寄付をしてきた人の寄付です、とかいわれちゃって。国との補助金にはならんのかなぁと。あいまいな部分ありますけど、必ずしも独立行政法人だから適用になるというわけでないというのは気をつけていただきたい。

補助金算入型のまとめです。
分母が総収入金額-国等の補助金等・委託事業の対価-小額・匿名寄付金等+国等の補助金等。分子が(受入寄付金総額-基準限度超過額-小額・匿名寄付金)+社員の会費+国等の補助金等。ただし、受入寄付金総額-基準限度超過額-小額・匿名寄付金の金額を限度とすると。

「パブリックサポートテストの「小規模法人の特例」とはどのようなものですか?」

パブリックサポートテストの「小規模法人の特例」は、基本的には小規模法人の申請手続きに係る負担が軽くなるための特例です。「標準型」「補助金算入型」とは以下の2点が違います。
1. パブリックサポートテストの分子の基準限度額の計算で「役員からの寄付金はその親族からの寄付金を合算する」計算が不要になる。

つまり、みなさんの団体の役員さんの奥さんから寄付をもらった場合に、合算して計算すると。これが結構面倒くさいわけですよ。夫婦だったらいいけど、娘さんとか姓が違うとね。この計算が不要ですよと。

2. 「パブリックサポートテストの分子、分母から小額寄付金、匿名寄付金を控除する」計算が不要になる。

つまり寄付金であれば、別に名前わからなくてもいいよ、と。

小額の寄付金や匿名の寄付金が多いNPOにとっては、事務手数も軽減されるし、パブリックサポートテストが通りやすくもなります。ただし、特定の人から寄付が多い場合に適用される「基準限度超過額」の計算は「小規模法人の特例」でも必要です。小規模法人とされるには、次の要件を満たす必要があります。
1. 実績判定期間における年間平均収入額<800万円未満
2. 実績判定期間において受け入れた寄付金の合計額が3000円以上である寄付者(役員・社員を除く)の数が50人以上

第三章「その他の要件とは」に行きます。
「パブリックサポートテスト以外にはどのような要件が問題になりますか?」

認定NPO法人を取得する要件は8つですが、前章で紹介した1.パブリックサポートテスト以外には、次のようなものがあります。
内容は省略して・・・
2.は共益性の排除と呼ばれるもので、重要なものです。3.と4.は、組織の活動の適正性を判断するものです。5.は閲覧させる書類として、事業報告書等や社員報酬、従業員給与の支給に関する規定などが掲げられています。7.は、設立登記の日から1年を超えていることが要件であり、かつ、2事業年度の実績が必要です。したがって、1年と1ヶ月でも2事業年度があれば要件を満たします。6.と8.は法律違反などに関する要件です。

1.パブリックサポートテストは広く一般の人から支持を受けていると。5.が情報公開、それ以外は適正に運営されているかということですね。

「共益性の排除とはどのようなことですか?」

団体には、大きく分けると、1.公益を目的とした団体 2.共益を目的とした団体 3.利益を目的とした団体の3つがあります。このうち、3.の利益を目的とした団体というのは株式会社などの営利企業のことです。共益とは、その団体の内部の人たちなど、ある限られた人だけのための役に立つようなもののことです。それに対して、公益とは、その団体の外部の、不特定多数の人たちの役に立つようなものです。共益的な活動を排除するために、活動全体に占める次の4つの活動の合計が50%以上であってはならないとしています。
1. 会員等(単なる顧客は除外する)に対する資産の譲渡等(対価を得る活動)
2. 特定の範囲の者に便益が及ぶ活動(地縁活動やサービスの提供を受ける者が特定の人、企業である活動)
3. 特定の著作物または特定の者に関する活動(誰かの貢献を称える活動など)
4. 特定の者の意に反した活動(反対活動など)
50%以上であるかどうかの判定は、金額によらず活動時間等でカウントしても構いません。

イメージとしては会員にならないと受けられないサービスが半分以上占めてはダメというものですよね。4.は行政オンブズマンが認定とってますからね。

「「運営組織および経理について適正であること」とは具体的にどういうことですか?」

1. 役員のうち親族(三親等以内)等の最も大きなグループの人数が3分の1以下であること
2. 役員のうち特定の法人の役員等の人数が3分の1以下であること
3. 公認会計士若しくは監査法人の監査を受けているか、青色申告と同等の帳簿等の保存を行っていること
4. 不適切な経理を行っていないこと
1.と2.は、特定の人が組織を牛耳っていないのかを見るものです。3.については、青色申告と同等の帳簿等の保存をしていれば、公認会計士等の監査を受ける必要はありません。
青色申告と同等の帳簿とは、仕訳帳(現金出納帳や伝票は仕訳帳の一種)や総勘定元帳(勘定科目ごとに取引の年月日や相手方勘定科目、金額が記載されているもの)などのことです。取引の発生順に記帳された現金出納帳や預金出納帳(あるいは伝票)があり、それらの出納帳と収支計算書や貸借対照表の科目を紐付けした総勘定元帳が必要になってきます。これらの帳簿を7年間整理保存することが必要です。

だめなのは、現金出納帳があって収支計算していますと言っても、会費収入いくらと書いてあっても、内訳がない場合です。寄付金収入が50万となっているけど、どうやって計算されているかわからない、これではだめなんです。最低でもエクセルで表でもあれば、要件的にはOKだと思います。

「「事業活動について、一定の要件を満たしていること」とはどのようなことですか?」

1. 宗教活動、政治活動、選挙活動等を行っていないこと
2. 特定の者に特別の利益を供与していないこと
3. 実績判定期間における事業費の総額のうち特定非営利活動に係る事業費の割合が80%以上であること
4. 実績判定期間における受入寄付金総額の70%以上を特定非営利活動に係る事業に充てていること
5. 助成金を支給する場合は直後にその内容を記載した書類を提出すること
6. 200万円超の海外送金等は事前にその内容等を記載した書類を提出すること(災害援助等の場合には事後提出も可)
1.は宗教も布教をメインでなければ宗教的精神があるのは構いません。3.は事業費の総額のうち特定非営利活動に係る事業費の割合ですので、管理費は除いて判定がされます。4.は寄付金が収入の大部分であるような法人はこれをクリアにするのが関門になる場合もあります。

「どのようなことを情報公開しなければいけないのですか?」

認定NPO法人は、各事業年度終了の日の翌日から3ヶ月以内に次に掲げる書類を所轄の税務署長を経由して、国税庁長官に提出しなければなりません。国税庁長官に提出された書類は、3.の寄付金の明細を除き、所轄税務署において閲覧の対象になります。
1. 事業報告書等、役員名簿等、定款等
2. 役員報酬又は従業員の給与の支給に関する規定
3. 寄付金の明細
4. 年間20万円以上の寄付者の氏名等(役員等に限る)
5. 収入金額の源泉別の明細、借入金の明細等
6. 財やサービスの提供に関する事業の料金、条件等
7. 収入及び支出のそれぞれ上位5位までの取引等
8. 役員関係者との取引等
9. 給与を得た従業員の総数及び給与の総額
10. 給与を得た役員及び従業員(社員、役員及びその親族等に限る)の氏名及びその金額
11. 支出した寄付金の額、その相手先、支出年月日
12. 助成金、海外送金に関し国税庁長官へ提出した書類等

書かなきゃいけないんですよね。書くのが大変です。
情報公開ってことは税務署行ってたら、見ることができるということですよね。しかし、実際に行ったら税務署の人がそもそもそんな制度なんか知らなかったんです。2回目は事前に電話したんです。そうしたら「事前に開示請求してくれ」と言われました。準備ができたら通知をするから、そうしたら見に来てほしいと。通知が出るまでには、30日かかると。そんなもん誰がするんだと。ネットで公開するなら、趣旨としてわかるんですけどね。税務署に事前に請求して、30日も待って見に行く人が何人いるのかな?と思います。

「寄付者の名簿は情報公開の対象になるのですか?」

前頁のように、国税庁長官に提出する書類の中には、3.の寄付金の明細があります。寄付金の明細とは、「寄付者の氏名又は名称及びその住所又は事務所の所在地並びにその寄付金の額及び受領年月日を記載した書類」です。しかし、この「寄付金の明細」は閲覧の対象からはずされています。
寄付金の明細は提出はされるんですが、情報公開の対象からは外されています。
一方、事業年度中、20万円以上の寄付をした役員、社員またはこれらの親族等については、閲覧の対象となっています。逆に言うと、寄付者が、役員、社員またはこれらの親族等でなければ、いくら寄付をしても、閲覧の対象とはなりません。閲覧項目は、氏名、寄付金の額及び受領年月日で、住所などは閲覧対象ではありません。

「結局どのようなNPO法人が認定NPO法人になれますか?」

認定NPO法人になるためには、ある程度の人たちからの寄付金収入があることが絶対条件です。寄付金が0円で認定NPO法人になることはできません。しかし、一般にイメージされているように、総収入のうち寄付金が占める割合が20%以上であるというような必要はありません。それは以下のような理由からです。
1. 分子には、一定の範囲内で、社員の会費も算入できます
2. 企業からの助成金や賛助会費等も一定の要件を満たせば寄付金とされます(ただし、助成金は基準限度額に引っかかる可能性があります)
3. 分母からは国等からの補助金や委託事業収入等が除かれるため、これらの収入が多いNPOは、ハードルがぐっと下がります。
4. さらに、一定の範囲内で、分子に国等の補助金等を算入することもできますので、国等からの補助金等が多いNPOはさらにハードルが下がります。
パブリックサポートテスト以外の要件は、事前に準備をすればクリアできる法人が多いと思います。「うちは寄付金がそれほど多くないので認定NPO法人は無理だ」と思っていても、ぜひ一度検討してみてください。

最後に本セミナーにご参加いただいた出席者の皆様と助成をいただいた日本財団に徳永が御礼を申し上げ、ファンドレイジングセミナー2008は終了した。

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終了後も、会場内では、認定NPO法人制度について脇坂氏に熱心に質問する参加者の列が続いていた。

2008年12月10日 文責:関口 宏聡(シーズ)

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