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その他ニュース

2009年10月07日 20:00

その他 : NPO/NGO連絡会、税制改正要望書を提出へ

 NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会(連絡会)は、10月1日、特定非営利活動法人(NPO法人)制度の税制改正に関する要望書をまとめた。平成22年度税制改正に関して、認定NPO法人の抜本的改革をはじめ、認定要件の緩和、認定手続きの簡素化などを要望。みなし寄附金制度の拡充や寄附金控除制度の拡充なども盛り込まれている。今後、政府や各政党に要望書を提出していく予定。

 

 NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会は、1999年に設立された全国39のNPO支援センターの全国ネットワーク。NPO法改正や認定NPO法人制度の改正について、NPO側の意見をまとめたり、各地での制度改正の運動を展開している。シーズは世話団体の1つを務めている。

今回の要望書は、7月30日に政府へ提出した「NPO法人制度の税制改正に関する要望書(29項目)」中の要望事項について再検討し、特に重要性・緊急性の高い事項をまとめたもの。NPO支援税制であり、寄附を促進する税制でもある認定NPO法人制度の改革・改善と、寄付金控除制度など寄附税制の拡充が中心となっている。

認定NPO法人制度は2001年10月1日に施行され、丸8年が経過しているが、認定を受けたNPO法人はわずか107法人(2009年10月1日現在)にとどまっている。約3万8千あるNPO法人のわずか0.28%でしかない。

また、都道府県の半数以上にあたる24県は認定NPO法人が一つも存在しない「認定NPO法人空白県」だ。認定NPO法人の約50%は東京都に集中しており、地域間格差が激しい。

これまで6度の改正がされているが、要件が緩和される一方で複雑さや煩雑さが今まで以上に増し、実効性のある制度になっていない。連絡会では、多くのNPO法人が認定NPO法人制度を活用し、寄付者からの支援を広めることができるよう、抜本的改革をはじめ、認定要件の緩和、認定手続きの簡素化などを要望している。

既に、要望書はNPO・市民活動を所管する内閣府へ提出済み。
要望書には、パブリック・サポート・テストにおける事業型NPO法人への配慮などが盛り込まれている。ソーシャルビジネスや社会的企業は法人形態としてNPO法人が多くを占め、税制による社会的支援の必要性が高いことから、税制改正要望を公募している経済産業省へも提出した。
10月6日からは、地方税を担当する総務省も、新たに税制改正要望への意見を公募開始。今回の要望書には、地方税における寄附金控除制度の改善が盛り込まれていることから総務省へも提出する予定。

連絡会がとりまとめた要望書全文は以下の通り。
NPO法人制度の税制改正に関する要望書(PDFファイル)
⇒ https://www.npoweb.jp/pdf/NPOTaxSystemRevision2.pdf

経済産業省へ提出した要望内容は以下の通り(PDFファイル)。
⇒ https://www.npoweb.jp/pdf/NPOTaxSystemRevision2009_METI.pdf

総務省へ提出した要望内容は以下の通り(PDFファイル)。
⇒ https://www.npoweb.jp/pdf/NPOTaxSystemRevision2009_MIAC.pdf

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NPO法人制度の税制改正に関する要望書

2009年10月1日

NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会

2001年10月1日から、認定特定非営利活動法人制度(認定NPO法人制度)がスタートして、この10月1日でちょうど8年になります。この制度は、市民や企業が、NPO法人にいっそう寄附しやすくするよう税制上の支援を行うもので、日本社会においてますます重要性を増すNPO活動を発展させていくために極めて重要な制度であると、期待しているところです。

しかし、内閣府の調査では、約3万8千あるNPO法人の8割が認定NPO法人制度を認知し、約半数が認定NPO法人となることを希望しているのにもかかわらず、多くの団体が「認定要件を満たせない・申請書類が煩雑・スタッフや時間の不足」などの理由で、認定申請が進んでいません。制度創設後8年間で、申請数は延べ387件にとどまっています。

その結果、現在でも、認定を受けたNPO法人はわずか107法人(2009年10月1日現在)にすぎません。この数字は、約3万8千あるNPO法人のわずか0.28%でしかなく、ほとんどの団体にとって、認定が受けられないという状況が続いています。また、半数以上の24県は認定NPO法人が一つも存在しない「認定NPO法人空白県」であり、約半数が東京都に集中している点と合わせ、著しい地域間格差を生んでおります。認定要件が極めて厳しく、かつ煩雑であることが原因となり、まだまだ実効性のある制度にはなっていないのが実状です。

国民が官に依存せず、お互いに助け合い・支え合いながら、社会参画を実現していくためには、日本の寄附文化を飛躍的に発展させる必要があります。NPOや市民活動の活動基盤として、多くのNPO法人が認定NPO法人制度を活用し、より一層社会に貢献できるよう抜本的な改革が不可欠です。

そのために、ぜひ以下の事項を実現していただきたく、要望をいたします。

要望事項 概要

1.NPO法人の50%は認定が受けられるような制度へ、数値目標を示して抜本的な改革を行うこと

2.初回申請における実績判定期間の特例(来年3月終了)を恒久化すること

3.認定要件の緩和と申請書類の明確化を行い、書類審査のみを原則とするなど認定手続きの簡素化を進めること

4.審査期間を原則4ヶ月以内に短縮し、審査体制を一層増強すること

5.事業型NPO法人なども認定を受けられるようにパブリック・サポート・テストの構造を変えること

6.みなし寄附金制度の控除限度額を、学校法人・社会福祉法人・更生保護法人並みの所得金額の50%(または200万円)へ引き上げること

7.所得税の寄附金控除制度において税額控除方式を創設し、所得控除方式との選択制とすること

8.受取利子・配当等の源泉税は、公益社団・財団法人と同様に非課税とすること

9.寄附金控除において繰り越し控除制度を導入し、年末調整での適用を認めるなど寄附者の利便性を向上させること

10.地方税においては、国税と連動して寄附金控除できるようにするなど、寄附優遇税制を大幅に改善すること

【要望事項】

1.NPO法人の50%は認定が受けられるような制度へ、数値目標を示して抜本的な改革を行うこと

 現在、認定NPO法人数は極めて少なく、全国で107法人のみです。NPO活動の盛んな米国では、各地で毎年3~4万の寄附税制優遇NPOが生まれています。NPO活動や市民の社会貢献活動をより一層促進するために、ぜひとも政治主導で数値目標を明確化することにより、下記抜本改革の実現をお願いいたします。
●NPO法人の50%は認定が受けられるような制度へ、数値目標を示して抜本的な改革を行う

2.初回申請における実績判定期間の特例(来年3月終了)を恒久化すること

 今年度の実績判定期間の特例措置(実績判定期間が原則5年のところ、2年も選択可とする措置)が来年3月で終了することで、申請準備していた多くの団体が困っています。また、2回目の申請を行う一部団体に関しては、過去4年間の実績に問題がなくとも、過去5年間となると認定要件に満たない可能性もありますので、下記項目の実現をお願いいたします。
●初回申請においては、実績判定期間は「2年」か「原則5年」の選択制とする
●来年度に限り、2回目の申請においても実績判定期間は「2年」か「原則5年」で選択できる特例を設ける

3.認定要件の緩和と申請書類の明確化を行い、書類審査のみを原則とするなど認定手続きの簡素化を進めること

 現在の認定要件の中には、団体の支出に関する要件も多く存在します。また、活動対象に関する要件や運営組織に関する要件などは審査・調査に時間がかかり、申請団体に多大な負担を強いています。また、申請が増えない最大の理由は申請書類の作成の煩雑さとなっていますので、下記項目の実現をお願いいたします。
●活動対象に関する要件(共益活動要件)、運営組織に関する要件、事業活動に関する要件の内の支出に関する要件は廃止する
●申請書類は削減の上、文書により明確化されたものに限定し、認定審査は書類審査のみを原則とする

4.審査期間を原則4ヶ月以内に短縮し、審査体制を一層増強すること

 シーズのアンケート結果によると、現在、初回認定は申請後、結果が出るのに平均約8か月かかっている状況です。最長でまるまる2年かかった団体もあります。国税局から「認定は2年待ち」と言われて、申請を断念したという事例もあります。このような審査期間の長期化は、申請団体の大きな負担となっていますので、下記項目の実現をお願いいたします。
●審査期間に「原則4か月以内」というような明確な限度を設ける
●認定審査の迅速化を可能とするよう国税庁・国税局の審査体制をより一層充実させる

5.事業型NPO法人なども認定を受けられるようにパブリック・サポート・テストの構造を変えること

 内閣府の調査によると、認定要件中、最も満たすことが困難なのがパブリック・サポート・テストとなっています。介護保険事業や障害者自立支援事業を行うNPO法人をはじめ、事業型NPO法人(対価収入の割合が多い法人)は認定が受けにくいという課題も残っています。また、ボランティアにより支えられているNPOも多いことから、下記項目の実現をお願いいたします。
●総収入金額に占める寄附金額等の割合を原則10分の1以上(現行は暫定措置として5分の1以上)とする
●特定非営利活動に関る事業収入をパブリック・サポート・テストの分母から差し引くなど、事業型NPO法人なども認定が受けやすくなるようにパブリック・サポート・テストの構造を変える
●パブリック・サポート・テストにおいて、分子、分母の寄附金収入に、無償の役務提供等(ボランティア活動)などの算入を選択により認める

6.みなし寄附金制度の控除限度額を、学校法人・社会福祉法人・更生保護法人並みの所得金額の50%(または200万円)へ引き上げること

 現在、認定NPO法人が受けられるみなし寄附金の控除限度額は、所得金額の20%となっています。しかし、認定NPO法人と同様に所得税の寄附金控除対象となっている社会福祉法人では所得金額の50%、公益社団・財団法人では所得金額の50%または公益目的事業に使用・使用予定の金額(実質100%も可能)が認められています。認定NPO法人のみ20%に設定されていることは、制度的に不公正であり不合理的です。ぜひとも下記項目の実現をお願いいたします。
●みなし寄附金の控除限度額を、学校法人・社会福祉法人・更生保護法人並みの所得金額の50%または200万円へ引き上げる

7.所得税の寄附金控除制度において税額控除方式を創設し、所得控除方式との選択制とすること

 現行の所得税における寄附金控除制度は、認定NPO法人への寄附金を所得金額から差し引く所得控除方式となっています。市民が公益を担う社会の実現には、寄附金を所得税額から差し引く税額控除方式を創設し、寄附者が有利な方を選択できるようにすることで、より一層寄附しやすい、寄附が認められる社会を創る必要があります。下記項目の実現をお願いいたします。
●所得税の寄附金控除制度において税額控除方式を創設し、所得控除方式との選択制を実現する
●5千円に設定されている寄附金控除の下限額を撤廃する

8.受取利子・配当等の源泉税は、公益社団・財団法人と同様に非課税とすること

 受取利子、配当等の源泉税については、公益社団・財団法人では非課税とされているのに対し、認定NPO法人では課税とされています。制度的に不公正な状況を考慮し、ぜひ下記項目の実現をお願いいたします。
●認定NPO法人の受取利子・配当等の源泉所得税は、非課税とする

9.寄附金控除において繰り越し控除制度を導入し、年末調整での適用を認めるなど寄附者の利便性を向上させること

 現行の方式では、年度末(年末)になって所得が確定してから、やっと寄附金控除の限度額や損金算入の限度額が分かる仕組みとなっています。このため、年度末(年末)にならないと安心して寄附できなくなっています。一方、米国では5年間の繰り越し控除が認められています。
 また、現在は、寄附金控除を受けるためには、給与所得者(サラリーマン)であっても確定申告することが求められます。給与所得者が確定申告を行うことは敷居が高くなっていますので、寄附者の利便性向上のため下記2項目の実現をお願いいたします。
●所得税・法人税の寄附優遇税制において、寄附金の5年間にわたる繰り越し控除制度を導入する
●給与所得者が年末調整で寄附金控除を行えるようにする

10.地方税においては、国税と連動して寄附金控除できるようにするなど、寄附優遇税制を大幅に改善すること

 現在、地方税の寄附金控除制度は多くの自治体において、居住している自治体外の認定NPO法人への寄附が対象となっていません。一方ふるさと納税制度では居住している自治体以外への寄附も認められており、不公正な状況となっています。また地方分権の趣旨は理解するものの、各自治体により団体の指定状況や手続きなどに相違点が多く、寄附者や認定NPO法人にとって非常に分かりづらくなっています。一部自治体ではとても煩雑な手続きが必要とされはじめていますので、ぜひ下記点を考慮いただくようお願いたします。
●地方税においても、条例によることなく国税と連動して寄附金控除できるようにする
●居住する自治体外の認定NPO法人への寄附金控除も認める
●地方税においても、煩雑な手続きや書類の簡素化を図る

※なお、本年6月にはマニフェスト(政権公約)策定に向けた「特定非営利活動法人(NPO法人)制度に関する要望書」を各政党に提出し、税制については下記項目を要望しました。
二.支え合い・助け合いの地域コミュニティ活動や国際援助活動などを活性化するため、認定NPO法人制度の大幅な改正と寄付税制の大幅な拡充を行うこと
1.認定NPO法人数の数値目標(全NPO法人の50%)を設定する。
2.パブリックサポートテストなど現行の認定要件のより一層の緩和を行う。
3.国税庁・国税局による審査体制を充実させると共に、現在の長期間にわたる審査期間(平均8カ月/最長2年)の短縮のため、審査期間を4ヶ月以内と限定する。
4.申請団体に負担を強いる現在の再認定制度ではなく、更新制度を導入する。
5.みなし寄附金制度における控除限度額を所得金額の50%へ引き上げ、みなし譲渡所得を非課税にするなど税制優遇措置のより一層の拡充を行う。
6.寄附者に対して、本年の寄附金控除で控除し切れなかった部分について翌年への繰越を認める制度(繰越制度)の導入など寄附金控除の大幅な拡充を行う。
7.認定を受けていない小規模のNPO法人に対する法人税の免税点制度(一定の収支規模までは収益事業を行っていても免税とする制度)などを創設して、小規模法人の活動を支援する。

7月30日には来年度税制改正に向けた「NPO法人制度の税制改正に関する要望書(29項目)」を政府へ提出しました。
本要望書は、これらの要望事項について再検討し、特に重要性・緊急性の高い事項をまとめたものです。
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