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2009年の報告

2009年11月25日 18:05

NPO法人会計基準策定プロジェクト 中間報告イベント「ここが争点!NPO法人の会計基準!! ~「とことん聞きます!!みんなの意見」全国キャラバンスタート~」

NPO法人会計基準策定プロジェクト 中間報告イベント
ここが争点!NPO法人の会計基準!!

~「とことん聞きます!!みんなの意見」全国キャラバンスタート~

2009年11月14日(土) 19:00~21:00

於研究社英語センタービル 地下2F 大会議室


NPO法人会計基準策定プロジェクトは、NPO法人の会計基準を策定することを目標に、シーズ・市民活動を支える制度をつくる会やNPO会計税務専門家ネットワーク等、全国18のNPO支援団体が共同で呼びかけ、3月末に発足した。

現場のニーズや幅広い関係者の意見を反映させて、NPO法人会計基準案の取りまとめに向けた協議を行っている。 発足から半年間の議論を経て、NPO法人会計基準の中間報告を発表し、広く意見を募集するため本イベントを開催。

当日は、NPO法人の会計に関心を持つ関係者ら約150名の参加者が集った。

主催:NPO法人会計基準協議会

助成:キリン福祉財団、損保ジャパン記念財団、中央労働金庫、東京都共同募金会、トヨタ財団、三菱財団、郵便事業株式会社 後援:助成財団センター、パルシステム生活協働組合連合会セカンドリーグ支援室

協賛:株式会社ぎょうせい、ソリマチ株式会社、日本通信紙株式会社、株式会社ミロク情報サービス、弥生株式会社

2009年11月14日(火)午後1時から、東京都新宿区の研究社英語センタービルにて、NPO法人会計基準協議会(協議会)とNPO法人会計基準策定委員会(策定委員会)の合同会議が開催され、NPO法人会計基準の中間報告について議論された。

同日午後7時からは、東京都新宿区の研究社英語センタービルにて、「ここが争点!NPO法人の会計基準!! ~『とことん聞きます!!みんなの意見』全国キャラバンスタート~」が開催された。中間報告について策定委員から解説があった。

同時に、全国キャラバンがスタートし、12月末までパブリックコメントを募集することが報告された。

【開会挨拶】
はじめに、主催者を代表して松原明(シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 常務理事・事務局長)が挨拶。全国のNPO支援センター65団体からなる協議会や、専門家による策定委員会の開催について、関係者への感謝を述べた。あわせて、会計基準策定に関して、助成財団や企業の皆さまからのご支援に対し、感謝を申し上げた。

「このプロジェクトに関して、今年の1月に亡くなられた赤塚和俊さん(税理士・公認会計士)のご遺志を引き継いで本日まで進んでこれたことに心から感謝を申し上げたい。今日の中間報告をもとに、皆さんからパブリックコメントをいただき、来年の5月ころまでに会計基準を全国のNPO、市民の方と一緒に作り上げ、普及していきたいと考えている。キックオフイベントとして、多くの方からご意見をいただければと思う。」


(中間報告イベントの様子 開会あいさつ 11/14)

【来賓挨拶】
続いて、来賓を代表し、梅村敏幸氏(中央労働金庫 社会貢献部)と、古川明郎氏(三重県男女共同参画・NPO室)からご挨拶いただいた。

中央労働金庫の梅村敏幸氏から、「皆さま方で活発なご意見を交わしていただき、NPO法人の会計基準が作られることを期待します。」と挨拶。

古川明郎氏からは、「会計基準のことは、当事者なのか、関係者なのか。所轄庁としては一番の当事者なのかもしれません。法人の活動を分かりたい、みんなに分かってもらうためにはどうしたらいいのかと悩んでいたので、このような取り組みをしていただいてありがたい。」との応援のメッセージをいただいた。

【報告事項】
中間報告として、NPO法人会計基準協議会事務局長の加藤俊也氏より、中間報告作成の経緯と協議会、策定委員会の運営状況について報告があった。次に、NPO法人会計基準策定委員会副委員長の脇坂誠也氏より、中間報告の論点(下記参照)について、具体的な事例とともに資料を説明しながら報告があった。

論点1.小規模法人に対して、どのような配慮をすればよいのか。論点2.現物による寄付を受けた場合には、どのように対応する必要があるのか。
論点3.無償による施設の提供は、どのように会計に反映することが必要か。
論点4.ボランティアの協力をどのように反映したら良いのか。
論点5.使途等に制約のある寄付の受入・未使用分の保有をどのように取り扱ったらよいのか。
論点6.NPO法が前提とする計算体系の下での「収支計算書」はどのような構成でなければならないのか。
論点7.NPO法に「収支計算書」及び「貸借対照表」とともに列挙された「財産目録」をどのように考えるのか。
論点8.「その他の事業」の会計を特別な会計として区分するというのは、収支計算書(委員会では「活動計算書」と)だけでなく貸借対照表まで区分する必要があるのか。
論点9.事業費と管理費の区分について、どのように考えたらよいのか。

【パネルディスカッション】
続いて、江田寛氏(NPO法人会計基準策定委員長)、大久保朝江氏(杜の伝言板ゆるる 代表理事)、実吉威氏(市民活動センター神戸 理事・事務局長)田中皓氏(助成財団センター 専務理事)によるパネルディスカッションが行われ、加藤俊也氏(NPO法人会計基準協議会 事務局長)のコーディネートにより、会場からの質疑応答を含めて活発な議論が展開された。

はじめにコーディネーターの加藤氏より、「パネルディスカッションといってもタイトルどおり、とことん聞きますみなさんの意見、ということでいきたい」と挨拶があり、活発なパネルディスカッションが行われた。

● 田中皓氏(助成財団センター)
NPO支援に熱心な助成財団が集う「NPO支援財団研究会」という研究会がある。そこで、このプロジェクトの話をしたところ、参加している助成財団からも賛同が相次ぎ、多くの財団が助成している。公益法人としても、制度が変わり新公益法人制度がはじまった。今年になって、「新新会計基準」というのができた。そちらに比べて、NPO法人の会計基準は、みなさんの声をとことん聞いて、こんなに親切な中間報告書が事細かに作られていて、とてもうらやましい。多種多様なNPOのみなさんにとっては、統一的な見解は難しいだろう。しかし、「みなさんが力を合わせて会計基準をつくりあげていく」というところをぜひ成功させてほしい。来年5月の目標を、ぜひ実現していただきたい。

●実吉威氏(市民活動センター神戸)
多くのNPO法人が会計について、しんどい思いをしている。しんどい思いをした結果、きちんとしたものを出していたらまだいいのだが、しんどい思いをしたのに結果間違っている、ということがあった。会計というのは、自分たち自身のことを理解してもらう、武器につかえるものだと思うのだが、多くの団体がネガティブに捉えがちだ。相談も多い。ここまでの中間報告を出していただいて、たくさんの論点があって、NPO法人として問題があるなかで、ここから後半で良いものができていくと、NPO法人側としてありがたいと思っている。

●大久保朝江氏(杜の伝言板ゆるる)
仙台では、12月8日にキャラバンを行う。支援組織としては、できるだけ場をつくっていこうと思っている。小規模法人への対応、ボランティアをどう表現するか、などの議論がなされている。多くの意見を聞いていかなければ結論が導かれない。中間とはいいながら、これから議論が盛り上がってくると思っているので、スタートラインに立ったところだと感じている。ずっと見続けていきたいと思っているので、よろしくお願いしたい。

●江田寛氏(NPO法人会計基準策定委員長)
20年くらい、非営利の会計に携わっているのだが、今、心の底から感じているのは「これから民間非営利セクターをリードしていくのはNPO法人のみなさんだ」ということだ。私は、会計は「制度の成熟度の物差し」だと思っている。日本の将来に重要な影響を与える皆さんにふさわしい会計基準ができたらいいな、と思って取り組んでいる。ぜひ、多くの質問をいただきたい。


(中間報告イベントの様子 パネルディスカッション 11/14)

【質疑応答】
続いて会場からの質疑応答が行われた。
1人目の参加者からは、2点質問があった。
1:重要性の原則は、NPOが自由に決めていいのか。数字があるのか。希望は自由に決めたい。
2:会計の基準になる簿記だが、「青色申告に準じた」と国税局に書いてあるが、複式に順ずるというのはどういう議論をされているのか?

これに対し、重要性の原則については、江田委員長より「重要性を判断するのは、NPO法人のみなさんだ。でも、自由ではない。利用者の方に有用な情報を伝える必要がある。会計報告の利用者の判断を誤らない範囲で、簡単な方法を採用してほしい。」との回答があった。

あわせて、田中氏より、「恣意的な要素を含まない、一般的に重要だと思われるものは書いていただきたい。あえて、隠すとか、めんどくさいから、とかがなければ、よろしいのではないかと考える。」とのご意見があった。

複式簿記に関しては江田氏・加藤氏両氏から、以下のような回答があった。
江田氏「単式簿記は前提としていない、ということを意味している。複式簿記を前提としている。」
加藤氏「現金、預金しかないNPO法人の場合は、単式簿記でも結果として一致してしまう。「もうワンステップあがろうよ」というのがやれないかというのが今回のキャンペーンのひとつの目的だ。ただし、NPO法人の方が勉強しなければならない、というだけでなく、会計ソフトの開発なども視野にいれて、簡単にステップアップできるよう考えていきたいと思っている。」

2人目の参加者からは、1点質問があった。
1:「論点4.ボランティアの取り扱い」があるが、継続的にボランティアさんが来て、活動が活性化することが数字で上げられないことで、そのNPO法人の本当の姿が伝えられないのではないだろうか。

この質問に対しては、以下のようなやりとりがあった。

実吉氏
会計基準の性格にかかわってくることかと思う。ボランティアの金銭評価はなじまない、という議論になったと思うが、ボランティアを評価したいという団体は、禁止はできないのではないか。個人的には、評価したい団体はすればよいのではないだろうか?

加藤氏
お金が動かない取引は、寄付の受け入れまで含めて、3時間くらいの議論をしている。まだ、結論が出ているわけではない。昼間の委員会でも意見が出た。NPOにとってどう表すのがいいのだろうか、ぜひ意見をコメント用紙に書いてほしい。

参加者
NPO法人の活動が多くの人に受け入れてもらわないといけないし、そうすれば寄付も集まるだろう。だから、きちんとした会計をしないといけない。ボランティアも必要。「ボランティア会計基準」というのがあってもいいのではないか。心の問題といわれたら、文学の世界になってしまう。これから、ぜひ、大いなる議論をしていただきたいと思う。

加藤氏
所轄庁の方も、所轄庁を通して市民に情報開示をするという役割を果たしておられるので、委員会で発言をいただいている。積極的に説明会を開いたり、NPO法人のためになるような形でやっていきたい。いろいろな意見をぜひコメント用紙に書いてほしい。明日からは、インターネットから書き込みできるようにするので、ぜひともご協力いただきたい。

【閉会の挨拶】
山岡義典氏(日本NPOセンター 代表理事)
本日はお疲れさまでした。午後から参加いただいた専門家メンバーの、献身的なご努力に感謝したい。先ほどボランティアの取り扱いについて議論があったが、策定委員会皆さんのボランティアでの貢献度を数字で計上すると、5000万円を超えるパワーになっていると思う。私自身も2つのNPOの代表をしているが、会計処理は難しい。実態はなかなかつかめない。きわめて具体的に頭を働かせながら話を聞くことができた。

このNPO法人会計基準策定プロジェクトは、現場から、意見を出しながら推進するすばらしいプロジェクトだと思う。本当に不思議なプロジェクトで、NPO法人だけでなく、公益法人・一般法人にも影響を与えることになるかもしれない。「現場からボトムアップでつくっていく」ということが面白い。

皆さんには、周りの方にも声をかけていただきたい。資金も必要だ。プロジェクトをさらに盛り上げていきたいと思うので、よろしくお願いします。

中間報告の内容や全国キャラバン情報など、NPO法人会計基準プロジェクトについては、下記「みんなでつくろう!NPO法人の会計基準」を参照。
http://npokaikei.blog63.fc2.com/

(文責:シーズ 江崎礼子)

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