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ファンドレイザー奮闘記

2009年12月28日 17:44

ワールド・ビジョン・ジャパン 高木克巳さん

ファンドレイザー奮闘記
ワールド・ビジョン・ジャパン 高木克巳さん

アメリカ生まれのキリスト教宣教師によって、ワールド・ビジョンの活動は始められました。彼は、1940年代に中国に渡り、人々の過酷な現実に目を奪われ、「すべての人々に何もかもはできなくとも、誰かに何かはできる」と考えるようになりました。

その後、韓国を訪れ、朝鮮戦争によって傷ついた人々や多くの戦争孤児が生まれ、食糧、水、住居の支援が必要なことを知りました。

そして1950年9月、アメリカのオレゴン州ポートランドでワールド・ビジョンを設立したのです。韓国の戦争孤児や寡婦、ハンセン病や結核患者たちに救いの手をさしのべることから始まったこの活動は、現在約100カ国で、地域開発や緊急援助などの支援事業を展開しています。

ワールド・ビジョンは、戦後の一時期、日本においても孤児院などに対する支援活動を行いました。その後、日本の経済成長と内外の海外支援対する気運の高まりとともに、1987年10月、貧困、飢餓、災害、戦禍などで苦しんだり抑圧されている人々が、明日を夢見て、希望で胸を膨らませることができる社会の実現を目指し、「ワールド・ビジョン・ジャパン」は設立されました。

団体ホームページは
http://www.worldvision.jp/index.html

●1.衣料品支援キャンペーン
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、2002年から2004年への3ヵ年計画で“ファミンキャンペーン”と名づけ『きれいな古着を難民キャンプに送るキャンペーン』を実施した。

このキャンペーンは、日本の皆さんにきれいな古着をその送料とともにご寄付いただき、途上国支援のために役立てようというものだった。それは、1998年にケニアにTシャツを送るキャンペーン、2000年のモンゴルに冬物衣料を送るキャンペーンを実施した経験とその反響をもとにした企画であった。

2002年、スタッフは多くのボランティアの協力を得て3ヵ年計画のイベントをスタートさせた。初年度は、参加者約2,900人、衣料品約10万着とともに、募金も約600万円お寄せいただいた。

その反響に手ごたえを感じた私たちは、ボランティアベースでご協力下さったプロのデザイナーの協力も得、その方を通して美術大学生達に古着ポスターを制作してもらった。それらがメディアにも注目され、活動が広がりを見せた。

2年目の結果は、参加者数が前年度の2.7倍の約7,800人、衣料品は前年度の4倍となる40万着、募金額も5倍を超えて約3,200万円を寄せていただいた。

そして、3年目には、参加者数は約8,000人となり、衣料品数は約52万着近くになり、ケニアとタンザニアの多くの難民の人たちに届けることが出来た。

衣料品支援キャンペーンとしては、参加者数、衣料品数、募金額とも大きな成功と言えるものであった。

●2.反響の大きさへの嬉しい驚き、そして・・・
しかし、その大きな反響ゆえに、スタッフは嬉しい驚きとともに対応に追われた。

イベント告知とともに届いた予想を超える数の問い合わせへの応答と参加キットの送付、そして息つく間もなく、ボランティアとともに横浜の倉庫に詰めて、全国からの古着の整理と出荷作業に追われた。多くのスタッフが、その期間、他の活動がほとんどできない状況となった。

また、メディアに多く取り上げていただき団体名が知られる機会となったが、そのメディアでのキーワードは「古着」「難民」で、ワールド・ビジョン・ジャパンは、「古着を集めて難民を支援している団体」というイメージとなりつつあった。それは、確かに私たちの活動の一部ではあったが、私たちの活動の全てではなく戸惑いを覚えた。

キャンペーン終了後、私たちは、これらの状況を感謝の思いとともに分析をし協議を重ねた。

●3.容易ではない決断と次への歩み
その協議の結果、私たちは、このイベントを当初の計画通り3年で終了することを決定した。

もちろん、この支援は、アフリカの難民の人たちに歓迎された必要な支援であった。そのことは、ボランティアとともにタンザニアの難民キャンプまで行き、その現実を目の当たりにし配布作業に携わったスタッフ達が確認をしている。私自身、2年目の衣料品配布時にビデオカメラを手に難民キャンプに入った。その成果を自分たちの目で確認した経験からも、団体としてこの支援活動を終了するとの決断は容易なことではなかった。

ご協力下さった広告業界の人たちからは、「これほど成功しているキャンペーンを終了するとは、企業的な視点からはちょっと信じがたいことです。」とのコメントもいただいた。

しかし、私たちの活動には、それぞれの時に出来ることの限界がある。このキャペーンは、当時の私たちには大きすぎた成功と言えるものであった。

私たちは、その現実を受けとめ、限られたリソースの中での活動を模索した。そして、改めて「すべての人びとに何もかもはできなくとも、誰かに何かは出来る」という創設者の言葉の「すべての人びとに何もかもはできなくとも」ということの重みと痛みを噛みしめた。

その言葉を噛みしめつつ、その時の団体のリソースとキャパシティーの中での「できる何か」として「チャイルド・スポンサーシップ・プログラム」に、より一層焦点をあてた活動をすることを確認し、団体全体で次への歩みを進めた。

●4.教訓
ファンドレイジングにおいても、「何もかもはできなくとも、何かは出来る」というワールド・ビジョンの精神に立ち返ることが必要だった。

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