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ファンドレイザー奮闘記

2009年12月28日 18:04

難民支援協会 鹿島美穂子さん

ファンドレイザー奮闘記
難民支援協会 鹿島美穂子さん

「難民」という語が新聞に載らない日はないと言っても過言ではありません。世界各地では今も、大変多くの人々が難民の苦しみを味わっています。遠い国の出来事のようにも感じられますが、現実はそうではありません。

日本にも難民は来ています。

年に百人を越える人々が、 日本政府に難民認定を申請しています。そしてその数は近年大幅に増加しています。しかし彼らは迫害から逃れてきたはずのこの日本においても、多くの困難に直面しているのです。

私たち難民支援協会は、かれらの困難を少しでも減らすために設立されました。

団体ホームページは
http://www.refugee.or.jp/

●1.ファンドレイジングの場面で直面した課題
難民支援協会(JAR)は、日本に逃れてきた1人ひとりの難民に対し、法律面と生活面での総合的・専門的支援を行っている団体である。

現在では、年間約30カ国出身の難民から6,500件の相談が寄せられ、数が激増しているとともに、相談内容も多様化しており、自己資金率を高め、安定的な組織運営が急務となっていた。

一方で、難民の日本での状況への認知が低いため、寄付を募る際、難民への誤解に直面することがあったが、JARのプレゼンテーションやパンフレットは、受け入れデータや難民条約の条文、国際的な保護基準など「固い」説明が中心であり、難民を支援したいという「気持ち」を促進するような、心を動かす資料・メッセージを持ち合わせていなかった。

また、せっかく寄付を申し出ていただいても、寄付継続の手続きが毎年必要であったり、金額が比較的低い寄付コースが多く、JAR のほうから寄付者の貢献度を制限してしまうなど、機会をうまく生かせていなかった。

●2.その課題解決に向けたチャレンジ
自己資金獲得を目的とし、JARのメッセージの訴求力を高めるためのマーケティング・ブランティングに取り組んだ。まず、そのプロジェクト資金を募り、ゴールドマン・サックス証券株式会社から寄付をいただけることとなった。

1年間のプロジェクトの開始にあたり、これをきっかけに、一丸となったファンドレイズができる組織になれるよう、事務局のマネージメントレベルと広報担当者、広報担当理事およびボランティアによるタスクフォースを立ち上げた。月1~2回のミーティングを行い、団体の強みや弱み等を議論した。

また、結果を出すため、広告代理店などの外部の専門家の参加を図ったところ、ファロン株式会社の有志によるプロボノでの協力を得ることができ、プロフェッショナルなスキルを提供いただいた。

ロゴを刷新したほか、支援の継続性と寄付者の利便性向上のため、「難民スペシャルサポーター」という月ごとの自動引落寄付およびオンライン上での寄付手続きの仕組みを整備。PR用のパンフレット(日・英)作成と、ホームページのリニューアルも行い、その中では難民のストーリーとスタッフの声を載せ、顔の見える関係を目指したメッセージづくりを行った。

●3.チャレンジの中でおこったエピソード
議論したメッセージやJARの特徴などを表現するため、ロゴをリニューアルする際のエピソード。

デザイナーからの提案とタスクフォースでの議論を重ね、事務局・理事に対して最終案を提示した。プロジェクトがタスクフォースに一任されていたこともあり、相談を前提にした「提示」というよりは「報告」程度の感覚だったが、予想に反して、スタッフから強い意見が出た。多くは、「JARのミッションを体現していないのではないか」「ステークホルダーに対して私たちが与えたいイメージとは違うのでは」などの反対意見だった。

再度、スタッフ全員からの意見収集とタスクフォースの決定理由を説明し、最終的には理事会にも説明の上、合意を得た。

●4.チャレンジの結果
初年度の自己資金獲得目標を9ヶ月で達成することができた。

寄付者とのコミュニケーションも少しずつではあるが活発になってきており、ニュースレターの感想を電話で伝えてくれるなど「心を動かす」メッセージを伝えることができるようにもなってきた。

また、スタッフ・理事のファンドレイジングや組織に対する意識の変化が、非常に重要な成果だった。組織の横断的なタスクフォースで議論を深めたことで、意識のすり合わせや経験共有ができた。

3)のロゴの一件では、それぞれのスタッフがJARに対してどういった見方・考え方を持っているのかを知ることができたと同時に、JARの発信すべきメッセージや組織の方向性を全体で共有することができた。それ以降、スタッフが、JARの活動や寄付を、身近な友人や活動上の関係者などに募るようになったり、資金調達に関するアイデアなどを出すようになり、組織へのコミットメントが深まっているように感じる。

広報担当者の意識も大きく変化した。特に、これまで社会に対してのみならず、団体内に対してすら、寄付やファンドレイズ活動の必要性を伝えてこなかったことに気づかされた。3)のエピソードを振り返ると、ファンドレイズは組織全体に関わることであるにもかかわらず、意見収集や説明を怠っていたりと、スタッフに関わる機会を提供してこなかったことが原因だったと考えられる。

これらの経験は、2年目以降も自己資金を拡大する体制とするための重要なステップになった。

●5.教訓!

ファンドレイジングとは、単に寄付のお願い行為ではなく、テーマとしている課題(難民支援)へのコミットメントを、より深めていける機会を、組織内外を問わず提供するプロセス!

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