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ファンドレイザー奮闘記-2-

2010年04月06日 22:11

【海外からの特別寄稿3】あるプロスペクトリサーチャーの1日 Lindsay Plattさん(日本語訳)

ファンドレイザー奮闘記-2-

【海外からの特別寄稿3】あるプロスペクトリサーチャーの1日(日本語訳)
Lindsay Platt(リンジー・プラット)さん

「プロスペクトリサーチャーの仕事とは、どのようなものですか?」 インディアナ州インディアナポリスのUnited Way of Central Indianaで働いていたとき、こんな質問を受けたことがありました。そこでプロスペクトリサーチアナリストとして働いた3年間は、見るモノ聞くモノすべてが新しく、毎日が成功と失敗の連続でした。この場をお借りして、私の個人的な経験や資金開拓チームでうまくいった例、さらに今後の資金開拓やプロスペクト(見込み寄付者)リサーチの課題を考察しつつ、リサーチャーの日々の活動をご紹介したいと思います。

●プロスペクトリサーチとは?
プロスペクトリサーチとは、見込み寄付者を見つけ、その人を客観的に見極めることです。それでは、見込み寄付者とはどのような人でしょうか?それは、あなたの理念や組織に寄付をしてくれる可能性のある人のことです。(ここでは、初めて寄付をする人も、すでに寄付をしたことがある人も含みます。後者は「ドナープロスペクト」と呼ばれ、今後寄付額を増やしてくれる可能性がある人のことです。)簡単な仕事だと思うかもしれませんが、プロスペクトリサーチには、個人、企業、財団などの調査から、データベースのプログラミングや維持管理まで含まれますし、それ以外にもあります。仕事がどれほどたくさんあっても、リサーチャーの究極の使命は、組織のために寄付を集めることです。

プロスペクトリサーチは流動的な仕事です。リサーチは、情報が入手でき、資源が活用できる状況になるたびに変化します。プロスペクトリサーチャーは、資金開拓チームを戦略的に動かしてチームの価値を上げ、寄付を募り、見込み寄付者と効果的に会います。一人の見込み寄付者に対し、寄付の「ロードマップ(手引き)」を与える手ほどきをします。プロスペクトリサーチャーが手にする情報は、デリケートなモノが多いため、プロスペクトリサーチャー協会(Association of Prospect Researchers for Advancement)の倫理規定に従います。

●見込み寄付者を「見つける」ことと「見極める」ことの違い
プロスペクトリサーチャーは、毎日見込み寄付者を見つけます。新聞で見つけることもあれば、街で出会うこともあります。身内の中に見つけることもあるかもしれません!しかし、あなたのグループに寄付をしてくれそう人を見つけたからと言って、その人が必ず寄付してくれるわけではありません。見込み寄付者を「見極める」仕事の中には、「なぜ」その人が有力な見込み寄付者なのかを素早く特定する仕事が含まれています。その人は、以前あなたのグループに寄付してくれたことがあったでしょうか?十分な資産をお持ちでしょうか?あなたのグループでボランティアをしている人の中に、その人の知り合いはいるでしょうか?単にドナーリストに名前があるだけではなく、あなたのグループにとって有力なサポーターとなり得る情報を探すことが、見極めるということなのです。

●プロスペクトリサーチの1日
プロスペクトリサーチでは、前日と同じ仕事をすることは滅多にありません。いつも、何かしら新しいことが起き、新しい名前が浮上し、新規プロジェクトが始まり、いつも何かの締め切りに追われています。もちろん、似たような仕事がないわけではありません。私は毎日、見込み寄付者になりそうな個人や企業を調査し、会議に出席し、レポートを書き、その日片づけるべきことをやっていました。優れたプロスペクトリサーチとは、新しい人の中に初めて寄付をしてくれそうな人を見つけ、すでに寄付をしてくれた人に寄付金を増やしてもらうことなのです。

私の(個人的な)日々の目標は、先取り型リサーチと反応型リサーチを1日の終わりに完了させることでした。先取り型リサーチとは、プロスペクトリサーチャーが自主的に行うリサーチのことです。通常、新聞や地元の業界紙などを読み、新たな見込み寄付者の名前を見つけます。新しい名前を見つける場所は、それだけにとどまりません。反応型リサーチは名前の通り、誰かに頼まれたことに応えるやり方です。頼まれ仕事をやるだけでもあっという間に1日が過ぎてしまいますから、先取り型と反応型の折り合いをつけることが大事でした。

●プロスペクトリサーチャーが探す情報
プロスペクトリサーチャーに必要な情報は、個人、職業、資産、そして、社会的なものです。見込み寄付者によって情報も様々です。見込み寄付者のプロフィールを作って、肖像画を描くと考えてください。人間の顔にはいろいろなパーツがあります。目、鼻、口、眉毛、耳、髪の毛など。画家は目と口に同時に色をつけたりしないでしょう。まずどこか特徴のあるところから描き始めます。例えば目でしょうか。画家が次にどこを塗りたいか、誰にもわかりません。どの順序で色を重ねていくかは問題ではありませんが、すべてのパーツを塗り終えなければなりません。プロスペクトリサーチも同じです。どこからスタートして、どこで終了するのかは問題ではなく、全体像が分かることが重要なのです。

個人情報には、生年月日、学歴、家族構成や興味関心の矛先などの情報が含まれます。スタッフやボランティアはこの段階で関わることができるかもしれません。同じ大学の出身者がいるかもしれませんし、同じ学校へ通う子供がいるかもしれません。1歩でもその人に近付く何かを見つけるのです。

職業情報には、現在(または過去)の勤務先、職場での地位、ボランティアへの参加、名誉職や賞与など、さまざまなものがあります。その人が最近、地方新聞に取り上げらたことはなかったでしょうか?何かの賞を受賞された人がいれば、資金担当者から、お祝いの手紙を送ってみるのもよいかもしれません。職場経由でリサーチすることも効果的です。仕事を通して、社会的なネットワークを構築することもできます。見込み寄付者を個人的に知っている人はいないでしょうか?仕事上の繋がりはないでしょうか?あなたのグループのボランティアに同じような会合に参加している人はいないでしょうか?つまり、彼らがどこで時を過ごしているのかを見つけるのです。

資産情報は最後の砦です。一番入手が難しい情報でもあります。その見込み寄付者に資産はあるでしょうか?それはどのくらいの資産でしょうか?自宅その他の資産や政治、チャリティ活動も、その人物の肖像画を完成させる助けになります。例えば、その人物が地元の楽団に毎年1万ドルを寄付していることを知ったとしましょう。その人物は資産に余力があるということです。しかし、その人物は、あなたの組織や活動に興味があるでしょうか?見込み寄付者の肖像画に、こうした情報は必須です。すべての情報をまとめて、肖像画を仕上げていくのです。

また、その地域や企業情報を調べます。社員数や売上高などの数字データだけでなく、その企業のこぼれ話も役に立ちます。多くの企業は、自社が行う慈善活動をホームページやパンフレットに掲載したがります。企業イメージをアップさせるだけでなく、そうした側面に惹かれる社員もいるかもしれないからです。あなたの組織の優先順位とマッチするでしょうか?もし、その会社が支店なら、本社を調査し(コンタクトをとる)ことも検討します。時には、本社のある町を調査することでも、企業の行動パターンや目標を知る手掛かりになるでしょう。

●情報の依頼主
組織の代表からアシスタントまで、あらゆる人がリサーチを頼んできます。しかし、資金担当者からの依頼が最も多いです。彼らは、寄付者や見込み寄付者と直接コンタクトをとるからです。資金担当者に、見込み寄付者の情報をしっかり与えてうまくコンタクトをさせ、情報を管理し、掘り下げ、頼みに行くことが、結果を出すための必須条件です。

リサーチは、ボランティアにもメリットがあります。ボランティアは、スタッフほど詳細なリサーチを受け取らない場合もありますが、彼らが見込み寄付者と何か共通点を持っている場合もあるのです。ですから、ボランティアにも、これから会う人物の情報を教えておきましょう。そうすれば、もっとリラックスした雰囲気ができるかもしれません。ある地元グループが5000ドルの寄付をお願いする場面を思い浮かべてください。スタッフが一人で会いに行った場合、或いは、上層部のメンバーと一緒の場合。或いは、誰かの友達か仕事上の繋がりがある人物と一緒の場合。後者の方が、話を聞きやすいのではありませんか?そうしたコネクションは非常に有効なのです。

プロスペクトリサーチャーも情報を求めます。あれこれ調べるのがこの仕事の本質ですが、スタッフからのリクエストでリサーチをしていて、「誰がこの人を知っているの?」とか「この人が、私達のボランティアの理事だなんて知らなかった」などと思うことがしばしばあります。知った上で尋ねれば、自然な流れができるものです。チームにうまく情報を提供することができたときに、私はとても充実感を感じていました。

●情報の見つけ方
個人や企業の情報を見つけることは、プロスペクトリサーチの中でクリエイティブな側面です。ガイドラインこそありますが、公式は存在しません。寄付者にも見込み寄付者にもいろいろな人がいて、資源も多様です。情報源も様々で、インターネットや季刊誌などもあれば、他の団体や外部企業の場合もあります。無料のモノもあれば、年会費などを収める場合もあります。

無料の情報源からスタートするのがよいでしょう。インターネットはプロスペクトリサーチの世界を開いてくれました。レポーターも政府も、見込み寄付者について同じ情報を共有できるだけでなく、見込み寄付者とも情報を共有することができるのです。アメリカの場合、ホームページに給料や生年月日、連絡先などを掲載している場合もあり、非常にすばらしい情報源になります。しかし、さらに詳細なリサーチをするのなら、他の情報源もあります。アメリカでは、多くの図書館のホームページに新聞のアーカイブがあります。ニュースは人物を知るのに優れた方法です。企業の情報を探す場合も、企業のホームページからスタートするのがよいでしょう。

もう1つの情報の宝庫は他の非営利団体です。人々がチャリティを行う理由の1つが、認められることです。団体は寄付者の表彰が好きで(しばしば寄付額で分類し)、パンフレットやホームページで公表します。先取り型リサーチは、この辺りから始めるのがよいでしょう。注意したいのは、他のグループに多額の寄付をしている人物が、必ずしもあなたのグループに最初からそれと同等の寄付をするわけではない、ということです。こうした調査によって、地元の人物をさらによく知ることができるかもしれません。

最後に、あなたの資金担当者のことをお忘れなく。彼らに会う理由は、彼らの見込み寄付者について話しをすることであり、彼らの目標を見極めることです。新しい展開があるかどうか、必ず尋ねるようにしましょう。

有料の情報源では、もっと効率よくリサーチができます。アメリカ国内の企業の中には、インターネットの有料サイトでプロスペクトリサーチャーに情報を提供しているところがあります。Wealth EngineやLexis Nexisなどがそれです。そこには、ニュースや財産評価、選挙活動支援、チャリティ活動、理事会名簿、ボランティア活動、資産など様々な情報が満載です。リサーチの効率化に大いに貢献してくれます。

情報を買うことができる場所はインターネットだけではありません。新聞、地元雑誌、業界紙も先取り型リサーチの強い味方です。業界紙は、その分野の「トップ企業」のリストを掲載しています。そこからレポートを作成し、誰があなたのグループにどのような寄付をしてくれるかを示します。時には、その結果が思わぬサプライズを産むこともあります。

ところで、一度に50人、100人、500人、いや、5000人の見込み寄付者を調べるとすると、どうしますか?アメリカ企業のデータを分析してくれるところがあります。データと複数の見込み寄付者を結びつけたり、寄付者や見込み寄付者のトレンドを分析してくれたりします。見込み寄付者を分類して仕事の優先順位をつけてくれる優れモノです。

●情報を見つけて、それからどうする?

見込み寄付者を見つけたら、まず自分のデータベースに取り込みます。こうしておくと、後の仕事がやりやすくなるのですが、これは組織のためでもあります。系統立てて情報を保存しておかないと、みんなが使えるモノになりません。情報は、誰でもすぐに使えるもので、また同時に長期間使えるものでなければなりません。情報伝達が一番大事だと思われるかもしれませんが、保存の方が大事です。同じ情報に二度と出会えないかもしれないのですから!貴重な情報を入手したら、何よりもまず、きちんと保存しましょう。

●情報伝達方法
情報伝達には、いくつかの方法があります。資金担当者や上司、ボランティアからリクエストがあれば、まずはその人に直接情報を送ります。簡単なモノがよいでしょう。というのも、資金担当者は忙しくて、詳細な情報を見る時間がない場合もあるからです。もし「この人はどこの大学を出たのですか?」など具体的なことを聞かれたら、さらに2ページ分のリサーチを追加するようなことはせず、その質問に答えます。資金担当者だけでなく、自分の時間も節約します。

新聞や業界紙で見つけた新たな見込み寄付者を分類するのには、ウィークリーニュースレターが便利です。名前を知らせ、どこでその情報を見つけたのか、なぜ有望な見込み寄付者だと思ったのかを書きます。このニュースレターを資金開拓チーム全員に毎週送ります。多くの人に一度に情報伝達する効率的な方法です。

●ミーティングでのプロスペクトリサーチャー

資金担当者とのミーティングが難しい場合があります。プロスペクトリサーチャーが問題を発見できると助けになります。問題がどこにあるか?誰のところで止まっているのか、それはなぜなのか?ミーティングの間、注意深く様子を伺い、適宜質問をし、自らグループの中に入っていけば、自分もグループの一員だと感じることができ、同時に彼らを手伝うこともできます。

また、情報を持ってミーティングに参加するのもよいでしょう。今やっていることを伝えるのです。或いは、新たな見込み寄付者の検討をミーティング中に行うのです。新たな課題をあなた一人で抱える必要はありません。

最後に、リサーチャーは、ドナーのデータベースを頻繁に利用するため、自分でも進んでアップデートし、みんなにもアップデートをお願いすることが大切です。たった一人の見込み寄付者との出会いは、たとえ寄付を決められなくても、貴重なモノなのです。グループの誰もが、データベースの更新ができるようにしましょう。

●ストレスとのつきあい方
すでにお気づきのように、プロスペクトリサーチャーは数多くのリサーチを行い、プロジェクトを管理し、人に会います。次から次へと出てくる依頼や締め切りとどのように向き合うのでしょうか。有能なプロスペクトリサーチャーがまず行うことの1つに、リクエストフォーム作りがあります。簡単なモノでも複雑なモノでも、好きなように作ればよいのですが、次の5項目を必ず押さえることが大事です。「誰が」「何を」必要としているのか、「いつ」までに欲しいのか、まとめた情報に「どこ」でアクセスしたいのか、 そして「なぜ」必要なのか?また、何が必要なのかという項目には、一般的なリスト(教育、家族情報、住所、役職、財産など)をつけておくと、さらに便利です。

プロスペクトリサーチャーは、1日にいくつもの締め切りを抱えることになりますから、優先順位を決めることが非常に重要になります。単に要望に応えるだけでなく、人や時間、場所、理由などで上手に仕分けることが大事です。そうすれば、ドキュメント作りにも有用なツールになるはずです。

●1.はじめに
有能なプロスペクトリサーチャーとは?
 プロスペクトリサーチャーは、進取の気性に富み、クリエイティブで計画性があり、質問好きで、同時に批判的に物事を見ることができるスキルが必要です。大学にプロスペクトリサーチの正式な学科はありませんが、学位やビジネスでの経験が助けになるのは確かです。また、ライティングのスキルと情報を効果的に伝えるコミュニケーション能力も不可欠です。

●資金開拓チームで働くこと
資金開拓チームのスタッフを手助けできることがいくつかあります。まず、語り合うこと。これは、さまざまな方向で行うことができますが、効率的に行わなければなりません。すべての電子メールをチーム全員にコピーすることが、必ずしもよいわけではありません。しかし、ドナーのデータベースにはきちんと記録を残しておくとよいでしょう。次に、ミーティングでは大きな声で発言しましょう!自分が現在関わっていることを知らせ、うまく行ったこと、いかなかったことを発表しましょう。誰かが助け船を出してくれるかもしれません。最後に、堂々と助けを求め、必要があれば遠慮せずに教えてもらいましょう。チームメンバーは、自分がチームの一員だと感じれば、そのチームや他のメンバーを成功させたいと思うものです。

チームミーティングを効果的に行いましょう。チームリーダーとして、ゴールを設定し、どのように達成するかを決めなければなりません。目標を図式化して示し、そこから離れないようにしなければなりません。仕事はもちろん、仕事以外でも、メンバーは忙しいのです。ミーティングは成功例や問題点を共有し合う場所であるとともに、メンバーを褒め合い、助け合う場所でなければなりません。

資金開拓チームのメンバーにはボランティアの人もいます。あなたのグループを支援している地域のリーダーは、あなたのグループの大義のために戦う闘士です。彼らに負担をかけすぎて、遠ざけてはいけません。適宜進捗状況を伝えましょう。見込み寄付者にたどり着けない時には、助けを求めてみましょう。ボランティアの人たちにも寄付をしてくれるかもしれない人の名前を挙げてもらい、お願いに行ってもらいましょう。 一緒に関わってもらう場合の落とし穴もありますが、適切に行ってうまくいけば、想像以上の成果を上げることができます。ボランティアの人たちには、プロスペクトリサーチャーが抱えなければならないペーパーワークやオフィス理念の縛りがありません。彼らは、あなたの理念を聞いてワクワクし、他の仲間ともそれを共有したいと思っています。あなたが上手にリードすれば、組織のために役立ってくれます。

●今後の課題
非営利団体が常に抱えている問題に技術的なものがあります。特に影響が大きいものが3つあります。

1つは、ドナーのデータベースがあっても、フルに活用できていないこと。データにギャップが生じます。次に、団体にドナーのデータベースがないこと。または、一人ひとりのスタッフがデータをバラバラに持っていること。これも効率的とは言えません。そして3つ目は、技術教育が行われていないこと。そのため問題を引き起こす危険性があります。情報をパソコンに保存する、一斉メールを送信する、検索する、マイクロソフト社のソフトウェアを使う。これはすばらしいことですし、使いこなすことができれば仕事が簡単になります。しかし、一部の人しかこれを使えないとなると、メリットは活かせません。管理部門がドナーのデータベースを使うことを奨励し、スタッフを積極的に教育することが重要です。これによって、説明の所在をはっきりさせる文化が生まれますし、組織全体で情報共有ができるようになります。

プロスペクトリサーチャーが抱えるもう1つの問題は、資金開拓チームとの一体感です。プロスペクトリサーチャーは、ときどき、忘れられているような気になったり、駆け込み寺だと見なされているような気分になったりすることがあります。リサーチャーの独創性や直感、好奇心旺盛な心は資金開拓チームにとってかけがえのないものです。疎外感を感じたり、もっとできることがあるかもしれないと感じたりするのなら、ミーティングへの参加を頼んでみましょう。先取り型のリサーチやアイデアを発表すれば、チームに積極的にかかわるメンバーだと実感できるでしょう。

スタッフの問題もあります。アメリカ国内の多くの地域や非営利団体では、リサーチャーは1人か、パートタイマーであることがほとんどです。1人で5つから15団体の資金担当者を抱えていることもあり、仕事量は膨大なものになります。大学によって状況は様々ですが、アメリカの大学では、多くの場合1人のプロスペクトリサーチスタッフが5から20団体を担当します。私の場合、1.5人のリサーチチームでしたから、かなり大変でした。しかし、資金担当者がリサーチャーの時間を当たり前だと思わずに大切にする空気が生まれました。

最後に、非営利団体が抱える問題の1つに文化意識に関するモノがあります。私は音楽の勉強をしてきましたので、芸術分野に寄付をしたいと思います。交響楽団やオペラ、バレエや博物館などです。また、自分が通った高校や大学にも寄付をして、私が味わった素晴らしい経験を、他の人にも味わってもらいたいと思います。でも、「なぜ飢餓に苦しむ人やホームレスの人がいるのに、楽団に寄付をしなければならないの?」と言われることがあるのです。

飢餓、貧困、保健医療、麻薬問題、初等教育や子育てなどの問題は世界中で今も引き続き問題になっています。1つの問題が他の問題よりも深刻だと決めることはできませんし、大学教育が子供の食事よりも重要だと言うことはできません。それは、資金担当者が決めることではなく、組織が決めることです。将来のドナーがどのような慈善活動に興味を持つかということは、その人の個人的な経験に基づいています。ですから、見込み寄付者のことをよく調べて、どこに情熱を注いでいるのかを、いつもデータベースに記録しなければならないのです。

●プロスペクトリサーチについてもっと教えてくれる場所は?
私は、長い年月をかけてここで述べてきたことを学びました。リサーチのやり方は、私が働いている間に変化してきました。プロスペクトリサーチャー協会から私はたくさんのことを教わりました。すばらしい会議やワークショップ、仲間を提供して下さいました。その他、資金開拓プロフェッショナル協会も、ウェブセミナーなどで私を指導して下さり、組織が目標を達成するために、私ができる役割について、理解を深めさせてくださいました。ありがとうございました。

プロスペクトリサーチや資金開拓、United Wayについてもっと詳しく知りたい方は、下記をご参照ください。

プロスペクトリサーチ
• Association of Prospect Researchers for Advancement (APRA) – www.aprahome.org
• Prospect Research: A Primer for Growing NonProfits by Cecilia Hogan
• Major Donors: Finding Big Gifts in Your Database and Online by Ted Hart, James M. Greenfield, Pamela M. Gignac & Christopher Carnie
• Fundraising Analytics: Using Data to Guide Strategy by Joshua Birkholz
資金開拓
• Association of Fundraising Professionals (AFP) – www.afpnet.org
• The Major Gifts Report (Newsletter) by Stevenson Inc.
• The Chronicle of Philanthropy – www.philanthropy.com
• The Center on Philanthropy at Indiana University – www.philanthropy.iupui.edu
United Way:
• United Way of Central Indiana – www.uwci.org
• United Way of America – www.liveunited.org

●著者について
リンジー・プラットは、インディアナ州インディアナポリスのバトラー大学アートアドミニストレーション(音楽のコンセントレーション)を優秀な成績で卒業した。在学中は、クリーブランドオーケストラのインターンとして、芸術プログラムを専攻しながら、マネジメント、チケットセール、ファンドレイジングや教育にも携わった。
 プラット氏はインディアナ州インディアナのUnited Way of Central Indiana (UWCI)のプロスペクトリサーチアナリストであった。UWCIは、100以上のコミュニティ機関の「親代わり」としてのプログラムや活動を通じて地域に奉仕する団体である。資金開拓チームの一員として、毎年3900万ドル以上の寄付を集めてきた。2007年には最優秀同僚賞を受賞し、テクノロジーチームの議長も務めた。
 現在は、沖縄県のオールソールズアングリカンチャーチで子供たちに音楽を教えている。また声楽、バイオリン、ピアノの個人レッスンも行っている。夫のジョセフ・プラット氏はバトラー大学でピアノを専攻し、インディアナ州立大学で博士号を取得。現在、米海軍歯科部隊にいる。

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