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その他ニュース

2010年06月21日 21:00

その他 : 菅内閣発足、所信表明でNPO等の言及減少

 6月8日、4日に総辞職した鳩山内閣に代わり、菅内閣が発足した。6月11日には菅直人内閣総理大臣が開催中の第174回国会(常会)衆参両院本会議で、所信表明演説を実施。これを受け14・15日に各党代表質問を行われた。鳩山前首相と比較し、NPOなどへの言及は減少した。

 

●菅内閣が発足
鳩山前首相は、6月2日に「普天間基地移転の問題」と「政治とカネの問題」を理由に、首相辞任を表明。4日の「新しい公共」円卓会議の後の閣議にて内閣総辞職した。これを受けて、与党民主党は代表選を行い、新代表に菅直人氏を選出。同日の衆参両院の首相指名選挙にて菅氏が選出された。

組閣の結果、鳩山前政権の閣僚の多くは再任となったが、首相官邸や内閣官房、内閣府を中心に変更があった。

NPOや市民活動は、鳩山内閣時に新設された「新しい公共」担当の、玄葉光一郎内閣府特命担当大臣、大島敦内閣府副大臣、泉健太内閣府大臣政務官が担当することになった。

菅首相は民主党内の政策調査会(政調)を復活させる方針を示しており、玄葉大臣は政調会長も兼務し、政府と与党の政策決定一元化を維持しながらの調整も担う。(詳細後述)

今回の人事に伴い、税制調査会(税調)や税調内の市民公益税制プロジェクト・チーム(PT)も変更となる。

税制調査会では、会長に新しく野田佳彦財務大臣が就任。

NPO・寄付税制について、中間報告をまとめた市民公益税制PTでは、6名のメンバーの内、松井孝治前官房副長官を除く全員が再任された。松井氏の後任には、古川・福山官房副長官のどちらかが加わるものと思われる。

菅内閣の大臣・副大臣・大臣政務官の一覧は首相官邸サイト内、下記ページを参照。
http://www.kantei.go.jp/jp/kan/meibo/index.html

菅内閣下の税制調査会メンバー一覧は税制調査会サイト内、下記ページを参照。
http://www.cao.go.jp/zei-cho/meibo/pdf/meibo.pdf

●菅首相の所信表明演説と各党代表質問
6月8日、菅直人首相は、開催中の第173回臨時国会の衆・参両院本会議で、所信表明演説を行った。「所信表明演説」とは、首相が臨時国会の冒頭などで行う演説のこと。衆議院と参議院の本会議で国政全般について当面の方針や重点課題を説明する。

通常国会の冒頭で行われる首相の「施政方針演説」が、主に内閣全体としての基本方針を述べるのとは異なり、所信表明演説では、首相個人の政治姿勢や方向性、考えなどが述べられる。数日後、両院各会派の代表者が演説内容について、質問を行うのが通例(代表質問)。

注目を集めた菅首相の所信表明演説では、冒頭で市民運動から出発した自身の経歴を振り返り、政治理念を「国民が政治に参加する真の国民主権の実現」と表明。原点として松下圭一氏の「市民自治の思想」を紹介した。

新内閣の政策課題としては、「戦後行政の大掃除の本格実施」、「経済・財政・社会保障の一体的建て直し」、「責任感に立脚した外交・安全保障政策」の3点を述べた。

演説時間が異なるために、単純比較はできないが、鳩山前首相の所信表明に比べ、NPOに関する言及が激減。単語として「NPO」は一度も登場せず、「寄付」もゼロ、「ボランティア」が1回、「市民」は3回だった。

参考ニュース「鳩山首相、所信表明・代表質問でNPO支援」(20009/11/11)
> 演説全体で「NPO」「市民」「ボランティア」がそれぞれ4回も登場。
> 「地域の『絆』」部分では全国各地で取り組まれている、
> 子育て、介護、教育、街づくりなど多様で自発的な市民活動・NPO活動に言及し、
> 子育て支援活動を具体的に紹介した。
/2009/11/その他-鳩山首相、所信表明・代表質問でnpo支援/

一方で、社会的排除や貧困に苦しむ人々の「孤立化」への対応として、「一人ひとりを包摂する社会」の実現を目指すとした。具体的には、内閣府参与でNPO法人自立生活サポートセンター・もやい/反・貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠氏らが提案している「パーソナル・サポート」に深い共感を示した。雇用、福祉、人権擁護、自殺対策など様々な関係機関や社会資源を結びつけ、支え合いのネットワークから誰一人として排除されることのない社会の実現を目指すと述べた。

また、鳩山前首相が政権のテーマの一つとしてきた「新しい公共」については、下記のように触れた。
「鳩山前総理が、最も力を入れられた「新しい公共」の取組も、こうした活動の可能性を支援するものです。
公共的な活動を行う機能は、従来の行政機関、公務員だけが担う訳ではありません。地域の住民が、教育や子育て、まちづくり、防犯・防災、医療・福祉、消費者保護などに共助の精神で参加する活動を応援します。」
「新しい公共」については言及量が少なく、寄付税制など具体的な政策には踏み込まない形となった。

菅首相の所信表明演説の概要は以下の通り。
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●「戦後行政の大掃除の本格実施」
・事業仕分けの続行 ・情報公開法改正の検討
・地域主権で具体的結論

●「経済・財政・社会保障の一体的建て直し」
・課題解決による新たな需要と雇用の創造
・財政再建に向けた超党派「財政健全化検討会議」の創設
・社会保障の充実とそれによる雇用創出

【「一人ひとりを包摂する社会」の実現】
・「パーソナル・サポート」
・「新しい公共」

●「責任感に立脚した外交・安全保障政策」

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菅首相の所信表明演説全文は、首相官邸の下記ページを参照。
http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201006/11syosin.html

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●菅直人首相 所信表明演説(6月11日) 関連部分

三 閉塞状況の打破―経済・財政・社会保障の一体的建て直し

(「一人ひとりを包摂する社会」の実現)
こうした施策に加え、今、私が重視しているのは、「孤立化」という新たな社会リスクに対する取組です。私は一昨年から、「反・貧困ネットワーク」事務局長の湯浅誠さんと一緒に、派遣村などの現場で貧困・困窮状態にある方々を支援してきました。その活動の中で、「ホームレス」には二つの意味があることを再認識しました。

一つの意味は、物理的に住む家がないという「ハウスレス」ということですが、もう一つの、より重要な意味は、ある人が様々な苦難に遭遇したときに、「傍で支援してくれる家族がいない」ということです。人は誰しも独りでは生きていけません。悩み、挫け、倒れたときに、寄り添ってくれる人がいるからこそ、再び立ち上がれるのです。

我が国では、かつて、家族や地域社会、そして企業による支えが、そうした機能を担ってきました。それが急速に失われる中で、社会的排除や格差が増大しています。ネットカフェに寝泊まりする若者や、地域との関係が断ち切られた一人暮らしの高齢者など、老若男女を問わず、「孤立化」する人々が急増しています。従来のしがらみからの解放は、強者にとっては自由を拡大するものかも知れませんが、弱い立場の人にとっては、孤独死で大切な人生を終えてしまうおそれがあるのです。

私は、湯浅さんたちが提唱する「パーソナル・サポート」という考え方に深く共感しています。様々な要因で困窮している方々に対し、専門家であるパーソナル・サポーターが随時相談に応じ、制度や仕組みの「縦割り」を超え、必要な支援を個別的・継続的に提供するものです。

役所の窓口を物理的に一カ所に集めるワンストップ・サービスは、今後も行う必要がありますが、時間や場所などに限界があります。「寄添い・伴走型支援」であるパーソナル・サポートは、「人によるワンストップ・サービス」としてこの限界を乗り越えることができます。こうした取組により、雇用に加え、障がい者や高齢者などの福祉、人権擁護、さらに年間三万人を超える自殺対策の分野で、様々な関係機関や社会資源を結びつけ、支え合いのネットワークから誰一人として排除されることのない社会、すなわち、「一人ひとりを包摂する社会」の実現を目指します。

鳩山前総理が、最も力を入れられた「新しい公共」の取組も、こうした活動の可能性を支援するものです。公共的な活動を行う機能は、従来の行政機関、公務員だけが担う訳ではありません。地域の住民が、教育や子育て、まちづくり、防犯・防災、医療・福祉、消費者保護などに共助の精神で参加する活動を応援します。

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●民主党に政策調査会(政調)が復活
菅首相は、鳩山内閣時に廃止されていた政策調査会(政調)を復活させる意向を示している。玄葉光一郎内閣府特命担当大臣が、民主党の政調会長を兼任。国会の各常任委員会ごとに「部門会議」を設置、中長期的な課題を検討する「調査会」を新設して、政策議論を行うことで、与党議員がより政策立案や法案作成に関わることを可能にする。
税制については、現在政府側のみで構成されている税調に、党側から幹部が参加することも検討されているようだ。

政調の復活に伴い、各省庁に設けられていた副大臣主催の「政策会議」は廃止される見込み。

具体的な活動は参院選後からとなる可能性が高く、今後の動きが注目される。

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