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その他ニュース

2010年06月23日 21:00

その他 : 連絡会、内閣府へ税制改正要望書を提出

NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会(連絡会)は、6月14日、特定非営利活動法人(NPO法人)制度の税制改正に関する要望書をまとめた。平成23年度税制改正に関して、市民公益税制PT中間報告に基づいた改正実現を中心に、NPO・寄付税制の拡充を要望。内閣府へ提出した。今後、他省庁や各政党へも提出していく。

NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会は、1999年に設立された全国36のNPO支援センターの全国ネットワーク。NPO法改正や認定NPO法人制度の改正について、NPO側の意見をまとめたり、各地での制度改正の運動を展開している。シーズは世話団体の1つを務めている。

参考ニュース「参院選公約でNPO法・税制改正を!各党へ要望」(2010/06/04)
/2010/06/その他-参院選公約でnpo法・税制改正を!各党へ要/

認定NPO法人制度は2001年10月1日に施行され、約9年が経過しようとしているが、認定を受けたNPO法人はわずか149法人(2010年6月16日現在)にとどまっている。約4万あるNPO法人のわずか0.3%でしかない。

また、都道府県の内20県は認定NPO法人が一つも存在しない「認定NPO法人空白県」だ。認定NPO法人の約5割は東京都に集中しており、地域間格差が激しい。

参考ニュース「初認定が3件、認定NPO法人の数は149に」(2010/06/16)
/2010/06/その他-初認定が3件、認定npo法人の数は149に/

今回の要望書は、政府税制調査会の市民公益税制プロジェクトチーム中間報告や「新しい公共」円卓会議の「新しい公共」宣言などを踏まえて、検討しとりまとめたもの。中間報告に基づくNPO・寄付税制改正の実現を中心に、年末調整での寄付金控除適用や認定NPO法人の情報公開強化、実績判定期間の特例本則化などが盛り込まれている。

参考ニュース「【声明】市民公益税制PT中間報告を歓迎!」(2010/04/09)
/2010/04/その他-【声明】市民公益税制pt中間報告を歓迎!/

参考ニュース「「新しい公共」宣言公表、鳩山首相が署名」(2010/06/14)
/2010/06/その他-「新しい公共」宣言公表、鳩山首相が署/

要望書は、各省庁の税制改正要望公募に応じて、既に内閣府へ提出済み。

参考ニュース「内閣府、早くも来年度税制改正要望を公募へ」(2010/05/24)
/2010/05/その他-内閣府、早くも来年度税制改正要望を公/

今後は、政務三役のヒアリングや与野党への働きかけなどを通じて、実現を図っていく。

連絡会がとりまとめた要望書全文は以下の通り。
NPO法人制度の税制改正に関する要望書(PDFファイル)
⇒ https://www.npoweb.jp/pdf/NPOTaxSystemRevision2010.pdf

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NPO法人制度の税制改正に関する要望書

2010年6月14日

NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会

2001年10月1日から、認定特定非営利活動法人制度(認定NPO法人制度)がスタートして、既に8年半が経過しました。この制度は、市民や企業が、NPO法人にいっそう寄附しやすくするよう税制上の支援を行うもので、日本社会においてますます重要性を増すNPO活動を発展させていくために極めて重要な制度であると、期待しているところです。

認定NPO法人制度はこれまでに7回改正していただいております。最新の平成22年度改正では、実績判定期間の特例措置延長や認定手続きの簡素化、審査期間の短縮などを実現していただきました。また、税制調査会に設置された市民公益税制プロジェクト・チームでは、制度創設以来の抜本改正となる画期的な中間報告書をまとめていただきました。ご尽力に心より御礼申し上げます。

以前の内閣府の調査では、約4万あるNPO法人の8割が認定NPO法人制度を認知し、約半数が認定NPO法人となることを希望しているのにもかかわらず、多くの団体が「認定要件を満たせない・申請書類が煩雑・スタッフや時間の不足」などの理由で、認定申請が進んでいません。制度創設後8年半で、申請数は延べ486件にとどまっています。

その結果、現在でも、認定を受けたNPO法人はわずか146法人(2010年6月1日現在)にすぎません。この数字は、約4万あるNPO法人のわずか0.4%でしかなく、ほとんどの団体にとって、認定が受けられないという状況が続いています。また、約4割の20県は認定NPO法人が一つも存在しない「認定NPO法人空白県」であり、約半数が東京都に集中している点と合わせ、著しい地域間格差を生んでおります。改善していただいておりますが、認定要件が厳しく、かつ煩雑であることが原因となり、まだ実効性のある制度にはなっていないのが実状です。

国民が官に依存せず、お互いに助け合い・支え合いながら、社会参画を実現していくためには、日本の寄附文化を飛躍的に発展させる必要があります。NPOや市民活動の活動基盤として、多くのNPO法人が認定NPO法人制度を活用し、より一層社会に貢献できるよう中間報告に基づいたインパクトのある抜本的な改革が不可欠です。寄附税制も大幅な拡充が必要です。

そのために、市民公益税制プロジェクト・チーム中間報告内容の実現に向けた具体的制度設計をはじめ、ぜひ以下の事項を実現していただきたく、要望をいたします。

【要望事項 概要】
●寄附税制の拡充
1.所得税の寄附金控除制度において税額控除方式(控除率:寄附金額の50%・控除上限額:所得税額の25%)を創設し、所得控除方式との選択制とすること

2.寄附金控除において年末調整での適用を認め、繰り越し控除制度を導入するなど寄附者の利便性を向上させること

●認定NPO法人制度の抜本的な改正
3.事業型NPO法人なども認定を受けられるよう、新しいパブリック・サポート・テスト(3千円以上の寄附者が100人以上)を導入するなど認定要件を変えること

4.米国のような「仮認定制度」を導入し、NPO法人立ち上げ時でも優遇税制が活用できるようにすること

5.認定NPO法人の情報公開を強化し、市民による「事後チェック」方式へ切り替えると共に、改善命令後の認定取り消しなど事後チェックの手続きを整備すること

6.今年度末で期限を迎える特例について、本則化など必要な措置を講じると共に、その他要件の見直しを行うこと

7.みなし寄附金制度の控除限度額を、学校法人・社会福祉法人・更生保護法人並みの所得金額の50%(または200万円)へ引き上げること

8.認定主体(現行:国税庁長官)と認定事務(現行:国税庁・局)について、地方団体等へ移管を行うこと

9.認定NPO法人制度の規定(現行:租税特別措置法)を特定非営利活動促進法(NPO法)または新法に移行すること

●その他、寄附税制拡充やNPO法人税制改正を実現
10.その他寄附税制の拡充やNPO法人税制改正などを行うこと

【要望事項】
●寄附税制の拡充
1.所得税の寄附金控除制度において税額控除方式(控除率:寄附金額の50%・控除上限額:所得税額の25%)を創設し、所得控除方式との選択制とすること

現行の所得税における寄附金控除制度は、認定NPO法人への寄附金を所得金額から差し引く所得控除方式となっています。所得控除方式は高所得者に有利な制度です。市民が公益を担う社会の実現には、広く国民にメリットのある制度を目指すべきです。寄附金を所得税額から差し引く税額控除方式を創設し、低中所得者にもメリットのある寄附税制を創る必要があります。ぜひとも、下記項目の実現をお願いいたします。

・所得税の寄附金控除制度において税額控除方式(控除率:寄附金額の50%・控除上限額:所得税額の25%)を創設し、所得控除方式との選択制とする

2.寄附金控除において年末調整での適用を認め、繰り越し控除制度を導入するなど寄附者の利便性を向上させること

現在は、寄附金控除を受けるためには、給与所得者(サラリーマン)であっても確定申告することが求められます。一般の給与所得者が確定申告を行うことは敷居が高くなっています。税額控除導入による、寄附のすそ野の拡がりを最大化するためには、同時に利便性の向上も不可欠です。
また、現行の方式では、年度末(年末)になって所得が確定してから、やっと寄附金控除の限度額や損金算入の限度額が分かる仕組みとなっています。このため、年度末(年末)にならないと安心して寄附できなくなっています。一方、米国では5年間の繰り越し控除が認められています。
より実効性の高い寄附金控除制度に向けて、下記項目の実現をお願いいたします。

・給与所得者が年末調整で寄附金控除を行えるようにする
・所得税・法人税において、寄附金の5年間にわたる繰り越し控除制度を導入する

● 認定NPO法人制度の抜本的な改正
3.事業型NPO法人なども認定を受けられるよう、新しいパブリック・サポート・テスト(3千円以上の寄附者が100人以上)を導入するなど認定要件を変えること

内閣府の調査によると、認定要件中、最も満たすことが困難なのがパブリック・サポート・テスト(PST)となっています。介護保険事業や障害者自立支援事業を行うNPO法人をはじめ、事業型NPO法人(対価収入の割合が多い法人)は認定が受けにくいという課題も残っています。
また、身近な地域で福祉やまちづくりなどに活躍しているNPO法人を支援するため、これらの法人と接する地方自治体の自主性・独自性を活かした制度設計が望まれます。これは地域主権(地方分権)を推進する観点からも重要です。
これら課題の解決のため、下記項目の実現をお願いいたします。

【新しいパブリック・サポート・テスト(絶対値方式)の創設】
・事業型NPO法人なども認定が受けやすくなるように「3000円以上の寄附者が100名以上いること」との新しいタイプのパブリック・サポート・テストを創設する。
・新しいPSTの設計に当たっては、特に地方のNPO法人の実態に配慮する

【地方団体による条例指定NPO法人の認定要件一部免除】
・地方団体が個人住民税の寄附金税額控除の対象として条例に基づき独自に指定したNPO法人についてはPST要件等を求めないこととする

4.米国のような「仮認定制度」を導入し、NPO法人立ち上げ時でも優遇税制が活用できるようにすること

現在のパブリック・サポート・テストでは、一定の寄附金収入が必要となっています。しかし、実際の寄附金収入は少ないのが現状です。寄附金控除対象でない初回申請団体にとって、この要件はかなり高いものとなっています。結果として「これから寄附を集めていこう」という団体が寄附税制を活用できなくなっています。より多くの団体が立ち上げ時から寄附税制を活用し、成長していけるよう、下記項目の実現をお願いいたします。

・米国のような「仮認定制度」を導入して、多くのNPO法人に認定への機会を広げる
・仮認定期間は3年とする。仮認定要件は簡素とし、申請時判定とする。
・制度の乱用を防止するため、仮認定団体が、本認定をクリアできない場合は、その後3年間再申請できないなど過重にならない程度の条件を付ける。

5.認定NPO法人の情報公開を強化し、市民による「事後チェック」方式へ切り替えると共に、改善命令後の認定取り消しなど事後チェックの手続きを整備すること

現在は、認定NPO法人が情報公開のため税務署に提出した報告書類は、所轄の税務署に行かなければ閲覧できず、手続きも煩雑です。寄附先の選定や市民による監視に有効とは言えません。「事後チェック」方式で重要となる情報公開が不十分です。
一方で、認定の取り消し要件の内、「役員の親族・特定法人の割合制限要件」などについては、認定NPO法人側が最大限注意していても、第三者法人の合併などにより、意図せずして抵触してしまう事例が発生しています。現在の制度では、一時期でも認定の取り消し要件に抵触した場合、救済措置がなく、いきなり認定は取り消されてしまいます。これは新公益法人制度と比較しても、非常に厳しい措置となっています。
これらの解決のため、下記項目の実現をお願いいたします。

・現在の報告書類中、閲覧対象書類をインターネットでも閲覧・コピー可能にして、認定NPO法人の情報公開を強化する
・認定取り消しは原則として改善命令の後、一定期間内に改善がみられない場合に行うとの手続きを新たに設けるなど、事後チェック体制を整備する
・制度を悪用した悪質な認定NPO法人は、迅速に認定を取り消す規定を盛り込むなど悪用抑止を図る

6.今年度末で期限を迎える特例について、本則化など必要な措置を講じると共に、その他要件の見直しを行うこと

平成22年度末に、現行制度の「実績判定期間の特例措置(原則5年が2年でも可)」・「PSTの寄附収入割合の特例(3分の1が5分の1に)」・「PSTにおける小規模法人の特例(一定要件で匿名・少額寄附の除外が不要に)」が適用期限を迎えます。特に実績判定期間とPSTの寄附収入割合については、活用事例も多く、団体側から感謝の声が沢山届いております。今回の抜本改正を機に、本則化が必要です。仮認定制度の導入を伴い、本認定の実績判定期間が原則5年では、仮認定期間を超えて判定される事例も発生してしまいます。
また、他に活動対象に関する要件で「特定著作物」規定や「会員等」の定義が問題になっている他、事業活動要件では積立金や基金の扱いが課題となっております。
ぜひ、下記項目の実現をお願いいたします。

・「実績判定期間の特例措置」は本則化し、初回の本認定における実績判定期間は2年(認定有効期間は5年)とする ※仮認定から本認定を受ける際も同様とする
・「PSTの寄附収入割合の特例」は本則化し、現行PSTの寄附収入割合は5分の1とする
・「PSTにおける小規模法人の特例」は本則化する
・活動対象に関する要件(共益活動要件)の特定著作物要件の廃止や「会員等」の定義厳格化(役員・社員に限定)を行う
・事業活動に関する要件において、施設建設などに向けた積立金・基金の設置を特定非営利活動事業支出と明確に認める

7.みなし寄附金制度の控除限度額を、学校法人・社会福祉法人・更生保護法人並みの所得金額の50%(または200万円)へ引き上げること

現在、認定NPO法人が受けられるみなし寄附金の控除限度額は、所得金額の20%となっています。しかし、認定NPO法人と同様に所得税の寄附金控除対象となっている社会福祉法人では所得金額の50%、公益社団・財団法人では所得金額の50%または公益目的事業に使用・使用予定の金額(実質100%も可能)が認められています。認定NPO法人のみ20%に設定されていることは、制度的に不公正であり不合理的です。ぜひとも下記項目の実現をお願いいたします。

・みなし寄附金の控除限度額を、学校法人・社会福祉法人・更生保護法人並みの所得金額の50%または200万円へ引き上げる

8.認定主体(現行:国税庁長官)と認定事務(現行:国税庁・局)について、認証事務を行う地方団体等及び政令市への移管を行うこと

平成22年度改正にて、相談窓口は全都道府県の47ヶ所まで拡充していただき、大変感謝しております。しかし、今年度以降も申請後のやり取りは国税局と行われるため、まだ十分とは言えません。また、国税当局への相談・申請は心理的ハードルが高く、躊躇する団体も多いのが現状です。
一方で、NPO法人の認証を行っている所轄庁は、普段から団体と接する機会があり、情報も多く、より審査しやすいと思われます。また、所轄庁であれば法人格と優遇税制のワンストップ・サービスが可能で、身近な窓口が大幅に増加します。情報公開も「認証」と「認定」双方を一括して公開可能で、制度の透明性が向上します。
地域主権を推進する観点からも、ぜひ、下記項目の実現をお願いいたします。
※NPO法人の認証権限は政令(指定)都市まで移譲される方向(地域主権戦略会議)

・認定主体と認定事務について、認証事務を行う地方団体等及び政令市への移管を行う
・移管に際しては、地方団体等の負担に配慮し支援を行うと共に、裁量的な認定が行われないように留意する
・地域のNPO支援センターなど民間での相談体制を支援する

9.認定NPO法人制度の規定(現行:租税特別措置法)を特定非営利活動促進法(NPO法)または新法に移行すること

現在、認定NPO法人制度は、租税特別措置法(租特法)で規定されており、租税特別措置(租特)の一種となっています。しかし、租特法は本来、時限的な政策税制を規定すべきものです。租特は複雑で難解なものとなっており、NPO関係者の理解を妨げています。
昨年の税制調査会でも租特の見直しが行われ、租特透明化法が制定されています。NPO法人に対する支援税制を、市民活動を支える基盤として恒久的に位置付けるためにも、租特法ではないNPO法や新法にて、しっかりと規定することが必要です。
現在は税法である租特法で規定されているため、認定申請や書類作成を税理士以外がサポートすることができません(税理士法の規定)。移行することで、税務書類から外れ、地域のNPO支援センターなど幅広い支援も可能になります。
また、事後チェック体制においても、税法である租特法に比べ、説明要請や改善命令、認定取消などの手続きを制度設計しやすくなります。ぜひ、租特法からNPO法または新法への移行をお願いいたします。

・認定NPO法人制度の規定を租税特別措置法から特定非営利活動促進法または新法へ移行する
・移行に際しては、要件や手続きなどを極力法律で明記する

●その他、寄附税制拡充やNPO法人税制改正を実現
10.その他寄附税制の拡充やNPO法人税制改正などを行うこと

<認定NPO法人優遇税制の拡充>
◆受取利子・配当等の源泉税は、公益社団・財団法人と同様に非課税とすること
受取利子、配当等の源泉税については、公益社団・財団法人では非課税とされているのに対し、認定NPO法人では課税とされています。制度的に不公正な状況を考慮し、ぜひ下記項目の実現をお願いいたします。

・認定NPO法人の受取利子・配当等の源泉所得税は、非課税とする

<寄附税制の拡充>
◆地方自治体が個人住民税寄附金控除対象NPO法人を条例で独自に指定可能にすること
平成20年度税制改正により、都道府県・市区町村は所得税の寄附金控除対象(認定NPO法人・特定公益増進法人への寄附金など)の中から、個人住民税の控除対象を条例で指定することが可能になりました。しかし、現在条例で指定できるのは、認定NPO法人のみで、一般のNPO法人は指定できません。身近な地域で福祉やまちづくりなどに活躍しているNPO法人を支援するため、ぜひ下記項目の実現をお願いいたします。

・地方自治体が、個人住民税の寄附金税額控除制度について、所得税の控除対象寄附金の範囲を超えて、NPO法人への寄附金を条例により指定できる仕組みを導入する

◆個人住民税の寄附金控除の適用下限額を2千円(現行:5千円)へ引き下げること
平成22年度税制改正において、所得税における寄附金控除の適用下限額は、従来の5千円から2千円へと引き下げられました。寄附のすそ野を広げる上で、重要な改正であり、感謝しております。しかし、個人住民税の寄附金税額控除においては、適用下限額が5千円となっています。寄附のすそ野を広げるために、ぜひ下記項目の実現をお願いいたします。

・個人住民税の寄附金税額控除の適用下限額を現行の5千円から2千円へ引き下げる

◆法人寄附金の損金算入限度額を所得の10%までに引き上げること
企業におけるCSR(企業の社会的責任)の推進やNPO側の積極的な働きかけの成果もあり、最近では「寄附付き商品・サービス(商品価格の数%をNPOなどに寄附するもの)」や企業によるNPOへの助成・寄附も盛んになってきています。こうした民間が民間を支える仕組みを促進し、日本の寄附文化を大きく発展させるためにも、下記項目をお願いいたします。

・法人寄附金の損金算入限度額(現在は所得の5%程度)を10%へ引き上げる

◆法人の消耗品・棚卸資産など現物寄附は全額損金算入可能にすること
現在の税法では、企業は消耗品や棚卸資産で不要となったものを廃棄した場合は全額損金扱いできますが、認定NPO法人に寄附をした場合には、損金算入限度額の枠内でしか損金として扱えません。このため、不要な資源の有効利用ができない状況になっており、寄附の促進のみならず、環境保全や循環型社会形成の観点からも問題があります。ぜひ、下記項目の実現をお願いいたします。

・法人が消耗品や棚卸資産を認定NPO法人に寄附をした場合は、全額損金算入可能にする

◆認定NPO法人への寄附は、みなし譲渡所得課税を自動的に適用除外とすること
現在、みなし譲渡所得課税の適用除外は、公益社団・財団法人や特定一般法人(非営利型)は明示的に認められていますが、認定NPO法人は明確ではありません。また、実際の適用には厳しい要件のクリアと煩雑な手続きが必要です。認定NPO法人の中には、ナショナルトラスト活動やホームレス・DV被害者支援施設の設立活動など不動産や建物の寄附が、非常に重要となる団体も多くなっています。少子高齢社会においては、不動産の相続と共に、不動産の寄附も増加が確実です。ぜひ、下記項目の実現をお願いいたします。

・認定NPO法人も「みなし譲渡所得の非課税」の適用対象であることを明示し、煩雑な手続きなしに自動的に適用されるものとする

◆米国のような信託を活用した寄附促進税制の導入を行うこと
今後加速する少子高齢社会では、信託制度を活用した寄附や助成など社会貢献の促進が重要になってきます。現在、信託制度には「公益信託制度」が設けられていますが、未だ主務官庁制が残っている上、公益信託税制は公益信託/特定公益信託/認定特定公益信託の3区分と大変複雑で、最上位の認定特定公益信託でないと個人の寄附金控除が認められないなど不十分で使いづらい税制となっています。信託を活用したNPOへの助成や寄附を促進するために、ぜひ、下記項目の実現をお願いいたします。

・市民の寄附や社会貢献を促進できる信託(寄附信託・社会貢献信託)の普及に向けて、これらの信託に関する寄附優遇税制を導入する
・公益信託制度を見直し、市民の社会貢献活動を促進できるような実効性のある制
度へ改正する
・複雑で厳格となっている公益信託税制の見直しも行い、寄附税制拡充を行う

<NPO法人税制>
◆「収益事業」の定義を厳密にした上で明確化すると共に、実質的に寄附とみなせるものは収益事業に該当しないものとすること
現在、NPO法人は税法上の収益事業を行った場合、所得に法人税が課税されます。収益事業は「列挙された34業種に該当し、継続して事業場を設けて営まれるもの」と規定されていますが、曖昧で分かりづらい上にNPO法人側に厳しく規定されています。
「地域福祉のため、年6回開催されるチャリティバザー」や「世界的に高名な音楽家を招いて開催したチャリティコンサート」、「海外支援のための書き損じハガキの収集・換金」に課税されているのが現状です。人々の善意を基にして得た活動資金が、税務負担で減少しNPO法人の資金難に拍車をかけています。ぜひとも、下記項目の実現をお願いいたします。

・税法上の収益事業の定義を厳密にした上で、明確化する
・寄附された不用品のチャリティバザーなど、実質的に寄附とみなせるものは収益事業に該当しないものとする

◆地方税においては、用途により不動産取得税・固定資産税は非課税とすること
現在の地方税法では、公益社団・財団法人や社会福祉法人、一般社団・財団法人などには、不動産の用途に応じて不動産取得税の非課税措置が設けられています。また、固定資産税においても、これら法人には同様の非課税措置が設けられています。しかし、NPO法人に対しては、公益法人等に認められている両税の非課税措置が、認められておりません。NPO法人の中には、保健・福祉や社会教育、環境保全など土地・建物の取得が活動発展の鍵となる分野も少なくありません。ぜひ、下記項目の実現をお願いいたします。

・用途によりNPO法人の不動産取得税・固定資産税は非課税とする

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『NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会』とは

NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会は、特定非営利活動促進法(通称NPO法)に関する税制改革と法人制度改革について検討し実現する運動体として、全国のNPO/NGO支援団体28団体が参加し1999年6月8日に発足しました(現在39団体が参加)。

1999年10月に「NPO/NGOの優遇税制に関する提案」を発表し、2000年2月には賛同署名をNPO議員連盟に対して提出しました。また、2000年秋には、全国18ヶ所で集会を行い、各開催地で国会議員も交えて議論を重ね、その結果、2000年末に新しい「認定NPO法人制度」の導入が決定され、2001年の10月1日から施行されることになりました。

しかしながら、この制度の「認定」を受けるための要件が厳しすぎ、ほとんどのNPO法人が認定を受けられないということから、連絡会では2004年10月から11月にかけて、全国14ヶ所で制度改正を求めて講演会を実施。併せて2597団体(対象9689団体中)から署名を集め、同年11月に改正要望活動を行いました。また、2007年には「認定NPO法人制度の改正に関する要望書」を取りまとめ、与野党、各省庁に提出しました。

その結果、認定要件の一部が改正されるという一定の成果を得ることができました。しかしながら、未だこの認定要件は厳しく、認定NPO法人の数に顕著な増加は見られません。認定を受けているNPO法人の数は全体の0.3%と、早急な見直しが必要とされています。

また連絡会では、公益法人制度改革において、NPO法人の発展が阻害されることがないよう、全国のNPO/NGOとともに活動を展開しています。

【連絡会のこれまでの活動】
●1999年度
6月 8日 拡大世話団体会議を開催、要望書をまとめ同時に連絡会を発足させ記者発表
7月~9月連絡会参加団体の申し出により各主要都市で勉強会・討論集会を開催
10月15日「NPO/NGOの優遇税制に関する提案」発表
11月 提案に基づく賛同署名運動開始
12月1日 NPO法施行1周年記念イベント「NPO法人の発展のために何が必要か」(東京)

●2000年度
2月16日 国会への賛同署名名簿の提出
9月~11月
NPO支援税制創設のための全国キャンペーン(学習会、決起集会など18ヶ所)
11月30日NPO支援税制をつくる1000人決起集会
12月1日 国会要請行動、経済企画庁・大蔵省などに申し入れ

●2001年度
5月~11月全国14ヶ所でNPO支援税制に関する勉強会を開催(決起集会も含む)
10月 NPO支援税制の改正要望を賛同署名運動と全国キャンペーン開始
11月 NPO法人2077団体からの署名を取りまとめ、各党のNPO担当議員に提出

●2002年度
6月21日 NPO支援税制の改善に関する要望書を内閣府に提出
9月~11月
NPO支援税制の改善のための全国キャンペーン(学習会、決起集会など16ヶ所)
11月 NPO法人代表者3036名からの署名を取りまとめ、各党のNPO担当議員に提出

●2003年度
10月~12月NPO支援税制の改善および公益法人制度改革の勉強会を開催(10ヶ所)
12月1日 NPO法施行5周年記念シンポジウム「NPOの過去・現在・未来」(東京)

●2004年度
5月10日 「公益法人制度改革に関する「議論の中間整理」に対する意見」を内閣官房公益法人制度改革推進担当室に提出
9月10日 「公益法人制度改革の具体化に関する意見」を内閣官房行政改革推進事務局に提出
10月~12月認定NPO法人制度改正のための署名運動と全国キャンペーン(14ヶ所)
11月17日NPO法人代表者2597名からの署名を取りまとめ、230人の国会議員に提出。

●2005年度
10月 「認定NPO法人制度の改善に関する要望書」を与野党、内閣府に提出
12月 緊急集会「変わるか?認定NPO法人制度」開催(東京)

●2006年度
11月~3月地域学習会を開催(札幌、名古屋、神戸)

●2007年度
11月5日
「認定NPO法人制度の改正に関する要望書」をまとめ、与野党、内閣府等に提出
12月~3月地域学習会を開催(札幌、青森、愛知、福岡)
3月18日 NPO法成立10周年記念フォーラム「語り合おう! これまでとこれから」開催

●2008年度
11月 「NPO法人制度の税制改正に関する要望書」を各党に提出
12月1日
NPO法施行10周年記念イベント「どうなる? NPO法人制度の未来~法人・税制の変革期を超えて~」開催(東京)

●2009年度
6月
衆議院総選挙のマニフェスト策定に向けた「特定非営利活動法人(NPO法人)制度に関する要望書」をまとめ、各党へ提出
10月
認定NPO法人制度改正や寄附税制拡充を盛り込んだ「NPO法人制度の税制改
正に関する要望書」をまとめ、内閣府・総務省・経産省に提出

【NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会 参加団体】 (2010年6月1日現在)

NPO推進北海道会議(北海道)*
あおもりNPOサポートセンター(青森県)
せんだい・みやぎNPOセンター(宮城県)*
杜の伝言板ゆるる(宮城県)
茨城NPOセンター・コモンズ(茨城県)
群馬NPO協議会(群馬県)
NPO会計税務専門家ネットワーク(東京都)※
NPO事業サポートセンター(東京都)※
国際協力NGOセンター(東京都)※
子どもNPO・子ども劇場全国センター(東京都)※
さわやか福祉財団(東京都)
シーズ・市民活動を支える制度をつくる会(東京都)※
チャイルドライン支援センター(東京都)※
日本NPOセンター(東京都)※
まちづくり情報センターかながわ(神奈川県)
アクションポート横浜(神奈川県)
くびき野NPOサポートセンター(新潟県)*
長野県NPOセンター(長野県)
ぎふNPOセンター(岐阜県)
浜松NPOネットワークセンター(静岡県)
パートナーシップ・サポートセンター(愛知県)
市民フォーラム21・NPOセンター(愛知県)*
アートNPOリンク(京都府)
大阪NPOセンター(大阪府)
大阪ボランティア協会(大阪府)※
関西国際交流団体協議会(大阪府)
市民活動センター神戸(兵庫県)
宝塚NPOセンター(兵庫県)
奈良NPOセンター(奈良県)
大和まほろばNPOセンター(奈良県)
岡山NPOセンター(岡山県)
ひろしまNPOセンター(広島県)*
NPOふくおか(福岡県)
ふくおかNPOセンター(福岡県)
佐賀県CSO推進機構(佐賀県)
NPOくまもと(熊本県)*

計36団体(北から/50音順)
※:世話団体 *:地域幹事団体

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※2021年4月1日より、新住所へ移転しました。シェアオフィスでシーズスタッフは常駐していません。ご連絡は電話・メール等でお願いいたします。

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