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その他ニュース

2010年08月04日 22:00

その他 : 経済同友会、ソーシャルビジネス育成へ提言

7月13日、公益社団法人経済同友会(東京都 代表幹事:桜井正光)のNPO・社会起業推進委員会は、「市場を活用するソーシャルビジネス(社会性、事業性、革新性)の育成-日本的市民社会の構築に向けて-」をとりまとめ、発表した。育成に向けて7点を提言。年末調整での寄付金控除適用や認定NPO法人制度改正なども盛り込まれている。

公益社団法人経済同友会は、企業経営者が個人の資格で参加し、国内外の様々な課題に関して議論・政策提言を行っている組織。NPOに関しても積極的な活動を行っており、NPO支援税制についても多くの提言がある。

参考ニュース「同友会、NPOとの優秀連携事業を紹介」(2007/06/14)
/2007/06/行政-同友会、npoとの優秀連携事業を紹介/

参考ニュース「経済同友会、認定要件緩和を提言」(2007/05/14)
/2007/05/行政-経済同友会、認定要件緩和を提言/

参考ニュース「日本経団連等、NPO支援税制の拡充求める」(2006/10/06)
/2006/10/行政-日本経団連等、npo支援税制の拡充求める/

参考ニュース「経済同友会、NPOの活動見学報告」(2006/09/05)
/2006/09/行政-経済同友会、npoの活動見学報告/

参考ニュース「経済同友会、NPOへの提言」(2005/07/22)
/2005/07/行政-経済同友会、npoへの提言/
※NPO・社会起業研究会 提言(2005年7月6日)
「社会変革に挑むNPOには優れた経営者と志ある資金が必要である」

今回発表された「市場を活用するソーシャルビジネス(社会性、事業性、革新性)の育成-日本的市民社会の構築に向けて-」をとりまとめたのは、2009年度「NPO・社会起業推進委員会」。2009年度経済同友会内で13設置された委員会・PTの一つで、「NPO・社会起業の活性化に向けた検討と具体的実践」を行う。ヒゲタ醤油取締役社長の濱口敏行氏が委員長を務め、46名の企業経営者が参加。

2007年~2009年にかけて調査・議論してきた成果を今回の提言にまとめた。とりまとめに至るまでには、NPO・社会起業関係者や研究者などを招いた委員会を20回強開催。2008年度には米国、2009年度には英国はじめ欧州を訪れ、視察・調査も行った。

構成は下記の通り。
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概要

第一部
はじめに-政府・企業・市民各セクターの協働による新しい価値創造
1.社会的課題と市民社会
2.ソーシャルビジネスこそが新しい希望である
3.ソーシャルビジネス育成に向けた7つの提言
4.経済同友会のソーシャルビジネス支援宣言
5.市民社会の曙光、未来に向かって
おわりに

第二部
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提言のポイントは、市民セクター、特に「ソーシャルビジネス」への高い期待とその英国型モデルによる育成。

複雑多様化する社会的課題に対して、「政府の失敗」「市場の失敗」が存在し、十分な解決が図られていないとして「『市民セクター』による解決」や「『市民セクター』を一つのドライバーとした『市場の進化』」を強調。

日本の市民セクターは、毎年増大しているものの、米国や英国と比較して、まだまだ成長余地があると述べている。

「市場の進化」については、従来の経済性だけでなく、社会性と人間性が加わった(トレードオン)された市場「進化した市場」のあり方を説明。元ハーバードビジネススクール教授のジェド・エマソン氏による「BVP(Blended Value Proposition):営利・非営利を問わず経済的、社会的、環境的価値からなるBlended Valueを追求」や、アショカ財団創設者のビル・ドレイトン氏による「HVAC(Hybrid Value-added Chain)」を紹介しながら、企業(営利組織)とNPO(非営利組織)の接近とそれに対応した市場の必要性に触れている。

それらを受ける形で、伝統的・慈善型NPOの財源不足や非効率性、市場の優位性などから「ソーシャルビジネスこそが新しい希望である」として、社会性・事業性・革新性を兼ね備えたソーシャルビジネスに高い期待を表明。ソーシャルビジネス育成に向けて、下記7点を提言している。

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ソーシャルビジネス育成に向けた7つの提言

(1)日本は、英国を参考とし、「民」主体でありながら、政府がバックアップする新日本流で、ソーシャルビジネスを育成していくべきである。
(2)政府はソーシャルビジネスを育成するため、「新しい公共」宣言で提唱された方向に沿った政策を早急に実行していくべきである。法人格・税制度・規制緩和
(3)官民一体となってソーシャルビジネス推進イニシアティブの活動を進めていくべきである。
(4)ソーシャルビジネスに、能力のある人材が向かっていく環境が整備されなければならない。
(5)企業とソーシャルビジネスは、協働して社会的課題の解決にあたらなければならない。
(6)ソーシャルビジネスの経営者は、強い気概と独立心を持って、ミッションとする社会的課題の解決とともに事業の継続性を図らねばならない。さらに、社会から信頼されるソーシャルビジネスになるためには、自らガバナンスを構築し、第三者評価に耐えうるものにしなければならない。
(7)ソーシャルビジネスに資金を供給するため、ソーシャルファンドを育成するべきである。

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●新日本流ソーシャルビジネス発展のイメージ
7つの提言に当たっては、日本におけるソーシャルビジネス発展の方向性を検討。革新的サービスと社会的インパクトを生み出している米国が圧倒的に先進的としながらも、その背景にはベンチャー精神と支援層の厚みがあるとして、日本での米国モデルは難しいと指摘。

日本の市民セクターの現状は、英国や欧州型に近いとして、ソーシャルビジネスを政府のバックアップの下で育成していく英国型が日本に親和的であるとした。単なる下請け業者とならぬよう事業性・革新性の重要性に留意しつつ、英国ブレア政権が採用した公共事業の委託事業化やコンパクト(政府とサードセクターとの協約)、フルコストリカバリー(事業契約時の間接経費を含めた包括的経費積算)などの政策が参考になると述べている。

●ソーシャルビジネス発展の環境整備
ソーシャルビジネス発展の環境整備に関しては、政府の「新しい公共」円卓会議がまとめた「新しい公共」宣言を、同じ方向性と評価。具体的に以下の3点を述べている。

「新しい公共」円卓会議で提案された「社会事業法人制度」に関しては、英国ではCIC(Community Interest Company)、米国ではL3C(Low-profit Limited Liability Company)という法人形態で制度化されていることにも触れ、早急な法制化を求めている。
地域主権戦略会議が地域主権戦略大綱でまとめたNPO法人の設立認証権限移管や、公益認定の迅速化についても、早急に進めるべきとした。

税制に関しては、寄付文化の変革には寄付税制の見直しが不可欠として、税制調査会の市民公益税制PT中間報告に盛り込まれている税額控除方式の早期導入を求めている。さらに、寄付文化の醸成と幅広い市民の参加に向けて、「寄付金控除に関する年末調整の対象化」は大前提になるとして、導入に積極的な姿勢を示している。

認定NPO法人制度に関しては、認定数の少なさに触れた上で、公益法人との整合性に留意しつつも、パブリック・サポート・テスト(PST)について「社会的課題を誠実に解決しようとしているNPO 法人に対して、基準の見直しを早急にすすめるべきである。」と述べている。

最後に規制緩和についても、介護タクシーの問題を例に挙げながら、規制緩和と市場競争による淘汰を促している。

他にもソーシャルビジネスに関して、人材育成や経営者の重要性、支援を行うソーシャルファンド育成などが提言されている。

今回発表された「市場を活用するソーシャルビジネス(社会性、事業性、革新性)の育成-日本的市民社会の構築に向けて-」の全文は、経済同友会サイト内、下記ページを参照。
http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2010/100713a.html

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