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2010年12月22日 15:00

その他 : 日本初の寄付白書発行、寄付総額は1兆円

NPO法人日本ファンドレイジング協会(JFRA)(東京都 代表理事:堀田力)は、「寄付白書2010(Giving Japan2010)」を、日本経団連出版から発行した。日本で初めて、寄付の総額や動機、分野別の状況、関連トピックなどを総合的にまとめた書籍。2009年の日本の寄付総額は約1兆円と推計された。

日本ファンドレイジング協会は、日本における寄付文化の革新を目指し、2009年2月18日に設立、2010年2月にNPO法人化された団体。「ファンドレイジングセミナーやファンドレイジング研究会の開催」や「ファンドレイジング大会の開催」、「ファンドレイジングジャーナルの発行」「寄付者の権利宣言の策定」など、日本の寄付文化の革新に向けて、活発に事業を展開している。

参考ニュース「ファンドレイジング行動基準案への意見募集」(2010/12/02)
/2010/12/その他-ファンドレイジング行動基準案への意見/

参考ニュース「ファンドレイジング大会、今年は拡大開催!」(2010/11/05)
/2010/11/その他-ファンドレイジング大会、今年は拡大開/

参考ニュース「「寄付者の権利宣言」策定に向けて意見募集」(2009/12/14)
/2009/12/その他-「寄付者の権利宣言」策定に向けて意見/

今回の「寄付白書2010(Giving Japan2010)」発行もその一環。

協会は「日本社会の『寄付市場』の全体像や変化が見えないこと、すなわち、日本には毎年、どのくらいの寄付などの善意の資金の流れが存在するのかが、統計的にも不明であることが重要な課題のひとつである。」として、寄付文化の革新に向けて、寄付の現状を把握し、可視化することが重要と指摘。

寄付白書発行に向けて、昨年2009年12月に「寄付白書発行研究会(メンバーは記事末尾参照)」を立ち上げ、調査や検討を行い、計7回の会合を経て、今回の発行となった。

本書では、寄付を「自分自身や家族のためではなく、募金活動や社会貢献等を行っている人や団体に対して、金銭や金銭以外の物品(衣料品、食料品、医療品、日用品、クレジットカードのポイント、不動産など)を自発的に提供する行為」と定義。団体だけでなく個人も対象としている他、いわゆる現物寄付を含めて定義している。

また、寄付金にはいわゆるNPO向けだけでなく「国や地方自治体、政治献金、宗教団体(寺社、仏閣、協会へのさい銭・献金、檀家となっている寺院への寄付、祭礼への寄付を含む)、自治会や町内会、婦人会やPTA、地域の催事や祭事への寄付」も調査対象としている。

個人寄付やボランティア活動の現状については、2010年3月に全国の20歳~69歳の男女約1万4千人を対象に、インターネット調査を実施(調査概要は記事末尾参照)。約5千人からの回答結果(回収率:39%)を基に、推計を行って算出した。


(画像提供:日本ファンドレイジング協会)

「寄付白書2010(Giving Japan2010)」の構成は下記の通り。

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はじめに

第1章 個人寄付-だれが・なぜ・いくら・どこに
第2章 法人寄付-どんな企業が・どこに・いくら
第3章 寄付の流れ-仲介の仕組みと受け手
第4章 ボランティア-時間と労力を寄付する
第5章 政策・制度-変化の兆しが見えた1年
第6章 寄付ニュースクリップ2009
第7章 課題と展望-寄付のこれからを考える

付録
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「寄付白書2010(Giving Japan2010)」で明らかになった主な項目は以下の4点。

●1.日本の寄付市場は約1兆円、15歳以上の1/3が寄付
【日本の寄付総額・平均寄付金額】
2009年の日本における個人の年間寄付総額は5,455億円。法人寄付4,940億円と合わせて、約1兆円(1兆395億円)。2009年に寄付を行った個人は3,766万人、日本の15歳以上人口の約34%に相当すると推計される。個人の平均寄付金額は14,070円、会費では13,698円。
・個人寄付 5,455億円
・法人寄付 4,940億円

【対象別の内訳】
寄付先では宗教関連が4割強を占め、圧倒的。宗教関連以外では、国際協力や教育・研究への寄付が多かった。
・宗教関連 2,409億円(44.2%)
・宗教・政治・国・自治体以外 2,464億円(45.2%)
※具体的分野では、国際協力:662億円(12.1%)、教育・研究:425億円(7.8%)
・国・自治体 524億円(9.6%)
・政治献金 58億円(1.1%)

【個人寄付の頻度・手段】
2009年に寄付をした人の内、年間2団体以上に寄付をした人は約7割(66.6%)。
寄付手段では、募金箱が約5割(53.1%)と最も多く、次いで街頭募金(32.2%)、ポイント還元(14.8%)、クリック募金(14.7%)と続いた。

【寄付の動機・きっかけ】
2009年に寄付をした人の動機は、「毎年のことだから」が3割強(33.1%)と最多で、「他人や社会に役立ちたい」が30.9%、「自分に合った寄付方法だったから」が28.0%と続いた。
寄付のきっかけでは、「街頭で呼びかけがあったから」が3割(31.7%)と最多。「近所の人が集めに来たから」が30.8%、「関心があったから」が19.4%と続いた。

【寄付先選定の重視点】
2009年に寄付をした人の寄付先選定における重視点は、「活動趣旨・目的への共感・賛同・期待」が約6割(56.7%)と最多。ほぼ同率で「寄付金使途が明確」が55.0%、次いで「寄付方法が簡便」が29.7%だった。

【遺産寄付の意向】
遺産寄付の意思があるのは、1割強(14.7%)であった。

●2.寄付しても確定申告せず9割超、50%税額控除で2割が寄付10%以上増額意向
【寄付者の確定申告状況】
2009年に寄付をした人の内、寄付金控除について確定申告を行わなかった人は9割超(94.7%)に達した。確定申告した人(5.3%)の平均申告額は約7万円(68,203円)。
確定申告しない理由としては、「寄付した金額が控除を受けられる最低金額よりも低かったから」が約3割(28.7%)、次いで「申告により還付される金額や割合が小さいから」が24.1%、「申告制度そのものを知らなかったから」が22.7%、「申告するのが面倒だったから」が12.5%、「寄付した団体が控除対象でなかったから」が7.5%となった。

【寄付金税額控除による寄付促進効果】
2009年に寄付をした人に、10万円寄付すると仮定した際の控除率別の寄付金増額意向を尋ねたところ、寄付金の50%税額控除(税金還付)では2割(20.9%)が寄付を増額すると答えた。

【寄付促進への姿勢】
2009年に寄付をした人の内、「今後、もっと寄付が進むようになるとよい」と答えた人が約7割(73%)に上った。全体でも6割(60.8%)が寄付促進へ前向きな姿勢を示している。

●3.約4割がボランティア活動に参加。1ヶ月平均12時間活動し、10兆円に相当。
【日本のボランティア活動状況・平均活動時間】
2009年にボランティア活動を行った人は約4割(36.1%)で、活動時間は総計59.1億時間、1ヶ月平均で約12時間(12.4時間)となる。金銭換算では約10兆円(10.5兆円)に相当する。金銭寄付を行った人の5割強(54.7%)はボランティア活動へも参加している。

【対象別の内訳】
ボランティア活動先では、「自治体・町内会など」が約2割(19.3%)と最多。次いで「共同募金」が11.4%、「日本赤十字社」が8.7%、「まちづくり・まちおこし」が4.5%だった。

【ボランティアの動機・きっかけ】
2009年にボランティアをした人の動機は、「活動趣旨・目的への共感・賛同・期待」が35.0%と最多で、「お付き合い」が29.9%、「自分に合ったボランティア方法だったから」が20.5%と続いた。

【寄付とボランティア活動の関係】
2009年に寄付かボランティア活動を行った人は、4割弱(37.1%)にとどまり、寄付もボランティアもしなかった人は62.9%に達した。寄付とボランティア両方行った人は27.8%だった。

ボランティア活動を行う人は、行わない人に比較して、寄付金額が1.5倍多かった。

●4.NPOを信頼できる人は約5割、信頼性が寄付・ボランティアに影響
【組織に対する信頼性】
組織に対する信頼を尋ねたところ、信頼性(信頼できる+どちらかといえば信頼できる)は、病院が8割(79.0%)とトップ。次いで、警察・検察が64.5%、企業が57.0%、新聞・メディアが49.1%と続き、NPO・市民団体は5割(49.0%)、公益法人は約4割(37.3%)だった。

協会は「寄付白書2010(Giving Japan2010)」の最後で、今後の課題として以下の5点を指摘している。
(1)系統的な統計整備
(2)NPO/NGOの情報開示と評価
(3)寄付税制の強化拡充
(4)民間非営利団体のファンドレイジング力の向上
(5)寄付市場の拡大

日本ファンドレイジング協会常務理事・事務局長の鵜尾雅隆氏は、今回の「寄付白書2010(Giving Japan2010)」の発行について、
「日本で初めて寄付に関する白書を、民間の力で発行できた。ダイヤモンド・オンラインの2010年社会貢献10大ニュースの1位にも取り上げられた。ご協力・ご支援いただいた方々にこの場をお借りして御礼申し上げる。

寄付白書を通じた『寄付の可視化』が、寄付文化の革新に非常に重要だ。寄付白書は、一般の方にも分かりやすいよう図表も交え解説しているので、ぜひお買い求めいただきたい。

また、英語版も3月に出版する予定だ。日本における寄付の現状を幅広く世界に伝えていきたいと思う。」と呼びかけている。

「寄付白書2010(Giving Japan2010)」は2,100円で好評発売中。日本ファンドレイジング協会をはじめ、全国の書店や日本経団連出版から購入可能。

購入方法など詳細は日本ファンドレイジング協会サイト内、下記ページを参照。
http://jfra.jp/2010/12/20/gj2010/

※寄付やボランティアに関する関連調査結果については、下記関連ニュースも参考になる。

「世界寄付指数、日本は119位と低迷」(2010/10/04)
/2010/10/その他-世界寄付指数、日本は119位と低迷/

「寄付先選定は情報公開が鍵、信託協会調査」(2010/08/13)
/2010/08/その他-寄付先選定は情報公開が鍵、信託協会調/

「2009年の世帯平均寄付額は2,625円に減少」(2010/08/11)
/2010/08/その他-2009年の世帯平均寄付額は2625円に減少/

「寄付は少額で募金箱・街頭中心、シーズ調査」(2010/08/09)
/2010/08/その他-寄付は少額で募金箱・街頭中心、シーズ/

「米国の寄付総額、2009年も3.6%の減少に」(2010/06/18)
/2010/06/その他-米国の寄付総額、2009年も3.6%/

「「NPOに寄付で貢献」1割にとどまる」(2010/05/05)
/2010/05/その他-「npoに寄付で貢献」1割にとどまる/

「H20年度、企業の寄附金支出額は約5千億円」(2010/03/19)
/2010/03/その他-h20年度、企業の寄附金支出額は約5千億円/

「世論調査、文化芸術振興に9.1%が寄付」(2010/01/22)
/2010/01/その他-世論調査、文化芸術振興に9.1%が寄/

「定額給付金の寄付は0.4%、高齢者は多い傾向」(2010/01/15)
/2010/01/その他-定額給付金の寄付は0-4%、高齢者は多い傾/

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個人向けインターネット調査概要

実査期間:2010 年3月 19日~2010 年3月 24日
調査対象:2010 年3月 19日時点で全国に居住する満20~69 歳までの男女個人
(1940年3月 20日~1990 年3月 19日に生まれた男女)
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
標本数:13,892
回答完了数:5,322
有効回答数:5,121
回収率:38.3%(回答完了数/標本数)
抽出方法:ネット調査専用モニター
質問数:38 問
調査実施機関:株式会社インテージ

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寄付白書発行研究会メンバー(50音順)

阿部 陽一郎(社会福祉法人中央共同募金会 企画広報部副部長)
今田 忠(市民社会研究所 所長)
鵜尾 雅隆(NPO法人日本ファンドレイジング協会 常務理事・事務局長)
奥山 尚子(大阪大学大学院国際公共政策研究科 博士後期課程/日本学術振興会特別研究員)
岸本 幸子(NPO法人パブリックリソースセンター 理事・事務局長)
田中 皓(公益財団法人助成財団センター 専務理事)
山内 直人(大阪大学大学院国際公共政策研究科 教授)

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