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制度ニュース

2011年12月16日 13:00

東京都、改正NPO法の周知に積極姿勢

12月7日開催された東京都議会の代表質問で、都議会民主党の酒井大史議員が改正NPO法について質問を行った。東京都側の答弁では、施行前からガイドブックの作成や説明会の開催などを行い、新しい制度の周知や広報に積極的に取り組むと述べた一方、来年度当初からの認定申請に関する標準処理期間設定に対しては慎重な姿勢を示した。

来年2012年4月の改正NPO法施行に伴い、国税庁から都道府県・政令市への認定権限移管が行われる。これにより、東京都内に主たる事務所を置くNPO法人の認定事務は東京都が担当することになる。

同時に、内閣府から各都道府県への認証権限の移管も行われるため、新たに約2000法人について東京都が所轄庁となる。既存の東京都認証法人約7000法人と合わせて、4万4千あるNPO法人の2割に当たる、9000法人の所轄庁が東京都となる計算だ。

さらに、国税庁が認定を行っている現状の認定NPO法人も半数以上が東京都に主たる事務所を置く法人であることから、改正NPO法や新認定制度に関する東京都の対応・姿勢が日本のNPO活動を大きく左右すると言っても過言ではない。

こうしたことから、東京都の動向に大きな注目が集まっている。

このような中で、12月7日の東京都議会第4回定例会(12月議会)にて、都議会民主党の酒井大史議員が、改正NPO法の施行に伴う新しい認定NPO法人制度の審査体制などについて、代表質問を行った。

酒井議員は今回の改正の趣旨や経緯を振り返った上で、改正NPO法について、(1)東京都における認定申請の標準処理期間を現状の6ヶ月より短縮するべきではないか、(2)3月に見込まれるNPO法施行条例の議決から施行までの期間が短いが周知・広報を十分に行えるのか、(3)来年4月1日からスムーズで迅速な審査が行えるのか、の3点を質問した。

これを受けて、答弁に立った東京都生活文化局の井澤勇治局長は、まず標準処理期間について「今後、具体的に認定事務を行っていく中で、事務量等を見きわめ、行政手続条例に基づき適切な標準処理期間を定めてまいります。」と述べ、新制度施行当初からの設定には慎重な姿勢を示した。

次に、新制度の周知・広報については「都は、NPO法施行条例の改正前におきましても、新制度に対するNPO法人の理解を深めますため、法改正の趣旨や基本的な内容等につきまして、積極的に周知、広報活動を行ってまいります。」と、施行日前でも積極的な広報活動を行っていく方向を述べた。

最後にスムーズで円滑な審査については、「また、具体的な手続や申請上の留意点などをまとめたガイドブックの作成、配布や説明会などを実施し、法施行後、NPO法人が速やかに申請できますよう適切に対応してまいります。」と答え、ガイドブックの作成や説明会の開催等を通じて、迅速な申請を可能にする考えを示した。

シーズは現場のNPO法人が困ることの無いよう、認定権限のスムーズな移管と新制度の円滑な運用を目指して、引き続き、東京都・都議会への働きかけを強化していく。
 

 

【酒井大史議員 代表質問 該当部分抜粋】

(新しい公共について)

次に、新しい公共について伺います。

新しい公共という考え方は、私たちが国家戦略の柱として、地域主権改革とともに、これからのあるべき社会像として掲げたものです。

日本では、古くから連、結、講、座、あるいは若者組などの住民組織や市井の寺子屋、隠居という名のボランティア的な活動などが活力ある市民社会を担っていました。新しい公共の考え方は、以前あったこのような社会を現在にふさわしい形で再構築することを目指すものです。

東日本大震災の被災地では、数々のボランティア活動が行われています。強制ではなくみずからの意思で支援活動をされていた多くの方々の姿は感動的であり、改めて人々のつながりと助け合いの大切さを感じさせられました。

石原都知事は、都の防災対応指針において、自助、共助の徹底について述べられています。行政依存ではなく、一人一人自立した個が、地域、社会を主体的に働きかけていく協働は、災害時には不可欠なものです。

そこで伺います。東京都においては、このような新しい公共型社会の実現を目指し、支え合いと活気のある社会を構築していくべきと考えますが、知事の所見を伺います。

(新しい公共支援事業について)

次に、新しい公共に対する支援事業について伺います。

都においては、国の交付金を受け、新しい公共の担い手となるNPO等の自立的活動を後押しし、新しい公共の拡大と定着を図ることを目的とした支援事業を二年度にわたり実施することとしています。新しい公共の場づくりのためのモデル事業の第一次募集では、既に支援対象事業が決定し、選ばれた各団体は交付金をもとに活動を開始しています。

行政と市民の間に立って、行政や企業ではできない現場に即した細やかなサービスで地域に貢献するNPO等は、決して行政の下請ではなく、住民に公益的サービスを提供する官と同等のサービスの担い手です。

したがって、今後、公益的サービスにおける住民の選択肢を広げ、住みやすい豊かな地域社会にしていくためにも、NPO等を継続して育てていく必要があります。この二年の事業が終わった後も、新しい公共に向けた取り組みを積極的に行っている団体に対し、東京都は独自の自立支援策を講じていくべきと考えますが、所見を伺います。

(NPO法改正について)

次に、新しい公共に関連し、NPO法改正について伺います。

NPO法の改正により、NPO法人認定事務が移管され、都道府県と政令市が所管庁となりました。これは、NPO法人の身近な地域でその実態に通じており、事後のチェックで監督ができる自治体が認定機関となることで、NPO団体が認定をとりやすくなるということを目的としており、都は来年度予算に認定等にかかわる事務費を要求しています。

認定の実態調査を行う手間をなるべく省き、情報公開や毎年提出される書類の事後チェックを重視することで、認定がとりやすい環境をつくることが求められます。NPO活動が盛んなアメリカでは、NPOの税制優遇認定等は書類チェックだけで、事後チェックに重きを置いているようです。

その認定処理期間においては、現在、国税庁は六カ月と定めています。これは、認定NPO法人制度がスタートして数年、認定にかかる期間が平均八カ月、長いもので二年にも及び、市民から批判が高まったことで定められたものです。しかし、実際には三カ月から四カ月で審査が終わっています。なお、国の公益法人認定の標準処理期間は四カ月です。

今回の改正NPO法では、認定にかかわる期間については、自治事務としての定めを置いていません。しかし、施行条例、施行規則で決められなくても、認定にかかわる標準処理期間は、現行の国の定めより短縮した期間を実施要領やマニュアルで定めていくべきと考えますが、所見を伺います。

改正条例案は、来年の第一回定例会に提出すると聞いています。しかし、二十四年度四月からの施行となるため、条例改正の三月議決から四月一日の施行までの期間が余りにも短いといわざるを得ません。果たしてその期間に徹底した周知、説明会等が行えるのでしょうか。

多くのNPO等の関係団体は、東京都の対応を見守っている状況ですが、万が一、四月一日からスムーズに手続ができなかった場合、彼らの活動に不利益を及ぼしかねません。迅速的確な対応が求められますが、所見を伺います。

【石原慎太郎知事 答弁】

まず、支え合いと活気のある社会の構築についてでありますが、かつて福沢諭吉は、独立の心なき者は国を思うこと深切ならず──深切は深く切るという言葉です。そして、続いて、立国は私なり、公にあらずと述べておりますが、まさに至言であると思います。

私という個人の強い意思があってこそ、国家を動かす原動力たると説いたわけでありまして、都はこれまでも公共的な課題を都民一人一人が大事な私ごととして解決にかかわる仕組みを構築してきたつもりであります。

例えば、緑の東京募金には八億円もの拠金が集まりましたし、地域で犯罪から子どもを守るため、四千ものボランティア団体が形成されましたし、事業者などの広範囲な協力によって、例のディーゼル車の規制も実現できました。

今回の東日本大震災では、災害への対応策一つをとっても、ひとり行政だけで対応することの限界と、自助、共助の取り組みの重要性を浮き彫りにしたと思います。

今後も都政の展開に当たっては、行政がその責任を果たすことは当然として、都民、企業、NPO法人など、東京に集積する多様な主体と肩を組んで、帰宅困難者対策など、防災、防犯、省エネ、環境問題などに取り組んでいかなければならないと思っております。

日本が直面する課題が最も先鋭的にあらわれております現場を持つ東京から、日本を、人々が協力し合い、ともに支えんとする心意気を備えた国として再生させ、次代に継承していきたいものだと思っております。

【井澤勇治生活文化局長 答弁】

新しい公共に関する三点のご質問にお答えいたします。

まず、新しい公共支援事業終了後における都独自の支援についてでございますが、都は、国からの交付金により、今年度から平成二十四年度までの時限事業として、いわゆる新しい公共の担い手となるNPO等の自立的活動を後押しすることを目的とした新しい公共支援事業を実施しております。

今年度におきましては、例えば、産官学が連携した里山の保全や東日本大震災の被災者に対する自立した生活再建の場の提供などのモデル事業及びNPO法人に対する研修や個別相談などの基盤整備事業に、自治体とNPO法人等が協働して取り組んでおります。

都といたしましては、この新しい公共支援事業を着実に実施し、今後につきましては、事業の効果や国の動向等を踏まえて判断してまいります。

次に、NPOの認定に係る標準処理期間についてでございます。

今回のNPO法改正によりまして、NPO法人による認定の取得を容易にするため、認定基準が緩和されますとともに、一定期間、認定要件の一部が免除される仮認定制度が新設されました。

そのため、国税庁が実施している事務がすべて都に移管されることに加え、新たに発生する事務にも的確に対応していく必要がございます。

また、現在、都内には約七千のNPO法人がありますことから、相当数の認定申請が都に寄せられるものと推定されております。

今後、具体的に認定事務を行っていく中で、事務量等を見きわめ、行政手続条例に基づき適切な標準処理期間を定めてまいります。

最後に、来年四月の改正NPO法施行に向けた迅速、的確な対応についてでございますが、都は、NPO法施行条例の改正前におきましても、新制度に対するNPO法人の理解を深めますため、法改正の趣旨や基本的な内容等につきまして、積極的に周知、広報活動を行ってまいります。

また、具体的な手続や申請上の留意点などをまとめたガイドブックの作成、配布や説明会などを実施し、法施行後、NPO法人が速やかに申請できますよう適切に対応してまいります。

 
 

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