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2005年02月18日 10:00

行政 : 民主党、災害時NPO活動支援法を立法へ

 民主党は、2月16日に開かれたネクストキャビネット(次の内閣)において、NPO法人等が行う災害時の被災者支援活動を促進するための特別法案の要綱を承認した。これは、国内外の災害時等にNPO法人等が行う救援・復興などの人道上の「事業」を「認定」することで、これらの事業に寄附をした個人や団体などの納める税を軽減するという内容。これから具体的な法案づくりに入っていく予定だ。

 

 民主党のネクストキャビネット(次の内閣)は、2月16日、同党税制調査会会長の中川正春衆議院議員(三重県2区)からの提案を受け、「特定災害が発生した地域における被災者支援活動の促進のための税制上の特例に関する法律案(仮称)要綱」を承認した。

 この動きの背景には、昨年の度重なる台風、新潟中越地震、スマトラ沖大地震・インド洋大津波などの被害に対して、NPOが柔軟かつ多様な活動を行っている一方で、「認定NPO法人制度」の抜本的改正が進まないために、多くの被災者支援NPOに適用されず、寄附が集まりにくいという現状がある。

 民主党では、認定NPO法人制度の改正に取り組む一方で、改正が実現するまでの間においても、NPOの災害時の活動を促進する目的から、今後この要綱をもとに細部をつめ、今国会に法案を提出したいとしている。

 2月16日にネクストキャビネットの承認を受けた要綱の概略は次のようなもの。

  • 政令で指定する国内外の大規模災害を「特定災害」とする。
  • 特定災害の被災者・被災地の救援・復興などのNPO法人等の行う人道活動について、一定機関が請を受け、その事業を「認定」する。
  • 認定事業への個人や団体からの寄附金を「認定寄附金」とし、3千円を超える認定寄附金は、寄附者が全額を所得から控除(団体の場合は損金算入)できるようにする。
  • 「認定寄附金」の控除は、確定申告だけでなく、年末調整でも可能とする。
  • 「認定寄附金」は、国税だけでなく地方税にも連動させることで、寄附者への支援を高める。
  • 事業の認定を行う機関は、内閣総理大臣または都道府県知事とするが、それぞれに「認定事業審査会」を設置し、認定においては、この審査会の意見を聞き、その意見を尊重しなければならない。
  • 認定事業審査会の委員の過半数は、被災者支援活動について十分な知識と経験を有する者とする。

 民主党では今後、この要綱をもとに法案作りの作業に入るが、NPOからの意見も聞いて反映させていきたいとしている。

 要綱の全文は以下のとおりである。


特定災害が発生した地域における被災者支援活動の促進のための税制上の特例に関する法律案(仮称)要綱

第一 目的

この法律は、特定災害が発生した場合において、特定災害が発生した地域における被災者支援活動に係る寄附を促進するための特例措置を講ずることにより、当該地域における被災者支援活動を促進し、もって市民が行う自由な社会貢献活動の健全な発展に資することを目的とすること。

第二 定義等

一 この法律において、次に掲げる用語の意義は、次に定めるところによるものとすること。

1 災害 暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する原因により生ずる被害(紛争により生じた被害を含む。)をいう。

2 被災者支援活動 災害に際して行われる被災者の救援、被災地の復興その他の人道上の支援のための民間による自主的な活動をいう。

3 特定災害 我が国又は海外の地域において発生した大規模な災害であって、被災者支援活動を促進することが特に必要であるものとして政令で指定するものをいう。

二 内閣総理大臣は、一の3の特定災害を指定する政令の制定をしようとするときは、第五の一の中央認定事業審査会の意見を聴かなければならないものとすること。

第三 事業の認定等

一 事業の認定

1 特定災害が発生した地域における被災者支援活動を行おうとする法人は、当該被災者支援活動に係る事業に要する費用に充てるための寄附金について第六の税制上の特例の適用を受けることができることとしようとする場合には、申請により、当該事業について内閣総理大臣又は都道府県知事の認定を受けることができる。

2 1の認定を受けようとする法人は、必要な事項を記載した申請書を、内閣府令で定めるところにより、次に定める法人の区分に従い、それぞれに定める者に対し、提出しなければならないものとすること。

  1. 都道府県知事が所管庁である法人(3.に該当する場合を除く。) 当該都道府県知事
  2. 各府省の大臣が所管庁である法人(3.に該当する場合を除く。) 内閣総理大臣
  3. 特定災害が発生した海外の地域において被災者支援活動を行おうとする法人 内閣総理大臣

3 内閣総理大臣又は都道府県知事は、2の申請を行った法人の申請に係る事業が次のいずれかに該当する場合を除き、1の認定を行わなければならないものとすること。

  1. 当該事業を行う法人の運営に法令、定款等の違反があると認められること。
  2. 申請に係る事業を、特定災害の発生の日から6月以内に開始することが困難であると認められること。
  3. 事業の計画が不適切であること。
  4. 当該法人が民法第34条の規定により設立された法人又は特定非営利活動促進法第2条第2項の特定非営利活動法人である場合にあっては、申請した計画を適切に実施することができないことが明らかであること。
  5. 当該法人が4.に定める法人以外の法人である場合にあっては、当該法人が特定災害が発生した地域における被災者支援活動を行うに十分な能力を有すると認められない法人であること。

4 内閣総理大臣又は都道府県知事は、1の認定に係る処分を行うに当たっては、認定事業審査会の意見を聴き、その意見を尊重しなければならないものとすること。

5 認定事業審査会は、国内の災害に係る活動について4の意見を述べるときは、特定災害の発生した地域を管轄する都道府県知事の意見を聴くものとすること。

6 内閣総理大臣又は都道府県知事は、1の認定を行わないときは、2の申請を行った法人に対し、遅滞なく文書によりその理由を付してその旨を通知しなければならないものとすること。

7 内閣総理大臣又は都道府県知事は、2の申請を受けた日から起算して3週間以内に認定に係る処分を行うものとすること。

二 事業の実施期間

一の1の認定を受けた事業(以下「認定事業」という。)を行うことができる期間は、特定災害が指定された日から同日以後2年を経過する日までの間とするものとすること。

三 区分経理

認定事業を行う法人は、認定事業に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならないものとすること。

四 改善命令及び認定の取消し

1 内閣総理大臣又は都道府県知事は、認定事業審査会から認定事業の実施状況の改善について意見があったときその他認定事業が適切に実施されていないと認めたときは、当該認定事業を行う法人に対して、相当の期間を定めて、その改善に必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

2 内閣総理大臣又は都道府県知事は、認定事業が次のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。

  1. 当該事業を行う法人の運営に法令、定款等の違反があると認められるに至ったとき。
  2. 申請に係る事業を、特定災害の発生の日から6月を経過したにもかかわらず開始しないとき。
  3. 当該法人が、申請した計画を適切に実施することができないことが明らかになったとき。
  4. 1の改善命令に違反したとき。

3 内閣総理大臣又は都道府県知事は、2により認定を取り消した場合において、当該認定を取り消した法人に対し、遅滞なく文書によりその理由を付してその旨を通知しなければならないものとすること。

4 認定を取り消された法人は、3の通知を受けた日から15日以内に、内閣総理大臣又は都道府県知事に対し、認定事業の終了報告書を提出しなければならないものとすること。

5 内閣総理大臣は、2により認定を取り消された法人が受領した認定寄附金(認定事業を行う法人に対する寄附金のうち、認定事業に要する費用に充てるためのものをいう。以下同じ。)の総額に相当する額から当該法人が認定を取り消されるまでの間の認定事業の実態を考慮して当該事業の遂行に必要とされる額を控除して、なお残余の額があるときは、当該残余の額を国庫に納付することを命ずるものとすること。

6 内閣総理大臣は、5の認定を取り消された法人が国庫に納付した額に相当する額を認定事業審査会の意見を聴いて、他の認定事業を行っている法人その他これに類するものとして政令で定めるものに譲与するものとすること。

7 2により認定を取り消された法人がその認定の取消し前に受領した認定寄附金については、第六の税制上の特例の適用があるものとすること。

第四 認定寄附金

一 認定事業を行う法人が、認定寄附金の募集を行うことができる期間は、第三の一の2の申請の日から起算して1年を経過する日(その日が認定事業を行うことができる末日後である場合は、当該末日)までとするものとすること。

二 認定寄附金を受領する場合は、内閣府令で定めるところにより、当該認定寄附金の受領を証する書類を発行しなければならないものとすること。

第五 認定事業審査会

一 内閣府に中央認定事業審査会を、各都道府県に都道府県認定事業審査会を置くものとすること。

二 認定事業審査会は、委員五人以内をもって組織するものとすること。

三 認定事業審査会の委員は、被災者支援活動、災害対策等について十分な知識と経験を有する者のうちから、内閣総理大臣又は都道府県知事が任命するものとし、委員の過半数は、被災者支援活動について十分な知識と経験を有する者とするものとすること。

四 認定事業審査会は、第三の一の4の意見を述べるほか、認定事業の実施状況、法人から提出される認定事業の終了報告書に記載された認定事業の実績及び被災者支援活動の在り方を調査審議するものとすること。

五 認定事業審査会は、認定事業の実施状況の改善及び認定の取消しについて、内閣総理大臣又は都道府県知事に意見を述べることができるものとすること。

六 認定事業審査会は、認定事業について、その概要をインターネットその他の適切な方法により公表するものとするものとすること。

第六 税制上の特例

一 所得税法の特例

1 所得税について、居住者が3000円を超える額の認定寄附金を支出した場合には、当該認定寄附金の額の合計額(その年分の所得の金額の100分の30に相当する金額を超える場合には、当該金額)を所得から控除できるものとすること。

2 1の認定寄附金は、年末調整の対象とすることができるものとすること。

二 法人税法の特例

法人による認定寄附金については、一般寄附金の枠、特定公益増進法人等に対する寄附金の枠とは別に、これらと同額の損金算入を認めるものとすること。

三 地方税法の特例

道府県民税及び市町村民税について、所得割の納税義務者が3000円を超える額の認定寄附金を支出した場合には、当該認定寄附金の額の合計額(その年分の所得の金額の100分の25に相当する金額を超える場合には、当該金額)を所得から控除できるものとすること。

第七 普及啓発等

国は、特定災害の指定をしたときは、広報活動等を通じて当該特定災害が発生した地域における被災者支援活動の必要性についての国民の理解を深め、その推進についての国民の協力を求めるよう努めなければならないものとすること。

第八 その他

一 認定事業の認定を受けた法人は、内閣府令で定めるところにより、少なくとも毎年1回以上、認定寄附金を行った者に対し、認定事業について報告するとともに、これを公表しなければならないものとすること。

二 その他所要の規定の整備を行うものとすること。

第九 施行期日等

一 施行期日

この法律は、公布の日から起算して○月を経過した日から施行するものとすること。ただし、認定事業審査会に係る部分については、公布の日から施行するものとすること。

二 検討

国は、この法律の施行後3年以内に、市民が行う自由な社会貢献活動の健全な発展を促進するために特定非営利活動法人等に係る税制の抜本的な見直しを行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。

三 経過措置

1 この法律の施行前に発生した災害であって、この法律の施行の際現に当該災害が発生した地域において被災者支援活動を促進することが特に必要であると認められるものについては、特定災害の指定をすることができるものとすること。

2 その他所要の規定の整備を行うものとすること。

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