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業界団体的NPOの公益性の判断 投稿者:後藤  隆 投稿日:1999/12/21(Tue) 14:35:00 No.1
最近経済企画庁などの申請状況を見ていると、環境保全の分野でも
これまでなら明らかに業界団体として活動してきたであろう団体が
申請する例があり、また、個人的にもこうした相談を受けたりしま
す。基本的には継続して事業を営めるNPOが輩出することは喜ば
しいですし、認証主義ですから法が求める要件を満たしていれば認
証されるんでしょうが、明らかにその業界または会員会社の「共益」
の発展を目的とした団体が、定款の目的の書き方に問題がないから
といって、法人格を取得する例も出てくると思います。こうした場
合の「公益性」の判断は、どこですればいいいのでしょうか。
Re: 業界団体的NPOの公益性の判断 投稿者:シーズ事務局(M) 投稿日:1999/12/29(Wed) 18:31:00 No.2
基本的に法律の要件を満たしていれば、認証されるべきでしょう。

業界団体的なNPOの場合、主に問題となるのは、

1. 主たる活動の対象が「不特定多数のものの利益」かどうか。
2. 社員の資格の得喪に関して不当な条件を付けていないかどうか。
3. 特定のものの利益のために活動していないかどうか。

ということになります。

これは、純粋な共益を目的とする団体には、ハードルとなるでしょう。

以下は、松原の私見です。

業界団体的なNPOでも、この要件を満たして活動するならば、問題はないといえます。

業界団体もこの際、公益のためにがんばってもらいましょう。
そして、「公益」とは何かをみんなで考えていく一つの材料としていきましょう。

実際、共益と公益の境目ほど、実態的に、区別の難しいものはないのです。

もちろん定款に書いてあることと全く違う排除的な共益活動をしていて、法律の要件に反している場合は、べつです。

役所的な回答ではありませんが、あまり、共益と公益との区別をたてようとすると、ほとんどの相互扶助的な活動が排除されてしまいます。
あまり、めくじら立てないようにするほうがいいと思います。

営利を目的とする会社だって、赤字ばかりで、配当を出していない会社がたくさんあるのですから。

もちろん、上の3つの法律の規定に明確に著しく反している場合には、
最終的にその違反の判定は、所轄庁が行い、改善命令を出すことになります。

ただ、役所の監督を期待するのはあまり望ましいとは思えません。
Re: 事務局回答へ・・&NPOの監査についてQ 投稿者:後藤  隆 投稿日:1999/12/30(Thu) 18:43:00 No.3
後藤@環境NPO研究会です。
ご回答ありがとうございます。
なるほど、共益性がやや強い団体も、公益性の確保に注力していけば
いいということですね。「認証主義」の本旨にのっとって考えれば、
その方が理解しやすいです。ただ、一つ関連した疑問があります。
NPO法人の監査についてです。
例えば河川浄化の分野で、水をきれいにするためのある特殊な浄化法の
普及を進める団体が法人格を取得しようとする場合、定款に「環境保全」
とか、「河川の浄化により市民の健康の確保を・・・」とか入れるだけで
、(環境)NPO法人として認可されそうな気がします。それは、ご回答
の主旨にのっとればNPOのあり方の可能性が広がるという意味で歓迎
すべきですが、もしその団体が「共益」のみを追求しようと狙っていて、
NPO法人格取得はそのための手段に過ぎない(かくれみの)となると、
これはうまくない話です。
そうした場合、役所の監督が期待できないとなれば、誰が監査するんでし
ょうか。今後NPOの数が増えてくるだけに、絶対必要な機能だと思いま
すが。例えば、10月16日の税制の提言にあった「特定非営利活動促進委員
会」とかがその役も兼ねるんでしょうか。
Re: 事務局回答へ・・&NPOの監査についてQ 投稿者:シーズ事務局(M) 投稿日:2000/01/14(Fri) 21:39:00 No.4
NPOの監督を考える場合に、2つの種類の監督の方法を分けて考えることが重要です。

一つは、役所による監督です。
もう一つは、その団体のメンバーや市民による監督です。

株式会社でも監督をどうするべきか、という議論においては、
第一に、株主の権限を強化する方向性や株主に対する情報公開
といった方法の強化を検討すべきでしょう。

NPOでも同じです。

NPO内部のガバナンスをどう確保するか、が本当に議論されるべきことだと思います。

そのための監査であったり、総会であったり、会計基準であったり、
情報公開であったりするのですから。
Re: 業界団体的NPOの公益性の判断 投稿者:いさお 投稿日:2000/01/10(Mon) 21:24:00 No.5
中間法人制度の活用などは考えられませんか。
Re: 業界団体的NPOの公益性の判断 投稿者:シーズ事務局(M) 投稿日:2000/01/14(Fri) 21:34:00 No.6
中間法人制度については、今後どうなっていくのか
まだ良く分かりません。

また、シーズの関係者の間では、中間法人制度の必要性については、
疑問視する向きが多いのが現状です。

日本の非営利活動に関する法人制度は、あまりにも特別法が
つくられすぎていてつぎはぎ状態です。
やはりぼちぼち民法を改正して、非営利法人一般法的なものを
つくるべきであるというのがその理由です。

また、業界団体的なNPOといっても、
何をしているかが問題であって、しかも本当に規制する必要があるのか
どうかは疑問です。

このあたり、今月号(2月号)の法学セミナーに
雨宮松蔭女子短期大学教授が、
「NPO法~その運用の実際と見直しのポイントは何か」
という論文で、中間法人制度にもふれて書いています。
ぜひご一読ください。

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